連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第63回
ハロウィンの時期のアメリカと言えば新作ホラー映画が公開され、テレビで定番の怪奇映画が放送される、皆で恐怖を楽しむ季節です。
そして配信で映画を楽しむ習慣が普及した現在、この時期にNetflixから1本の映画が配信されました。
その映画が『ナイトティース』。夜の街でパーティーをはしごする、イケイケ美女2人組を乗せた若い運転手。しかし、彼女たちの正体は…。
あっと驚く展開のサスペンス映画、『フロッグ』(2019)を監督し一躍注目を集めた、アダム・ランドール監督の作品です。
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映画『ナイトティース』の作品情報
【配信】
2021年配信(アメリカ映画)
【原題】
Night Teeth
【監督】
アダム・ランドール
【出演】
ホルヘ・レンデボルグ・Jr.、デビー・ライアン、ルーシー・フライ、ラウル・カスティーヨ、アルフィー・アレン、シドニー・スウィーニー、ミーガン・フォックス、アレクサンダー・ルドウィグ、マーリーン・フォルテ、アッシュ・サントス、7ブライアン・バット
【作品概要】
夜の街で運転手を務めた男が、謎の美女2人を乗せたおかげで闇の世界に遭遇するバイオレンスホラー映画です。
監督は『ザ・トランスポーター ロンドン・ミッション』(2016)、『iBOY』(2017)そして、『フロッグ』のアダム・ランドール。主演は『バンブルビー』(2018)、『アリータ バトル・エンジェル』(2019)のホルヘ・レンデボルグ・Jr.。
恐ろしい美女2人組をNetflixドラマ『欲望は止まらない!』(2018~)や『ホースガール』(2020)のデビー・ライアンと、『ヴァンパイア・アカデミー』(2014)や『ダークネス』(2016)に出演のルーシー・フライが演じます。
主人公の兄役には『エル・チカーノ レジェンド・オブ・ストリート・ヒーロー』(2019)、『アーミー・オブ・ザ・デッド』(2021)のラウル・カスティーロ、『トランスフォーマー』(2007)シリーズで世界的人気を獲得し、『ローグ』(2020)に出演したミーガン・フォックスが共演した作品です。
映画『ナイトティース』のあらすじとネタバレ
昔から互いを狩りの対象としていた、人間と彼ら=ヴァンパイア。中でもロサンゼルスのボイル・ハイツは、激しい戦いの場でした。
やがて両者は停戦協定を結び平和を維持しようとします。吸血鬼は身を潜め人間は彼らの記憶を消そうと、恐怖心を忘れて誤った内容の本や映画を作ります。
その間に吸血鬼たちは、かつてない程の富を持つ巨大勢力を密かに築いていました。
吸血鬼が守る協定のルールは3つ。「人間に存在を知らせない」「むやみに餌食にしない」、そして「決して許可無くボイル・ハイツに入らない」…。
ある夜、コインランドリーにいたマリア(アッシュ・サントス)の前にジェイ(ラウル・カスティーヨ)が現れます。彼はマリアを誘いドライブに出ますが、何者かの車が追っていると気付くジェイ。
ジェイを追って来たのは「死んだ男」でした。ジェイは仲間に危機を知らせ、マリアには車で兄の元に向かうように指示します。
銃を手に怪しげな建物に入ったジェイは、何人もの逆さ吊りにされた男の体を目撃します。車を出そうとして何者かに襲われ姿を消すマリア。やがてロサンゼルスに朝日が昇ります…。
大学の講義で居眠りし、講師に注意されるペレスことベニー(ホルヘ・レンデボルグ・Jr.)。
学友の提出課題を代行し金を稼ぐ彼は、1人300ドルもするナイトクラブに誘われても行けません。彼はボイル・ハイツでミュージシャンとして成功を目指していました。
貧しくても祖母アブエラ(マーリーン・フォルテ)と慎ましく暮らすベニーの元に、兄のジェイが現れます。マリアに関わることで、今夜は仕事が出来ないジェイに代わって運転手を務めると申し出るベニー。
