「ハリー・ポッター」シリーズ映画化最終章完結編!
デヴィッド・イェーツが監督を務めた、2011年製作のアメリカの大ヒットファンタジー映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』。
闇の帝王ヴォルデモートと死喰い人によって、魔法省やホグワーツ魔法魔術学校がその支配下に置かれる中、ヴォルデモートを倒す唯一の手である「分霊箱」を探す旅を続けていくハリー・ポッターたちの姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
ヴォルデモートとハリー・ポッターの宿命の対決がついに完結する、「ハリー・ポッター」シリーズ最終章2部作完結編、映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』の作品情報
(C) 2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. HARRY POTTER PUBLISHING RIGHTS (C) J.K.R. HARRY POTTER CHARACTERS, NAMES AND RELATED INDICIA ARE TRADEMARKS OF AND (C) WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED
【公開】
2011年(アメリカ映画)
【原作】
J・K・ローリングの『ハリー・ポッターと死の秘宝』
【監督】
デヴィッド・イェーツ
【キャスト】
ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、ロビー・コルトレーン、レイフ・ファインズ、マイケル・ガンボン、ワーウィック・デイヴィス、ジェイソン・アイザックス、ジョン・ハート、ヘレナ・ボナム・カーター、アラン・リックマン、マギー・スミス、ジュリー・ウォルターズ、マーク・ウィリアムズ、トム・フェルトン、ボニー・ライト、ジェームズ・フェルプス、オリヴァー・フェルプス、イヴァナ・リンチ、エマ・トンプソン、デヴィッド・シューリス、ゲイリー・オールドマン、ジム・ブロードベント、マシュー・ルイス、キアラン・ハインズ、ジョン・キー、ケリー・マクドナルド、ヘレン・マックロリー、ジョージ・ハリス、ジェラルディン・ソマーヴィル、エイドリアン・ローリンズ、ドーナル・グリーソン、クレマンス・ポエジー、ガイ・ヘンリー、デヴィッド・ブラッドリー、ショーン・ビガースタッフ、デヴォン・マーレー、アルフィー・イーノック、ケイティ・ルング、ウィリアム・メリング、ジョシュ・ハードマン、ルイス・コーディス、スカーレット・バーン、アリエラ・パラダイス、ベネディクト・クラーク、エリー・ダーシー=オルデン、ロビー・ジャービス、ナタリア・テナ
【作品概要】
前作『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』(2010)に続き、「ハリー・ポッター」シリーズ第5作『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(2007)からずっとメガホンを取り続けたデヴィッド・イェーツが監督を務めた、アメリカのファンタジー作品。
原作は、イギリスの児童文学作家J・K・ローリングのファンタジー小説「ハリー・ポッター」シリーズの第7巻、『ハリー・ポッターと死の秘宝』です。実写映画では前後編の2部に分けられており、本作はその完結編となります。
主演を務めるのは、「ハリー・ポッター」シリーズで10年間主人公ハリー・ポッター役を演じてきたダニエル・ラドクリフです。
映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』のあらすじとネタバレ
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魔法界と人間(マグル)界を恐怖で支配する闇の帝王ヴォルデモートは、死の秘宝の1つ「ニワトコの杖」を手に入れました。
ヴォルデモートの配下「死喰い人(デス・イーター)」に帰還したセブルス・スネイプは、ホグワーツ魔法魔術学校の校長アルバス・ダンブルドアを殺害。
さらにホグワーツの校長として就任したことで、ヴォルデモートたちは魔法省に続き、ホグワーツも支配下に置くことができました。
