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Entry 2017/06/07
Update

火花ドラマと映画のキャスト比較!感想や評価も。劇場公開はいつ?

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

芥川賞を受賞した又吉直樹(ピース)の小説『火花』をドラマ化が大きな話題になりました。

それに引き続き、今度は人気若手俳優の菅田将暉と桐谷健太のダブル主演で映画化されることに注目が集まっています。

漫才という“お笑い”の世界で葛藤しながらもひたむきに生きる若者たちの姿を描いた『火花』のドラマ版と映画版を比較してながらご紹介します。

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1.映画版『火花』のスタッフとキャストは?

徳永役に若手人気実力派の菅田将暉


(C)2017「火花」製作委員会

神谷役に脇役で常に確実な存在感を示す桐谷健太


(C)2017「火花」製作委員会

映画版『火花』は、『板尾創路の脱獄王』『月光ノ仮面』といった作品で監督・脚本・主演を務めた、お笑い芸人の板尾創路が監督を務めます

また、『青い春』などで知られる監督の豊田利晃も共同脚本として参加。


(C)2017「火花」製作委員会

大注目なのがダブル主演を務める菅田将暉と桐谷健太

ティザービジュアルの写真には「笑いながら、もがき倒した10年間。」というキャッチコピーが添えられています。

若手漫才コンビ「スパークス」の屈折した悩める青年・徳永太歩を菅田が演じ、その徳永が慕う“天性のお笑いそのもの”である先輩芸人・神谷才蔵を桐谷が演じます。

どのようにこの2人が魅力の溢れる人物像を作り上げるのか公開が待ち遠しいですね。

ちなみに、2016年に有料動画配信のNetflixと吉本興業によって映像化され、すでに放映されたドラマ版では、徳永役を林遣都、神谷役を波岡一喜が演じていましたね。


(C)2017「火花」製作委員会

映画版『火花』には他にもキャストとして、木村文乃、川谷修士(2丁拳銃)、三浦誠己、加藤諒が出演をするようです。

また、神谷がの彼女である宮野真樹役を映画版では木村文乃、ドラマ版では門脇麦が演じています

愛すべきお茶目なヒロインであったこの役柄、どのような違いがあるのか、ここにも注目ですね。

2.原作小説『火花』あらすじと感想は!


https://www.amazon.co.jp/火花-又吉-直樹/dp/4163902309

熱海の花火大会の余興で若手お笑い芸人の徳永と、4歳先輩の神谷は、別々の漫才コンビとして出会います。

徳永が神谷に惹かれたのは、周囲に媚びずに、常に笑いのことをばかりを考え、根っからの芸人で居続ける精神性の高さに敬意を抱いたからです。

神谷を尊敬した徳永は出会ったその日に師弟関係を結びます。

その後の2人は、日常も頻繁に会っては酒を交わしながら濃密な時間を過ごして行きます。

芸人とは何か?笑いと何か?

禅問答を繰り返していくのです。

徳永は神谷路いう笑いそのもののような人柄や、笑いと向き合う強い姿勢を尊敬しながら、少しでも師匠に近づきたい、彼に認められたいと願うようになっていくのです。

しかし、神谷の天性の笑いのセンスは到底真似できません。

それでも徳永は彼から多くのことを吸収しながら学び続けようと励みます。

だが、そんな2人の関係も徐々にズレが生じていきます。

徳永が相方と漫才コンビを組む「スパークス」は、テレビ出演などで売れ始めてきたからです。

ある日、他人の模倣をすることを最も軽蔑していたはずの神谷が、事もあろうに徳永と同じ髪型、同じ服装をして現れました。

徳永は神谷のとった行動に師匠として抱いていた幻想のようなものを打ち砕かれてしまい、怒りが爆発。

そのことをきっかに距離を置くようになった徳永と神谷。

やがて、徳永は神谷の相方から神谷が借金まみれになって逃亡したことを告げられます…。

さて、この作品の感想をamazonカスタマレビューからいくつかご紹介します。(但し、今回は好評の感想だけにさせていただきますね。)

