Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2022/03/30
Update

『パイナップル・ツアーズ 』あらすじ/キャスト/公開日/上映館。 デジタルリマスター版で中江裕司監督らのオキナワ映画をリバイバル決定!

  • Writer :
  • 星野しげみ

オキナワ・ルネッサンスに火をつけた『パイナップル・ツアーズ』がデジタルリマスター版で蘇る!

2022年は、沖縄本土復帰50年! 

節目の年に、1992年に劇場公開され、新しい時代のオキナワ映画として話題を呼んだ『パイナップル・ツアーズ』がデジタルリマスター版として30 年振りに復活しました。

『パイナップル・ツアーズ デジタルリマスター版』は、2022年5月7日(土)~桜坂劇場、5月14日(土)からシアター・イメージフォーラム ほか全国順次公開!

映画公開より一足早く予告編も解禁となり、3つのストーリーから成るオムニバス映画として、それぞれの監督からのコメントも到着しました。

またデジタルリマスター版公開について応援を募集するクラウドファンディングも開始されています。

映画『パイナップル・ツアーズ デジタルリマスター版』について

沖縄ブームの火付け役となった『島唄』や『ちゅらさん』(2001)に先がけて、1992年の劇場公開されるやいなや、新時代のオキナワ映画として話題を呼んだ『パイナップル・ツアーズ』。

このたび、当時の感動もそのままに、デジタルリマスター版として30 年振りに復活します。

本作は、『ナビィの恋』(1999)『盆唄』(2019)の中江裕司監督をはじめ、真喜屋力、當間早志という当時20代の監督たちが作り上げた3つの物語から成っています。

音楽は照屋林賢+りんけんバンド、出演はNHKテレビドラマ「連続テレビ小説」シリーズの『ちゅらさん』(2001)に出演した平良とみや、沖縄芸能を代表するエンターテイナー・照屋林助といった沖縄現地の役者たちも結集しました。

監督たちからのコメント

真喜屋力(エピソード1『麗子おばさん』監督)
この映画が作られた時代は、復帰闘争が一段落した後に成長した僕らのような世代が成人し、発言権を持ち始めた時代でした。それによって「沖縄ってこういうところだ」というウチナーンチュの心持ちの再定義が行われた時代でした。そんな時代の熱気みたいなものが、この映画には映り込んでいると思っています。その時から30 年。今の観客にどういう風に観られることになるのか?嬉しさと共に、興味が湧いてきます。

中江裕司(エピソード2『春子とヒデヨシ』監督)
『パイナップルツアーズ』という映画は、伊是名島(映画の中では具良間島)に撮らせていただきました。伊是名島の風土にお願いをし、沖縄の歌手や芸能人に頼って出来た映画です。照屋林助さんをはじめ、ウチナーンチュ(沖縄人)の先輩たちに、たくさんの大切なことを教えていただきました。私の頭の中よりも、実際の映画は面白くなることを知り「他力本願」を胆に刻みました。私は、今も生きて映画を作っています。島と皆さんへ、イッペーニフェーデービタン(本当にありがとうございました)。

當間早志(エピソード3『爆弾小僧』監督)
’80 年代の若者の多くは、ウチナーグチを正しく話せない、三線できない、カチャーシー踊れない…そんな卑屈な感情から「沖縄」を避けたりダサく感じたりしていましたが、’89〜’90 年頃から自らの世代にも独特の文化があることに気づき、県内の若者から「沖縄ブーム」が起こりました。この映画はその勢いにのって作ることができたと思います。
ただし自分は、本土の方々が沖縄に抱く癒やしのイメージにちょっと違和感があり、沖縄を利用して一儲けを企む者、それに乗せられて浮かれるウチナーンチュ、敢えて乗っかってずる賢く立ち回るウチナーンチュらを揶揄するつもりで、“踊る阿呆に見る阿呆”的なバカ映画として撮ったのが『爆弾小僧』です。

映画『パイナップル・ツアーズ デジタルリマスター版』の作品情報

【公開】
2022年(日本映画)

