サイコパスコンビvs有名刑事と若手放火調査官の戦いを描いたサスペンスアクション!
ジョン・ハーツフェルドが脚本・製作・監督を務めた、2001年製作のアメリカのサスペンスアクション映画『15ミニッツ』。
「刑事か犯人か、スターは15分のテレビ中継でつくられる」
凶悪な連続殺人犯と、殺害映像を記録し続けるその相棒によるサイコパスコンビに、ニューヨーク市警きっての有名刑事とメディア嫌いの若手放火調査官が立ち向かう姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
ロバート・デ・ニーロ主演で描く、衝撃のサスペンスアクション映画『15ミニッツ』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『15ミニッツ』の作品情報
(C)2001 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.
【公開】
2001年(アメリカ映画)
【脚本・監督】
ジョン・ハーツフェルド
【キャスト】
ロバート・デ・ニーロ、エドワード・バーンズ、ケルシー・グラマー、エイヴリー・ブルックス、オレッグ・タクタロフ、メリーナ・カナカレデス、カレル・ローデン、ヴェラ・ファーミガ、キム・キャトラル、ポール・ハーマン、ジョン・ディレスタ
【作品概要】
『トゥー・デイズ』(1998)や『ボビーZ』(2007)、『ゲットバッカーズ』(2014)などを手掛けるジョン・ハーツフェルドが脚本・製作・監督を務めた、アメリカのサスペンスアクション作品です。
『タクシードライバー』(1976)や『アンタッチャブル』(1987)、『嘘の天才~史上最大の金融詐欺~ウィザード・オブ・ライズ』(2017)などに出演するロバート・デ・ニーロが主演を務めています。
映画『15ミニッツ』のあらすじとネタバレ
(C)2001 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.
数々の大事件を解決し、マスコミに多く取り上げられているニューヨーク市警(NYPD)殺人課の有名刑事エディ・フレミングは、同僚の刑事レオン・ジャクソンと共に、火事が起きたニューヨーク市内のアパートの最上階に到着。焼死体2つを発見し、事故か事件か調べるべく現場検証を行いました。
そこへ、警官と同じ権限を持つ若手放火調査官ジョーディ・ウォーソーと、彼の同僚ボビー・コーフィンが遅れて到着。
エディたちが「ヤク中の事故死」だと推測する一方、ジョーディたちは遺体に煤がなく、被害者の男女が着ていた服に可燃性の液体がかけられていたことから、「被害者の男女が死んでから火事が起きた」と推測しました。
その証拠に、火災現場には犯人が逃走用に測ったであろうタイマーが落ちていました。
少しでも視聴率を稼ぎたいマスコミは、こぞって現場検証を終えたエディに密着取材を行い、スクープをものにしようとします。
それを遠巻きに眺めていたジョーディは、野次馬の中に何かを話したそうにしている怯えた顔の女性を目撃。
しかし、それをボビーに知らせようと一瞬目を離した隙に、その女性は現場からいなくなっていました。
消防署に戻ったジョーディたちは、署長のデクラン・ダフィからお叱りを受けます。その理由は、あたかもエディの手柄とでも言うかのように、ジョーディたちが見つけた証拠品を手に、彼が取材を受けている姿がニュースに流れていたからです。
もっと消防署の手柄だとアピールしろと言うデクランと、そもそもメディアに興味ないジョーディは反りが合いません。
その後、ジョーディたちは焼死体の身元を特定。被害者はミロス・カルロフとその妻タミナという大人しい夫妻であることが分かりました。
夜明け前、再び火災現場に赴き、何か見落としがないか探そうとするジョーディ。そこには既に、彼と同じ考えを持ったエディが来ていました。
勝手に自分の現場を荒らされたことを内心腹立てていることを、エディ本人に打ち明けたジョーディは、警察の監察の結果を尋ねます。
「監察からの報告によると、被害者の男女は火事の前に死んでいた」「ナイフの刃先がかけるほど、思いきり刺されている。よほど犯人から恨まれていたんだろう」
そう話すエディに対し、ジョーディは現場で見た女性の似顔絵を渡し、こう言いました。
「アパートの管理人は見覚えがあると言っていた。その女性は現場にいて、何か知っている様子だった。事件の目撃者かもしれない」
「なぜ犯人は死体を動かして、セックスの体位に?」「誰かに対する警告かも。埋葬を重んじる東欧人にとって屈辱的だ」
するとエディの元に、8番街のホテルで殺人事件が発生したとの報せが入ります。部屋を取ったロシア人が、売春婦を刃物で滅多刺しにしたとのことです。
