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Entry 2023/06/29
Update

ロス・タラントス~バルセロナ物語~|あらすじ感想と評価解説。世界的ダンサーのカルメン・アマジャのフラメンコシーンに圧倒されるスペイン版“ロミオとジュリエット”

  • Writer :
  • 谷川裕美子

映画『ロス・タラントス~バルセロナ物語~』は2023年7月28日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか限定上映

2023年7月28日(金)より、2度のアカデミー賞外国語映画賞ノミネートで知られるフランシスコ・ロヴィラ・ベレタ監督が脚色も手掛けて描いた悲恋のミュージカル・ラブストーリー『ロス・タラントス ~バルセロナ物語~』のアンコール上映が、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸にて開催することが決定しました。

2022年12月17日と18日の2日間限定で開催しました、新旧フラメンコ映画の傑作を上映したラテンビート映画祭 presents 「フラメンコ!フラメンコ!」で映画館での再上映のリクエストを頂き、2023年7月28日(金)より、特に人気の高かった『フラメンコの魔性と神秘』と『ロスタントス~バルセロナ物語~』をアンコール上映する運びとなりました。

シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をベースとした若い男女の悲恋物語です。ハリウッドでも活躍したフラメンコダンサーのカルメン・アマジャが母親役を情熱的に演じ、素晴らしい踊りを披露しています。

1963年度アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされた本作の魅力についてご紹介します。

映画『ロス・タラントス~バルセロナ物語~』の作品情報

【公開】
2022年(スペイン映画)

【監督・脚本】
フランシスコ・ロヴィラ・ベレタ

【出演】

カルメン・アマジャ、ダニエル・マルティン、サラ・レサーナ

【作品概要】
シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」に影響を受けたアルフレード・マニャスの同名小説を原作に、1963年に製作された悲恋のミュージカル・ラブストーリー。

監督・脚色は2度のアカデミー賞外国語映画賞ノミネートで知られるフランシスコ・ロヴィラ・ベレタ。本作は1963年度アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされました。

出演はブロードウェイやハリウッドでも活躍したフラメンコダンサーのカルメン・アマジャ、ダニエル・マルティン、サラ・レサーナ。

日本では、1991年に東山紀之、牧瀬里穂の共演で舞台が上演されています。

映画『ロス・タラントス~バルセロナ物語~』のあらすじ

バルセロナに暮らすロマのソロンゴ家とタラント家。タラント家の息子ラファエルは、自分たちの仲間を襲ったソロンゴの息子を刺してケガをさせ、命を狙われるようになります。

ある結婚式を訪れたラファエルは、そこでひとりの美しい若い娘にひと目で心を奪われました。彼の視線を笑顔で受け止めながら、彼女は踊り始めます。

恋に落ちたふたりは浜辺で永遠の愛を誓い合いました。しかし、その後彼女がソロンゴ家の娘ファナであることがわかり、結ばれることが許されない悲しい宿命と知ったふたりは愕然とします。

ラファエルは母アングスティアスにファナへの恋心を打ち明けます。当初は反対していた母ですが、ファナに会うとすっかり彼女を気に入り、ふたりを祝福するようになります。

しかしソロンゴ家から猛反対にあったファナは、強引に身内のクーロと婚約させられてしまい…。

映画『ロス・タラントス~バルセロナ物語~』の感想と評価

シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をベースに、さらに濃い愛憎で染め上げたかのような情熱的なラブストーリーです。

主人公は対立し合うタラント家の息子のラファエルと、ソロンゴ家の娘ファナですが、ラファエルの母を演じるハリウッドでも活躍した世界的フラメンコダンサーのカルメン・アマジャの類希な存在感に目を奪われます。

都市を牛耳るソロンゴ家とは対照的に、タラント家はヒロインいわく「時が止まっているみたいな」浜辺の村で自由な暮らしをしています。しかし、タラントの家長だったラファエルの父はソロンゴに殺されており、両家には根深い憎しみがありました。

お互いの素性を知らないまま、ラファエルとファナが一目で恋に落ちたことから悲劇が始まります。情熱的な恋に加えて、濃密な家族愛が本作の柱となっています。

ラファエルの母アングスティアスははじめはふたりの仲に大反対したものの、気立ての良いファナを気に入り、ソロンゴに恋人たちの結婚を認めてやるよう何度も掛け合います。息子の幸せのために毅然とした態度で恐れず対峙する姿に、思わず胸打たれることでしょう。

ドラマチックなストーリーの中で、世界的ダンサーであるカルメン・アマジャをはじめ、ファナ、ラファエルの妹、友人のモヒの華麗なフラメンコが次々に披露されます。本作は超一級の「フラメンコ映画」なのです。

砂まみれの靴で村の人々の前でアングスティアスが見せる激しい熱狂のダンスと歌声には度肝を抜かれることでしょう。

いっぱしの大人の女の顔をして踊る幼女の姿も見られ、フラメンコがいかに人々の生活に密着しているかを教えられます。踊っているすべての人たちから、自国の文化への愛情がほとばしっていることに気づかされるに違いありません。

まとめ

家柄に引き裂かれる若い男女の悲恋を描いた情熱的な物語『ロス・タラントス~バルセロナ物語~』。フラメンコの情熱的なダンスが、人々の心を開き、つないでいることが伝わってきます。

悲しくも美しいストーリーとともに、全編で次々に披露される素晴らしいダンスシーンも心に残り続ける名作です。

ラテンビート映画祭 presents 「フラメンコ!フラメンコ!」で映画館での再上映のリクエストを頂いたミュージカル・ラブストーリー『ロス・タラントス ~バルセロナ物語~』は、2023年7月28日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸にて限定上映です。



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