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Entry 2018/11/19
Update

【ニコラス・ケイジ映画代表特集】アカデミー賞俳優から怪優へと波乱万丈な転身⁈

  • Writer :
  • 松平光冬

11月10日から日本公開されているバイオレンス・スリラー、『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』。

妻を殺された主人公の復讐劇を描くこの作品は、主人公を演じるニコラス・ケイジの常軌を逸した演技が話題となっています。


(C)2017 Mandy Films, LTD. All Rights Reserved

ニコラスと言えば、『リービング・ラスベガス』でのアカデミー主演男優賞受賞という輝かしい経歴の持ち主ですが、近年はダークかつ過激な作風の映画への出演が相次いでいます。

今や“怪優”というイメージがふさわしくなった、“ニコケイ”ことニコラス・ケイジのフィルモグラフィ&バイオグラフィを、インパクト強めに振り返ります。

CONTENTS

ニコラス・ケイジのデビュー作『初体験 リッチモンド・ハイ』

『初体験 リッチモンド・ハイ』の作品情報

【公開】
1982年(アメリカ映画)

【原題】
Fast Times At Ridgemont High

【監督】
エイミー・ヘッカーリング

【キャスト】
ジェニファー・ジェイソン・リー、フィービー・ケイツ、ジャッジ・ラインホールド、ショーン・ペン、フォレスト・ウィテカー、ニコラス・コッポラ(ケイジ)

【作品概要】
後年に、自身も映画監督に転身する作家キャメロン・クロウの自伝的小説の映画化。

2人の女子高生の、恋と性をコメディタッチで描きます。

映画『初体験 リッチモンド・ハイ』のあらすじ

南カリフォルニアのリッジモント高校に通う女子高生のステーシーとリンダ。

思春期真っ盛りな2人の関心は、男性との初体験を済ませることでした。

2人は数々のボーイフレンドと交流を重ねていくうちに、セックスとは何か、恋愛とは何かを学んでいきます。

初々しいニコケイが観られる貴重な一作

1964年に、叔父に映画監督のフランシス・フォード・コッポラ、叔母に女優のタリア・シャイア、いとこに同じく映画監督のソフィア・コッポラがいるという芸能一家に生まれたニコケイ。

81年に俳優活動を始めたニコケイの本格デビューとなったのが、この『初体験 リッチモンド・ハイ』です。

ジェニファー・ジェイソン・リーやフィービー・ケイツ、ショーン・ペンといった、後々スターとなるキャストが大挙出演していますが、ここでのニコケイはジャッジ・ラインホールド演じるブラッドのいち友人役にすぎず、出番も少なめ。

しかし、初々しいニコケイが観られるということで、今や貴重な一本と言えるでしょう。

なお、この作品では本名の“ニコラス・コッポラ”名義で出演していますが、その苗字から家系のつながりを聞かれることに嫌気が差し、大好きなマーベルコミックのキャラクターのルーク・ケイジにちなんだ、“ニコラス・ケイジ”に芸名を変更することに。

ニコケイのアメコミ好きはこの頃から始まっており、後々この趣味が自身の私生活に大きなトラブルをもたらすことになるとは、この時の彼自身知る由もなかったでしょう。

カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作『ワイルド・アット・ハート』

『ワイルド・アット・ハート』の作品情報

【公開】
1990年(アメリカ映画)

【原題】
Wild At Heart

【監督】
デヴィッド・リンチ

【キャスト】
ニコラス・ケイジ、ローラ・ダーン、ウィレム・デフォー、イザベラ・ロッセリーニ、ダイアン・ラッド

【作品概要】
『イレイザーヘッド』、『ブルーベルベッド』で知られる鬼才デヴィッド・リンチ監督のクライムドラマで、1990年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞しました。

新天地を求めるカップルの逃避行を描く、ロードムービーの要素もあります。

映画『ワイルド・アット・ハート』のあらすじ

恋人ルーラを守ろうとして殺人を犯した男セイラーが、2年ぶりに刑務所から出所します。

2人は新たな生活を始めるべくカリフォルニアに車で向かいますが、娘のルーラを取られたとして怒り狂う母親は私立探偵や殺し屋を雇い、その行方を追わせます。

所持金も底をついてきた2人の行く末は…。

ニコケイのエキセントリック演技が必見!

