ボブ・ケイン作の大人気DCコミックスの実写映画版「バットマン」シリーズ第4弾!
ジョエル・シュマッカーが監督を務めた、1997年製作のアメリカのヒーローアクション映画『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲!』
アメリカの犯罪都市ゴッサム・シティを舞台に、街を守るダークヒーロー「バットマン」と彼の相棒ロビンが、街を混乱に陥れようとする新たなヴィランたちと激闘を繰り広げていく姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
アーノルド・シュワルツェネッガーが悪役を演じるほか、新キャラクターが続々と登場する実写映画版「バットマン」シリーズ第4弾、映画『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲!』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲!』の作品情報
(C)Warner Bros. Entertainment Inc.
【公開】
1997年(アメリカ映画)
【原作】
ボブ・ケインの『バットマン』
【監督】
ジョエル・シュマッカー
【キャスト】
アーノルド・シュワルツェネッガー、ジョージ・クルーニー、クリス・オドネル、ユマ・サーマン、アリシア・シルヴァーストーン、マイケル・ガフ、マイケル・ガフ、エル・マクファーソン、ジョン・グローヴァー、ヴィヴィカ・A・フォックス、ジープ・スウェンソン
【作品概要】
前作『バットマン フォーエヴァー』(1995)に引き続き、『依頼人』(1994)のジョエル・シュマッカーが監督を務めた、アメリカのヒーローアクション作品。
原作はボブ・ケインの大人気DCコミックス『バットマン』であり、本作は同名キャラクターをベースに実写映画化した「バットマン」シリーズ第4弾です。
「オーシャンズ」シリーズや『ラスト・ターゲット』(2010)などに出演するジョージ・クルーニーが主演を務めるほか、「ターミネーター」シリーズのアーノルド・シュワルツェネッガーが悪役を演じています。
映画『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲!』のあらすじとネタバレ
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アメリカの犯罪都市ゴッサム・シティに、「Mr.フリーズ」という名の新しい敵(ヴィラン)が現れました。
時を遡ること2年前、オリンピック選手にしてノーベル賞を受賞した分子生物学者ヴィクター・フリーズ博士は、ゴッサム大学の研究室で、マグレガー症候群という難病の妻を、極低温保存しようとしました。
しかしその最中に事故が起き、フリーズ博士はマイナス45度の液体窒素のプールへと落下。極低温を保っていなければ生きていけない体に変異してしまいました。
そのためフリーズ博士は、体温調節を保つため、ダイヤを動力源とする冷却スーツを着ていなければ生きていられません。
そしてフリーズ博士は、「フリーズ・ガン」という武器を使ってあらゆるものを凍らせるヴィラン、「Mr.フリーズ」へと変貌を遂げてしまいます。
フリーズ博士改めMr.フリーズの目的は、ダイヤを集めて冷凍機を完成させ、ゴッサム・シティの街を一生真冬にしてやると脅すこと。そうすれば、妻の治療法を完成させるための資金を、街から搾り取ることができるからです。
そのためMr.フリーズは、ゴッサム美術館を襲撃。古美術のセクションの守衛を氷のように凍らせ、そこに展示された大粒のダイヤを盗もうとします。
そこへ、ゴッサム・シティ市警の警視総監ジェームズ・ゴードンの要請により駆けつけた、街を守るダークヒーロー・バットマンとその相棒ロビンが登場。
アイスホッケー場と化した古美術のセクション内でダイヤモンドを巡って激闘を繰り広げていきます。
激闘の末、バットマンたちはコウモリを模した小型爆弾「バット弾」を使って、何千人もの人を凍らせる威力を持つロケットの落下を阻止しましたが、ダイヤモンドを強奪したMr.フリーズを取り逃がしてしまいました。
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同時刻。植物に異常な愛情を注ぐ植物学者パメラ・アイズリーは、植物を絶滅から救うための研究をしていました。
その研究の成功の鍵を握るのが、筋肉増強剤と毒素を配合して作った超強力な血清「毒液(ベノム)」です。
