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映画『青の帰り道』感想レビュー。amazarashiの主題歌がエモい青春群像劇

  • Writer :
  • 加賀谷健

映画『青の帰り道』が2019年5月11日(土)よりアップリンク渋谷にて再上映!

2018年12月7日(金)に全国順次公開された映画『青の帰り道』。

若者たちの等身大の姿がヴィヴィッドな映像で綴られ、元ハロー!プロジェクトのメンバー真野恵里菜と『orange』(2015)の清水くるみが持ち前の演技力の高さで応えます。

さらに2019年はすでに3本の主演作が公開され、今最も勢いのある旬のイケメン俳優、横浜流星の出演もあり、待望の東京再上映に早くも注目が集まっています。

エモさ全開の主題歌が多くの観客の共感を呼んだ、瑞々しくも切ない青春の一篇の見どころをご紹介していきます。

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映画『青の帰り道』の作品情報

©映画「青の帰り道」製作委員会

【公開】
2018年(日本映画)

【監督】
藤井道人

【キャスト】
真野恵里菜、清水くるみ、横浜流星、森永悠希、戸塚純貴、秋月三佳、冨田佳輔、工藤夕貴、平田満

【作品概要】
群馬県と東京を舞台に、それぞれの夢を抱いた7人の青春が交差する群像劇。

元ハロー!プロジェクトのメンバー真野恵里菜や清水くるみ、横浜流星ら人気若手俳優が等身大の演技をみせ、平田満と工藤夕貴のベテラン勢が脇を固めます。

青森県在住の秋田ひろむを中心とするバンドamazarashiが主題歌を担当。監督は、山田孝之プロデュース作『デイアンドナイト』(2019)を手がけた藤井道人が務めています。

映画『青の帰り道』のあらすじ


©映画「青の帰り道」製作委員会

2008年、東京近郊の町でまもなく高校卒業を迎える7人の若者たち。

歌手を夢見て地元を離れ、上京するカナ(真野恵里菜)。

家族と上手くいかず実家を出て東京で暮らすことを決めたキリ(清水くるみ)。

漠然とデカイことをやると粋がるリョウ(横浜流星)。

カナとの音楽活動を夢見ながらも受験に失敗し地元で浪人暮らしのタツオ(森永悠希)。

できちゃった婚で結婚を決めたコウタ(戸塚純貴)とマリコ(秋月三佳)。

現役で大学に進学し、意気揚々と上京するユウキ(冨田佳輔)。

7人がそれぞれに大人への階段を上り始めて3年後、夢に挫折する者、希望を見失う者、予期せぬことに苦しむ者――7人7様の人生模様が繰り広げられます。

そして、再びあの“帰り道”に戻った彼らの胸に宿る思いとは……。

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映画『青の帰り道』の感想と評価


©映画「青の帰り道」製作委員会

垣間見える“感情の襞”

夢をもった若者はどこにでもいて、いつでも夢は破れるためにさえあるような…。それでも諦めずに自分のやりたいことに直向きであり続けることは難しいものです。

最後の夏休みにみんなでやった花火の思い出と青春の帰り道の記憶。あの時の日々が懐かしくてたまらない。

時間の経過がふと、今ある自分の状況に気付かせてくれます。

主人公たちのちょっとした会話の間に感じる“感情の襞”。彼らの息づかい、その仕草や一瞬の視線の動きにある言葉にならない心の揺れ。

7人それぞれに物語があって、どうしようもならない自分への苛立ちを感じ、胸の内には誰にも言えない悩みを抱えています。

悩みを誰かと一緒に共有することは簡単ですが、その孤独と向き合えるのは、誰でもないただ自分1人しかいないはずです。

仲良しグループの中でも特に純真な心をもつタツオがカナに思いの丈を打ち明けるた時も、相手は途中で寝てしまい、想いはあやふやなまま届きません。

彼の切なさと孤独は溢れる笑顔から滲み出ていますが、傍観者である観客だけは彼の胸の内をすべて理解しています。

映画の面白いところは、そうした誰か(キャラクター)の噓偽りのない姿を目の当たりにできてしまうことです。

この後、浪人生活に自ら終止符を打つタツオの想いは、残された者たちの物語として感情の襞がエモーショナルに歌い継がれていくことになります。

歌われる“エモさ”の日々


©映画「青の帰り道」製作委員会

本作では時間の経過がうまく演出されており、度重なる政権交代、東日本大震災、さらには原発問題という社会のめまぐるしい動きとともに7人の関係性が刻々と変化していきます。

夢を叶えるために意気揚々と上京し、そして夢破れる者、田舎に取り残されて変化に乏しい日々を送る者。どちらも焦りが空回りするばかり。

7人を取り巻く状況はさらに深刻さをましていき、とうとう仲間を1人失ってしまいます。

きらきらした高校生活の日々、すべては万事快調だったはずなのに、もうこれで何もかも取り戻すことは出来ないのでしょうか。

しかし映画はこうした若者たちの心の叫びを決して聞き逃しません。

自分の隣からいなくなってはじめて感じることが出来る、その人の大切さや温もりがあります。

帰るべきは、あの青の帰り道。残された1曲のメロディが全員の心を再びひとつに結びつけるのでした。

自分ではない誰かを想って書かれた歌詞。作者は何を想って大切な人にこの曲を捧げたのでしょう。

映画のラスト、2018年現在、部屋の片隅に置かれたラジオから温かみのあるフレーズがさりげなく聞こえてきます。

こちらもそっと耳を傾けてみます。それが物語上、“再起の声”として観客の心にも深く届いているはず。

すると気付けば、あれだけ苦しんでいたはずの彼らが昔と変わらぬ表情であの道を歩いているのです。

ひとりひとりが胸の中にしまっている青春の記憶と歌い継がれるメロディ。とびっきりのエモさが溢れ出る瞬間に、全員が「言葉にならない言葉」を噛み締めて、いつまでも続く道をさらに進んでいく姿がみえます。

まとめ

参考映像:amazarashi 「たられば」Music Video

誰しも学生時代の思い出を少なからずもっていて、その記憶が遠い昔のことだとしても、青春の色自体は決して褪せないことを本作は教えてくれます。

確かに青春はいつまでも続かないし、社会に出れば、青春なんて甘ったるいことを言っている暇もありません。

しかしそれでも尚、忘れてはいけない大切な感情をamazarashiは主題歌「たられば」の歌詞の中に込めています。

そして、言葉にならない感情の襞がメロディに乗せられて、スクリーンをはるか先までこえていきます。

これほどのストレートさとエモーショナルな表現を貫いた青春群像に心から震えてみてはいかがでしょうか。

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