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Entry 2022/08/29
Update

映画『ハイランダー 』ネタバレあらすじ結末と感想評価と解説。不老不死の戦士たちが長い時を越えて最終決戦に挑むファンタジー!

  • Writer :
  • 谷川裕美子

壮大なスケールに圧倒される哀しき戦士たちの物語

グレゴリー・ワイデンの原作をもとにラッセル・マルケイ監督が実写化したファンタジー・アクション。

場面は16世紀のスコットランドと現代のニューヨークを行き来しながら、不老不死の宿命を負った若者の運命が描かれます。

クリストファー・ランバートが主演を務めるほか、ショーン・コネリー、ロクサーヌ・ハート、クランシー・ブラウンらが出演。

時空を超えて繰り広げられる壮大な物語にたっぷりと酔いしれて下さい。

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映画『ハイランダー 悪魔の戦士』の作品情報


(C)1986 Highlander Productions Ltd.

【公開】
1986年(イギリス映画)

【原作】
グレゴリー・ワイデン

【脚本】
グレゴリー・ワイデン、ピーター・ベルウッド、ラリー・ファーガソン

【監督】
ラッセル・マルケイ

【編集】
ピーター・ホネス

【出演】
クリストファー・ランバート、ロクサーヌ・ハート、クランシー・ブラウン、ショーン・コネリー、ピーティ・エドニー、アラン・ノース

【作品概要】
『レイザーバック』(1985)のラッセル・マルケイが監督を務め、16世紀のスコットランドと現代のニューヨークを舞台に不老不死の宿命を負った若者の運命を描く作品。

大ヒット作となり、続編やテレビ用のスピンオフも製作されました。

『サブウェイ』(1986)のクリストファー・ランバート、ロクサーヌ・ハートのほか、「007」シリーズで初代ジェームズ・ボンドを演じた名優ショーン・コネリーが出演しています。

クイーンによる楽曲「リヴ・フォーエヴァー」「カインド・オブ・マジック」などにも注目です。

映画『ハイランダー 悪魔の戦士』のあらすじとネタバレ


(C)1986 Highlander Productions Ltd.

現代のニューヨーク。格闘技会場の席を立ったコナー・マクラウドが駐車場へ向かうと、待ち構えていたファジルに襲われます。剣での激闘の末、マクラウドは敵の首を斬り落としました。

遺体からのエネルギーを受け取ったマクラウドは手を広げて叫び、車が次々に爆発します。やがて静かになった駐車場を、彼は駆け去っていきました。

1536年、スコットランドの荒野。マクラウド率いるハイランダー(高地民族)の一族が、黒い騎士と呼ばれるクルガン率いるフレイザー一族と激しい戦いを繰り広げ、マクラウドは刺されて死んでしまいます。

現代では駐車場で首無し死体がみつかり街は大騒ぎになっていました。駆けつけた女性鑑識員のブレンダは、現場で時代物の貴重な剣をみつけます。

古物商のナッシュと名乗っているマクラウドは警察に呼ばれ取調べを受けます。現代に生き続けているクルガンはホテルの一室で剣の訓練をし、ついに「集合の時」が来たと呟きます。

駐車場の調査にきたブレンダの後をつけたマクラウドは、バーで彼女に声をかけた後に別々に店を出ます。その後、ふたり揃ってクルガンに襲われますが、警察のヘリに警告を受けてクルガン去って行きました。

マクラウドは、色々と話しを聞こうとするブレンダに2度と後をつけるなと強く言って立ち去ります。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには映画『ハイランダー 悪魔の戦士』ネタバレ・結末の記載がございます。映画『ハイランダー 悪魔の戦士』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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1536年。死んでいたはずのマクラウドがよみがえり、悪魔ではないかと恐れた人々は彼をリンチした末に村から追い出します。

追放されたマクラウドは、鍛冶屋となりヘザーと結婚しました。村を出てから5年後、ホアン・ラミレスという男が現れ、自分もマクラウドも首をはねられない限りは不死身であることを教えます。

そして、その力は「究極の宝」のために戦う最終決戦「集合の時」まで隠し、制御しなければならないと言いました。クルガンもまた不老不死の男で、彼が宝を手に入れたら世は真っ暗になることをラミレスは教えます。

マクラウドを修行させ、鍛え上げるラミレス。妻を亡くす苦しみを味あわないために、ヘザーと別れるべきだとラミレスはマクラウドを諭します。

そんなある日、突然クルガンが現れ、ラミレスに襲いかかります。激しい戦いの末、クルガンがラミレスの首を落としました。

それから数年後、若いままのマクラウドに抱かれて、年老いたヘザーが亡くなります。彼はそれから誰も愛さずに生き続けました。

現代。ナッシュはブレンダの家を訪れ、警察の鑑識官であることを隠していた彼女に怒りをぶつけます。駐車場で紀元前600年の日本刀の破片をみつけていた彼女は、必死で刀の行方を聞き出そうとします。

その頃、クルガンはマクラウドの旧友の不死身のカスタギアを襲い、彼の首を落としました。多くの野次馬が集まり騒然となります。

ブレンダはナッシュが少なくとも18世紀から生きていることを知って愕然としました。

教会にいたマクラウドのもとにクルガンが現れ、カスタギアを殺したこと、そしてヘザーを凌辱したことを伝えます。

その後、マクラウドはブレンダに、自分は1518年に生まれた不老不死の人間だと教え、わざと彼女に自分の腹を刺させてその事実を実証してみせます。涙を流しながらキスしてきたブレンダの思いをマクラウドは受け止め、ふたりは結ばれました。

しかし、その後ブレンダはクルガンに誘拐されてしまいます。マクラウドは彼女を救うために廃工場へと向かいました。

待ち構えていたクルガンと熾烈な戦いを繰り広げるマクラウド。苦闘の末、クルガンの首を斬り落としたマクラウドは最後のひとりとなり、世界中の人々の考えがわかる能力を授かりました。彼はその力を平和に役立てると誓います。

ラミレスの幻影が現れ、何世紀もの間よく耐え抜いたとマクラウドを誉め、人々の心を読める素晴らしい力を冷静に大切に使うようにと諭します。

美しい山々に囲まれながら、マクラウドとブレンダは抱き合いました。

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映画『ハイランダー 悪魔の戦士』の感想と評価


(C)1986 Highlander Productions Ltd.

