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Entry 2019/08/12
Update

Netflix『全裸監督』第3話あらすじネタバレと感想。駅弁とデビュー作撮影の裏側|パンツ一丁でナイスですね〜!3

  • Writer :
  • 白石丸

連載コラム『パンツ一丁でナイスですね〜!』三丁目

Netflixオリジナルシリーズ『全裸監督』が2019年8月8日より配信中です。

伝説のAV監督村西とおるを描いた本シリーズ。

全話ラストで警察の手から逃れた村西。第三話ではついに村西と仲間たちがビニ本からAV業界に打って出ます!

【連載コラム】『パンツ一丁でナイスですね〜!』記事一覧はこちら

ドラマ『全裸監督』の作品情報


Netflixオリジナルシリーズ『全裸監督』

【総監督】
武正晴

【監督】
河合勇人、内田英治

【原作】
本橋信宏

【脚本】
山田能龍、内田英治、仁志光佑、山田佳奈

【キャスト】
山田孝之、満島真之介、森田望智、柄本時生、伊藤沙莉、冨手麻妙、後藤剛範、吉田鋼太郎、板尾創路、余貴美子、小雪、國村隼、玉山鉄二、リリー・フランキー、石橋凌

【作品概要】
80年代、ビニ本ブームを爆発させ、49番目の体位“駅弁”を生み出し、AVという言葉を日本に定着させた男・村西とおる。

エロで外交問題を起こし、前科7犯、アメリカでは懲役370年を求刑された生きる伝説を描く、Netflix限定配信ドラマ『全裸監督』が配信中です。

村西を演じるのは日本を代表する怪優となった山田孝之。

村西と深い絆で結ばれる有名女優・黒木香を演じるのはオーディションで抜擢された森田望智。

その他、満島真之介、玉山鉄二、リリー・フランキーをはじめ、カメオ出演まで含めてそうそうたる豪華キャストが出演しています。

総監督は『百円の恋』(2014)『リングサイド・ストーリー』(2017)『銃』(2018)の武正晴。

演技、演出と同じく、80年代の日本を見事に再現した美術も見所のひとつ。

すべてが世界基準のアウトロー一代記です。

ドラマ『全裸監督』第三話「ひっくり返すんだよ」のあらすじとネタバレ

1982年夏、東京都新宿。

無修正ビニ本の発売で摘発され逃亡した村西は、現地で知り合った水商売の女性・典子の家に転がり込んでいました。

村西はストリップバーで、札幌からやってきたトシと、北大神田書店を取り仕切っている北森と合流。

北森は札幌に戻って顔だけでもみんなに見せて欲しいと頼み込んできます。

別れを予感した典子は村西を抱きしめましたが、戻る意思はないと彼女に告げ、村西は合鍵を返しました。

札幌に戻ると村西とトシの指名手配写真があちこちに貼られています。

北森に呼ばれて高級ホテルにやってきた村西たちですが、集まっている支店長たちの表情がおかしいことに気づき、とっさの判断で逃げ出しました。

北森は村西たちを裏切り、警察に売ったのです。

必死に警官たちから逃げるも、武井に見つかった2人は逮捕されてしまいました。

パトカーに乗る直前、村西は武井に「人のありのままを撮って猥褻なんですか」と問いかけます。

武井は「お国が猥褻に指定したものはすべて猥褻になるってことさ」と笑いました。

収監された村西は母・こずえと面会。

こずえは大声で「オメェはもう息子じゃねえ!」と怒鳴るも、顔を寄せ「オメェの金がねえと生きていけねえから死ぬな」と囁きました。

村西の収監中、池沢はVHSの大手メーカー東京電産と結託し、アダルトビデオ界へと進出します。

立ち上げたポセイドン企画のAVは東京電産のVHSを買った客に無料で配布され、爆発的に普及。

1984年、出所した村西はビデオ店でそれを見ますが、一目見て「嘘くさい」と吐き捨てました。

立ち寄った小料理屋の女将が自分と同じ福島出身だと気づき、意気投合する村西。