しかしそれは、彼女が助手を務める彼女が助手を務めるマッドサイエンティスト、ジェイソン・ウッドルー博士に悪用されてしまいます。
ウッドルー博士は秘密の実験室で、毒液を使った人体実験を行い、連続殺人を犯した終身刑の囚人アントニオ・ディエゴを、多大な怪力を持つ殺人兵器「死滅(ベイン)」に変えてしまいました。
それは全て、完全無欠のスーパー兵士を作り世界を征服するという、ウッドルー博士の狂った計画のためでした。
ウッドルー博士はベインを量産し、裏社会で売買して金儲けをしようと企みますが、その競りの最中にアイズリーに知られてしまいます。
ウッドルー博士はアイズリーを殺害し、競りを再開させました。しかしその後、死んだはずのアイズリーが、毒液と彼女の細胞が融合した「毒アイビー(ポイズン・アイビー)」という怪人として蘇ったのです。
そのためウッドルー博士は、唇に毒液を持つポイズン・アイビーの口づけにより殺害され、実験室を燃やされてしまいます。
「大自然の精神であり、意思でもあるあたしは母なる自然そのもの」「植物が本来の世界を奪い返す時がやってきた」
そう告げるポイズン・アイビーは、ベインを従えて実験室を去っていきました。
後日。ゴッサム天文台では、ゴッサム・シティ一の大富豪ブルース・ウェインが社長を務める産業会社「ウェイン社」が、ゴッサム天文台再建のために寄付をした、最先端の天体望遠鏡を披露する記者会見が開かれました。
そこに乗り込んだアイズリーは、ブルースにウェイン社がいかに環境破壊を止めるかを記した計画案を差し出し、星よりも自然破壊がすすんでいる地球を見るよう訴えました。
「地球は人類の母よ、人には守る義務がある」「なのにあなたは、土を崩し、海を汚し、空を黒くしている!」
これに対しブルースは、こう反論しました。「君の説は立派だが、もし暖房もできず、食料もなければ大勢の人が寒さと飢えで死ぬ」
「(自然を守るよりも)人間が優先だ」………ブルースに計画案を突き返され、冷たく突き放された挙句、アイズリーはその場にいた者全員に嘲笑されてしまいます。
そんなアイズリーに、ブルースは続けてこう言いました。「植物園の資金集めのためにダイヤのオークションを開くから、君も来い。植物を守るためのささやかな努力だ」
これに憤慨したアイズリーは、植物を守るために、人間たちへの復讐を誓いました。
「植物を弾圧し、環境を破壊する人間どもの守護者であるバットマンとロビン。まずは彼らから始末しましょう」「そしてゴッサムを、あたしの緑の楽園にするのよ」
以下、『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲!』ネタバレ・結末の記載がございます。『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲!』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
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そのまた後日。ブルースはバットマンに、ウェイン家の居候ディック・グレイソンはロビンに変身し、ダイヤのオークションを開催しました。
オークションに出されたのは、ブルースの収集品「イシスの心」という名高いダイヤです。
これはMr.フリーズを誘き寄せるための作戦でしたが、ポイズン・アイビーの邪魔が入り失敗。全ての男を惑わせるポイズン・アイビーのフェロモンにより、ダイヤを持っていたゴードンは彼女にそれを渡してしまいます。
挙句の果てに、ポイズン・アイビーのフェロモンに誘惑されたバットマンとロビンは、ダイヤを盗まれたことなど気にも留めず、相棒同士で彼女を巡って争い始めました。
そこへ、新聞でダイヤのオークションのことを知ったMr.フリーズが襲来。フリーズ・ガンを使って会場にいた人々を次々と凍らせ、ダイヤを強奪しようとします。
ポイズン・アイビーは、Mr.フリーズにもフェロモンを使い惑わせようとしますが、Mr.フリーズには全く通用しませんでした。
Mr.フリーズに目をつけたポイズン・アイビーは、素直に彼にダイヤを渡します。Mr.フリーズの手下たちと戦っていたバットマンたちは、Mr.フリーズがダイヤを持ち去っていくのを見て、すぐさま愛用の特殊車両「バットモービル」とバイクに乗って猛追しました。
街中に聳え立つ巨大な石像の体のラインに沿って滑走中、危険を顧みず猪突猛進するロビンを守るため、バットマンは彼のバイクの暗号を解読し、エンジンを強制的に停止させます。
追いかけてくるバットマンを殺すため、Mr.フリーズは自身が乗る車両に搭載したフリーズ・ガンを使い、バットモービルを凍らせました。