【監督・原案・編集:】
真喜屋力、中江裕司、當間早志

【撮影】
一之瀬正史

【音楽】
照屋林賢+りんけんバンド

【キャスト】
兼島麗子、新良幸人、富田めぐみ、利重剛、宮城祐子、照屋林助、津波信一、仲宗根あいの、洞口依子、藤木勇人、平良とみ

映画『パイナップル・ツアーズ デジタルリマスター版』のあらすじ

日本のはるか南に存在する沖縄の離島・具良間島(ぐらましま)。そこには、第二次世界大戦中にアメリカ軍が落とした不発弾が眠っています。

エピソード1:『麗子おばさん』 監督:真喜屋力

オペラ歌手の麗子は原因不明の病で声が出なくなりました。娘と共に島に里帰りし、霊能者“ユタ”に見てもらいますが、その原因は意外なものでした。果たして麗子はその歌声を取り戻せるのでしょうか。

エピソード2:『春子とヒデヨシ』 監督:中江裕司

具良間島に居ついているヤマトンチュの青年は、島の娘と懇意になります。子宝に恵まれた2人は、島の人々の策略もあってとんとん拍子で結婚へと流れ込むのですが、青年は島から逃げようと試みます。

エピソード3:『爆弾小僧』 監督:當間早志

ホテル建築を進めたいリゾート開発会社は、島に埋まっているという不発弾に1億円の懸賞金をかけました。「爆弾小僧」なるパンクバンドを組んでいる島のはぐれ者2人は、一獲千金を目論みますが果たして……。

まとめ

新しいオキナワがこれから始まる! 

そんな予感を抱かせ、旋風を巻き起こしたオキナワン・ネオ・コミカル劇映画『パイナップル・ツアーズ』(1992)が、デジタルリマスター版で30年振りに復活しました。

2022年に本土復帰50 周年を迎える沖縄ですが、いまだに米軍基地や環境、貧困の問題ばかりが注目されています。

そんな中でも、観れば明るい気持ちになるのは、真喜屋力、中江裕司、當間早志という3人の若き監督たちが作り上げた『パイナップル・ツアーズ』

作品全編にみなぎる力強い明るさとともに、溢れんばかりの沖縄愛に目を奪われることでしょう。

デジタルリマスター版公開について応援を募集するクラウドファンディングも開始! 4月28日(木)まで募集中です。

詳細はコチラ
https://motion-gallery.net/projects/pineappletours/



関連記事

新作映画ニュース

【2019年11月8日〜9日公開】Cinemarcheおすすめ映画情報

あなたと映画の結び目。 チョッとだけツウ好みな映画WEBマガジン【Cinemarche:シネマルシェ】 (C)Cinemarche 映画感想レビュー&考察サイト「Cinemarche(シネマ …

新作映画ニュース

【2019年8月23日〜24日公開】Cinemarcheおすすめ映画情報

あなたと映画の結び目。すこしだけツウ好みな映画webマガジン「Cinemarche」 (C)Cinemarche 映画感想レビュー&考察サイト「Cinemarche(シネマルシェ)」で掲載し …

新作映画ニュース

映画『スピリッツ・オブ・ジ・エア』あらすじ。公開日は2020年2月8日と決定のアレックス・プロヤスのデビュー作

“日本人の心に残り続けた”幻のファンタジー映画。 アレックス・プロヤス監督の“失われた傑作”が30年の時を越えてデジタル・リマスター版で日本に帰ってきます。 ©1988 COMPANY BIZARRE …

新作映画ニュース

綾野剛映画『ホムンクルス』あらすじ/キャスト/公開日。清水崇が山本英夫原作漫画を実写化!

綾野剛が記憶を失ったホームレス役に!? 大ヒットTVドラマ『MIU404』や映画『ドクターデスの遺産-BLACK FILE-』での演技が記憶に新しい実力派俳優の綾野剛。 (C)2021 山本英夫・小学 …

新作映画ニュース

映画『カウンセラー』ユーロスペース公開日が2022年3月19日に正式決定!想像絶する“不穏”が伝わる新場面写真も解禁

42分間、究極の短編怪奇心理サスペンス。 映画『カウンセラー』は2022年3月19日(土)よりユーロスペース渋谷にて2週間レイトショー上映! 2021年10月・下北沢トリウッドでの封切り後の同館アンコ …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学