ジョエル&イーサンのコーエン兄弟製作のクライムコメディ『赤ちゃん泥棒』への主演などで評価を高めつつあったニコケイが、デヴィッド・リンチ監督と組んだのがこの『ワイルド・アット・ハート』。

話の展開が読めない作品づくりが特徴のリンチ作品ですが、本作では『ブルーベルベッド』以上にセックス、バイオレンスといった刺激的な要素が散りばめられています。

セイラーを演じたニコケイはもちろん、恋人ルーラ役のローラ・ダーンの振り切ったエキセントリック演技が必見。

今のニコケイを象徴する怪優演技の礎が、この作品にあります。

アカデミー主演男優賞受賞作『リービング・ラスベガス』

『リービング・ラスベガス』の作品情報

【公開】
1995年(アメリカ映画)

【原題】
Leaving Las Vegas

【監督】
マイク・フィギス

【キャスト】
ニコラス・ケイジ、エリザベス・シュー、ジュリアン・サンズ、リチャード・ルイス、スティーヴン・ウェバー

【作品概要】
アルコール依存症に悩まされた作家ジョン・オブライエンの半自伝小説を映画化。

アルコール依存症の脚本家と娼婦による、破滅的な恋愛模様が描かれます。

映画『リービング・ラスベガス』のあらすじ

ハリウッドの脚本家ベンは、酒が原因でトラブルを起こしてしまって仕事を失い、ついには妻子にも逃げられてしまいます。

ラスベガスの寂れたモーテルで酒浸りの生活を送っていたベンは、娼婦サラと出会います。

お互いに意気投合し、身を寄せ合う2人でしたが、酒は次第にベンを蝕んでいきます…。

演技派俳優ニコケイの開眼

落ちぶれた脚本家とマフィアに脅された娼婦の切ない恋愛ドラマとして高く評価され、次第に衰弱していくベンを演じたニコケイの演技も絶賛されました。

結果としてニコケイはアカデミー主演男優賞とゴールデングローブ賞男優賞をダブル受賞し、名実ともにトップスターの仲間入りをします。

善人と悪人が入れ替わる荒唐無稽大ヒット作『フェイス/オフ』

『フェイス/オフ』の作品情報

【公開】
1997年(アメリカ映画)

【原題】
Face/Off

【監督】
ジョン・ウー

【キャスト】
ジョン・トラヴォルタ、ニコラス・ケイジ、スティーヴ・ブシェミ、ダニー・トレホ

【作品概要】
『狼たちの挽歌』シリーズで名を上げた香港映画界の巨匠ジョン・ウーの、ハリウッド進出第2作。

ジョン・トラヴォルタとニコラス・ケイジという2大スターが、FBI捜査官と犯人を交互に演じ分けるという斬新な設定が話題となりました。

映画『フェイス/オフ』のあらすじ

テロリストのキャスター・トロイに子供を殺されたFBIのショーン・アーチャーは、執念の追跡の末にキャスター逮捕に成功します。

ところがキャスターは、捕まって意識不明状態になる前に、ロサンゼルスに細菌爆弾を仕掛けていました。

兄キャスターにしか心を開かない弟ポラックスからその爆弾の在り処を聞くべく、ショーンは最新医療整形によりキャスターの顔を貼り付け、ポラックスが収監される刑務所に潜り込みますが…。

ジョン・ウー演出が冴えるアクション娯楽作

二丁拳銃、白い鳩、「メキシカン・スタンドオフ」と呼ばれる対立者同士が拳銃を向け合うシーンなど、ジョン・ウーがお得意の演出がこれでもかと詰まったアクション映画として、世界的にヒットしました。

序盤は凶悪犯として登場するニコケイが、中盤では悪を捕える捜査官に代わる(ジョン・トラヴォルタはその逆を演じる)という荒唐無稽な設定も、大いに引きがある内容となっています。

なおニコケイとウー監督は、2000年の戦争映画『ウインドトーカーズ』でもコンビを組んでいます。

冒険家ニコケイが世界の謎解きに奔走!『ナショナル・トレジャー』

『ナショナル・トレジャー』の作品情報

【公開】
2005年(アメリカ映画)

【原題】
National Treasure

【監督】
ジョン・タートルトーブ

【キャスト】
ニコラス・ケイジ、ダイアン・クルーガー、ショーン・ビーン、ハーヴェイ・カイテル、ジョン・ヴォイト

【作品概要】
『アルマゲドン』や、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどを手掛けたヒットメーカー、ジェリー・ブラッカイマー製作のアドベンチャー巨編。