間一髪のところでバットマンはバットモービルから脱出し、Mr.フリーズの上に降り立ち、彼を逮捕します。
その後、バットマンはバットモービルを解凍させ、ウェイン邸の地下の秘密基地「バットケイブ」に帰還。先に戻っていたロビンと先の戦いの件で言い争い、仲違いしてしまいます。
「(Mr.フリーズが飛び移った建物までバイクでも)跳べたのに!」「脳ミソが飛び散るのがオチだ」
「僕を信じろよ。お互いを信じてこそ相棒同士だ、大事なのは信頼だ」「女のことで浮ついてたろ?」
「アイビーが僕のことを口説いたから妬いてるの?自分勝手やルールばかり、いつも押しつけてうんざりだ」
「俺のルールは命綱だ。相棒でいたいなら俺のルールに従え」「(僕のことを)信頼もしないで何が相棒だ」
数日前からウェイン邸に滞在している、ウェイン家の執事アルフレッド・ペニーワースの姪バーバラ・ウィルソンは一見、ロンドンの名門校に通う清楚でお淑やかなお嬢様に見えますが、実は夜な夜な屋敷を抜け出しては危険なバイクレースに参加し荒稼ぎしていました。
敵のレーサーが仕掛けた罠により、バーバラは危うく橋から落ちて死にかけたところを、自分を追いかけてレースに参加したディックに救われます。
ウェイン邸に戻った後、バーバラはディックに、レースに参加している理由を明かしました。
「5年前に事故で両親が死んで、スリルに浸っていると何もかも忘れられたの」「でも名門校がレースを許すわけなくて、退学に」
「レースで夢を叶えるだけのお金は稼いだわ。その夢とは、今までの養育費を叔父様に返して、惨めな仕事を辞めさせること」
「主人と僕なんて、今どき馬鹿げてる」「誇り高き叔父様が、生涯誰かに服従して終わるなんて」
これに対しディックは、「(アルフレッドと僕たちは)家族だ」と反論すると、バーバラはこう言いました。
「炊事や洗濯をするのが家族?」「それにあの皮膚…だいぶ痛みをこらえてる。彼は重病よ」
バーバラが部屋へ帰った後、2人の会話を聞いていたブルースが、ディックにアルフレッドは重病ではなく、死病を患っていることを明かしました。
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その後ブルースは、アルフレッドの元を訪ね、彼にこう言いました。「後悔はないか?終生、僕に仕えて…」
これに対し、アルフレッドはこう答えました。「ヒーローに?ありません。ただ出来ることなら、お供をして悪漢と戦いたかった」
そこへディックが現れ、ブルースにアーカム精神病院の冷却室に入れられたはずのMr.フリーズが脱走したことを知らせます。
ポイズン・アイビーがベインを従えて、Mr.フリーズをアーカム精神病院から連れ出したからです。
Mr.フリーズの隠れ家は既にゴードンたちが包囲しており、現場に到着したバットマンたちに、ゴードンはあることを知らせます。
「2日前、怪しい2人組がチャーター機で空港に到着した」「空港の警備員10人に怪我をさせ、ビジネスマンに毒を盛ってリムジンを奪った」
ゴードンが見せた空港での写真と、アーカム精神病院の防犯カメラの映像を見て、その2人組の女の方がポイズン・アイビーだとすぐに分かったバットマンたちは、フェロモンによって夢中になっていた彼女への熱が急に冷めました。
そしてバットマンたちは、Mr.フリーズの隠れ家にある冷凍保存装置で眠っている、彼の妻を発見。彼が冷凍テクで妻を保存し、妻の難病を治す治療薬の研究をしていたことを知りました。
Mr.フリーズの隠れ家に戻ったポイズン・アイビーたち3人は二手に分かれ、Mr.フリーズは燃料切れ寸前の冷却スーツの温度を保つためダイヤを取りに、ポイズン・アイビーたちはその時間を稼ぐため、バットマンたちに戦いを挑みに行きました。
しかし、バットマンたちは苦戦を強いられた挙句、ポイズン・アイビーの罠にかかったディックがバットマンを敵視するようになり、みすみす2人を逃がしてしまいます。
ポイズン・アイビーはベインと共に、自分たちの隠れ家へ帰還。サウナ室と化している隠れ家の一角に、Mr.フリーズのための冷却室を設け、先に武器とダイヤを持って戻ってきた彼にこう言いました。
「バットマンが冷凍保存装置のプラグを抜いて、あなたの妻を殺した」………その証拠として、ポイズン・アイビーはMr.フリーズの妻がつけていた雪の結晶のネックレスを渡しました。
実はこれは真っ赤な嘘で、アーカム精神病院から連れ出すほどMr.フリーズに固執しているポイズン・アイビーが、彼に妻がいることを知り激しく嫉妬し、プラグを抜いて殺害したのです。
