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Entry 2021/06/20
Update

映画『アガサと深夜の殺人者』ネタバレあらすじ感想と結末ラスト評価解説。本格ミステリーで事件解決の小説家の苦悩に共感できる

  • Writer :
  • 秋國まゆ

世界的推理作家が消えた原稿の行方と、殺人事件の真相を追うミステリードラマ

ジョー・スティーヴンソンが監督を務めた、2020年製作のイギリスのミステリードラマ映画、『アガサと深夜の殺人者』。

戦争が激化し生活に困窮したアガサ・クリスティが、生活を立て直そうと自身の作品の原稿を売ろうとした時、原稿が盗まれ買い取る相手も死んでしまう事件に巻き込まれてしまう姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。

世界的推理作家アガサ・クリスティの史実をもとに作られた、イギリスのミステリードラマシリーズ第3弾、映画『アガサと深夜の殺人者』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。

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映画『アガサと深夜の殺人者』の作品情報


(C)Darlow Smlthson Productions 2020

【公開】
2020年(イギリス映画)

【脚本】
トム・ダルトン

【監督】
ジョー・スティーヴンソン

【キャスト】
ヘレン・バクセンデイル、ブレイク・ハリソン、ジョディー・マクニー、トーマス・チャンヒング、モーガン・ワトキンズ、エリザベス・タン、ダニエル・カルタジローン、アリスター・ペトリ、ジーナ・ブラムヒル、ジャクリーン・ボーツウェイン、バネッサ・グラース、スコット・チェンバーズ

【作品概要】
ジョー・スティーヴンソンが監督を務めた、イギリスのミステリードラマ作品です。

前作『アガサと殺人の真相』(2018)や『アガサとイシュタルの呪い』(2019)に続き、本作は世界的推理作家アガサ・クリスティを題材にした、ミステリードラマシリーズ第3弾となります。

『私が愛したギャングスター』(2000)のヘレン・バクセンデイルが、主演を務めています。

映画『アガサと深夜の殺人者』のあらすじとネタバレ


(C)Darlow Smlthson Productions 2020

1940年、第二次世界大戦の西部戦線真っ最中のイギリス・ロンドン。

戦争が激化し破産寸前に追い込まれた世界的推理作家アガサ・クリスティは、自身のファンである中国人ビジネスマンのフランキー・レイに、2万ポンドで『ポワロ』の原稿を買ってもらい、生計を立て直そうとしていました。

アガサは念のため、14年前に従軍看護師殺害事件(『アガサと殺人の真相』を参照)の容疑者候補として知り合った、小悪党のボクサーのトラヴィス・ピックフォードを用心棒として雇い、キイズ・ホテルへ向かいました。

キイズ・ホテルのラウンジに到着したアガサとトラヴィス。2人の元へ現れたのは、フランキーと彼の用心棒ロッコ・ヴェラ、レイの通訳を担当する女性ジュン・ユーファンです。

