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【ネタバレ】炎の少女チャーリー(2022)|あらすじ感想と結末の解説評価。リメイクされたパイロキネシス自然発火の力を持つ少女の“孤独な戦い”

  • Writer :
  • 金田まこちゃ

パイロキネシス(自然発火)能力を持つチャーリーの、孤独な戦いが始まる

感情が高まると、相手を燃やす力を発動させる少女チャーリーと、秘密組織の戦いを描いたホラー映画『炎の少女チャーリー』

1984年に公開され、大ヒットとなった同名映画のリメイクとなる本作。

ホラー作品で数々の話題作を世に放つ「ブラムハウス・プロダクションズ」により、現代に蘇った『炎の少女チャーリー』の魅力をご紹介します。

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映画『炎の少女チャーリー』の作品情報


(C)2022 UNIVERSAL STUDIOS. ALL Rights Reserved.

【公開】
2022年公開(アメリカ映画)

【原作】
Firestarter

【原題】
2022年公開(アメリカ映画)

【製作】
ジェイソン・ブラム、アキバ・ゴールズマン

【音楽】
ジョン・カーペンター、コディ・カーペンター、ダニエル・デイビス

【監督】
キース・トーマス

【キャスト】
ザック・エフロン、ライアン・キーラ・アームストロング、シドニー・レモン、カートウッド・スミス、ジョン・ビーズリー、マイケル・グレイアイズ、グロリア・ルーベン

【作品概要】『
スティーブン・キングの小説『ファイアスターター』を原作に、1984年にドリュー・バリモア主演で映画化され、大ヒットした『炎の少女チャーリー』。

ホラー映画不朽の名作を『透明人間』(2020)『アス』(2019)などの製作会社「ブラムハウス・プロダクションズ」がリメイク。

「パイロキネシス」の能力を持つチャーリーを、『ブラック・ウィドウ』(2021)のライアン・キーラ・アームストロングが演じる他、チャーリーを支える父親アンディを『グレイテスト・ショーマン』(2017)の、ザック・エフロンが演じています。

映画『炎の少女チャーリー』のあらすじとネタバレ


(C)2022 UNIVERSAL STUDIOS. ALL Rights Reserved.

製薬会社の治験で「ロト・シックス」という不思議な薬を飲まされ、テレパシーで他人の心を意のままに操る能力を得たアンディ。

アンディは、同じく「ロト・シックス」で、物体を操る能力「サイコキネシス」に目覚めたヴィッキーと結婚し、2人の間にチャーリーという娘が誕生します。

チャーリーは成長するにつれて、人や物体を発火させる「パイロキネシス(自然発火)」能力に目覚め、10代を迎える頃に能力が暴走するようになります。

アンディは、チャーリーが心を乱さないように、リラックスする方法を教えていました。ある時、学校で同級生に馬鹿にされたチャーリーは、怒りの感情が芽生えた為、学校のトイレに逃げ込みます。

心配した教師の前で、トイレのドアを爆破したチャーリー。このことが問題視され、アンディとヴィッキーは、学校に呼び出されます。

アンディは、学校に呼び出されたことより「あいつらに気付かれた」と、何かを気にしている様子でした。

アメリカの科学技術研究所。この建物内で、秘密裏に組織された通称「店(ショップ)」。

この組織の責任者、ジェームス・ホリスターは、チャーリーの存在に気付いたようでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『炎の少女チャーリー』ネタバレ・結末の記載がございます。『炎の少女チャーリー』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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(C)2022 UNIVERSAL STUDIOS. ALL Rights Reserved.

チャーリーが「店」に気付かれたことを危惧し、逃げ出す準備を始めるアンディ。

しかし、ヴィッキーは、逃げ回る生活に嫌気がさしており「能力をコントロールすることが大事」と説得しようとします。

ですが、アンディは聞く耳を持とうとしません。

この逃げ回る生活に、チャーリーもうんざりしており、アンディへの怒りで「パイロキネシス」が発動し、ヴィッキーの両腕を燃やしてしまいます。

アンディは、チャーリーの感情を鎮める為に、アイスを食べさせに出かけます。家で留守番をしていたヴィッキーですが、「店」が送り込んだ刺客レインバードが、部屋の中に侵入してきます。