この作品をどう捉えるのかで、面白い面白くないの評価はわかれるのだと思う。

娯楽性の高い大衆文学としてとらえるなら、この作品は山場もオチもない退屈な作品と捉えられてしまうと思う。
しかし芸術性の高い純文学としてとらえるならば、粗削りではあるが、素晴らしい作品だと思う。
私は後者でとらえた。売れない芸人の半生、想い、葛藤を二人の人間を介して表現している。そこには大衆文学にある伏線やどんでん返しは存在しない。いやその必要性はない。ただそこには日々があるのみ。色々なことを悩み、考え、想い、生きる。それは物語としては、話の揺れ幅は少ない。、しかし人間の心情的な部分を揺さぶり、読み進めていくと筆者の世界観や言葉に引き込まれた。
芸人である筆者だからこそ書くことの出来たリアリティ。処女作品とは思えない文章表現力。そのどれもが完成度の高い文学作品である。

私の稚拙な文章力ではこの作品の魅力を最大限に伝えることが難しい。
けれども、私はこの作品が好きだ。面白いと思った。

面白い面白くないは個人の感性である故、しかたのないことだ。
けれども人を不愉快な気持ちにさせるような、下劣で低俗な文章を乗せないで頂きたい。
否定と嘲笑は違う。
ゼッロ(amazonカスタマレビューから)

芥川賞が純文学で直木賞が大衆文学・商業性重視の作品に贈られる、というのがよくわかった作品です。
又吉さんが書いたかから、という理由で手に取るのも良いと思う。
今まで、直木賞作品は数々読んで来ましたが
芥川賞は読む気がしない、そんな自分にもう一度、日本文学の愉しみ、日本語に魂揺さぶられる思い、読書の時間を与えてくれました。

芸人仲間の方達は、この作品が賞を取り、本当に喜んでるのではないでしょうか。

又吉さんのお笑い愛、仲間愛、芸術としてのお笑い感が伝わってきた。
先輩とのやり取りの中に、
人の深みや職業人としての感性、人間の弱さなど
文学でなければ成し得ない表現を体感することができた。
美たまご(amazonカスタマレビューから)

評価が割れている話題作、ドキドキしながら読み始めました。
十数ページ読んだ時点で、書き手がいたって真面目に文学に、この作品に向き合っているのが文章から伝わって来、好感を持ちました。

今の時点では原石です。
表現の稚拙さや、途中冗長になる部分や、同じ作品かと思うほどひとつの作品の中で文章の雰囲気やクオリティが高低するのが気になりました。
しかし、ひしひしと伝わる文学への愛、世間や他人は裏切っても自分の作品とは心中する覚悟のストイックさ、それを表現して他人を納得させるだけのセンスや技術は、お金を出して読むに値するレベルです。
原石だけれども、これが結実したらどうなるのだろうと畏怖させるような才能の輝きを、私は十分感じることができました。

個人的に、又吉さんの敬愛する太宰や芥川が好きで、彼等作家の生きたあの時代の空気も大好きなので、「火花」の中にもそれを感じることができてとてもうれしかったです。太宰や芥川や、漱石の生きた時代、まだ人と人が1対1で向き合って、語り合って、今とは比べ物にならないくらい他者との直接的な関わりの密度が濃かったであろうあの時代の雰囲気が、「火花」にはあります。
何気ない日常の雰囲気の描写に、濃霧のように立ち込める、あの作家たちの生きた時代の空気が、火花にも立ち込めているのです。
私はそれが嬉しくて、何度も読みながら泣いてしまった。

芥川賞にふさわしい作品です。
くるやん(amazonカスタマレビューから)

お笑い芸人にである又吉直樹が執筆したこともあり、amazonのレビューには小説を読んだ感想というよりも、嫉妬や妬みの掲載も多くありました。

個人的にも読む以前とその後では印象は大きく変わりました。

又吉直樹が書いた活字を読めば、“純文学”や“お笑い”だけを愛したモノではなくことに気がつくことでしょう。

如いては、それが誰もが過ごしてきた若い時の苦い姿を奇跡よのうに暖かくも儚く、人間賛歌を書き綴った文学であることを個人的には感じました。

あなたは小説『火花』の感想はいかがでしょうか?