一方その頃、ヴォルデモートたちに両親や大切な人たちを殺されたハリー・ポッターは、親友のロン・ウィーズリーとハーマイオニー・グレンジャーと共に、ヴォルデモートを倒せる唯一の手である「分霊箱」を探す旅を続けていました。
「不死鳥の騎士団」の新たな隠れ家となった、ウィーズリー兄弟のおばの家、ティンワースの「貝殻の家」にいる間、ハリーは魔法界唯一の銀行「グリンゴッツ銀行」で働く小鬼(ゴブリン)グリップフックと話をしました。
マルフォイ家の館を脱出する際、死喰い人ベラトリックス・レストレンジがグリップフックに、自身の金庫にあったはずの「ゴドリック・グリフィンドールの剣」が何故ハリーたちが持っているのかと問い詰めていたことを覚えていたからです。
ハリーにそのことを聞かれたグリップフックは、「本物の剣はスネイプに盗まれ、彼女の金庫には精巧に作られた偽物の剣と、興味深いものが置いてある」と答えました。
なぜスネイプが本物の剣と偽物をすり替えたのか分からないものの、ハリーたちはその興味深いものとは分霊箱のことではないかと考え、グリップフックに協力を求めます。
「金庫に入らせてやったら、その剣は貰う」という約束を交わしたグリップフックは、ハリーたちと一緒に、グリンゴッツ銀行に向かうことを承諾しました。
そしてハリーは、ダイアゴン横丁にある杖専門店「オリバンダーの店」の店主ギャリック・オリバンダーとも話をしました。
ヴォルデモートがニワトコの杖を手に入れられたのは、オリバンダーからニワトコの杖の所在を聞き出したからでした。
なぜヴォルデモートに話してしまったのか、そう問い詰めるハリーに、オリバンダーはこう答えました。
「あの人に拷問されたから。それにあの人には単なる噂を伝えただけだ」と。その証拠に、オリバンダーは心身ともに衰弱していました。
その後、ハリーは折れた杖の代わりに、ヴォルデモート陣営の本拠地「マルフォイ家の館」での戦いで奪ったスリザリン寮生であり死喰い人ドラコ・マルフォイの杖を武器とし、ロンたちと一緒にグリンゴッツ銀行へ侵入。
そこで働く小鬼ボグロッドに服従の呪文をかけ、銀行内を移動するトロッコを使って、ベラトリックスの金庫へ案内させます。
その途中で侵入者警報が発動され、トロッコが転覆し盗人落としの滝に落とされたり、金庫を見張っているドラゴンに遭遇したりしたものの、何とかベラトリックスの金庫に入れたハリーたち。
金庫内の物を触ると分裂する「双子の呪い」がかけられている金庫の中で、闇の魔法を宿した分霊箱「ヘルガ・ハッフルパフの金のカップ」を見つけました。
ハリーが「ヘルガ・ハッフルパフの金のカップ」を手にした直後、グリップフックは彼らを裏切り、剣を強奪したままボグロッドと一緒に逃走。
しかしボグロッドは、ドラゴンに燃やされてしまい、ハリーたちはグリンゴッツ銀行から出る手段を失ってしまうのです。
そこでハーマイオニーは、ドラゴンを使ってグリンゴッツ銀行から脱出しようと提案します。最初それは無謀な策だと思われましたが、これが見事に成功し、3人は無事脱出。
ドラゴンも足枷が外され、自由の身となりました。ドラゴンと別れた後、ハリーは無意識のうちにヴォルデモートの心を読み、自分たちが分霊箱を探していることがバレてしまったこと。
そしてホグワーツ城のどこかに、分霊箱が隠されていることを知りました。その分霊箱は、ロウェナ・レイブンクローに関係する品でした。
一方その頃、ヴォルデモートは死喰い人を引き連れグリンゴッツ銀行を襲撃。グリップフックたち小鬼を虐殺しました。
さらにヴォルデモートは、死喰い人ルシウス・マルフォイとその妻ナルシッサ、ドラコに全軍でハリーを捜し出すよう命じました。
以下、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』ネタバレ・結末の記載がございます。『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
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ハリーたちはホグズミード村から秘密の抜け道を使い、ホグワーツ城へ入ろうとしますが、すぐに死喰い人に見つかってしまいます。
そんなハリーたちを助けてくれたのは、ダンブルドアの弟アバーフォースでした。シリウス・ブラックが持つ鏡を使って、ハリーのことをずっと見守っていた彼は、ハリーを助けるために、マルフォイ家の館へ屋敷しもべ妖精ドビーを送ってくれたのです。