それを知らないMr.フリーズは、愛する妻を殺された復讐心を燃え上がらせ、こう宣言しました。
「連中め、骨の髄まで凍らせてやる」「連中だけじゃない。俺の苦しみを皆にも味あわせてやる」
「俺を氷の世界に閉じ込めた者への復讐だ。永久に街を凍らせてやる!」「まずはゴッサムだ、そして世界だ!」
これを聞いたポイズン・アイビーは、Mr.フリーズを使って世界中の人間たちを凍らせ、その後に植物が地球を支配する世界を作ろうと企みます。
ポイズン・アイビーとMr.フリーズが結託した一方、バットマンたちは仲間割れし、彼らの仲裁役を担ってきたアルフレッドがついに病で倒れてしまいました。
アルフレッドの体を蝕む死病、それはMr.フリーズの妻と同じマグレガー症候群です。その初期症状があらわれたアルフレッドに、駆けつけた医師は痛み止めを処方するのが精一杯でした。
そんなアルフレッドを治す方法は、Mr.フリーズが妻を治すために使うはずだった、未開発の治療薬しかありません。
床に臥せったアルフレッドはバーバラに、あることを頼みました。「弟のウィルフレッドに、私がお仕えする2人の男の使命が記されているこのディスクを渡してほしい」
「私の仕事を弟に果たしてほしい」………しかし、ウィルフレッドが執事長を務めるミランジャポア王室は旅が多く、インド中を回っているため、アルフレッドでさえ彼を探し出すのは至難の業でした。
ところが、バーバラはウィルフレッドを見つけ出すより先に、パスワードを解読し、ブルースたちがバットマンとロビンであることを知ってしまいます。
それに気づかないブルースたちは、夜空に照らされたコウモリを模したサーチライト「バットシグナル」を見て、バットケイブへ集結。
未だ正気を取り戻せていないディックに、ブルースはこう言いました。「ポイズン・アイビーが、天体望遠鏡の献呈式典で総監が持っていたゴッサム市警の鍵を盗み、バットシグナルを変えた」
「彼女は俺たちにフェロモンをかけて惑わせ、仲間割れするよう仕向けた」「(彼女を独占したいからそう言っているんだろう?と言われて)“相棒同士は信じ合う。信頼こそ大事だ”と自分でそう言ったぞ」
「それは兄弟でも同じだ」「頼む。友人として、相棒として、そして兄弟として、俺を信じてくれ」
その後、ディックはロビンとしてバットケイブから出動し、バットシグナルが置かれたポイズン・アイビーの隠れ家へ向かいました。
到着後、余裕綽々と自分を出迎えたポイズン・アイビーに、ロビンは「恋人になる前に、君が改心した証拠を見せて欲しい」と訴えます。
これに対しポイズン・アイビーは、「Mr.フリーズは天体望遠鏡を奪って特大の銃に改造し、街を巨大な角氷にする気よ」と、Mr.フリーズがしようとしていることを明かし、毒の口づけでロビンを毒殺しようとしました。
しかし、ロビンが透明なゴムで唇を保護していたため失敗。そこへバットマンが駆けつけるも、ポイズン・アイビーが操る植物の蔓に捕まり身動きが取れません。
ロビンは植物の蔓が張り巡らされた池に沈められ、窮地に陥ったバットマンたち。するとそこへ、バーバラが新たなヒーロー「バットガール」として登場します。
実はアルフレッドは、バーバラがディスクの中身を見ることも、見た後でバットケイブへ侵入することも読んでいました。
そのため、アルフレッドはバーバラが侵入したバットケイブに、彼女用に製作したバットスーツと、2人を助けてほしいとコンピューターにメッセージを残しておいたのです。
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バーバラが体の柔らかさを活かした格闘術で、ポイズン・アイビーと激闘を繰り広げた末、ポイズン・アイビーは自身が育てた巨大な食虫植物の中へ。
彼女を倒した3人は、Mr.フリーズがいるゴッサム天文台へ向かいます。天体望遠鏡の水晶体を使い、冷凍機を完成させたMr.フリーズは、街をどんどん凍らせていきました。
ゴッサム天文台に到着後、Mr.フリーズとベインと激闘を繰り広げた3人は、見事なチームワークで彼らを粉砕。衛星網を使って、朝日が昇っているコンゴから反射鏡まで太陽光リレーを行い、凍った街を解凍しようとします。
しかし、バットマンに負けたMr.フリーズは最後の悪あがきとして、予め設置しておいた小型爆弾を起爆させ、ゴッサム天文台を爆破。
間一髪のところでアンカー付きのワイヤーを射出し、バットマンはゴッサム天文台にいた研究員2人を救出しましたが、彼らと一緒に落下した天体望遠鏡が大破してしまいます。
そこでバットマンは、ベインを倒したロビンたちと合流し、コンピューター操作で衛星の配置を変え、太陽光がゴッサム・シティに照射するよう再度調節しました。