アガサが譲渡証明書を渡し、フランキーに『ポワロ』の原稿を買って貰おうとした瞬間、空襲警報が鳴り響きます。

空襲警報を聞きつけ、駆けつけた婦人警官のオハナウアー巡査は、ラウンジにいたホテルの客とアガサたちに避難するよう命じました。

ホテルのボーイであるクラレンス・アレンが案内する、頑丈な地下室のシェルターに避難したのは、アガサたち5人を含めて12人です。

旅行者のオードリー・エバンスとネル。イタリア人のエリ・スキアッチターノ、彼は闇市場で買った物をホテルの地下室に隠していました。

元軍人のマルコム・キャンベル卿と、彼に寄り添い同行する女性グレース、クラレンスとオハナウアー巡査です。

早く現金を手に入れ、取引を終えて夫のマックスが待つ家へ戻りたいアガサは、フランキーとの取引を再開しようとします。

しかし取引が再開されようとした瞬間、原稿が入ったアガサの鞄を預かっていたトラヴィスが、少し目を離した隙に、何者かに原稿が盗まれてしまったのです。

トラヴィスから報告を受けたアガサは、盗まれた原稿を取り戻すため、オハナウアー巡査に協力を求めました。

するとオハナウアー巡査は、原稿を盗んだ犯人探しを手伝う代わりに、アガサに「自分が賢い悪役として登場する本を書いて欲しい」と告げるのです。

オハナウアー巡査と協力関係を結んだアガサは、彼女が皆をシェルターに留めてくれる間に、原稿を取り戻そうとします。

そのためにまず、アガサはフランキーに、原稿が盗まれたことを正直に打ち明けました。

するとフランキーは、「ロッコに拷問させて犯人を炙り出そう」と提案するほど、激しく取り乱してしまいます。

「原稿を盗んだ犯人を知っている」と言うロッコに犯人探しを任せた結果、彼が疑ったエリと彼が口論し、喧嘩に発展。

エリの指示で、ロッコを襲ったクラレンスは、ロッコから反撃をくらい死亡してしまいました。

クラレンスの死に怒ったエリと、ロッコが一発触発状態に陥った瞬間、アガサを待っていたフランキーが、何者かによって毒殺されてしまう事件が発生。

アガサとトラヴィスは、原稿が盗まれ、フランキーが毒殺されたのは、自分たちの取引を知っている者による犯行だと推測しました。

アガサたちは、ジュンにお金の在処を聞くと、彼女は「フランキーの上着のポケットに、2万ポンド入っている」と話しました。

しかし、フランキーとアレンの遺体は、フランキーが殺された部屋に安置されており、オハナウアー巡査が監視しています。

そこでトラヴィスは、ロッコと一緒にエリにわざと喧嘩をふっかけ、オハナウアー巡査の気を引くことにしました。

その隙に、アガサがフランキーの上着を調べた結果、2万ポンドが無くなっていることが発覚。彼女は、自分たちが犯人に狙われていると確信したのです。

原稿やお金はもちろん、譲渡証明書も犯人が狙っているかもしれない。そう考えたアガサは、エリたちに自らの素性を明かします。

さらにアガサは、「譲渡証明書がなければ原稿の売買が行えないため、譲渡証明書がない原稿に何の価値は無い」と告げるのです。

アガサは犯人と交渉するつもりでしたが、トラヴィスが「原稿を見つけた者には1,000ポンドあげよう」と言い出したせいで、皆は金欲しさに原稿を探し始めてしまいます。

そんな原稿探しごっこに呆れたオハナウアー巡査は、皆の所持品検査を行うことにしました。

すると、オハナウアー巡査が怪しむエリの鞄を調べた結果、アガサの原稿が入っていました。

原稿が見つかって帰ろうとするアガサを、オハナウアー巡査は最近支給されたばかりの拳銃を持ち、「空襲中だし、まだ事件が未解決よ。警察に従わない奴は撃ってやる」と脅します。

外がどうなっているか調べもせず、まだ空襲も終わっていない、事件も未解決だと言い、拳銃で脅してでもアガサたちを地下室に拘束するオハナウアー巡査。

空襲音がしない外へ出て、家に帰りたいアガサたちは、そんな彼女の態度に不満を募らせ、対立します。

そこへトラヴィスが仲裁に入り、オハナウアー巡査と一緒に、空襲が終わったかどうか、外の様子を見に行きました。

その間、アガサはキャンベル卿とグレース、オードリーとネルに、取り戻した原稿内容について尋ねます。

原稿内容を一切明かさないアガサに対し、オードリーとネルは、「スパイ小説は?人脈も豊富で、どんな秘密も知っているんでしょ?」と尋ねました。

アガサは昨年、スパイ小説を完成させましたが、出版社側に売れないと判断されてしまい、その小説は未出版となってしまったのです。

そのスパイ小説について、執拗に聞くオードリーたちに、困惑するアガサ。そこへ、戻ってきたトラヴィスたちが、外は空襲中のままだと皆に伝えます。

以下、『アガサと深夜の殺人者』ネタバレ・結末の記載がございます。『アガサと深夜の殺人者』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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©Darlow Smlthson Productions 2020