彼は箱から特殊なナイフを出したジェイに気付きますが、兄は事情を話しません。トラブルと秘密を抱えた様子のジェイは、結局弟に運転手の仕事を任せました。
兄から高級車を任され、客を目的地に送り届けたらすぐ戻れと厳しく言いつけられるベニー。何を聞かれても兄になりきって答えろと注意されます。
客を迎える場所は高級住宅街のビバリーヒルズです。徹夜仕事だが多額のチップが得られるとの兄の話も、自分が乗る車に浮かれ耳に入らぬベニー。
スーツで決めたものの、スニーカー履き姿のベニーは、車に乗り陽が傾き始めたロサンゼルスの街をご機嫌な気分で走ります。辺りが暗くなった頃に目的地に着きました。
ベニーが豪華な屋敷の前で待っていると、今日の顧客のブレア(デビー・ライアン)が現れました。美しい彼女に兄の名を騙るベニーは、緊張のあまりボロが出そうになります。
続いて現れたミス・モローことゾーイ(ルーシー・フライ)は、厳しい雰囲気を漂わせた美女です。彼に朝までに5か所のパーテイーを回りたいと指示するゾーイ。
車は走り出しました。ベニーにゲームと告げると、今夜が最期の夜なら何がしたいと尋ねたブレア。ベニーは自分は祖母と暮らす平凡な大学生で、そんな事は考えたこともないと答えます。
そんなベニーと”Fuck, Marry, Kill Game”(3人の名をあげ、誰とヤリたい、誰と結婚したい、誰を殺したいか答えさせるゲーム)を始める美女2人。ベニーは戸惑いますが、徐々に彼女たちに馴染んでいきました。
最初の豪華な屋敷に着くと、仮面を付けパーテイーに向かうブレアとゾーイ。2人は奇妙なアクセサリーを差し出しチェックを受け、会場に入っていきます。
同じ頃ベニーの兄ジェイは、ある男と会っていました。男に3世代続いた平和を破ることになると話すジェイ。
平和を破るのはマリアを連れ去ったヴィクター(アルフィー・アレン)だと告げる男。彼らは戦いを辞さない覚悟でした。
車で待っていたベニーに、悲鳴が聞こえます。思わず車から降りた彼は、落ちていた宝石を手に取ります。それはパーティー会場の入場チェックに使われたアクセサリーと同じものです。
車に戻るよう言われた彼の前にブレアとゾーイが現れます。酒瓶を手にご機嫌な様子の2人を乗せ、次のパーテイー会場であるホテルに向かうベニー。
地下駐車場に車を停めると、2人はホテルに入ります。残されたベニーは、彼女たちが忘れたスマホの呼び出し音に気付きます。
何度も鳴ったスマホを手にしたベニーが見たのは、彼女たちにジェイ(本来の運転手であるベニーの兄)の様子を尋ねるヴィクターからのメールでした。
何か妙なことが起きていると気付いたベニーは、兄に電話をかけます。電話に出ないジェイにメッセージを残すベニー。
彼女たちが残したカバンを開けると、膨大な数の札束が入っていました。思わずそれを手に取った彼は、札束に血が付いていると気付きます。
そこにパトカーが現れます。1台ずつ車をチェックし始めた警官を目撃し、思わず車を降りホテルに駆け込むベニー。中は古風で豪華な造りでした。
フロント係の女に声をかけられたベニーは、ここは会員制ホテルだと教えられます。人を呼ぶと言われ動揺するベニーの手に、先程拾ったアクセサリーがあると気付き謝罪したフロント係。
ブレアとゾーイと会うと彼女に伝えるベニー。フロント係は彼女たちは2人の男と会っていると告げます。
彼女の案内でブレアとゾーイの部屋に向かうベニー。別れ際にフロント係は、呑み過ぎに注意するよう告げました。
部屋には自由に傾斜できるベットに縛り付けられた男から、生き血をすするブレアとゾーイがいました。それを見て動揺し部屋を出ようとしたベニー。
いきなり掴みかかるゾーイは、彼を軽々持ち上げ壁に押し付けます。そしてジェイはいい血を持っているはずだと告げるゾーイ。