ハリーはアバーフォースに、ホグワーツ城に入るための協力を求めましたが、彼は素直に頷いてくれません。
逆にアバーフォースは、自分のことも若くして亡くなった妹アリアナのことも教えなかった兄のことを、なぜ信じることができるのかとハリーに問いかけます。
それに対しハリーは、「兄弟の事情は興味ない、戦いを捨てるのも自由。でも僕は、先生のことを信じる」と答えました。
ハリーの覚悟を知ったアバーフォースは、壁画に描かれたアリアナと一緒に、ハリーたちに協力することを決めました。
アバーフォースが家の奥に消えた直後、アリアナはハリーたちの同級生ネビル・ロングボトムを連れて戻ってきました。
彼女の壁画の裏には、地図に載っていない、ホグワーツ城へつながる抜け道があったのです。
無事ホグワーツ城へ侵入できたハリーたちは、その先でルーナ・ラブグッドやシェーマス・フィネガンら学友たちと再会しました。
ルーナたちに分霊箱探しの協力を求めた際、ハリーたちはルーナから分霊箱に関する情報を得ます。
「ロウェナ・レイブンクローの髪飾り(ティアラみたいな冠。通称、レイブンクローの失われた髪飾り)のことじゃない?」
するとそこへ、ロンの妹ジニーが現れます。半年ぶりにハリーたちと再会したジニーは、兄ハリーに危険を知らせました。
「ハリーがホグワーツにきたことが、スネイプに気づかれてしまった」………その直後、スネイプはホグワーツ城の大広間に、ミネルバ・マクゴナガルやホラス・スラグホーンら教員と、シェーマスたち生徒を呼び出しました。
そんなスネイプの前に、生徒たちに紛れ込んでいたハリーと、キングズリー・シャックルボルトやリーマス・ルーピンら「不死鳥の騎士団」、ハーマイオニーたち「不死鳥の騎士団」の関係者が現れます。
スネイプがハリーに杖を向けた瞬間、マクゴナガルはハリーを守るべく、彼と死喰い人2人を攻撃。スネイプには逃げられてしまったものの、死喰い人を倒し、彼らの支配から解放されたことに歓喜するマクゴナガルたち。
しかしその直後、ヴォルデモートはハリーをはじめ、ホグワーツの生徒や教員の心に入り込み、こう囁いたのです。
「ポッターを差し出せ、そうすれば危害は加えぬ。ホグワーツには手を出さぬ」「ポッターを差し出せば、お前たちは報われる。1時間考える時間を与えよう」
ヴォルデモートに恐怖したスリザリン寮生は、保身のためにハリーを差し出そうとしますが、マクゴナガルによって地下牢に送られました。
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マクゴナガルやネビルたちにホグワーツ城の防衛と時間稼ぎを任せ、二手に分かれて分霊箱探索と破壊に向かうハリーたち。
ハリーが寝言で言っていた蛇語を使い、「秘密の部屋」へ侵入したロンとハーマイオニーは、バジリスクの遺体から抜き取った牙で、「ヘルガ・ハッフルパフの金のカップ」を破壊しました。
それを感じ取ったヴォルデモートは激昂し、マクゴナガルたちが張った最大の防御術を破壊し、死喰い人を進軍させます。
ヴォルデモート陣営とネビルたちホグワーツの生徒と教員、不死鳥の騎士団が激闘を繰り広げる中、ハリーはルーナと、レイブンクロー寮の幽霊「ヘレナ(ロウェナ・レイブンクローの娘)」の協力のおかげで、「必要の部屋」に隠されていた分霊箱「ロウェナ・レイブンクローの髪飾り」を発見。
しかしその直後、ドラコと彼の腰巾着グレゴリー・ゴイルと、スリザリン寮生ブレーズ・ザビニが現れ、分霊箱を渡すまいとハリーを襲撃。
そこへ、「忍びの地図」を使ってハリーの居場所を特定したロンたちが駆けつけ、「ロウェナ・レイブンクローの髪飾り」を巡って争います。
しかしゴイルが放った「悪霊の火」で、たちまち火の海と化した「必要の部屋」。自身が放った「悪霊の火」を制御できなかったゴイルは、逃げる際に部屋の山から手を滑らせ死亡。
ハリーたちは偶然見つけた箒を使い、「必要の部屋」から脱出しようとしますが、その途中で死にそうになっているドラコたちを見つけたハリーの提案により、彼らも救うことに。
そうして何とか脱出したハリーたちは、バジリスクの牙を使って「ロウェナ・レイブンクローの髪飾り」を破壊しました。これで残る分霊箱は、あと2つです。
残る分霊箱の1つは、ヴォルデモートのペットである巨大な蛇ナギニでした。ハリーはヴォルデモートの心をさらに読み、ナギニの居場所を特定。