その結果、見事街を救ったバットマンたち。バットマンはMr.フリーズにこう言いました。
「奥さんを殺したのは、俺たちじゃなくポイズン・アイビーだ」「(密かに録画したポイズン・アイビーの自供を見せて)だが安心しろ。奥さんは我々が救った」
「命を奪うのは力じゃない。救うことこそ本当の力だ、思い出せ」「フリーズ博士、頼みがある。治療薬を完成させ、奥さんと同じ病気の初期の患者を助けてくれ。そして奥さんの命も救うんだ」
バットマンの話を聞いて、良心ある元の自分に戻ったMr.フリーズは、冷却スーツの左腕に隠しておいた治療薬をバットマンに託しました。
その後、アーカム精神病院へ送られたポイズン・アイビーの元に、Mr.フリーズが彼女を凍らせにやって来ました。
翌朝。Mr.フリーズの治療薬によってアルフレッドの病が治り、ブルースたちは彼の無事を喜び合いました。
そしてブルースとディックは、新たにバーバラを仲間に加え、チームを結成しました。
映画『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲!』の感想と評価
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徒党を組んだヴィランたち
Mr.フリーズ、ポイズン・アイビー、ベインそれぞれ1人だけでも手強い能力を持っています。
それなのに、その3人が結託し、チームとして戦うなんて厄介極まりないです。
ただ氷結や植物や毒を操る力、怪力での戦い方はどれも格好良くて、ヴィランながら思わず惚れ惚れします。
また、ヴィランチームの中で一番強力な能力を持つMr.フリーズには、今までのヴィランとはまた違う一面を作中で見せていました。
それは、マクレガー症候群という難病を患った妻への深い愛です。その証拠に、Mr.フリーズは作中に登場した男性キャラの中で唯一、ポイズン・アイビーのフェロモンに惑わされませんでした。
そんなMr.フリーズの、ヴィランとなっても忘れなかった妻への深い愛に感涙します。
ヒーローコンビの仲間割れと結束
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前作『バットマン フォーエヴァー』(1995)でコンビを組んだバットマンとロビン。しかし、作中ではポイズン・アイビーのフェロモンによって、2人は敵と戦っている最中に仲間割れするほどの亀裂が生じてしまいました。
このままバットマンたちは、ヒーローコンビとしても家族としても、友人としても仲違いしたまま街を守れないという最悪な結末で終わってしまうのかとヒヤヒヤさせられます。
それが物語の後半、アルフレッド以外を簡単に信頼することができないほど用心深く、不器用で頑固者だったバットマンが、決戦前にロビンに彼を大事に思っていることを素直に伝えたこと。
そして、バットガールという心強い味方ができたことで、2人は前作以上の強い絆に結ばれ、相棒としての信頼関係が形成されました。
それは、バットマンたちのファンも観ている人も胸打たれる感動の場面です。それに加え、バットマンたち3人の見事なチームプレイで、それまで苦戦を強いられた敵を粉砕する様は、気分爽快でワクワクドキドキします。
まとめ
(C)Warner Bros. Entertainment Inc.
バットマンとロビンのヒーローコンビが、徒党を組んだヴィランチームに悪戦苦闘する、アメリカのヒーローアクション作品でした。
本作の見どころは、単体でも手強いMr.フリーズたちヴィランチームvsバットマンとロビン、3対3のチーム戦、そしてブルースたち家族の絆です。
作中たびたび衝突するブルースとディックを、まるで我が子のように見守り、2人を導く親代わりのアルフレッド。
彼が病に倒れ、ブルースとディックが酷く落ち込んでいる姿は、観ているだけで胸が痛くなります。
そんな2人を立ち上がらせ、和解させ、救ってくれたのは、バーバラもといバットガールでした。
アルフレッドとバットガールがいたから、バットマンたちは悪人と戦い街を守るという使命を果たすため、家族を守るために再び手を取り合うことができました。
血の繋がりはなくとも、本当の家族のようなブルースたち4人の姿を、チームとなったバットマンたちの戦いをもっと観ていたい。本作を観ればそう誰もが思うほど、彼らに魅了されることでしょう。
バットマンたち家族の絆に涙し、強敵との戦いに血湧き肉躍るヒーローアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。