怯えたベニーは、自分は兄のジェイでは無いと打ち明けました。それを聞いたゾーイは彼を床に投げ棄てます。
やはり、こんな男がジェイである訳がないと吐き捨てるゾーイ。この男を「飲む」と言う彼女に、ブレアは役に立つかもと言い出しました。
ブレアはベニーから兄の居場所を聞き出そうとします。すると血を飲まれていた男の1人、ダニエルが目覚めます。彼は吸血される事で快楽を得ていたのでしょうか。しかしもう1人の男はゾーイに殺されたと知り、怒り出すダニエル。
自分たちは守られている、ここでの殺人は禁止だ、俺のボスが許さないと告げるダニエルをあざ笑うゾーイ。ダニエルの警告を気にも留めません。
停戦協定は無効だと言ったゾーイは彼の体を倒し、その喉にブレアが噛みつきます。その隙にベニーは逃げ出しました。
地下駐車場に逃げた彼は、そこにいた警官に2人の女に追われていると訴えます。今見たものを訴えて怪しまれ逮捕されたベニーは、警官に見た事は誰にも言うなと脅されパトカーのトランクに押し込められそうになります。
そこにブレアとゾーイが現れます。何か事情を知っている様子の警官は、2人にベニーが殺人行為を目撃したと証言したと問いただす警官。
彼を解放しろという2人に、警官はヴィクターが怒ると反論します。脅された警官は2人にベニーを引き渡しました。彼が連絡しようと操作するスマホを取り上げ、破壊するゾーイ。
同じ頃、豪華な邸宅、地下室に血を採取される多くの人間が拘束された屋敷に住むヴィクターは、高級車に乗り夜の街に繰り出します。
吸血鬼の女2人を乗せ、車を走らせたベニーは隙を見て外へ逃げ出します。しかし目の前には、後部座席にいたはずのゾーイが立っています。彼女はベニーに車に戻れと言いました。
ヴィクターは同じ吸血鬼の女、グレイス(ミーガン・フォックス)とエヴァ(シドニー・スウィーニー)の邸宅を訪れます。彼にボイル・ハイツに足を踏みいれたらどうなるか警告した、と告げるグレイス。
人間との協定を破ったヴィクターは吸血鬼仲間から追放され、命すら奪われそうになっていました。それに対し何年もの間続いた、誰を喰うか命令され人間を対等に扱う生活など刑、務所と同じと主張するヴィクター。
彼がジェイと戦争を始めたと非難するエヴァ。ジェイにはボイル・ハイツが付いている、私たちの存在が表に出れば、豪華な生活は全て消えると告げるグレイス。しかしヴィクターは追放命令に従う気はありません。
自分の部下の女たちが、グレイスの築いた吸血鬼社会のネットワークを破壊していると彼は告げます。ヴィクターは彼女たちが所属する組織に反逆するつもりでした。
停めた車の中で動揺するベニーに、落ち着けと話しかけるブレア。彼女はベニーの兄ジェイは、自分たちと敵対する一味の仲間と教えます。
ブレアはこの街を支配するのは警官でも政治家でもなく、私たち吸血鬼だと告げます。彼女はある男の元で働き、街にはそれぞれ主要地域を支配する5人のリーダーがいると話すブレア。
ヴィクターがボスかと聞かれると、ヴィクターの恋人はゾーイ、ゾーイの恋人は私と告げるブレア。自分たちは”血のクラブ”を経営してるとの言葉にベニーは困惑します。
権力が与えられず不満を抱えたヴィクターは、今夜行動を起こしました。叛乱が成功するには5人のボスを同時に始末するしかありません。
それで5か所を回っていると悟るベニー。そしてボイル・ハイツを支配しているのがベニーの兄ジェイで、彼は吸血鬼の退治方を知っていると教えられました。
ヴィクターはジェイを利用し叛乱を成功させようとします。しかしジェイは反発しヴィクターは激怒、ゾーイとブレアに彼を連れて来いと命じます。
そこで運転手に彼を雇いますが、現れたのは弟ベニーでした。ならばベニーから兄の居場所を聞き出そうとするブレア。
答えないベニーにブレアは挑発的に迫り、煙草の煙を吹きかけます。ゾーイから連絡を受けたヴィクターは、3人のリーダーを始末したと告げました。