ジョーディはエディに、現場へ同行させてほしいとお願いしました。エディは、彼を連れて8番街のホテルへ行き、既に現場に到着していたレオンと同僚の刑事マーフと、今回の事件を担当するミッドタウンの新米刑事トミー・カレンと合流します。
彼らと共に凄惨な殺害現場を検証したエディは、ジョーディにこう言いました。
「犯人はバスタブの中で、被害者を滅多刺しにした」「その様子を誰かがここで(血だまりの中にある足跡を見て)眺めてたんだ」
そこへ、部屋の電話機の通話記録を調べていたトミーが、エディに声を掛けます。「ゆうべ、電話を1回出張サービスにかけてる」
現場検証を終えたエディは、ジョーディを連れて、トミーに調べてもらった出張サービスの事務所へ車で向かいました。
出張サービスの店員ローズ・ハーンに聞き込みを行った結果、ホテルで殺された売春婦の名はハニー、そして似顔絵の女性は、彼女が店にスカウトしたチェコ人ダフネ・ハンドローバであることが判明。
そしてローズ曰く、エディたちがここへ来る前に、ダフネのいとこだと言う2人組の男が現れ、ダフネのことを聞いていったと言います。
そのうちの1人はビデオを撮っており、ローズは男たちにダフネの勤め先である「ルードウィッグ」という美容室の場所を教えて帰しました。
その男たちが、カルロフ夫妻とハニーを殺害した犯人だと悟ったエディたちは、ルードウィッグへ急行。その道中、各方面にそのことを伝え、応援を要請しました。
しかし彼らより一足先に、カルロフ夫妻とハニーを殺害したロシア人エミル・スロヴァクと、撮影が趣味の彼の相棒のチェコ人ウルグ・ラズグルが、ダフネの元へ襲来。
ウルグがタイムズスクエアで盗んだ高性能のビデオカメラで撮影する中、エミルはダフネに詰め寄りこう言いました。
「俺は気が短い、すぐにブチキレる」「(カルロフ夫妻を)殺す気はなかった」「看守にリンチされても、弟のような存在であったミロスの名は吐かなかった」
「お前を殺したくねえが、もし警察にタレこんだら、ぶっ殺す」………エミルはダフネに、タミナが着けていたネックレスを渡し、ウルグと共にその場から立ち去りました。
以下、『15ミニッツ』ネタバレ・結末の記載がございます。『15ミニッツ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
(C)2001 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.
実は、被害者のミロスとエミルたちは、昔銀行強盗をやった仲間でした。女性に目がないウルグが、女性行員をナンパしたせいで、エミルたちだけが警察に逮捕され、刑務所に服役。
出所後、アメリカへ来日し、ミロスから分け前をもらおうとしました。ところが、ミロスはエミルたちに渡すはずだった分け前を、高級腕時計やネックレスなどを買って使い果たしていたのです。
それにブチギレたエミルは、ミロスを台所にあったナイフで滅多刺しにして殺害。さらにタミルの首の骨を折って殺害します。その様子を、ウルグはビデオカメラで撮影していました。
アパートにいたダフネに犯行現場を目撃され、エミルは慌てて追いかけるも、ダフネに逃げられてしまいました。
エミルはアパートに残されたダフネの鞄を漁り、パスポートを見て名前と顔、彼女がアメリカに不法滞在していることを知りました。
ひとまずダフネが警察に駆け込むことはないと安堵したエミルとウルグは、自分たちの犯行だと分からぬよう、灯油をかけ遺体を燃やします。
ホテルに到着後、エミルはダフネの財布に入っていた名刺を使い、チェコ人であるダフネを出すよう要求しました。しかし、実際にホテルの部屋に現れたのはダフネではなく、ハニーでした。
エミルは前金を払い、セックスをしない代わりに事務所の住所を教えるよう、ハニーに詰め寄ります。
しかしはぐらかされた挙句、催涙スプレーをかけてきたハニーに、激怒したエミルはバスタブの中で彼女を滅多刺しにして殺害。その様子を、ウルグはビデオカメラで記録します。
ダフネを保護したエディたちは、正面の歩道にいるエミルたちを発見。ウルグがビデオカメラを持って撮影している様子から、2人はエミルたちが一連の事件の犯人だと確信します。
エディたちはひとまずダフネを車に乗せ、応援に駆けつけたボビーとレオン、トミーと共にエミルたちの逮捕へ向かいました。
その結果、レオンはエミルに頭を殴られ、銃と財布を奪われてしまい、レオンを助けようとしたボビーはエミルに撃たれてしまいました。
エディは公園に逃げ込んだエミルたちに銃を発砲。エミルの左足首に被弾したものの、そのまま逃げられてしまいました。