ロマンに満ちた不老不死の戦士の物語

本作は中世のスコットランドの世界と、現代のニューヨークを行き来しながら綴られる、ロマンに満ちた一大エンターテイメントです。時空を超えて繰り広げられる壮大なスケールが人気を呼び、続編が作られるほど大きな人気を博しました

16世紀のスコットランドに生まれた主人公のコナー・マクラウドは、他部族であるクルガンと戦って一度命を落としますが、彼は不老不死の男でした

やがて自分でも訳がわからないままよみがえった彼は、それまで親しい仲だったはずの人々から恐れられ、迫害されてしまいます。

マクラウドを演じるクリストファー・ランバートは、本作の世界的ヒットによりスターとなりました。

村を追放された彼の前に現れたのが、同じく不老不死の戦士であるラミレスです。明るくチャーミングで器の大きなラミレスを、「007」シリーズで初代ジェームズ・ボンドを演じたのをはじめ、『アンタッチャブル』(1987)など数々の名作で知られる名優ショーン・コネリーが演じています。

ラミレスは彼ら不老不死の戦士は首を落とされると命を失うことを教え、いつか訪れる最後の戦いに備えてマクラウドを鍛え上げます

美しい風景をバックに描かれる修行シーンは大きなみどころです。ふたりの心が通い合うようになっていく中、マクラウドが努力の末にとうとう師匠のラミレスの力を抜いた場面では胸が熱くなります。

本作で強い魅力を放っているのが、クランシー・ブラウン演じる不老不死の敵・クルガンです。最初にマクラウドの命を奪ったこの男は、最終決戦である「集合の時」を舌なめずりしながら長年待ち続けてきました。

彼の悪役っぷりは見事というしかありません。中世では突然ラミレスの前に現れて強大な力で彼の命を奪い、マクラウドの恋女房であるヘザーを犯して姿を消しました。

現代のニューヨークではまるでジャンキーのようにイカれた姿で登場。大きな体で残虐の限りを尽くし、周囲の人間たちすべてを恐怖に突き落としていきます。

自分が最強だと信じて疑わず、不老不死がゆえに恐れるものは何もないクルガンの冷酷さと異常さが作品の勢いを高めています。恐怖と怒りを抱きながら立ち向かうマクラウドとクルガンの迫力の最終決戦は、本作一番のみどころとなっています。

愛する人を失って生きる苦しみ


(C)1986 Highlander Productions Ltd.

中世スコットランドの世界で、村人から追放されながらも、マクラウドはその後ヘザーという美しい妻を得て幸せに暮らしていました。

しかし、導師のラミレスは、誰かを愛してもいつかはその人を見送ることになるから、苦しみから逃れるために誰も愛さない方がいいとラミレスはマクラウドに忠告します。

その言葉を聞かなかったマクラウド。ヘザーはひとり年老いていき、若いまま変わらないマクラウドの腕の中で亡くなります。

最後まで夫の美しさを誉め、なぜ彼だけが老いずに済むのか不思議に思いながらこの世を去って行ったヘザー。彼女がいなくなった後、何百年も取り残されることになったマクラウドの孤独と悲しみは計り知れません。

不老不死には訪れない平安と救い。命に限りあることが、どれだけ幸せなことかよくわかります

生き地獄を味わったマクラウドは愛に背を向けるようになりますが、現代のニューヨークで出会った好奇心旺盛な女性・ブレンダに再び愛をよみがえらせます。その姿から、私たち観る者も生きる上で救いとなるのは「愛」でしかありえないことに気づかされるのです。

2437年前に生まれたラミレスは、最初の妻であるサキコを失ったときに深い悲しみを覚え、マクラウドにヘザーと別れるように忠告を与えます。ここで面白いのは、サキコは日本人で、彼女の父・マサムネが作ってくれた日本刀をラミレスが愛用しているというエピソードです。

私たち日本人はつい嬉しくなってしまいますよね。ラミレスの過去をもっとフィーチャーしてほしかったと思った方もきっとたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。海外の人々が持つ日本刀への憧れがよく伝わってくる1シーンとなっています。

まとめ


(C)1986 Highlander Productions Ltd.

クイーンの情熱的な楽曲に乗せて描かれる永遠の戦士たちの物語『ハイランダー 悪魔の戦士』。数百年ものあいだ死なずに生き続けねばならない苦しみと悲しみを抱えた戦士が、最終決戦に挑む姿を熱く描き出します

最初の妻を亡くした悲しみを何百年もの長い間抱き続ける主人公のマクラウドと、絶対的な自信のもと決戦を楽しみに待つ悪役・クルガンとの対比が光ります。彼らの迫力ある最後の戦いから目が離せません。

ショーン・コネリー演じるマクラウドを導く老師・ラミレスのチャーミングな笑顔も印象に残る作品です。

不老不死だからこそ深い悲しみを抱いて生きねばならない厳しい宿命。死を迎えることのできる体にこそ救いが存在することを改めて実感させられます

本作の続編である『ハイランダー2 甦る戦士』にはマクラウドとラミレスが再登場します。物語を更に深く知りたい方は、ぜひ合わせてごらんになってみてください。




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