映画『私をくいとめて』は2020年12月18日(金)より公開。
2017年に発刊された綿矢りさの著書『私をくいとめて』。
『勝手にふるえてろ』(2017)でも綿矢りさ作品に挑んだ大九明子監督が、のんと林遣都をキャストに迎えて映画化しました。
2020年12月18日(金)より全国ロードショーとなる映画『私をくいとめて』ですが、まだ主要人物のキャストが1人だけ明かされていません。
それは、みつ子の脳内アドバイザーのA。みつ子の中のもう1人の自分であり、彼女の背中を押してくれる重要なキャラクターです。
解禁されている特報動画と、有力候補であるあの俳優の過去出演作品の動画から、Aを誰が演じているのか検証していきましょう。
映画『私をくいとめて』の作品情報
【日本公開】
2020年(日本映画)
【原作】
綿矢りさ
【監督・脚本】
大九明子
【キャスト】
のん、林遣都、臼田あさ美、若林拓也、片桐はいり、橋本愛
【作品概要】
『勝手にふるえてろ』(2017)の大九明子が監督・脚本を手がけ、芥川賞作家・綿矢りさの同名小説を実写映画化。
ヒロイン・みつ子を演じるのは、近年、ますます活動の幅を広げる女優・創作あーちすと、のん。
みつ子が恋する腹ペコな年下男子・多田くん役を、話題作への出演が絶えない実力派俳優・林遣都が演じます。
映画『私をくいとめて』のあらすじ
31歳になり、おひとりさまもすっかり板についてきた黒田みつ子(のん)。
みつ子がひとりきりでも楽しく生活できているのには訳があります。脳内に相談役「A」がいるからです。
人間関係や身の振り方に迷ったときはいつも正しいアンサーをくれる、もう一人の自分「A」。
「A」と一緒に平和なおひとりさまライフがずっと続くと思っていたそんなある日、みつ子は年下の営業マン多田くん(林遣都)に恋をしてしまいます。
ひとりの生活に慣れきってしまったみつ子は、20代の頃のように勇敢になれない自分に戸惑いながらも、一歩前へふみだすことになり…。
「A」とは?
Aとは、みつ子の頭の中に住んでいる「もう一人の自分」です。
なんでも答えてくれるため、「Answer」=「A」とみつ子が名付けました。
部屋や服のコーディネイト、他人との接し方など、あらゆることに的確なアドバイスをしてくれます。
原作でのA
※この章には小説『私をくいとめて』ネタバレ・結末の記載がございます。『私をくいとめて』をまだお読みになっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
中性的で冷静な声の持ち主でいつも敬語のA。
休日に夜更かしをしていたみつ子に「そろそろ寝ましょう」と声をかけて来たのが初めの出会いです。
世話焼きでプライドが高く、自分のアドバイスが外れると落ち込んでしまうことも。
話しかけてくるのは、みつ子がひとりでいる時。誰かといるとき、みつ子が忙しくしている時はほとんど出て来ません。
小説のクライマックスで、人間関係に悩んで心が壊れそうになったみつ子を、彼が住む精神世界に引き入れます。
その姿は年齢不詳の、もち肌で色白の小太りの男性でした。メガネをかけた瞳は穏やかで優しい印象。
みつ子へ現実世界を生きる勇気を与え、Aはみつ子の中から去っていきました。
ですが、後日、家の鍵が見つからずに慌てるみつ子に鍵の場所をアドバイス。そして再び消えていきました。
特報動画のAの声
特報動画の11秒付近で、Aの声が確認できます。
のん演じるみつ子の、「ねえA、もう少し人に好かれるにはどうすればいい?」という質問に、「悲しい質問ですね」と答えるA。
また、終盤の29秒あたりでは、「週末の公園は、あなたには眩し過ぎます」と余計な一言。それに反論したみつ子が、親子連れに不審者扱いされてしまいます。
どちらのセリフも、深く包み込むような、少し憂いを含んだ男性の声です。
「A」の声を当てるキャストは発表されていませんが、この声が誰か、ネットでは話題になっており、ある俳優ではないかという声が多数あがっています。
その俳優とは、大九明子監督作『美人が婚活してみたら』(2019)にも出演していた中村倫也です。
A役は中村倫也?
参考動画:『人数の町』(2020)
実写版『アラジン』(2019)の吹き替えや、『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族』(2021)のナレーションなど、声の仕事でも活躍の場を広げている中村倫也。
また、映像だけでなく、舞台でもその演技力を発揮し、初主演を務めた舞台『ヒストリーボーイズ』(2014)にて、第22回読売演劇大賞優秀男優賞受賞しています。
舞台で培った、包容力のある低くて甘い声も魅力ですね。そんな中村倫也の声を、過去出演作の動画から確認してみましょう。
まずはこの章冒頭に掲載した、荒木伸二監督作『人数の町』(2020)から。18秒付近から、中村倫也のモノローグが始まります。
参考動画:『長いお別れ』(2019)
続けて、中野量太監督作『長いお別れ』(2019)も見てみましょう。26秒あたりから、中村倫也の声が聞こえます。
声域は、ハイバリトンくらいで、高さも質感もAの声に酷似しています。そして注意して聞いていただきたいのがセリフの語尾です。
語尾に息を乗せて喋るのが、中村倫也の台詞回しの個性であり、彼の色気を倍増させている特徴のひとつなんですが、よーく聞いてみると、Aにもその特徴が現れていますよ。
と、いうわけで、Aは中村倫也で間違い無いでしょう!原作通りなら、中村倫也は声の出演だけでなく、カメオ出演的に姿を見せてくれるかもしれませんね。
まとめ
脳内に相談役Aが爆誕した31歳おひとりさまと年下男子による崖っぷちロマンス『私をくいとめて』。
『勝手にふるえてろ』(2017)で第30回東京国際映画祭コンペティション部門・観客賞をはじめ数々の賞を受賞した、原作・綿矢りさ、監督&脚本・大九明子が再タッグを組みました。
これまでに、のん、林遣都、臼田あさ美、片桐はいり、若林拓也が出演することが発表されていますが、Aを誰が演じているのかは明かされていません。
Aの声が確認できる特報動画と、Aの声と似ていると言われている俳優の中村倫也の過去出演作動画を比較。
声の高さや質、息遣いから、Aは中村倫也が演じていると確証が持てました。
果たして公式の発表はいかに…?
映画『私をくいとめて』は2020年12月18日(金)より公開です。