映画『凪待ち』は2019年6月28日(金)よりTOHOシネマズ日比谷を皮切りに全国ロードショー公開!
白石和彌と香取慎吾が初のタッグを組んで挑んだ、震災後の宮城県石巻市を舞台に描く骨太のヒューマン・サスペンスドラマ。
それが、2019年6月28日(金)に全国ロードショー公開される映画『凪待ち』です。
今回、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて本作の完成披露試写会、そして来場者へのサプライズとして、監督・キャスト陣による舞台挨拶が行われました。
白石和彌監督と主演の香取慎吾をはじめ、恒松祐里、西田尚美、音尾琢真、リリー・フランキーという豪華キャスト陣が登壇。
本記事では、『凪待ち』完成披露試写会および舞台挨拶の模様をご紹介いたします。
CONTENTS
完成披露リポート①「恋人/家族を演じて」
香取演じる主人公・木野本郁男の恋人・亜弓役を務めた西田。
撮影現場での香取について、その役柄ゆえにテレビなどで知られる姿からは想像できない「やさぐれた香取」を見られたこと、そしてそのような香取もまた素敵であったとコメント。特に撮影の合間、石巻の風に当たりながら佇む彼の姿は非常に印象的であったと語りました。
また亜弓の娘であり、郁男とは「友達以上家族未満」のような関係であった美波役を務めた恒松は、家族三人との食事シーンなど香取・西田とともに演じた「家族」の幸せな姿について触れ、白石監督によって短くカットされた際には「私の幸せはどこに行ったの?」と思わずショックを受けてしまったとコメント。
しかし、そのようなショックを感じてしまうほどに、香取・西田と「家族」を演じることができた。そしてショックが強ければ強いほど、のちに悲劇に遭遇する郁男や美波にとっての「幸せ」がより重要なものになり得たと続けました。
壇上でも、香取・西田・恒松の互いに互いのことをからかいながも仲の良いことが一目で理解できる姿を見せ、まさに「家族」のような関係性を本作を通じて築くことができたことを来場者に伝えました。
完成披露リポート②「白石組としての香取慎吾」
本作の公開年と同じく2019年に公開された『麻雀放浪記2020』にも出演した音尾。
かつて白石監督と同じ高校に通っていたことを明かし、「白石組」の監督と俳優として関わる以前からの縁について触れました。
また白石監督の映画3作に出演し、白石監督ならびに「白石組」を語る際には欠かすことのできない俳優となったリリーは、これまで殺人鬼の役ばかり演じてきた中、初めて「優しさを見せる役」を演じられたとコメント。
そのリリーのコメントに対し、白石監督は本作が「飛び抜けて悪い人がいない映画」であり、キャスト陣には「石巻にいそう」と感じられるような、リアリティある生々しい人物を演じてもらえたと答えました。
そして今回初めて「白石組」の現場に参加した香取は、白石監督の映画であればどんな内容・どんな役であっても出演したいし、「白石組」の一員にもなりたいとコメント。
今後の「白石組」としての活躍、白石監督の「再」タッグの実現を示唆しました。
完成披露でのサプライズの重大発表!
(左から)白石和彌監督、リリー・フランキー、恒松祐里、香取慎吾、西田尚美、音尾琢真
そしてイベントの終盤には、来場者へのサプライズとして、札幌・東京・名古屋・大阪・福岡という5大都市をめぐる全国縦断『凪待ち』完成披露の開催決定を発表。
本作の公式SNSアカウントでのリクエストの応えた企画であり、日本映画界では史上初に近い試みである企画です。
しかしキャスト陣は「どこに誰が行くのか?」「むしろどこに行きたいのか?」を相談し始め、すべての地を巡るのは大変だろうと考えていた香取は「そんな決め方なの?」と思わず失笑。来場者の笑いを誘いました。
映画『凪待ち』とは?