陽子という女将は村西といい雰囲気になり、店の2階で情事に及びます。彼女は未亡人で、かつて夫としていた体位をせがみます。

国鉄の弁当売をしていた陽子の夫は、合体したまま相手の体を持ち上げ、駅弁のように抱えて歩き回る体位を行っていたのです。

これが後に村西の作品に出てくる新しい体位“駅弁”の発祥でした。

行為後、村西は陽子から夫婦の夜の営みを記録した映像を映写機で見せてもらいます。村西は彼女に「素晴らしいよ」と伝えました。

同じく出所したトシと合流した村西は、まだビニ本の撮影をしていた川田を誘って東京で新しいことをすると宣言。

川田は躊躇なくその場でついていくことを快諾しました。

そして3人は歌舞伎町にサファイア映像というアダルトビデオの会社を立ち上げ、前科のない川田が社長に就任します。

スタジオなどの物件を手配してくれたのは、数年の間に歌舞伎町で返り咲いていた暴力団員・古谷でした。

その頃、大学生になった恵美は、デッサンの授業で男性モデルのスケッチをしていました。

男性の陰部が隠れているのを見た恵美は、彼に見えるように足を広げてパンツを晒します。男性モデルは勃起してしまい、恵美はそれを喜々としてスケッチしました。

その夜、レストランでの食事中に、めぐみは母・加代に絵の勉強のためにイタリアに行きたいとねだりますが、加代は表情を変えてレストランを出て行ってしまいます。

深夜、加代は恵美の布団に入ってきて「一緒にいて欲しい」と泣きつきました。

ある日、村西たちの事務所に武井が来て、見張っていることを忘れるなと念を押してきます。

しかし川田は「次来るなら令状を持ってきてください」と毅然と武井を帰らせました。

そして川田は銀行の支店長にも「今一番見られているのはポルノなんですよ」と口説き落とし、融資を取り付けるなど手腕を見せます。

トシはラグビー部出身で体力自慢の後藤と、黒澤明になりたいという夢を持つオタク青年・三田村を社員として連れてきました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『全裸監督』第三話「ひっくり返すんだよ」ネタバレ・結末の記載がございます。『全裸監督』第三話「ひっくり返すんだよ」をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

そして村西の初監督作品の撮影日がやってきます。

ですが、主演女優がアダルトビデオには出たくないと言い始めます。

おまけに雇われたスタッフたちは普段は映画の現場をやっているようで、明らかにAVの現場を見下していました。

怒った村西は「お前らの糞映画より、俺のエロビデオの方をみんな手に取るんだよ」と女優もスタッフたちも追い返してしまいます。

残ったのは後藤(あだ名:ラグビー)と三田村とメイクの順子と男優だけ。

主演女優の代わりには、奈緒子という明らかに素人の女性を連れてきました。

作品の内容は怪我で甲子園を諦めた高校球児が、やけくそになって甲子園にやってきたバスをジャックして、バスガイドをグラウンドのど真ん中で犯すというもの。

少ない人員の中、ラグビーが撮影、三田村が照明、トシが音響を担当して撮影が始まりました。

村西は「甲子園の夢を失って生きる希望のない球児が、ミニスカートの天使を見て生と死を感じて犯すんだ!魂のファックだ!」と檄を飛ばし、現場の熱は高まっていきます。

村西は言葉の限り奈緒子を褒めちぎって、彼女の気分を高めます。

そしてクライマックス、マウンドの上で絶頂に達した球児が精液をバスガイドにかけ「甲子園のバカヤロー!」と叫び、バスガイドが「バカヤローはお前だよ!」と奪った拳銃で球児を射殺、背後でバスが爆発して、血と精液を浴びたバスガイドが唾を吐き捨てるという場面も、村西の手腕により一発で撮ることができました。

