NETFLIX映画『エノーラ・ホームズの事件簿』
「推理小説」として100年以上に渡り愛される小説シリーズ「シャーロック・ホームズ」。
現代に舞台を変えたドラマシリーズ「SHERLOCK」や老齢のホームズが主人公の『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』(2016)など、手を変え品を変え様々な形で映像化される「シャーロック・ホームズ」の人気は現代でも衰えることを知りません。
今回は、「シャーロック・ホームズ」の妹を題材としたNetflix独占配信映画最新作『エノーラ・ホームズの事件簿』(2020)をネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。
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映画『エノーラ・ホームズの事件簿』の作品情報
Netflix映画「エノーラ・ホームズの事件簿」9月23日(水)より全世界独占配信開始
【原題】
Enola Holmes
【配信】
2020年(Netflix限定配信)
【監督】
ハリー・ブラッドビア
【キャスト】
ミリー・ボビー・ブラウン、ヘレナ・ボナム=カーター、ヘンリー・カヴィル、サム・クラフリン、ルイス・パートリッジ、フィオナ・ショウ
【作品概要】
ナンシー・スプリンガーによる小説シリーズ「エノーラ・ホームズの事件簿」の第1作「消えた公爵家の子息」を映像化した作品。
ドラマ「ストレンジャー・シングス」シリーズに出演し、絶大な人気を誇る女優ミリー・ボビー・ブラウンが主演を務めました。
映画『エノーラ・ホームズの事件簿』のあらすじとネタバレ
Netflix映画「エノーラ・ホームズの事件簿」9月23日(水)より全世界独占配信開始
1884年、ホームズ家に生まれたエノーラ。
父は物心つく前に他界し、2人の兄弟はエノーラが幼いころに家を出たため、エノーラは母と2人で育ちました。
母はエノーラに手芸や料理など「女性」として世間に求められる分野を教えず、代わりに格闘技や化学やスポーツなどを教え、エノーラはそのことに満足し毎日を過ごしていました。
一方で母は定期的に女性のみの集いを行い、その様子をエノーラから隠す謎の多い人物でもありました。
エノーラの16歳の誕生日、母はエノーラへのプレゼントを残し突如家から失踪。
エノーラは探偵として活躍する兄シャーロックと、官僚として名を馳せる兄マイクロフトを家に呼び出し、母の失踪を伝えます。
十数年ぶりにエノーラを見たマイクロフトは、母がエノーラを淑女として育てなかったことに憤ります。
家に着いたシャーロックは、残された痕跡から誘拐ではないことを見抜くと、母が「女性の独立」の思想を持つフェミニストであることを確信。
マイクロフトは十数年間に渡り母からお金を無心されていたことを話し、その名目であった新品の風呂や洗浄機がないことから、母は別のことにそのお金を使っていたことを知ります。
マイクロフトはエノーラを強制的に寄宿学校に入れ、淑女として彼女を育て直そうとします。
寄宿学校の教師ハリソンが館を訪ねますが、言葉が粗野なエノーラとすぐに言い合いになり、エノーラは寄宿学校へ行くことを拒否します。けれども、マイクロフトは頑なにエノーラを寄宿学校へ入れようとします。
シャーロックはエノーラの境遇に同情し母の失踪に興味を示しますが、家族のことを今まで省みなかったシャーロックはマイクロフトに強く言い出すことができませんでした。
シャーロックの助言通り目の前のことを見つめようとするエノーラは、「エノーラ(enola)」と言う名前が「孤独(alone)」を反対から読む名前であるように、母の癖でもある言葉遊びを思い出し、母がプレゼントに残したメッセージを逆に読むことで「私の菊を見て」という母の残したメッセージに行き着きました。
実際の菊ではなく、母の描いた絵の裏に封筒を見つけたエノーラはその中にある新たなメッセージと大金を手に入れます。
未来は自分の選択次第と言う母のメッセージを見つけたエノーラは自身の道を行くために、シャーロックの幼少時の服を盗み出し、マイクロフトに見つからないように母を探す旅に出ます。
電車内で、家族から逃げる貴族の息子バジルウェザー・テュークスベリー侯爵と出会ったエノーラは山高帽の男に殺されそうになっているテュークスベリーを見捨てきれず助けてしまいます。
先頭車両に追い詰められた2人は列車から飛び降り逃げ延びます。
マイクロフトがエノーラを必死に追うのを尻目に謎を楽しむシャーロックでしたが、家政婦からエノーラを助けてほしいと懇願され、エノーラが彼女に残したと言う大金から菊の絵と彼女の行き先を解き明かします。
バジルウェザーと野営することになったエノーラは、バジルウェザーが貴族院に入り家を継ぐことを考えているのに対し、彼の家族は彼の父親の死を契機にテュークスベリーを軍に入れようとし、それをきっかけに彼が家出をしたことを知ります。
バジルウェザーと共にロンドンへとたどり着いたエノーラは彼と別れ次の手がかりを探します。
ロンドンではバジルウェザーが50ポンドの懸賞金がかけられていました。