そのナギニを連れているヴォルデモートは、スネイプを尋問していました。前の主を殺した魔法使いに帰属するニワトコの杖の真の主は、前の主ダンブルドアを殺したスネイプではないかと考えたからです。
今度こそニワトコの杖の真の主となるべく、ヴォルデモートは、ナギニを使ってスネイプを殺害。スネイプは死の間際、ロンたちと一緒に駆けつけたハリーに自身の「記憶」を託します。
その直後、その場から立ち去ったヴォルデモートは、ハリーたちの心に侵入し、こう言いました。
「我が勢力を一時撤退させよう、その間に死者を尊厳を持って弔うがいい」「ハリー・ポッター。今夜、禁じられた森に来て自分の運命と向き合え」
「お前が来なければ、お前を匿うやつ全員殺す。男も女も子供も1人残らずだ」
ヴォルデモート陣営が一時撤退した後、皆がいる大広間に向かったハリーたちは、ロンの兄フレッドを含めた生徒たちや、リーマスとその妻ニンファドーラ・トンクスが死んでしまったことを知りました。
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1人校長室に向かったハリーは、「憂いの篩」を使い、スネイプの「記憶」を追体験します。
幼い頃からリリーに恋をしていたスネイプは、彼女の妹ペチュニアが「化け物」と罵る魔法をきっかけに親しくなり、親友となりました。
ホグワーツ入学後も2人は交友関係を続けていましたが、学年が上がるにつれて疎遠となっていきました。
気づけばリリーは、スネイプと犬猿の仲であるハリーの父ジェームズと結婚していました。
ホグワーツ卒業後、死喰い人となりヴォルデモートの傘下に入ったスネイプは、「闇の帝王を破る力を持つ者が現れる」という「予言」を聞き、その者が7月末に生まれるリリーの息子であることを知りました。
同じく「予言」を知っていたダンブルドアに、スネイプはリリーを隠して欲しいとお願いします。「予言」を知ったヴォルデモートが、母親もろとも男の子を殺す前に………。
しかし、ポッター夫妻が友人であったピーター・ペティグリューを信用し、隠れ家を教えてしまったせいで、彼の密告により現れたヴォルデモートに殺されてしまったのです。
ヴォルデモートの復活を予期したダンブルドアは、リリーへの愛が本物なら、リリーと同じ目をしたハリーを守って欲しいとスネイプに頼みました。
その後、分霊箱の1つ「マールヴォロ・ゴーント(ヴォルデモートの母)の指輪」を剣で破壊したダンブルドアは呪いを受け、スネイプがその呪いを右手に封じ込めました。
ヴォルデモートがドラコに自分を殺すよう命じたことと、「ドラコが失敗すれば、その役目はスネイプに引き継がれる」ことを知ったダンブルドアは、スネイプに自分を殺すよう命じました。
そうすれば、闇の帝王は密偵であるスネイプのことを完全に信頼すると思ったからです。さらにダンブルドアは、ヴォルデモートが完全に弱りきった時に、ハリーにあることを伝えるようスネイプに命じました。
「自ら盾となったリリーが呪いをはね返したことにより、破壊されたヴォルデモートの魂の一部は、そばにいた唯一の生ける魂であるハリーに宿った」
「時がきたら、ハリーはヴォルデモートの手によって死なねばならぬ」………ダンブルドアからそう言われたスネイプは、永遠に愛するリリーの息子を守ると決意し、彼女と同じ守護霊「牝鹿」をハリーの元に遣わしました。
ハリーが凍った湖の中に隠された剣を見つけ、分霊箱である銀のロケット「サラザール・スリザリンのロケット」をロンが破壊できたのは、全て彼の愛のおかげでした。
死を覚悟し禁じられた森へ入ったハリーは、ダンブルドアの形見であるスニッチを「肉の記憶」で開けます。
すると中から、ダンブルドアが指輪から取り出した、死の秘宝のうちの1つ「蘇りの石」が出てきたのです。
両親とシリウス、リーマスと再会したハリーの手から零れ落ちた蘇りの石は、地面に転がりました。
ハリーは、ホグワーツの森番ルビウス・ハグリッドを人質に取ったヴォルデモートの元を訪れ、死の呪い「息絶えよ(アバダ・ケダブラ)」を受けました。
生と死の狭間でダンブルドアと話をしたハリー。ダンブルドア曰く、ヴォルデモートが期せずして作った分霊箱「ハリー・ポッター」は、ヴォルデモート自身が死の呪いで破壊したと言います。
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翌朝。ヴォルデモートは死喰い人とハグリッドを連れてホグワーツ城に現れ、ハグリッドに運ばせているハリーの死を声高々に告げ嘲笑しました。
