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アキ・カウリスマキ監督『希望のかなた』フィルム上映される劇場はどこ?

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

アキ・カウリスマキ監督の『希望のかなた』は、2017年のベルリン国際映画祭で観客や評論家から圧倒的支持を受け、銀熊賞(監督賞)の栄誉に輝きました。

カウリスマキ監督は、前作『ル・アーヴルの靴みがき』に引き続き、「難民3部作」シリーズと名付けて、ふたたび難民問題をテーマに挑んだ本作。

実はこの作品は35ミリフィルム上映される劇場があるんです!

1.映画『希望のかなた』の作品情報


© SPUTNIK OY, 2017

【公開】
2017年(フィンランド映画)

【原題】
Toivon tuolla puolen

【脚本・監督】
アキ・カウリスマキ

【キャスト】
シェルワン・ハジ、サカリ・クオスマネン、イルッカ・コイブラ、ヤンネ・ヒューティライネン、ヌップ・コイブ、カイヤ・パカリネン、ニロズ・ハジ、サイモン・フセイン・アルバズーン、カティ・オウティネン、マリヤ・ヤルベンヘルミ

【作品概要】
フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督は、自ら名付けた「難民3部作」の『ル・アーヴルの靴みがき』に続く2作目として、難民問題をテーマに描いたヒューマニズムとウィットの効いた作品。

2017年の第67回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞。

2.映画『希望のかなた』のあらすじ


© SPUTNIK OY, 2017

フィンランドの首都ヘルシンキ。港の船舶に積載された石炭の山から煤まみれのシリア人の青年カリードが現れます。

内戦が激化する故郷アレッポからヨーロッパへ流れた彼は、差別や暴力にさらされながらいくつもの国境を越え、偶然にもヘルシンキに流れ着いたのです。

その後、駅のシャワー室で身なりをきれいに整え警察へ出向いたカリードは、堂々と難民申請を申し入れ、中東やアフリカからの難民や移民で溢れる収容施設に入れられます。

地中海から遠く離れたこの北欧の街にも、多くの難民が押し寄せているのです。

カリードは一緒に入所した気さくなイラク人マズダックいわく、難民が異国で受け入れられる秘訣は“楽しそう装いながら、決して笑いすぎないこと”と教えます。

入国管理局での大切な面接でカリードは、アレッポで起きた悲劇を明かします。

様々な勢力が対立する故郷では、誰の仕業かもわからない空爆によって彼の家は爆撃され、家族や親類も命を落としていました。

そのうえ、家族でただ1人生き残った妹ミリアムは、ハンガリーの国境で混乱で生き別れとなってしまったのです。

カリードは面接官に、今の唯一の望みは妹を探し出し、フィンランドに呼び寄せることだと語ります。

ここには妹の未来があり、自分の未来はどうでもいいのだとも述べました。


© SPUTNIK OY, 2017

一方、ヘルシンキで衣類のセールスマンをしながら暮らすヴィクストロムは冴えない仕事と酒浸りの妻に嫌気がさしました。

ヴィクストロムは無言のまま結婚指輪を妻に残し、愛車のクラッシックカーに乗り込み家を出て行きます。彼はレストランオーナーとして新たな人生を始めてたいという夢を抱いていたのです。

シャツの在庫を処分にした現金を元手にヴィクストロムは、ポーカーの賭け事に一か八かのギャンブルにつぎ込んだ心意気が幸運を招いたのか、ゲームに大勝して大金を手に入れます。

こうしてヴィクストロムは、その大金でゴールデン・パイントという名のレストランを手に入れます。

その店は常連客がいて、ベテランの従業員もいるというふれ込みだったのですが…。

3.映画『希望のかなた』の35ミリフィルム上映される劇場


© SPUTNIK OY, 2017

映画の撮影やポストプロダクション、そして劇場での上映環境とデジタルが主流になった現在。

それでもアキ・カウリスマキ監督は、一貫してフィルム撮影の表現にこだわり続ける監督として知られています。

本作は撮影から編集までのすべての行程をデジタル処理を一切介さずに作られた貴重な映画です。

フィルムに光を通して映画をスクリーンであなたに見せる“柔らかい光”は、デジタルのキラキラした輝きではなく、まるで“月光のような温かくて優しさのある光と影”といえます。

カウリスマキ監督の人情味溢れる優しさを持った登場人物たちと出会うなら、フィルム上映の劇場で観るのが実にオススメです。

監督の映画へのこだわりの思いに応えるかたちで、日本でも『希望のかなた』の35ミリフィルムの上映される映画館が以下のようにあります。

35ミリフィルム上映を実施する劇場(2017.11.27現在)

【東京】
渋谷・ユーロスペース

【愛知】
名古屋シネマテーク

【北海道】
札幌・シアターキノ

【石川】
金沢・シネモンド

【山口】
山口情報芸術センター[YCAM]

【群馬】
シネマテークたかさき

ユーロスペース支配人の北條誠人は、カウリスマキ監督のフィルム上映に関して次のようなコメントを寄せています。

たぶん、ユーロスペースで、35㎜フィルムの新作を上映することが『希望のかなた』で最後になる予感がします。アキ・カウリスマキ監督もその思いで撮影、ポストプロダクション、そしてベルリン映画祭でのプレミア上映に臨んできたのではないでしょうか。その気持ちに近づきたいと思いました。またデジタル上映では観えないことがフィルム上映では観えることにも、今回、気がつきました。いくつかの劇場からも上映してくれる申し出をいただき、とてもうれしく思います。

もし、カウリスマキ監督のファンであるあなた、そして初めてカウリスマキ作品をご覧になられあなたには、少し足を伸ばしてもフィルム上映でご覧いただくのはいかがでしょうか。

※期間・上映回等、限定での上映となります。すべての回が対象ではございません。
35ミリフィルム上映実施回につきましては各上映劇場までお問合せください。

まとめ


© SPUTNIK OY, 2017

本作『希望のかなた』の上映プリントもオリジナルネガからダイレクトに焼かれたものとなります。

劇場の上映環境もデジタルが主流となった今、2017年公開の新作外国映画で35ミリフィルム上映されたのは、クリストファー・ノーラン監督『ダンケルク』(9月9日公開)と『希望のかなた』のみとなります。

新作映画をフィルムで観られるチャンスですよ。ぜひ、お見逃しなく!

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