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3.Netflixドラマ版『火花』は傑作という評判⁉︎

Netflixドラマ『火花

ここでドラマ版『火花』を振り返ってみることにましょう。

芥川賞を受賞した又吉直樹の原作『火花』を、Netflixドラマで映像化されたことは、すでに民放ドラマで映像化されなかっただけで、ひとまずの成功を納めています。

原作者である又吉直樹から、ドラマ化するにあたっては新たなエピソードを付け加えるのではなく、原作の延長線上を意識してほしいと伝えていたことがあったからです。

これは民放ドラマでは視聴率優先といこともあり、原作者の意向としても不可能に近いからです。

また、ある意味では、2時間モノの映画版されるよりも幸せなことだったともいえます。そのことはおいおい触れていきましょう。

ドラマ版『火花』の主演には林遣都と波岡一喜がキャスティングされました。

総監督を務めたのは、『オオカミ少女と黒王子』『PとJK』の廣木隆一監督が担当。

各話ごとの監督に初回1話、9話と最終回10話を廣木隆一担当。3話と4話を白石和彌が担当。5話と6話を沖田修一が担当。7話と8話を久万真路が担当。2話を毛利安孝が担当

廣木隆一監督以外にも実力のある監督たちが各話の演出を務めています。

監督たちの演出は非常に質も高く、一般的にドラマでは使用さることのないじっくりと演技を見せるロング・テイク(カメラの長回し撮影)を多用。

また、ざらついた質感を持つフィルムにこだわった撮影は、ロケーション・ハンティングがしっかり行われた街中の路地や夜間シーンの撮影で見事に生かされています

そのことで見る者に映画と遜色のない完成度の高い作品を作り上げていました

さらには、原作小説があるものを民放テレビ局がドラマ化した場合、各話ごとに次週を期待させるような1話完結の各起承転結をつけるが一般的。

そのために原作にないエピソードを作ることも余儀なくされます。

しかし、Netflixドラマでは、そのような場面はなかったように思います。とはいえ、原作にいなかった登場人物も出てはいました。

それは原作をより深く描くためという理由なので、民放制作のドラマとは異なる点だったのではないでしょうか。

民放ドラマだと作品性の質の高さよりも、視聴率を意識してしまうためか、話題性の高い人気俳優や旬のタレントを参加させたいという、要素とは大きく働くからです。

それらの要素を徹底的に避け、映像化することに妥協を許さずに映画を作るような体制でのドラマ制作を意識したのがNetflixドラマです。

各話ごとに大きな事件などが無意味に起こることがなく、日常が続いているようドラマ展開は、原作を読んだ読者の空気感を壊すことなく、同じような印象を視聴者に与えたことも大きな評判となりました。

それは累計発行部数は単行本253万部、文庫本が30万部というべストセラーの完全映像化の持つ宿命だからではないでしょうか。

また、原作『火花』を映画化した場合は約120分前後。Netflixドラマは10話完結で約45分×9話+50分(最終回)=約445分です。

正直なところ、映画化した際には、Netflixドラマのダイジェスト版になりかねない恐れもありますね。

それが先に述べた“映画化ではなくドラマ化された幸せ”という指摘になります。

ここでいくつか、ドラマ版『火花』を視聴した感想を「Yahoo!テレビ.Gガイド」からまとめてみましょう。

「一話一話が一遍の映画のような、自分の心の中にこんな場所が残っていた事を幸せに感じさせられる作品でした。
美しくリリカルで、懐かしく、切ない。役者さんたちも街や風景も音楽も映像もみな素晴らしかった。
原作者さんはきっと嬉しかったのではないでしょうか。
一話一話、大切に観ました。製作に携わった皆さん、ありがとうございました。」
投稿者:dik*****さん

「主役の二人が本当に素晴らしかった。徳永役の林遣都さんは、ちょっとした仕草や言い回しが又吉さんを彷彿とさせて、凄く研究したんだろうなと感心した。あと神谷役の波岡一喜さんは、最初あまりにも上手いのでお笑いの人かと思ったぐらい。ハラハラするような危うさに凄みがあるし、純粋さ優しさを穏やかに醸し出して素晴らしかった。二人でダラダラ過ごす日常が愛おしくて、このままずっと永遠に続けばいいのにと思った。色々な場面の映像やエピソードが今でも心に残ってます。」
投稿者:mim*****さん