トラヴィスに、アガサはオハナウアー巡査から助けてくれた礼を述べ、お互いについて話していると、彼が取り戻した原稿の表紙に何か書いてあることに気づきました。

アガサが取り戻した原稿の表紙には、「命が大事なら、原稿と証書をよこせ」と書かれていたのです。

トラヴィスと、アガサが表紙を見せたオハナウアー巡査は、原稿を鞄に入れていたエリが犯人だと疑いを深めます。

しかしアガサは、「彼は英語が話せないのに、こんなに綺麗で、完璧な英語の綴り文法を書く筈がない」と推理し、エリ以外の人物が犯人だと断定しました。

そこでアガサは、「話すよりも書く方が得意な人」と推測するオハナウアー巡査に、この場から姿を消したエリの所在を尋ねると、「容疑者なら眠っているわ」と言われます。

慌ててアガサとトラヴィスが、オハナウアー巡査の真後ろの扉を開け、遺体が安置された部屋へ向かうと、エリは左目をナイフで刺されて殺されていました。

そのナイフは、所持品検査時にオハナウアー巡査が、エリから取り上げたものでした。

当然、ナイフを持っていたオハナウアー巡査に、疑いの目を向けるアガサとトラヴィス。

容疑を否認するオハナウアー巡査に、アガサは皆にこの状況を伝え、空襲警報解除後、応援を呼ぶよう告げます。

しかしオハナウアー巡査とトラヴィスは、「原稿を殺人犯に渡せばいい」と言いますが、アガサにとって大事な作品である『ポワロ』の原稿を、殺人犯に渡す気はありません。

そこでアガサの要求どおり、オハナウアー巡査とトラヴィス、アガサは、皆に新たな殺人事件が起きたことを報告することにしました。

原稿と譲渡証明書を犯人に渡さない限り、地下室での殺人事件は終わらないと知った皆は、犯人探しに行く者とこの場に留まる者で二手に分かれます。

部屋に残るのは、トラヴィスとジュン、オハナウアー巡査。部屋を出て隠れている犯人を捜索するのは、護身用の銃を持つキャンベル卿とロッコ、アガサとグレース、オードリーとネルです。

アガサたちが部屋を出て、別室を捜索中、部屋に戻ろうとしたグレースの悲鳴が鳴り響きます。

グレースの視線の先には、何者かに殺されたジュンと、彼女の足元に記された「警告はしたぞ」という血文字がありました。

ジュンのそばには、頭から血を流し倒れているトラヴィス、頭に傷を負い、呆然と椅子に座っているオハナウアー巡査がいました。

新たな殺人事件と、トラヴィスの負傷に激しく取り乱すアガサは、皆にこう言いました。

「誰かこの殺人劇を止めて、そしたら犯人に証書と原稿を渡すわ」

オハナウアー巡査はこの時、「2万ポンドより命のが大事よ」と言いました。アガサはもちろん、取引を知っている皆は彼女に、原稿が盗まれたことは言いましたが、2万ポンドで原稿を売買する話はしていません。

