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映画『マガディーラ 勇者転生』あらすじとキャスト。上映館情報紹介も

  • Writer :
  • 富士野

映画『マガディーラ 勇者転生』は、8月31日より東京・新宿ピカデリーほか全国で順次ロードショー

インド映画界で歴代最高興行収入を叩き出し、日本でも中毒者が続出した大ヒット映画『バーフバリ』。

その2部作を作ったS・S・ラージャマウリとスタッフが『バーフバリ』以前に手掛けた作品、それが『マガディーラ 勇者転生』が日本で公開されます!

映画『マガディーラ 勇者転生』の作品情報


(C)GEETHA ARTS, ALL RIGHTS RESERVED.

【公開】
2018年8月31日(インド映画)

【原題】
Magadheera

【原案・脚本】
V・ビジャエーンドラ・プラサード、S・S・ラージャマウリ

【監督】
S・S・ラージャマウリ

【キャスト】
ラーム・チャラン、カージャル・アグルワール、デブ・ギル、スリハリ、サラット・バーブ

【作品概要】
インド映画史上歴代最高興収を記録し、日本でも絶叫上映が組まれるほどの社会現象を巻き起こした『バーフバリ』。

その監督・スタッフが2009年に製作したのが、この『マガディーラ 勇者転生』です。悲劇的な別れを経験した男女が、400年の時を経て運命的なめぐり逢いを果たすスペクタクル巨編であり、『バーフバリ』の原点ともいえる作品になっています。

S・S・ラージャマウリ監督のプロフィール

参考映像:『バーフバリ 伝説誕生』

S・S・ラージャマウリは、1973年にインド・カルナータカ州ライチュール生まれ。父親もベテランの脚本家。

ラージャマウリはCM、ETVのテレビドラマの演出などを経験し、2001年にNTRジュニア主演の映画『Student No.1』で映画監督としてデビューし、2年後に2作目の同じNTRジュニア主演で映画『SIMHADRI』(2003年/インド)を製作した。

さらに2004年に第3作となるラグビーを題材にした映画『SYE』(2004年/インド)をニティン主演で製作、3作続けて大ヒットをとばしたラージャマウリは、テルグ語映画界に期待のヒットメーカーに上り詰めていきます。

また、この『SYE』では撮影監督としてK・K・センティル・クマールが初めてラージャマウリ作品に携わり、その後もクマールは頻繁に起用されるようになりました。

2005年の映画『Chhatrapati』では、クマールと同様にラージャマウリ作品の常連となるM・M・キーラヴァーニが音楽を担当しています。

このように心強い仲間が集まって波に乗ってきたラージャマウリは、2006年にラヴィ・テジャ主演の映画『Vikramarkudu』、2007年にはファンタジー映画『Yamadonga』を製作し、批評家たちから高い評価を受けました。

そして2009年に製作したのが、本作『マガディーラ 勇者転生』です。この映画は、テルグ語映画の中で最も大きな商業的成功を収めました。

ラージャマウリは、本作でナンディ賞最優秀監督賞とフィルムフェア賞最優秀テルグ語監督賞を受賞し、インド全土にその名を知らしめました。

時を待たずして、その名はインドの外へも広がっていきます。

2012年に製作したファンタジー映画『マッキー』は第8回トロント・アフター・ダーク映画祭でアクション映画賞、特殊効果賞など9つの賞、ブラジルのファンタスポア映画祭美術賞を受賞、マドリード国際映画祭の最優秀映画賞など6つの賞にノミネートされるなど国際的にも注目されているのです。

そして、2015年に全2部作の前編となる叙事詩的映画『バーフバリ 伝説誕生』を製作し、同作はインド映画の歴代国際興行記録第2位となりました。

映画はインド国内で映画賞を総なめにしたほか、サターン賞で5つの賞にノミネートされています。

また、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭、カンヌ国際映画祭など各地の映画祭で上映されました

後編『バーフバリ 王の凱旋』は英国映画協会、モスクワ国際映画祭に招待されプレミア上映されました。

日本でも、2017年に同シリーズが公開され、絶叫上映イベントが開かれるほどの社会現象となったのは、記憶に新しいですよね。

映画『マガディーラ 勇者転生』の主なキャスト

ラーム・チャラン(バイラヴァ/ハルシャ役)のプロフィール

1985年、インド・マドラス(現在のチェンナイ)生まれ。父親のチランジーヴィもテルグ語映画の俳優。

2007年公開の『Chirutha』でいきなり主役を演じて俳優デビューを果たしました。

映画は40劇場でロングランヒットを記録。この作品の演技で高い評価を受けた彼は南フィルムフェア賞 新人男優賞とナンディ賞審査員特別賞を受賞しました。

そして2009年公開の本作『マガディーラ 勇者転生』でも主演を務め、同作の大ヒットによりテルグ語映画界のスター俳優の地位を不動のものにします。

インド映画のレビューサイトIndiaGlitzはチャランの演技を「成熟した演技」「父親を思い出させる」と評価しました。同年にはペプシコーラの広告キャンペーンタレントに選ばれています。

『マガディーラ 勇者転生』もそうですが、一つの映画で2役を演じることが多く、2013年公開の『Naayak』でマフィアのボスとソフトウェア社員の2役を、2014年公開の『Yevadu』でも再び2役を演じています。

インドの地元有力紙バンガロール・ミラーなどから「彼は2つのキャラクターのバリエーションを見事に表現している」と高い評価を受けました。

参考映像:『Dhruva』

2016年公開の『Dhruva』は興行的に成功を収め、インドの英字新聞ザ・タイムズ・オブ・インディアは「俳優として、彼は感情に訴えかけるような全ての場面で印象的に映る」と批評しています。