撮影後、焼肉屋で打ち上げをする各々がみな充実した表情でしたが、奈緒子は特にやりきった顔をしていました。

順子に頑張ったねと労われた彼女は、「私、あんまり褒められることないから」と泣き出します。

奈緒子はまた村西と仕事がしたいと言い、彼と指きりげんまんをしました。

あまりお金を持っていない彼らは、店の中で一番安い豚足をみんなで食べます。

その頃、池沢は高級ステーキを食べながら今後の展望を語っていました。

相手は武井でした。

武井は村西を適当な理由で逮捕しようかと提案しますが、池沢はメーカーが多ければ市場が拡大するため放置するよういいます。

そしてその後、ポセイドン企画の専属女優たちが合流してきて豪勢な食事が始まります。

いつかステーキをたらふく食いたいというトシに、村西はいずれ食えるようになると明言。

豚足にむしゃぶりつく村西たちと、ステーキを上品に食べる池沢たちが交互に映されます。

ドラマ『全裸監督』第三話「ひっくり返すんだよ」の感想と評価

参考:Netflix Japanの公式ツイッター

ついにAVの世界に

たった一話でビニ本で成功し警察に追われるまでの怒涛の物語を描ききった後、逮捕された村西は。とうとうこのシリーズの主題であるアダルトビデオの世界に殴り込んでいきます。

その直前に未亡人・陽子と出会い、“駅弁”という体位を知り、映像のSEXの魅力を体感する場面を入れているのが巧い点です。

原作では、村西がもっと若い頃に、池袋で出会った未亡人と関係を結んだ際に駅弁を教わったということが書かれているのですが、本作では時系列をいじってAV界参入の前に持ってきているため、ストーリーとして整理されています。

この場面はボビー・ヴィントンの名曲「ミスター・ロンリー」が流れて、曲名の通りバツイチ前科持ちで子どもたちにも会えない村西と未亡人の陽子という孤独な2人が空洞を埋めるように肌を重ねるさまが切なく描かれており心に残ります。

そこからトシたちと合流して、ノリノリのBGMで一気呵成に歌舞伎町に乗り出していく演出の緩急も見事です。

80年代の歌舞伎町の風景の再現度も驚異的で細かなポスターや看板まで当時の通り。

そしてラグビーこと後藤と三田村、メイクの順子と後の村西チームも出揃ったところで三話の目玉の初撮影の場面がやってきます。

富手麻妙の名演

撮影シーンではそれまで抑えた演技だった山田孝之が村西とおる節全開の指示を出しまくるのも見所です。

そして女優の奈緒子を演じるのは『アンチポルノ』(2016)や『娼年』(2018)でもヌードを晒し、体当たりな演技を見せた富手麻妙。

今回も見事な脱ぎっぷりを見せてくれているだけでなく、炎をバックに歩くカットの生き生きとした表情、その後の打上げで見せる涙など大胆かつ繊細な演技を見せます。

奈緒子は今後も重要なキャラになってくるので注目です。

いやらしい映像を撮っているはずなのに、それ以上に演者たちの熱量で熱くさわやかな場面に見えてしまうのが本作ならでは。

そして豚足を食べる村西たちと、ステーキを食べる池沢たちとの対比で格差を見せつつ、楽しそうなのは村西たちの方という演出。今後の逆転劇を予感させて次話に引っ張るのも、期待を高めさせ、すぐに続きが見たくなります。

まとめ

村西たちがAV業界に鮮烈な殴り込みをかけるも、宿敵・池沢と武井が裏で組んでいたことが分かるラスト。

村西たちは果たして強敵相手に業界を生き残っていけるのか。

第四話はついに村西がポルノ業界のタブーをぶち破ります。

第四話「本物」の記事をお楽しみに!

Netflixオリジナルシリーズ『全裸監督』は2019年8月8日から全世界で配信中です。

【連載コラム】『パンツ一丁でナイスですね〜!』記事一覧はこちら

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