人の心を読む力を持つレインバードは、ヴィッキーを脅しチャーリーの居場所を探ろうとします。ですが、ヴィッキーはレインバードに「サイコキネシス」で応戦します。

家に戻ったアンディとチャーリーは、家の中が荒らされていることに気付きます。そこへ、隠れていたレインバードが現れ、チャーリーを人質に取ります。

「店」に捕まれば、チャーリーが軍事利用される可能性がある為、アンディは抵抗しますが、人の心を操る能力に限界が来ていました。

その時、押入れの中に隠されていた、ヴィッキーの死体が出て来たことで、チャーリーが怒り「パイロキネシス」が発動、レインバードは一度姿を消します。

「店」に居場所がバレたことで、チャーリーを連れて逃げ出したアンディ。

逃避行の途中で出会った老人に、一時期匿われますが、アンディが「殺人の逃亡犯」とニュースで報道されていたことから、老人に通報されます。

警官隊に囲まれたアンディとチャーリーですが、そこにレインバードが現れ、警官隊を次々に狙撃します。

チャーリーを捕獲しようとしたレインバードですが、アンディの能力で幻覚を見せられ、チャーリーの捕獲に失敗します。

森の中に逃げたチャーリーは、自身の能力を使いこなす為に、独自のトレーニングを開始します。

一方「店」に捕らわれたアンディは、ホリスターにチャーリーを呼び出すように命じられます。

森の中にいたチャーリーは「科学技術研究所」の、建物のイメージが見えた為、「科学技術研究所」を目指して森を出ます。

そこへ、チャーリーをバカにしている同級生が現れますが、チャーリーはアンディの能力を体得しており、同級生の心を操って自転車を奪います。

「科学技術研究所」に潜入したチャーリーは、アンディを人質に捕ったホリスターから、仲間になるように勧誘されます。

ですが、アンディに操られ、チャーリーはアンディごと、ホリスターを燃やしてしまいます。

最愛の両親を失い、暴走したチャーリーは、研究所の職員を次々に燃やしていき、最後は建物ごと爆破します。

力尽きて倒れたチャーリーを、レインバードが抱きかかえ、そのまま何処かへと消えて行きました。

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映画『炎の少女チャーリー』感想と評価


(C)2022 UNIVERSAL STUDIOS. ALL Rights Reserved.

怒りの感情と共に、相手を燃やし尽くす「パイロキネシス」の能力を持った少女チャーリーと、秘密組織との戦いを描いた『炎の少女チャーリー』

1984年にも公開され、当時は大ヒットした作品なので、タイトルに聞き覚えのある人も多いのではないでしょうか?

ちなみに1984年版で、チャーリーを演じたのはドリュー・バリモアなんですね

新たにリメイクされた本作の、1984年版との大きな違いは、チャーリーの年齢が少し上がっている点です。

1984年版では9歳だったチャーリーですが、2022年版では10代前半、中学生ぐらいの年齢になっています。中学生ぐらいの年齢と言えば、自我が目覚め、家族と世間の狭間で苦悩することも増える時期です。

チャーリーは、特殊能力を持つ両親の意向で、他の人とは違う、隔離されたような生活を送っています。

家庭にネット環境すら整っておらず、同級生から馬鹿にされているチャーリーは、完全にいじめの対象になってしまっています。

ですが、怒りを爆発させると「パイロキネシス」が発動する為、自分の感情のコントロールに失敗すると、命を奪ってしまうという、人には分からない悩みを抱えます

社会との接し方が分からず、悩みを1人で抱え込んでしまう思春期の不安定さ。

チャーリーの年齢が変更されたことで、この不安定さが際立ったと感じます

このチャーリーを守り通そうとする、父親のアンディの存在が大きく、チャーリーに「力を使って人を傷つけるな」と教えます。

チャーリーは戸惑いながらも、父親との約束を頑なに守る為、能力を操る練習をするのですが、最後はアンディの能力により操られ、ホリスターと共にアンディを燃やすことになるという、皮肉的な展開となります。

かなりショッキングなこの展開では、状況において本音と建前を使い分ける「大人の理不尽な部分」を感じます

「大人の理不尽な部分」を目の当たりにしたチャーリーは、精神的に動揺し、さらなる暴走を見せるようになり、もはや誰も制御できない程となってしまいます

『炎の少女チャーリー』は、自身の感情をコントロールさせないと、人を殺してしまうという、危うい能力に目覚めてしまったチャーリーの悲劇を描いたホラー映画です。

ですが、視点を変えると、接し方を間違えると力が暴発する少女が、これまで抑止力になっていた両親を失い、精神的に非常に危険な状態で、世の中に出たことになります。

両親を奪ったレインバードが、今後チャーリーの抑止力になれるのか?もし、なれなかったら……など考えると、いろいろ怖い作品ですね。

まとめ


(C)2022 UNIVERSAL STUDIOS. ALL Rights Reserved.

『炎の少女チャーリー』は、チャーリーが怒りを感じ始めると、熱気が画面に漂い始め、チャーリーの爆発しそうな内面が観客に伝わるなど、視覚的な演出が素晴らしい作品でもあります。

特に「パイロキネシス」による炎の演出ですが、約95.9パーセントが本物の炎を使用し撮影されたことを、監督のキース・トーマスは語っています

母親であるヴィッキーの、両手が燃える場面も、何度もリハーサルを重ね、本当に腕が燃えた状態で撮影をしています

ヴィッキー役のシドニー・レモンの、本物だからこその迫真の表情は必見です。

チャーリーが炎で建物を破壊し始める、クライマックスの場面では、約1000度まで上昇した炎の中で撮影されたという、めちゃくちゃ迫力のある場面になっています。

さらに、音楽を手掛けてるのはジョン・カーペンター

ハロウィン』でお馴染みの、あの単調だけど頭から離れない、何となく不安になる音楽が、チャーリーの不安定な内面を効果的に表現しています。

『炎の少女チャーリー』は映像や音楽にも、半端ではないこだわりを見せた作品で、あえて本物を使用するアナログな製作方法が、1984年版へのリスペクトを感じました




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