テルグ語映画俳優の中でも最も出演料が高い俳優の一人にも名が挙げられており、2017年からは映画プロデューサーとしても活動しています。

33歳にして既に大スターの名を欲しいままにするチャラン、ますます注目です。

映画『マガディーラ 勇者転生』のあらすじ


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1609年、ウダイガル王国。近衛軍の伝説的戦士バイラヴァは、国王の娘ミトラ姫と愛し合っていました。

しかし、王国とミトラ姫を自分のものにしようと企む軍司令官ラナデーヴの陰謀により、非業の死を遂げてしまいます。

ところ変わって400年後のインド・ハイデラバード。バイクレーサーのハルシャはある日、町で偶然にある女性の手に触れた途端、脳裏に前世の記憶が甦り、自分が戦士バイラヴァであることを思い出します。

一度はその女性を見失ってしまったハルシャでしたが、彼女、ミトラ姫の生まれ変わりであるインドゥと運命の再会を遂げ、400年越しの愛がよみがえったかと思われましたが…あの憎き男、ラナデーヴも、インドゥの従兄弟として転生しており…。


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映画『マガディーラ 勇者転生』の感想と評価


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本作は、あのバーフバリを作った監督S・S・ラージャマウリの魅力が炸裂した作品になっています。

監督は幼いころからインド神話のコミックを読んでいたということで、この『マガディーラ』も“転生”といった神話的モチーフが使用されています。

特に本作は、転生モノということで、古代インドの歴史的なファンタジーと、現代インドの世界を両方味わうことができるのです。

そして監督の作品と言えば、ハリウッド映画を凌駕する勢いの大スペクタクルロマンです。

2009年公開当時のテルグ語映画史上最高製作費である4億ルピー(約6億4千万円)をかけて作られた本作は、圧巻の出来上がり。

素直に「これどれだけお金をかけているんだろう…」というレベルのシーンのオンパレードです。すごいを通り越して面白くなってくるくらいです。

また、ストーリーもとにかくテンポが良い。1シーンごとにワクワクする出来事がおこる。これから二人はどうなっちゃうんだろうとハラハラする出来事が起こる。息つく暇もなく面白いことが続くのです。


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これ、脚本ではとても大事なことで…最初の10分でなにか面白いことが起こらないと、観客が作品に集中できなくなるといわれるくらい、こういった娯楽作品では、とにかく観客の心を揺さぶる出来事が続けざまに起こって観客の気持ちを引き離さないようにすることが大事になってきます。

あのエンターテインメント大国ハリウッドの映画業界では、企画に持ってこられた脚本をプロデューサー達が読む際、映画の最初の10分に相当する部分を読めばその作品全体の面白さがわかるとも言われています。

そういう意味で、このマガディーラは「楽しくて、感動できて、とにかくワクワクする作品が見たい」という方を十分すぎるほど満足させる作品になっています!

もちろん、みなさんがインドの映画と言われたときにイメージする、大勢のキャストでの大団円ダンスもありますよ!

まとめ


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2017年から空前の盛り上がりを見せている『バーフバリ』の原点ともいわれる『マガディーラ 勇者転生』。

『バーフバリ』シリーズが大好きな方、監督の魅力をもっと深く知るために劇場に行きましょう。

『バーフバリ』は観てないけれど話題になっていたし過去作品も興味ある…という方、やっぱり劇場に行きましょう。

あの大スペクタクルを是非スクリーンで楽しんでみてください!

映画『マガディーラ 勇者転生』は、8月31日より東京・新宿ピカデリーほか全国で順次ロードショー

本作を上映する劇場情報


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【北海道・東北地区】

北海道 ディノスシネマズ札幌劇場 8/31(金)~

宮城 MOVIX利府 8/31(金)~
宮城 フォーラム仙台 9/28(金)~

【関東】
東京 新宿ピカデリー 8/31(金)~
東京 ユジク阿佐ヶ谷 9/22(土)~

神奈川 川崎チネチッタ 8/31(金)~
神奈川 小田原コロナシネマワールド 9/7(金)~
神奈川 シネマリン 近日

茨城 あまや座 9/22(土)~

【甲信越・北陸地区】

長野 長野ロキシー 近日

石川 金沢コロナシネマワールド 9/7(金)~

福井 福井コロナシネマワールド 9/7(金)~

【中部地区】
愛知 ミッドランドスクエアシネマ 8/31(金)~
愛知 中川コロナシネマワールド 9/7(金)~
愛知 MOVIX三好 8/31(金)~
愛知 半田コロナシネマワールド 9/7(金)~
愛知 小牧コロナシネマワールド 9/7(金)~

岐阜 大垣コロナシネマワールド 9/7(金)~

大阪 なんばパークスシネマ 8/31(金)~
大阪 MOVIX堺 8/31(金)~

兵庫 神戸国際松竹 9/8(土)~
兵庫 塚口サンサン劇場 10/19(金)~

京都 出町座 9/15(土)~

【中国・四国地区】
岡山 シネマ・クレール 9/29(土)~

徳島 ufotable CINEMA 近日

【九州・沖縄地区】
福岡 KBCシネマ 近日
福岡 小倉コロナシネマワールド 9/7(金)~

長崎 長崎セントラル劇場 9/28(金)~

鹿児島 鹿児島ガーデンズシネマ 10/20(土)~

沖縄 桜坂劇場 近日

*上記の情報は8月18日現在のものです。作品の特性からセカンド上映や順次公開されることが予想されます。お出かけの際は必ず公式ホームページを閲覧してください。

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