ニコケイ扮する冒険家が、アメリカの歴史にまつわる謎を解くべく冒険を繰り広げます。

映画『ナショナル・トレジャー』のあらすじ

歴史学者のベン・ゲイツは、テンプル騎士団の財宝が、その子孫である秘密結社フリーメイソンによってアメリカに持ち込まれたと知り、その捜索にあたります。

調査の末にベンは、財宝の在り処がアメリカ独立宣言書に隠されていると推測します。

しかし、彼に捜索資金を提供した実業家イアンが財宝強奪を目論み始めたことで、ベンに命の危機が迫るのでした。

ニコケイ主演のブロックバスター映画の代表作

1996年のジェリー・ブラッカイマー製作の『ザ・ロック』を皮切りに、いわゆる超大作ブロックバスター映画にも出演するようになったニコケイ。

そのニコケイが97年の『コン・エアー』以来、ブラッカイマー製作映画に出演したのが、この『ナショナル・トレジャー』です。

ニコケイ版『インディ・ジョーンズ』ともいえる本作は世界で大ヒットし、2007年には続編『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』も製作されました。

ニコケイ自身は、主演作にも恵まれつつ、2000年に設立した自身の製作会社サターン・フィルムズで映画製作にも着手しており、キャリア的にもピークを迎えていた時期でもあります。

ニコケイがカルト映画をリメイク『ウィッカーマン』

『ウィッカーマン』の作品情報

【公開】
2006年(アメリカ映画)

【原題】
The Wicker Man

【監督】
ニール・ラビュート

【キャスト】
ニコラス・ケイジ、エレン・バースティン、ケイト・ビーハン、モリー・パーカー、リーリー・ソビエスキー

【作品概要】
1973年の同名オカルト・スリラー映画を、ニコケイ製作・主演でリメイク。

女性が全てを統括する孤島を訪れた警官の恐怖体験を描いており、衝撃的なラストが話題を呼びました。

映画『ウィッカーマン』のあらすじ

勤務時に起きた交通事故のショックで休職していた警官エドワード宛てに、元恋人から行方不明になった娘の捜索を依頼する手紙が届きます。

その娘が自分の子供ではと思ったエドワードは、早速元恋人の暮らす孤島に向かいます。

その島には、外部との接触を避ける女性優位のコミュニティが成立しており、やがてエドワードは、島内に潜む大いなる秘密に巻き込まれることになります。

ニコケイがラジー賞に初ノミネート…

ロックバンド『ラモーンズ』のボーカリストの故ジョーイ・ラモーンが敬愛していたという1973年のイギリス映画『ウィッカーマン』を、彼の親友だったニコケイが献辞を込めてリメイクしました。

オリジナル自体がカルト映画として知られていたように、ラストのオチが話題となっていた本作。

それにつられるように、主人公の警官エドワードを演じるニコケイの演技テンションもエスカレート。

泣き叫んだり、銃を振り回したり、女性を殴ったり蹴ったり、ついにはクマの着ぐるみを着たり(!)と、これでもかといった暴れっぷりを見せてくれます。

その演技テンションの過剰さとラストのオチもあってか、本作は最低映画を決めるラジー賞において、作品、最低男優賞(ニコケイ)などを含む5部門にノミネートされてしまいました。

興行的にも惨敗を喫し、このあたりからニコケイのフィルモグラフィにクセのある物が増え始めます。

ニコケイが悪徳警官に!『バッド・ルーテナント』

『バッド・ルーテナント』の作品情報

【公開】
2009年(アメリカ映画)

【原題】
Bad Lieutenant: Port of Call New Orleans

【監督】
ベルナー・ヘルツォーク

【キャスト】
ニコラス・ケイジ、エヴァ・メンデス、ヴァル・キルマー、アルヴィン・“イグジビット”・ジョイナー

【作品概要】
1992年のサスペンス映画『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』を、ドイツ映画の鬼才ベルナー・ヘルツォーク監督がリメイク。