しかしジェイを捕らえ損ね、代わりに弟を捕らえたとゾーイは報告します。ヴイクターはジェイは利用できると告げ、彼は良い血の持ち主か尋ねます。満足できる血の持ち主だと伝えたゾーイ。
ジェイと仲間たちはヴィクターを作った吸血鬼、ジオ(ブライアン・バット)の屋敷を訪ねます。しかし彼の屋敷は死体で溢れていました。
警戒しながら屋敷を探るジェイたちは、深く傷付けられたジオを発見します。今自分に必要なのは血だ、とジェイに血を求めるジオ。
ヴィクターは5人のボスを始末する気だ、自分は彼の部下の女に襲われたとジオは話します。そして彼女たちはスリー・キングスに向かったと教えるジオ。
瀕死の状態で血を求めるジオを射殺したジェイと仲間たち。その頃女吸血鬼2人組とスーパーにいたベニーは、妙な感覚に襲われていました。
ブレアに吹きかけられた煙草の煙が、彼に妙な欲望を抱かせたのでしょうか。ベニーに親し気に、からかうよう接するゾーイは、スーパーの店員が監視してると疑い、どこかに連絡していると気付きます。
テレビのニュースはビバリーヒルズで発生した大量殺人事件を報じています。いきなりカウンターの店員を取り押さえるゾーイ。
誰に電話したか追及された店員は、母親と話しただけと訴えます。彼の口をブレアがテープでふさぎ、面白半分で放置し立ち去ろうとする吸血鬼たち。
その振る舞いを非難したベニーに、少しはイカれていないと200年も生きていられないとゾーイは答えます。
彼女たちを乗せ、ベニーが運転する車は”スリー・キングス”に向かいます…。
映画『ナイトティース』の感想と評価
かつてホラー映画の”スクリーム・クイーン”といえば悲鳴を上げ逃げまどい、身持ちが悪ければ殺され堅ければ生き残る、実に理不尽な描かれ方が当たり前の時代もありました。
女性たちが強くなったとされる現在、ホラー映画の中の女性たちの役割も変わりました。襲われれば逆襲に転じ、知恵と勇気で敵を出し抜きます。役柄の多様化が進むと、悪の側で活躍するキャラクターまで誕生します。
吸血鬼映画には、かつてベラ・ルゴシやクリストファー・リー演じたドラキュラ伯爵に忠実に従う、美しいが没個性的な女吸血鬼たちがいました。
このような過去の作品と比較すると『ナイトティース』に登場する女吸血鬼、ブレアとゾーイがいかに個性的で、露出度は低くとも魅力的な存在で、あらすじネタバレでは表現できないほどバイオレンス溢れる大活躍を見せていると気付かされるでしょう。
この姿を楽しむには映画をご覧頂くしかありません。ゾーイを演じたルーシー・フライはインタビューで、私とブレアを演じたデビー・ライアンは、すぐに友情と信頼関係を結べたと語っていました。
その友情を映画の中の登場人物、ゾーイとブレアのキャラクターの関係に反映させ、役柄を深めることが出来たのは幸運だったと振り返っています。
魅力的な女ヴァンパイアたちの背景を紹介
この映画のためにデビー・ライアンはボクシングを、私はマーシャルアーツの訓練をしたと話すルーシー・フライ。2人は共にスタントのトレーニングを行い、撮影現場で共に闘っている時に、友情をさらに確認したそうです。
ルーシー・フライは映画『ヴァンパイア・アカデミー』で吸血鬼役を演じていました。この役を演じるのは、悪者であること、生意気であること、そして激しく演じることを楽しむことだと語っていました。
監督のアダム・ランドールは、私が望むよう演じる自由を与えてくれたと話すルーシー・フライ。主人公ベニーに向かって叫んだり、様々な演技を解放する事を認め、まるで「どんな方向にでも行け」と応援してくれるような演出だと証言しています。
一方で彼女は、監督と悪のヴァンパイア・ヴィクター役のアルフィー・アレンと共に、映画に描かれないキャラクターのバックボーンについて話し合いました。
200年生きた女吸血鬼、ゾーイは西部開拓時代にヴィクターと出会ったはず。その状況を話し合い、キャラクターの造形を深めていきます。