意識を取り戻したトラヴィスは、「ジュンとトランプゲーム中に突如意識を失った」と証言。

ますますアガサたちの疑いの目は、軽傷のオハナウアー巡査に向けられます。

アガサはオハナウアー巡査を罠に嵌めるため、原稿を餌にホテルのラウンジに誘き寄せました。それには、オハナウアー巡査を信用していないネルが同行。

オハナウアー巡査は、ホテル内を捜索しようとするアガサとネルの行動を制し、アガサに譲渡証明書に署名しろと拳銃で脅します。

「今すぐ署名しないと撃つわよ」「浅知恵ね、私を撃てば署名できない」

「彼女(ネル)を撃つ」「彼女を殺したら立会人がいなくなるわよ。譲渡証明書には立会人の署名もいる」

アガサに嵌められたことを知ったオハナウアー巡査は、「私は人を殺した」と自供し、それでも構わないと言わんばかりに銃を発砲。

幸い、オハナウアー巡査の弾は、アガサとネルの背後にあった照明に当たりましたが、そんな彼女を隠れていたトラヴィスが射殺。

空襲は終わり、地下室で起きた事件も一件落着。キャンベル卿とグレースがホテルから立ち去った後、アガサはオードリーに「話がある」と声をかけられました。

「”ブレッチリー・パーク”を知ってる?あなたのスパイ小説は、我々が差し押さえた」

「我々は、著者のあなたが、極秘任務について知っているか探りに来た」

「私はあなたたちは税務調査官かと」「我々は政府の役人で、国防の任務を負っている。情報機関のエージェントよ」

「あなたたちは、私が国家秘密を知っていると?いいえ、そんなバカな。私には何の話だかさっぱり」

「我々に協力すれば、ここで起きたことは無かったことにするわ」「なら借金を取り消し国税局を宥め、印税を出さなかった米国に、印税を払うよう圧をかけて」

「生きるのに必死なの。疑惑を持たれても私はやってない。これまで書いた作品は全て、私の創造の産物よ」

アガサとそう交渉し、彼女に貸しを作ったオードリーとネルは、ホテルを立ち去りました。

トラヴィスと2人になったところで、アガサは彼に、「ポケットに2万ポンドあるでしょう?」と告げます。

アガサは、正直に2万ポンドをバーカウンターに出したトラヴィスに、命を救ってくれたお礼として、原稿を譲渡することにしました。

「まだ地下にロッコがいたはず、彼を連れてきて。譲渡証明書には立会人がいる」

「原稿が売れたら、私に手数料を払って」「警察が来たら、スパイも後始末が大変だから早く行って」

アガサにそう促され、地下室に戻ったトラヴィスは、フランキーたちの死を悼むロッコに会います。

トラヴィスから、フランキーたちを殺した犯人はオハナウアー巡査だと聞いたロッコは、彼に原稿の譲渡の立会人をと促されても、残ると言い張って動こうとしません。

ロッコは、なおも説得するトラヴィスに折れて、彼と一緒にホテルのラウンジに戻り、譲渡の立会いを行いました。

ロッコが手荷物を取りにその場を離れた直後、アガサはトラヴィスに、原稿と譲渡証明書を渡しました。

アガサとトラヴィスは、初めてお酒を2人で飲むことに。しかしアガサは、一切お酒に口をつけようとしません。

そんなアガサを、ナイフで脅すトラヴィス。そう、この事件の黒幕は彼だったのです。

「お金と原稿なら理解できる、何故殺したいの?14年前のあの時、私が何かした?」

「賢すぎだ」「それが私を罰する理由なの?」「考えすぎだ」

アガサとそう言い合うトラヴィスは、アガサを殺せば、『ポワロ』の原稿は絶筆となり、価値が上がって大金を手に入れられると踏んだのです。

そしてトラヴィスは、かつて自分を逮捕したオハナウアー巡査を引き込み、計画の邪魔になるフランキーたちを殺害。

オハナウアー巡査が、トラヴィスと手を組んだのは、彼を愛してしまったからでした。

アガサは薄々、トラヴィスが黒幕だと気づいていましたが、勘違いであって欲しいと願っていました。

「黒幕があなただと疑いを持ったら、全てが見えてきた」「2つあったポケットと酒入れ、私が入れ替えた」

「毒殺を誤魔化すため、私とフランキーに酒を勧めたわね」「ジュンを殺した際に手についた血で血文字を書いた時と同じ、あなたはやりすぎたせいで身を滅ぼした」

その証拠に、トラヴィスの指には血がついており、その指紋が2万ポンド入った封筒についていました。