「ハリーは僕らのために生きた、僕らも戦う!」そうヴォルデモートに宣戦布告したネビルが、「組分け帽子」から剣を取り出した瞬間、死んだふりをしていたハリーがナギニを攻撃。
これに激怒したヴォルデモートは、ナギニとベラトリックスたちを引き連れ、ハリーたちを殺すべく進撃します。その隙に、マルフォイ一家と複数の死喰い人はヴォルデモートの元を離れ逃走しました。
ハリーがヴォルデモートの注意を引きつけている隙に、ロンとハーマイオニーがバジリスクの牙を使い、ナギニを殺そうとしますが失敗。
代わりにネビルが、剣を使ってナギニを殺しました。最後の分霊箱が破壊され、ヴォルデモートが完全に弱りきった隙を突き、ハリーは全力の魔法をぶつけます。
ヴォルデモートはニワトコの杖の真の主になったと思い込んでいますが、それは間違いです。ニワトコの杖の真の主は、ダンブルドアから杖を奪ったドラコでした。
そして、ハリーがドラコの杖を奪ったことにより、杖の忠誠心は彼に移りました。それを最後まで気づけなかったヴォルデモートは、自分の放った死の呪いにより死亡。
ヴォルデモートの死後、ハリーは手にしたニワトコの杖を真っ二つに割り、橋の下へ投げ捨てました。
それから19年後。大人になったハリーたちは、ハリーはジニーと、ロンはハーマイオニーと、そしてドラコは同級生のダフネ・グリーングラスの妹アステリア・グリーングラスとそれぞれ結婚し、家庭を持ちました。
ハリーたちがロンドンのキングス・クロス駅で、ホグワーツに入学する我が子を見送る姿を最後に、物語は幕を閉じました。
映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』の感想と評価
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ハリーとヴォルデモートの宿命の戦い
完全にハリーを殺したと思い込んだヴォルデモートは、嬉々としてネビルたちに彼の死を告げます。
そのヴォルデモートの意表を突いたハリーの先制攻撃は、ハリーが死んでしまったと思っていたネビルたち同様、本作を観ている人も皆驚かされたことでしょう。
でもハリーは、最悪の場合自分もヴォルデモートと一緒に死ぬつもりでした。そうならなかったのは、ニワトコの杖の真の主が、ダンブルドアからドラコ、ドラコからハリーに移動したからです。
ハリーが宿命の戦いを制したことに歓喜する一方、最後までその事実を知らず、愛を知らずに死んだヴォルデモートは哀れであったと感じます。
憎まれ役を演じ続けたスネイプ
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ダンブルドアを殺したことにより、彼を慕っていたハリーから憎まれてしまうスネイプ。しかしそれは、単なるドラコを庇うために取った行動ではありませんでした。
ダンブルドアを殺したのも、彼がスネイプに命じたからです。その時、いずれ分霊箱の1つであるハリーが、ヴォルデモートの手で殺されなければならないと知ったスネイプは、生涯愛し続けたリリーと同じ守護霊をハリーの元に遣わし、ハリーと剣を引き合わせました。
その事実を「記憶」を通してハリーに伝えたスネイプが、自ら望んで憎まれ役を買って出て、愛したリリーの息子を影ながら守り続けたなんて感涙します。
まとめ
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ハリーとヴォルデモートの宿命の対決と、スネイプの「記憶」に隠された衝撃的な真実が描かれた、アメリカのファンタジー作品でした。
ハリーとヴォルデモート、死喰い人と不死鳥の騎士団とホグワーツの生徒と教員が繰り広げる激闘の数々は、どれもこれまでの「ハリー・ポッター」シリーズの作品以上に迫力があり、ファンタジー映画ならではの壮大なアクション場面ばかりです。
ハリーの中にあるヴォルデモートの魂の一部を殺すために、ハリーを生かし守ってきたダンブルドアの愛情に感動させられます。
そして物語のラスト、ハリーはニワトコの杖を真っ二つに割り投げ捨てましたが、原作では破壊しません。
原作では、ハリーはニワトコの杖を墓で眠るダンブルドアに返しています。そうした原作と違うことが描かれているため、本作を鑑賞する際は最後まで見逃さないでください。
原作ファンも原作を知らない人も充分に楽しめる、ハリーとヴォルデモートの宿命の戦いを描いたファンタジー映画を観たい人に、特にオススメな作品です。