監督を務めた白石和彌
『クソ野郎と美しき世界』『人類資金』で知られる俳優にして、第一線のアーティストとしても活動する香取慎吾。そして、『孤狼の血』『麻雀放浪記2020』など、現在の日本映画界を牽引する映画監督の一人である白石和彌。
その二人が主演・監督として初タッグを組んだのが、映画『凪待ち』です。
震災後の宮城県石巻市を舞台に、主人公・郁男の暴力と狂気、怒りと裏切り、不条理と悲劇、そして映画史上最も切ない暴力とその先に迎える「再生」を描いた骨太のヒューマン・サスペンスです。
本作にて香取慎吾が演じるのは、恋人・亜弓とその娘・美波と共に、母娘の故郷である宮城県石巻市で再出発しようとする主人公・郁男。それまでの「香取慎吾」像とは全く異なる姿を見せます。
多感な少女・美波を演じるのは、『くちびるに歌を』『散歩する侵略者』で知られる恒松祐里。
また郁男の恋人・亜弓を演じるのは、映画・テレビドラマと幅広い分野で活躍する女優の西田尚美。
そして、『止められるか、俺たちを』『麻雀放浪記2020』と白石監督作品の常連俳優である吉澤健と音尾琢真、『凶悪』『万引き家族』で知られるリリー・フランキーなど、実力派俳優陣が脇を固めました。
映画『凪待ち』の作品情報
【公開】
2019年6月28日(日本映画)
【監督】
白石和彌
【脚本】
加藤正人
【キャスト】
香取慎吾、恒松祐里、西田尚美、吉澤健、音尾琢真、リリー・フランキー
映画『凪待ち』のあらすじ
ギャンブル依存症を抱えながら、その人生をフラフラと過ごしていた木野本郁男(香取慎吾)。
彼は恋人の亜弓(西田尚美)が故郷である石巻に戻ることをきっかけに、ギャンブルから足を洗い、石巻で働き暮らすことを決心します。
郁男は亜弓やその娘・美波(恒松祐里)と共に石巻にある家へと向かいますが、そこには末期ガンを宣告されてからも漁師の仕事を続ける亜弓の父・勝美(吉澤健)が暮らしていました。
三人は石巻で新たな生活をスタートさせましたが、仕事先の同僚に誘われたのがきっかけとなり、郁男は再びギャンブルに、それも違法なギャンブルに手を染めてしまいました。
やがて些細な揉め事から、美波は亜弓と衝突してしまい、家を出て行ってしまいます。
その後、夜になっても戻らない彼女を郁男と亜弓は探しに行くものの、二人はその車中で口論となってしまい、郁男は車から亜弓を降ろしてそのままどこかへと去ってしまいました。
そして、ある重大な事件が起こります。郁男と別れた後、亜弓が何者かによって殺害されたのです。
あまりにも唐突な死に、茫然とする郁男と美波。葬式を終えた後も、家に帰ろうとしなかった自身を責め続ける美波に、郁男は自分が置き去りにしたせいで彼女を死なせてしまったと語ります。
そして、亜弓という“繋がり”を失ったことで、戸籍上親子ではない郁男と美波の関係も次第に崩れてゆきました。美波の将来を案じた小野寺は、彼女に実父である村上(音尾琢真)とともに暮らすことを勧めます。
一方、郁男は自分のせいで亜弓を死なせてしまったと考え続けていました。そして追い打ちをかけるかのように、郁男は社員を違法なギャンブルに巻き込んだという濡れ衣をかけられ、会社を解雇されてしまいます。
行き場のない怒りを職場で爆発させた後、郁男はどんどん自暴自棄に陥ってゆきます…。
まとめ
イベントの最後、香取は「新しい道」を歩み始めた中、本作にて初めてひとりで主演を務めたことに対して少なからず緊張や不安を抱いていたことを告白しました。
しかしながら、そのような自身にとって重要な転換点となり得る作品として、白石監督の素晴らしい映画に出演することができたことを光栄に思うとコメント。
2018年に行われた撮影から約1年後の劇場公開となり、その公開が待ち遠しかった本作を多くの方に観てもらいたいと語りました。
「新しい道」を歩み始めた俳優・香取慎吾。彼にとって、映画『凪待ち』が記念碑的な映画となることは間違いないでしょう。
映画『凪待ち』は2019年6月28日(金)より、TOHOシネマズ日比谷を皮切りに全国ロードショー!