さらに、空襲も嘘。空襲警報は、ホテルのラウンジ奥に隠された、蓄音機に録音されたものでした。

全ての悪事を暴かれたトラヴィスは、アガサに謝罪をしましたが、彼女が酒に仕込んだ毒が回り、苦しみ悶えた末に息を引き取りました。

アガサは戻ってきたロッコに、2万ポンドを渡した後、原稿と譲渡証明書を持って、ホテルを後にしました。

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映画『アガサと深夜の殺人者』の感想と評価


(C)Darlow Smlthson Productions 2020

アガサとトラヴィスの凸凹コンビ

14年前、列車内で起きた従軍看護師殺害事件で、事件の真相を追うアガサと、容疑者候補として呼び出されたトラヴィスが出会いました。

前作『アガサと殺人の真相』で絡んだ2人が、本作でコンビを組み、消えた原稿の行方を追っていくことになるなんて驚きです。

それに、トラヴィスの飄々とした態度で食えない男なところも、14年前と変わらず。アガサとのやり取りも14年前と変わらなくて、前作を観た人は特に面白かったことでしょう。

ただ『ポワロ』の原稿を、フランキーに高値で売り譲渡するはずが、空襲警報を受け地下室に避難した途端、原稿は消えてしまいます。

さらに、フランキーも毒殺され死亡。さらに次々と地下室に避難した人々が死んでいく事件に発展。アガサの不憫さに胸が痛くなります。

そんな中、最後までアガサを守った用心棒のトラヴィス。2人の凸凹コンビの活躍は、観ているこちらもハラハラドキドキして面白いです。

全ての事件の黒幕の正体


(C)Darlow Smlthson Productions 2020
空襲警報を受け、ホテルの地下室に避難したアガサたち。そこでは、突如アガサの原稿が消え、買い取る予定だったフランキーも毒殺され死んでしまいます。

フランキーの毒殺に続いて、ロッコの正当防衛によるクラレンスの死亡、消えた原稿が鞄に入っていた容疑者候補のエリが、顔をナイフで刺されて死亡。

さらに、フランキーの通訳をしていたジュンも、何者かに襲われて死亡してしまい、立て続けに事件が起こります。

アガサは無事、消えた原稿を取り戻すことが出来ました。しかし犯人が欲するのが、アガサの原稿と譲渡証明書なため、彼女は自分のせいで人が殺されていくのではと思い、精神的に追い込まれてしまうのです。

そんなアガサを支え、守っていたはずの用心棒トラヴィスが、全ての事件の黒幕でした。

トラヴィスが、アガサに殺意を持った理由は明確に明かされていませんが、彼の狙いはアガサを毒殺し、絶筆となった『ポワロ』を2万ポンドより高値で売り捌くことです。

その目的のために、邪魔者を次々と消していったトラヴィス。最後までアガサを殺すことを諦めていませんでしたが、見事彼の思惑を見破ったアガサの勝利で幕はとじました。

まとめ


©Darlow Smlthson Productions 2020

世界的推理作家アガサ・クリスティが、14年前に知り合った小悪党の元ボクサー、トラヴィスと一緒に消えた原稿の行方を追う、イギリスのミステリードラマ作品でした。

本作の見どころは、第二次世界大戦の渦中にある時代背景を活かした展開と、アガサの小説家としての苦悩です。劇中では、西部戦線真っ只中のイギリス・ロンドンが舞台となっています。

空襲警報を受け、地下室に避難したアガサたち。空襲がどんなに恐ろしいものか、早くホテルから出て家族がいる家に帰りたい皆の気持ちが、画面越しに痛いほど伝わってきます。

それに再婚して幸せなはずのアガサが、戦争が激化し米国が印税を払わないせいで、国税局に睨まれ借金を抱え、生活に困窮してしまったから大事な作品の原稿を売るしかないその苦悩。

世界的推理作家の苦悩する姿という、意外な一面を知れて嬉しい反面、前作『アガサと殺人の真相』同様、小説家として苦悩している彼女を何とかしてあげたい気持ちが湧いてきます。

世界的推理作家と小悪党が、密室空間で起きた事件の真相と消えた原稿の行方を追いながら、水面下で戦うミステリードラマ映画が観たい人には、特にオススメな作品です。

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