ただし、主人公がドラッグ中毒者という以外に共通性はほとんどなく、ヘルツォーク監督もリメイクではないと公式に否定しています。

映画『バッド・ルーテナント』のあらすじ

ハリケーン・カトリーナによって深刻な被害が生じたニューオーリンズの水没した留置所で、刑事テレンスは囚人を救出。

その功績から警部補に昇進したテレンスですが、実は裏ではドラッグやギャンブルに溺れ、窃盗まで働く素行不良刑事でした。

そんなテレンスは、セネガルからの不法移民一家が殺害された事件の陣頭指揮を執ることになりますが…。

私生活でトラブルを抱え出したニコケイのヤク中演技に注目

『リービング・ラスベガス』でアルコール依存症の男を演じていたニコケイが、本作ではドラッグに溺れる自堕落な刑事を、キレキレに演じます。

なお、この頃のニコケイは古城やスーパーカー、ビンテージ物のアメコミを買いあさるあまり、ついには財政難になって税金を滞納するといった金銭問題を抱えています。

そうした私生活のトラブルも、演技に活かしていたのかもしれません。

自称ヒーローが町の平和を守る!大ヒットアクション『キック・アス』

『キック・アス』の作品情報

【公開】
2010年(アメリカ・イギリス合作映画)

【原題】
Kick-Ass

【監督】
マシュー・ヴォーン

【キャスト】
アーロン・テイラー=ジョンソン、マーク・ストロング、ニコラス・ケイジ、クロエ・グレース=モレッツ

【作品概要】
自発的にヒーロー活動をしていく普通の男子高校生を描いた同名グラフィックノベルを映画化。

バイオレンス要素満載で見事に実写化し、日本でも大ヒットしました。

映画『キック・アス』のあらすじ

コミックヒーロー好きなオタク高校生のデイブは、憧れのあまり自分もヒーローになろうと、“キック・アス”として自警活動を始めます。

しかし、街にはこびる犯罪組織への個人的復讐を企む”ビッグ・ダディ”と、その娘の”ヒット・ガール”と出会ったデイブは、その抗争に巻き込まれることに…。

ニコケイがバットマンチックな狂気に満ちた父親役を怪演

自身も大のアメコミマニアであるニコケイですが、2007年に、マーベルコミックのダークヒーローの映画版『ゴーストライダー』で主演を務めています。

本作では、復讐のためにバットマンばりの黒いスーツに身を包み、自分の娘をも暗殺者に仕立て上げるという、かなりどうかしてる父親ビッグ・ダディを演じています。

ニコケイ扮する狂気の父親役は、これ以降も増えることとなります。

娘を殺された怒れるオヤジの復讐劇『トカレフ』

『トカレフ』の作品情報

【公開】
2014年(アメリカ映画)

【原題】
Tokarev

【監督】
パコ・カベサス

【キャスト】
ニコラス・ケイジ、レイチェル・ニコルズ、ダニー・グローバー、マックス・ライアン、マイケル・マグレイディ、ピーター・ストーメア

【作品概要】
娘を殺された元ギャングが復讐に燃えるクライム・ドラマ。

映画『トカレフ』のあらすじ

過去に悪事に手を染めていた男ポールは、足を洗って妻ヴァネッサや娘ケイトリンと暮らしていました。

しかしある日、家に強盗が押し入ってケイトリンが誘拐され、後日、彼女の死体が発見されます。

娘の命を奪った銃がトカレフで、事件の裏にロシアン・マフィアの関与を知ったポールは、単独で復讐を誓い…。

悪を持って悪を征す!怒れるオヤジが大暴れ

2010年以降、心にトラウマを抱える刑事や、家族を殺された男といった役どころが増えるニコケイ。

本作では娘を殺された父親ニコケイが、かつての殺人技術を活かして復讐を開始します。

なお、本作にはニコケイが最初の結婚でもうけた息子のウェストンも出演し、実父ニコケイの青年時代を演じています。

ビンラディン逮捕を目論んだ男の笑撃の実話『オレの獲物はビンラディン』

『オレの獲物はビンラディン』の作品情報

【公開】
2017年(アメリカ映画)

【原題】
Army of One

【監督】
ラリー・チャールズ

【キャスト】
ニコラス・ケイジ、ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ、ラッセル・ブランド、レイン・ウィルソン、デニス・オヘア、マシュー・モディーン

【作品概要】
2010年にビンラディン捕獲を企てようとしたアメリカ人ゲイリー・フォークナーの、ウソのような本当の話を映画化。

映画『オレの獲物はビンラディン』のあらすじ

2001年9月11日にアメリカで発生した同時多発テロ。

事件を受け、定職に就かない愛国心の強い中年男ゲイリーは、テロ首謀者と目されていたオサマ・ビンラディンがなかなか逮捕されないことに憤っていました。

それから9年後、ゲイリーは突如、「お前がビンラディンを捕まえろ」という神の啓示を受けたとして、ビンラディンが潜伏するとされるパキスタンに、単身での乗り込みを決意します。

ビンラディンはニコケイが捕まえる!