レオンたちが救急搬送された後、エディはジョーディと一緒にいるダフネに事情聴取を行いました。
「なぜ巻き込まれた?あの連中は何者だ?」「知らない男たちよ。タミナは友達だったから、シャワーを借りてたの。それで彼らの犯行を目撃して」
「なぜ連中を庇う?」「自分を守っているだけよ」「何から?不法滞在か?入国管理局に頼んでやる。問題があるなら正直に言うんだ」
するとダフネは、酷く怯えた様子で恐る恐る語り始めます。「国で妹と共同生活してたの」
「でもある晩、妹がレイプされたの。私は男の銃を掴んでそいつを撃った」「でも男は、警官だった」
「警官なんて口先だけよ」「協力すれば助けるさ」………言い争う2人の様子を見かねて、ジョーディはエディに、ダフネと2人で話をさせて欲しいと頼みました。
「何か手掛かりを掴んだら必ず報告するから」「彼女は怯えてる。あんたは大物デカだ。でも僕なら安心して、口を開くと思う」
これに対しエディは、「唯一の目撃者だから絶対に目を離すな」「同情するとプロもアマになるぜ」と忠告した上で、ジョーディにダフネを預けることにしました。
しかしジョーディは、消防署にいる21部隊の消防士が訓練中で不在だったことをいいことに、「(警官殺しと不法滞在で)勾留される前にシャワーを浴びたい」と言うダフネにシャワー室を貸したのです。
NYPDに捜査状況を聞きに来たデクランに、そのことを話し「女と寝たのか?」と追及されるジョーディ。2人の会話を偶然聞いていたエディが、助け舟を出します。
「報道陣がうるさいんで彼に匿ってもらった」「彼から話を聞くから、記者会見はそっちで仕切ればいい」
エディの言葉に渋々納得したデクラン。エディはジョーディを執務室に入れ、こう忠告しました。
「もっと慎重に行動するべきだったな。君にレイプされたと彼女が証言すれば、全ておしまいだ。いくら寝てないと否定してもムダだね」
「君は自分や俺を危険に晒している」………エディにそう言われ、自分の行動が軽率な事だったと反省したジョーディは、なぜ自分を庇ってくれたのか尋ねます。
これに対しエディは、「さあね、君は俺が飼っていたバカ犬に似ているんだ」と答えました。
その日の夜。ジョーディと別れ帰宅したエディは、カルロス夫妻が殺害された放火殺人事件のリポートを担当する女性リポーターで、恋人のニコレット・カラス(愛称ニッキー)にプロポーズをする準備をしていました。
そこで家の呼び鈴が鳴り、エディはニコレットが来たもんだと思ってドアを開けますが、誰もいません。
辺りを見回したエディが自宅へ戻った瞬間、ドアの陰に潜んでいたエミルたちに襲われ、椅子にガムテープで体を縛りつけられてしまいます。
実はあの後、エミルはレオンの財布に入っていたエディの名刺と、ちょうど持っていた雑誌の表紙に載っていた彼の顔を見て、あることを思いついたのです。
それは、ウルグのビデオカメラを使って、有名人であるエディを殺害した映像を撮ること。
そして、視聴者を楽しませるため暴力事件をメインに報道するニュース番組「トップ・ストーリー」に、エディの殺害映像を記録したビデオテープを売り込み、その買取の金で自由と富を得ようというものでした。
エミルはエディに銃を突きつけ、こう言いました。あんたが言うように、俺たちは異常者だ。だから自分たちの犯罪をビデオに撮ってる」
「(エディが逮捕した、2年前靴屋の店員3人殺した殺人鬼S・ゲラーのように)あんたを殺して逮捕されても、精神病院行きだ」「だが一旦入院したら、俺は正気だと訴える。芝居だったと主張すれば退院だ」
「すると精神科医は、俺たちが正常だと証言する」「“二重処罰の禁止”だから、もう俺たちを罰することは出来ねえ」
「フレミング刑事、愛しいニッキーちゃんに“さよなら”を言えよ。それともプロポーズするか?」
エディは縛りつけられた椅子を上手く利用し、反撃したものの、ナイフを持ったエミルに腹部を刺され死亡。
その翌日、エディの葬式が執り行われ、ニコレットやジョーディ、レオンたちニューヨーク市警の刑事たちはエディの死を悼みました。
彼らのたまり場のバーの中には、よくエディの密着取材を行っていた「トップ・ストーリー」のアンカーマン、ロバート・ホーキンスの姿もありました。
そんなロバートの元に、エミルから電話がかかってきます。「エディ殺しの映画を作った。銀行で100万ドルの金をおろし、16時に35番通りの角へ持ってこい」
「もし断るなら、他局に買い取ってもらう。視聴率が楽しみだ」………ロバートは葛藤の末、ビデオの独占権をくれることと、エミルたちの身柄を預かることを条件に、ビデオテープを買い取ることにしました。
(C)2001 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.