一方、マイクロフトは改正法案における貴族院の投票権と侯爵の失踪を憂いながら、エノーラの失踪をスコットランドヤードの刑事に任せたとシャーロックに言います。
マイクロフトはシャーロックが母とエノーラの捜索をしようとしていることを止めようとしますが、彼が真剣にエノーラを心配していることを悟り家名を出さないことを条件に許可します。
宿を決めたエノーラは母と連絡を取るために複数の新聞社に菊の言葉遊びを含めたメッセージの記載を依頼します。
その一方でかつて母が定期的に連絡をとっていたティールームへと向かうと、その裏はかつてエノーラに柔術を教えたエディスの道場になっており、エディスはエノーラの母親に関する何かを知っている様子でしたが、エノーラに教えようとはしませんでした。
エノーラの過去の記憶の中にある言葉と、エディスの事務所にある紙に書かれていた言葉の全てがアナグラムであり、置き換えた言葉がロンドンの場所を意味していることに気づいたエノーラはその場所の一つ「ライムハウス・レーン」へと向かいます。
エノーラはライムハウスにある倉庫の1つから火薬の生成を行なっていたような形跡と大量の爆薬、そして女性の参政権を訴える記事を発見します。
エノーラは母が女性の参政権を訴えるため爆破テロを計画している可能性に行き着き、探し出すべきか迷い始めます。
倉庫から出たエノーラはバジルウェザーを追っていた山高帽の男に襲われます。
男はエノーラがバジルウェザーの情報を持ってないと知ると彼女を殺害しようとします。
母のアジトに逃げ込んだエノーラは、火薬に火をつけ爆破し山高帽の男をかわします。
バジルウェザーが本格的に命を狙われていることを知るエノーラは彼を助ける人間がいないことを悟り、母親探しを中断し彼を救うため行動に出ることを決断。
彼の家族が抱える問題を知るためテュークスベリーの館を訪れたエノーラは、バジルウェザーの母親に咄嗟にシャーロックの助手であると名乗ります。
その場に居合わせたシャーロックの親友を名乗るレストレードに正体を見破られかけたエノーラでしたが、逆に彼の興味を引くことに成功します。
レストレードはマイクロフトにテュークスベリー家で会った少女の話をし、彼女こそがマイクロフトの依頼であったエノーラであることを知ります。
テュークスベリー家の敷地内にあるバジルウェザーの隠れ家の情報からバジルウェザーの居場所を見つけたエノーラはバジルウェザーと合流し彼を宿へと連れて行きます。
バジルウェザーが家族から命を狙われていると本人に伝えるエノーラ。
彼の父親も同じく家族に殺害されたと話すエノーラでしたが、その時部屋に隠れていたレストレードに捕まりそうになります。
エノーラはバジルウェザーを窓から逃がしますが、レストレードの狙いはエノーラであり、マイクロフトに引き渡されたエノーラは寄宿学校へと強制的に入学させられます。
良妻になるための寄宿学校での日々はエノーラの心を苛みます。
ある日、寄宿学校にシャーロックが訪ねてきます。
シャーロックは独自の調査でライムハウスまでたどり着いており、母が成そうとしていることにも気付いていました。
さらにシャーロックはテュークスベリー侯爵の失踪にエノーラが関わっていることを知っており、彼女に「サメを探すときは自身が餌になれ」とアドバイスします。
シャーロックはエノーラの才能を褒めると「自分の道は自分で選べ」と言い、母と同じ常識に縛られない人間になれと告げ部屋を出て行きます。
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映画『エノーラ・ホームズの事件簿』の感想と評価
Netflix映画「エノーラ・ホームズの事件簿」9月23日(水)より全世界独占配信開始
コナン・ドイルによる名作小説シリーズから登場人物の設定を借用し、新たな登場人物「エノーラ・ホームズ」を主人公とした最新映画『エノーラ・ホームズの事件簿』。
本作はアメリカのエドガー賞で高い評価を受ける小説シリーズを原作としており、少年少女の冒険物語としてもサスペンスに満ちた推理劇としても楽しめる高いクオリティの作品です。
また、本作には「シャーロック・ホームズ」シリーズと同じ「推理劇」の他に、女性が強く自由に生きることを描いたメッセージ性も込められています。
19世紀末のイギリスでは女性の「参政権」を巡り「サフラジェット」と呼ばれる過激な女性活動家が現れ始めます。
主人公エノーラの母親が「サフラジェット」であることを匂わせる本作は女性としての束縛からの解放や、古い考えに固執する愚かさを前面に描いており、フィクションでありながら時代と戦った人間たちの存在を確かに感じさせられる映画でもありました。
まとめ
Netflix映画「エノーラ・ホームズの事件簿」9月23日(水)より全世界独占配信開始
いかがでしたか。
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)に出演する注目の女優ミリー・ボビー・ブラウンの魅力的な演技だけでなく、優雅で自信に満ちたシャーロックを見事に演じたヘンリー・カヴィルの演技にも注目して欲しい本作。
最新映画『エノーラ・ホームズの事件簿』は映像配信サービス「Netflix」にて独占配信中です。