長髪を振り乱しながら日本刀を手にビンラディン捕獲を試みた男ゲイリーを、我らがニコケイが扮します。

キャリアを重ねる毎にエキセントリックな役が増えてきたニコケイですが、本作のゲイリー役はその中でもトップクラス級。

はたして、ゲイリーは無事にビンラディンを捕えられるんでしょうか?

狂った親が我が子を殺しまくる!『マッド・ダディ』

『マッド・ダディ』の作品情報

【公開】
2017年(アメリカ)

【原題】
Mom and Dad

【監督】
ブライアン・テイラー

【キャスト】
ニコラス・ケイジ、セルマ・ブレア、アン・ウィンターズ、ザカリー・アーサー、ランス・ヘンリクセン

【作品概要】
ある日突然、世の中の親たちが自分の子どもを殺害しようとするというパニック・ホラー。

ブラックコメディとしての面もあります。

映画『マッド・ダディ』のあらすじ

妻ケンダルや2人の子供と暮らすブレントは、平穏な日々を送っていました。

そんなある日を境に、親が実の子どもを殺すという事件が多発し、ブレントは自分の子たちの身を案じ、急いで帰宅します。

ところが、子どもたちを無事を確認した瞬間、ブレントの中に彼らへの殺意が沸き起こるのでした。

本当の意味での“モンスター・ペアレント”ムービー

ニコケイが、我が子を殺そうと躍起になる狂気の父親を演じる本作。

そのなり切りぶりは、観ていて怖い反面、どこか楽しそうでもあります。

子どもを殺そうと試みるうちに、ついには自分の年老いた親からも命を狙われてしまうというトンデモ展開からも、目が離せない1作です。

ニコケイがドラッグを吸って妻の仇を討つ!『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』

『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』の作品情報

【公開】
2018年(ベルギー映画)

【原題】
Mandy

【監督】
パノス・コスマトス

【キャスト】
ニコラス・ケイジ、アンドレア・ライズボロー、ライナス・ローチ、ネッド・デネヒー、オルウェン・フエレ、リチャード・ブレイク

【作品概要】
愛する妻をカルト教団に殺された男の復讐を描くバイオレンス・スリラー。

監督は、本作が長編2作目となる新鋭のパノス・コスマトスで、彼の父は『ランボー 怒りの脱出』、『コブラ』の監督ジョルジ・パン・コスマトスです。

映画『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』のあらすじ

1983年のカリフォルニアの山奥で妻マンディと暮らすレッド。

ある日、マンディは“新しい夜明けの子供達”を自称するカルトバイカー集団のリーダー、ジェレマイアに見初められ、彼女とレッドは集団たちにさらわれてしまいます。

ジェレマイアはドラッグを使ってマンディをとりこもうとしますが、彼女に拒否され激高。

ついにはマンディを、レッドの目の前で焼き殺してしまいました。

辛くも生き延びたレッドはあらゆる武器を手に取り、復讐を誓います。

ニコケイ主演復讐劇の新たな快作

ニコケイ主演のリベンジアクションとしては最新作となる本作。

当初、ニコケイはカルト集団の教祖役でオファーされていましたが、本人の強い希望により主人公レッドを演じています。

熱望しただけあって、コカインを吸いまくりハイ状態で復讐に及ぶレッドが、ある意味犯人以上に狂気に満ちています。

まとめ

すっかりエキセントリックな役どころが増えた“ニコケイ”ことニコラス・ケイジ。

一部では「金のために仕事を選ばなくなった」と揶揄されてもいるようですが、元々彼はそうしたジャンル・ムービーを好んでいる節があります。

そんなニコケイの新作としては、DCコミックスヒーローが登場するアニメ映画『ティーン・タイタンズ GO! トゥ・ザ・ムービーズ』に、スーパーマン役で声の出演をしています。

実は彼は大のスーパーマン・ファンとして知られており、1938年刊行の初版コミックを一時期所有していたり、2005年に誕生した長男には、スーパーマンの本名の「カル=エル」という名前をつけたほどです。

ほかにも、アニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』に声優として出演し、また、園子温監督の初英語作品『プリズナー・オブ・ザ・ゴーストランド』に主演するという情報も出ています。

次はどんな役をこなしてくれるのか?今後のニコケイからも、目が離せません。

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