移民帰化局へ送られることになったダフネを連れて、ジョーディは彼女の着替えを取りに、彼女の家へ向かいました。
しかし、ダフネの家に到着後、エミルたちが仕掛けた発火装置によって火災が発生。どの窓にも釘が打ち付けられて逃げられず、消火器は火炎放射器に改造されて火も消せません。
火の手が迫る中、ジョーディはまず消防署に連絡を入れ、壊した配管から噴き出した水を放射し、助けが来るまでの時間稼ぎをします。
向かいの建物の屋上からダフネの家を監視していたエミルたちは、浴室の窓が爆発で吹き飛び、家中に火の手が回ったことを確認し、その場から立ち去りました。
ジョーディたちは間一髪のところで、浴室の壁を壊して隣の家へ避難し、そこにいた子供と一緒に建物から脱出。浴室から出る直前、ジョーディは釘につけられていたエディの警察バッジを手に取りました。
ジョーディは、駆けつけた消防士たちに子供とダフネを預けます。その時、ジョーディはデクランから、「トップ・ストーリー」でエディの殺害映像が放送されることを聞きました。
ジョーディが「トップ・ストーリー」の制作会社に駆けつけた時には、レオンたちNYPDの警官たちが大勢詰め掛け、「人道に反する行為だ、エディや市民のために今すぐ放送を中止しろ」と訴えていました。
しかし制作会社は放送を中止する気はなく、エミルの思惑通り、15分にわたるエディの殺害映像が放送されてしまいました。
それをレストランで食事しながら見ていたエミルたちは、この映画作りはどちらの手柄であるかで揉めて殺し合います。
ウルグは銃を突きつけてきたエミルの腕をフォークで刺し、その場から逃走。そこへ弁護士のブルース・カトラーとスタッフを連れたロバートが現れます。
刺された腕の出血を抑えながら、エミルがウルグを捜そうと席から立ち上がった瞬間、ジョーディが登場。ウルグは既にNYPDの警官に取り押さえられていました。
ジョーディはエミルの顔を一発殴って強制的に銃を捨てさせ、倒れた彼を押さえつけながら手錠をはめて逮捕。
そこへレオンたちも駆けつけ、エミルとウルグを署まで連行しようとします。しかし、ロバートへの怒りが収まらないレオンが彼と揉めている隙に、ジョーディがエミルとトミーが乗った覆面パトカーを奪い逃走。
ジョーディは波止場に覆面パトカーを止め、エミルを引き摺りだし尋問します。「あの発火装置はどうやって作った?」
「捕まるのを承知でビデオを撮ったろ?」「貴様、有名になりたいんだろ。チャンスをやる」
「(エミルの手錠を外して)両手を挙げてこちらを向け」「これはエディの銃だ、金が欲しけりゃ撃ってみろ」
エミルはジョーディが自分を殺せるはずがないとたかを括り、その場に跪き、その隙にエディの銃を取り返した彼を挑発しました。
ジョーディが撃鉄を起こした瞬間、トミーが呼んだNYPDのパトカーが到着。ジョーディからエミルの身柄と、エディの銃を渡してもらい署へ連行しました。
翌日。服役中のエミルに買収されたブルースは、「エミルは現在逃走中の相棒ウルグに脅されて殺しただけ」「エミルは消防士だった父親に幼児期に虐待され、心に傷を抱えている」と判事や報道陣に訴えました。
そんなエミルには、映画化の申し込みや伝記出版の話が殺到。その報道を見たウルグとジョーディは激怒します。
無情にも精神障害の申し立てが認められてしまい、エミルはレイカーズ島の精神病院に移送されたのち、精神病院に収容されることになってしまいました。
しかも、ジョーディを夜の公園で襲おうとした強盗犯が、「トップ・ストーリー」で「礼儀正しく小銭をねだった俺を、手錠で木につなぎ夜の公園に置き去りにした」と訴えたせいで、ジョーディは停職処分となってしまいました。
エミルが船を使って精神病院へ移送される日。ウルグは護送車から出てきたエミルに詰め掛けた報道陣の中からロバートを見つけ、自分用にダビングしたエディの殺害映像を見せます。
そのビデオテープを買い取ったロバートが、エディは正気であると報道陣とブルースに訴えた直後、ウルグはエミルの前に姿を現し、彼を殺そうと銃を発砲。
エミルはブルースを盾にし、近くにいた警官から銃を奪い、ウルグを殺害。そして、エミルはニコレットを人質に取り、船で逃亡しようとしました。
そのエミルの前に現れたジョーディは、彼の要求通り銃を下ろしたフリをして、油断した彼の一瞬の隙を見逃さず、銃を発砲しエディの仇を討ちました。
そしてジョーディは、ニコレットにエディの警察バッジを渡し、「エディは友人だった。自分と手を組もう」と持ちかけるロバートを一発殴ってから現場を立ち去りました。
映画『15ミニッツ』の感想と評価
(C)2001 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.