「録画して一気に観ました。最初3話目くらいまでは、映像は好きな感じだけど、退屈だとも思っていました。しかし、だんだん引きこまれて行って、後半は本当に一話一話を一生懸命になって見てしまいました。みなさんが書かれていますが、林さんと浪岡さんの演技は本当に凄いと思いました。今まで見てきたドラマって何だったんだろうと思ったくらいです。原作を読んでいないのですが、ものすごく感動しました。なんか、ありきたりのことばかりなのに、こんな感想書いちゃうくらいです。お笑いでも、人生哲学でも、優しさでも、伝わってくるものがあるって、こんなに素晴らしいことだったんだって思いました。」
投稿者:row*****さん

ドラマ版『火花』は原作に近い充実感を視聴者に与えたようですね。

質の高いNetflixドラマ化では十分な時間的な尺や、日常性のリズムといった内容から小説の深さを一層濃いものにしていたのではないでしょうか。

さて、Netflixドラマ版『火花』のスタッフに脚本協力で参加した板尾創路

彼がダブル主演の菅田将暉と桐谷健太を起用して、どのような映画を目指すか要注目です!

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4.『火花』のラスト結末のネタバレ!

お笑い芸人ピースの又吉直樹の『火花』が芥川賞を獲ったことは、これまでも少し触れたように話題性や書籍の売り上げを狙った理由があると一般的に揶揄されることがありました。

また、又吉文学の文体は、いつか読んだ作家たちの文体と酷似していることを指摘する声もあります。

しかし、本当にそれだけで芥川賞を受賞したのは間違いのように批判はできるのでしょうか?

読むべきところは話題や模倣した文体ではないように思います。

漫才の世界で生き残りたいとする若者たちの鬱屈した姿が淡々と美しいまでに綴られ、時に繊細なまでに又吉独自の注意深く観察された主眼。

あるいは一種の哲学のようなものが禅問答が書かれている作品だからではないでしょうか。

また、特に秀でた部分は、前半部分とは異なる衝撃な結末への展開です。

これを読み手がどのように捉えるかによって、確かに大きく見方は二分する痛烈なものであったと思います。

以下はネタバレになります。

新作映画版『火花』を劇場で観るか、又吉文学を書籍で読むか、あるいはNetflixドラマで観るか、さらには、堤真一朗読のCD版もオススメなのでそちらをどうぞ!

時間のない方、どうしても知りたい方は以下をお読みくださいね。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『火花』ネタバレ・結末の記載がございます。『火花』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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借金まみれになって逃亡していたはずの師匠である神谷は、突然、徳永の目の前に現れました。

この展開は今までの淡々と徳永の心象で描かれていた日常の流れが一変します。

神谷は何とこともあろうか、笑いを狙って胸部をFカップほどシリコンを入れてきたのです

神谷らしい笑いを突き詰めた行動ではありますが、笑うに笑えない奇行に走った師匠を、徳永は心底から哀れみます。

一番の理解者である徳永だけは笑って欲しかったという神谷。2人は涙を流します。

その後、2人は昔を思い出すために彼らが出会った熱海の温泉旅行に出かけ、師弟関係を結んだ居酒屋にも行きます…

そこで楽しかった頃に井の頭公園で歌った歌う、満月を見ながら平凡な奇跡を感じる徳永…。

この結末だけ読むと馬鹿げたオチのように感じられるかもしれません。

しかし、又吉直樹の小説は、読者に言葉では言い表せない感情が湧いてくるはずです。

ドイツの哲学者のゲーテはこう述べています。「人生は悪しき冗談なり」。

小説にある一連のペースで繰り返される日常にある師弟の禅問答や、信頼をする2人の様子を読むと、解説では感じられない理解できるかと思いますよ。

ぜひ、又吉直樹の小説『火花』を読むことをお薦めします。

まとめ

若手俳優では最も人気のある菅田将暉。そして脇をしめる役柄といえば右に出る者はいない実力派の桐谷健太。

板尾創路監督は同じくお笑い芸人の書いた小説『火花』をどのように演出するのか?

また、完成度が高いと言われるドラマ版『火花』と比べられる中で、どのような違いを見せるのでしょう?

人気の若手俳優をダブル主演主演に迎えた映画『火花』は2017年11月23日から全国公開予定。

ぜひ、映画館でご覧くださいね!

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