そしてゾーイが1970年代に吸血鬼にしたブレアとは、彼女が自分と同じ体験を重ねる事で友情・そして愛情を深めたとのストーリーをデビー・ライアンに話します。
デビー・ライアンはヴァンパイア・ゾーイの人生は、自分が演じたブレアにとって青写真のようなものだと説明しています。吸血鬼としての生を選んだことも、悦びも未来も破壊的行為も、ゾーイの経験から示されたものと解釈していました。
仲良い不良娘のガーリー・ムービーのようなブレアとゾーイの関係性。それを監督は軽いタッチで演出し、出演者たちと脚本家を交えたミーティングを行い、脚本のセリフはどんどん書き変えられたと振り返っています。
吸血鬼映画は現代社会の風刺劇
吸血鬼映画である本作。しかし劇中のセリフにもあるように、ロサンゼルスを舞台にしたストリート・ギャングの抗争劇でもあります。同時に様々な人種・移民にあふれ、貧富の差が激しいこの街を風刺する寓話とも呼べるでしょう。
本作と同じLAを舞台にした映画『エル・チカーノ レジェンド・オブ・ストリート・ヒーロー』で、メキシコ系移民のヒーローを演じたラウル・カスティーヨ。彼は本作でも密かに街の住人を守り闘う男ジェイを演じています。
LAは多面的な都市で、地域により別の街に感じられる。本作は吸血鬼を使いそれを美しく比喩的に捉えた、LAの物語だと説明しているラウル・カスティーヨ。この意見に多くの方が同意するでしょう。
主人公ベニーは、ドミニカ系の俳優ホルヘ・レンデボルグ・Jr.が演じました。彼は吸血鬼が持つ独自のルールは、実にエキサイティングだと語っています。
ヴァンパイアは不死性を持つ唯一のモンスターと言っても良い存在で、故に本質的にセクシーな何かを持っていると話しているホルヘ・レンデボルグ・Jr.。
自分は『トワイライト』シリーズは好きだが、吸血鬼映画はあまり見ていないと話す彼ですが、ジム・ジャームッシュ監督の『オンリーラヴァーズ・レフト・アライヴ』(2013)の設定には興味をそそられたと語っています。
誰かとたむろするのは良いことだと言い、自分が吸血鬼なら、まず約125年生きたいと冗談を語るホルヘ・レンデボルグ・Jr.。1000年生きても、まず100年が大きな人生の分岐点。パートナーと距離を置き、互いに経験したものを見せあう。
そんな”ヴァンパイア的ライフスタイル”が理想、と彼は話しています。本作のラストの後の、ベニーとブレアの人生を想像するヒントが隠されているかもしれません。
まとめ
巻き込まれ型主人公と、美しく強いガーリーなヴァンパイア2人組の織りなすホラー・アクション映画『ナイトティース』。都市を舞台にした抗争劇、ヤンキー映画のように楽しめる展開です。
ただしこの抗争劇が判りにくい…ヴァンパイア側の組織も、人間側の組織も説明不足で、どんな理由で誕生しどんな活動をしているのかいま一つ不明。どんな因縁から戦いになったのやら。
また洒落にならない扱いの、主人公の兄・ジェイの恋人マリア…。このエピソードだけでなく、駆け足で進むストリートギャング&ヴァンパイア抗争劇は、もう少し時間をかけ説明して欲しいところ。
まあ限られた映画の上映時間の中で物語るには、やむを得ない展開でしょうか。そして各ヴァンパイアギャング(?)の頭に、気になる俳優が出ているのも嬉しいところ。
『ウィッチマウンテン/地図から消された山』(2009)や『バッドボーイズ フォーライフ』(2020)のアレクサンダー・ルドウィグ、ドラマ『マッドメン』(2007~)や『ダーリン』(2019)のブライアン・バット、そしてミーガン・フォックス。
彼らの出演も見どころの一つ。…誰ですか?ミーガン・フォックスの出演時間が短すぎ、これはギャラ泥棒!と叫ぶ人は。俳優業以外の過激な言動が何かと話題の、彼女の出演を喜ぶことにしましょう。
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