連続殺人事件を捜査するエディたち
市民から英雄として慕われている有名刑事エディと、若手放火調査官ジョーディは、カルロフ夫妻が殺害された放火殺人事件の捜査をきっかけに、コンビを組みました。
2人がコンビとして捜査をした期間は短かったのですが、それでも彼らの間には強い絆が生まれていたのでしょう。
ジョーディは自らの手でエミルを逮捕し、エミルが船で逃亡しようとした時は真っ先に銃を向け、殺されたエディの仇を討ちました。
それはジョーディが、共に捜査したエディのことを慕い尊敬し、相棒として信頼していた何よりの証拠です。
エミルたちを追い詰めることができたのは、エディとジョーディの功績によるもの。だからこそ、エディには生きていて欲しかったと、ジョーディやレオンたちはもちろん、観ている人もそう願ったことでしょう。
メディアを操ろうとしたサイコパスコンビ
(C)2001 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.
自分の欲に忠実で、落ち着きがなく猪突猛進なウルグに対し、エミルは冷静で頭がキレます。
しかしその反面、エミルには一度キレると自分でも手に負えなくなるほど凶暴化するという、欠点がありました。
エミルは怒りのあまりに、カルロフ夫妻とハニーを殺害しましたが、その様子を撮っていたウルグのビデオカメラには、「やってしまった」と後悔し激しく動転する姿も映っています。
エディたちに逮捕されそうになったことで、もう後には引けないと吹っ切れたのでしょう。エミルはそれまで、カメラで撮るなとウルグを制止していたのに、そのウルグのビデオカメラを利用した完全犯罪を思いつきます。
エディたちを惨殺したエミルと、それを傍でずっと撮影し続けるウルグは、まさにサイコパスそのものでとても怖いです。
まとめ
(C)2001 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.
市民と同僚に慕われている有名刑事と、若手放火調査官がニューヨーク市内で起きた連続殺人事件を捜査する、アメリカのサスペンスアクション作品でした。
同じ事件を捜査するエディとジョーディがコンビを組み、凶悪な殺人犯とその相棒とほぼ同時に、唯一の目撃者であるダフネに辿り着く場面と、エディの遺志を引き継いだジョーディの逮捕劇は終始ハラハラドキドキさせられます。
そしてなんといっても衝撃的だったのが、主人公のエディが物語の途中で犯人に殺されてしまうことと、ロバートがエディとの友情よりも報道人としての使命を取り、彼の殺害映像をテレビで放送してしまうことです。
エンドロール中の映像では、ロバートがカメラの前に立ち、番組の視聴者にこう語っていました。
「ジョーディの怒りは、今日の事件で爆発しました」「自らの欲望とエゴでメディアを操ったサイコパスは死にました。我々も気をひきしめて頑張ります」
「我々報道陣の使命はニュースを伝えること」「これはまさに、真実が勝った瞬間です。トップ・ストーリー、R・ホーキンスでした」
メディアを操り完全犯罪を目論むサイコパスコンビと、街の英雄ことニューヨーク市警の有名刑事と、若手放火調査官が激闘を繰り広げるスリリングなサスペンスアクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。