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Entry 2019/09/04
Update

映画『やっぱり契約破棄していいですか!?』ネタバレあらすじと感想レビュー。予測できない人生の面白さと諦めない大切さ

  • Writer :
  • 金田まこちゃ

映画『やっぱり契約破棄していいですか!?』は、2019年8月30日より全国順次公開。

人生に絶望し、自死を考えていた小説家が、クビ寸前の暗殺者と出会った事で始まる騒動を描いたブラック・コメディ『やっぱり契約破棄していいですか!?』

小説家ウィリアムを『ダンケルク』のアナイリン・バーナード。そして、殺し屋レスリーを『フル・モンティ』のトム・ウィルキンソンが演じています。

生きる事の大切さをユーモアたっぷりに描いた『やっぱり契約破棄していいですか!?』をご紹介します。

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映画『やっぱり契約破棄していいですか!?』の作品情報


(C)2018 GUILD OF ASSASSINS LTD

【日本公開】
2019年(イギリス映画)

【原題】
Dead in a Week: Or Your Money Back

【監督・脚本】
トム・エドモンズ

【キャスト】
トム・ウィルキンソン、アナイリン・バーナード、フレイア・メーバー、マリオン・ベイリー、クリストファー・エクルストン

【作品概要】
2003年の映画『コールド・マウンテン』などの企画や製作、配給に携わっていたトム・エドモンズの長編デビュー作。

自殺願望の強い小説家の青年が、暗殺者に自身の暗殺を依頼した事で、巻き起こる騒動を描いたコメディ。

主人公のウィリアムを、2017年のクリストファー・ノーラン監督作品『ダンケルク』へ出演しているアナイリン・バーナード、暗殺者のレスリーを、1997年の映画『フル・モンティ』や2011年の映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』などに出演しているトム・ウィルキンソンが演じています。

映画『やっぱり契約破棄していいですか!?』のあらすじとネタバレ


(C)2018 GUILD OF ASSASSINS LTD

小説家志望の青年ウィリアムは、執筆した小説も酷評される毎日に希望が持てず、飛び降り自殺をする為、橋の上にいました。

そこへ通りかかった謎の男に、ウィリアムは自身の境遇を説明します。

謎の男は「死にたいならいつでも連絡しろ」と、ウィリアムに名刺を渡し、その場から立ち去ります。

ウィリアムは名刺を受け取りながらも、意を決して橋の下へ飛び降りますが、偶然通過した観光船に落ちてしまい、助かってしまいます。

これで、通算7度目の自殺失敗となったウィリアムは、橋の上で名刺を渡してきた男に連絡をします。

レスリーと名乗る男と、レストランで待ち合わせたウィリアム。

レスリーは、長年暗殺者として生きてきた男で、ウィリアムに「希望の死に方で、1週間以内に君を殺す」という契約を持ちかけます。

希望の死に方を選んでいたウィリアムは、当初は疾走するトラックから子供を助けた後に死ぬ「英雄死」を望んでいましたが、予算の都合で叶わず、契約した日から1週間以内に、レスリーに狙撃される死に方を選びます。

いつ、どこで狙撃されるかはレスリーのタイミングとなり、ウィリアムは指定できません。

ウィリアムとの契約を成立させたレスリーは、所属する英国暗殺者組合へと戻り、契約を取った事を報告します。

かつては凄腕の暗殺者だったレスリーですが、年齢により腕が落ちてしまい、現在は引退を先延ばしにしている状況でした。

レスリーの妻のペニーも、レスリーが暗殺者を引退して、一緒に世界一周旅行に出かける事を望んでいます。

それでも、暗殺者である事にこだわるレスリーにとって、ウィリアムとの契約は、ノルマ達成の為の大事な契約だったのです。

レスリーと契約を交わし、狙撃されるのを待っているだけの日々を送っていたウィリアム。

ですが、自身の7度に渡る自殺失敗の経験から執筆した書籍が、出版社の目に止まり、編集者のエリーと、エリーの上司ブライアンとランチミーティングをする事になりました。

突然の事に驚いたウィリアムは、外で待機していたレスリーを見つけ出し、狙撃の延期を要求しますが、その時にランチミーティングの場所と日時を伝えてしまいます。

ランチミーティング当日、エリーとブライアンに書籍の方向性を伝えるウィリアムでしたが、ブライアンは強引な男で、ウィリアムの希望を聞こうともしません。

うんざりした様子のウィリアムは、落としてしまったボールペンを拾おうとした瞬間、ブライアンが狙撃されます。

ウィリアムから、ランチミーティングの日時を聞いたレスリーは、建物の影から狙撃しましたが、腕が震えて狙いが定まらず、外してしまいました。

レストランは大混乱となりますが、ウィリアムとエリーは、テーブルの下に隠れて、狙撃から身を守ります。

次の日、突然ウィリアムの自宅を訪れてきたエリーは、書籍の出版に関して、今後のスケジュールを相談しようとします。

ですがウィリアムは、自殺の為に雇った暗殺者に狙われている事を打ち明け、書籍の出版は叶わない事を伝えます。

エリーは、ウィリアムがレスリーとの契約を破棄する事を提案し、ウィリアムはレスリーに電話をします。

ウィリアムの自宅から流れる、レスリーの着信音。

音のする部屋の扉をウィリアムが開けると、レスリーが窓から逃げようとしているところでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『やっぱり契約破棄していいですか!?』ネタバレ・結末の記載がございます。『やっぱり契約破棄していいですか!?』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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(C)2018 GUILD OF ASSASSINS LTD

自宅に侵入していたレスリーに、契約を破棄したい意思を伝えたウィリアム。

ですが、レスリーにはノルマ達成がかかっており、簡単に契約を破棄する訳にはいきません。

何がなんでもウィリアムを殺そうとするレスリーは、ウィリアムに向かい拳銃を発砲します。

ウィリアムはエリーを連れて部屋から逃げ出し、バイクに乗って逃走します。

2度目のウィリアムの狙撃に失敗したレスリーは、ウィリアムを追いかけようとしますが、近付いてきた2人の男に連れ去られます。

ウィリアムは、エリーの案内で山奥の豪邸に辿り着きます。

そこは、エリーが生まれ育った場所でしたが、両親に不幸があり、現在は近づかなくなっていました。

ウィリアムも、幼い頃に両親を事故で亡くした過去があり、お互いの秘密をさらけ出した事で、2人は共感し特別な関係となります。

男に連れ去られたレスリーは、英国暗殺者組合のボス、ハーヴェイの部屋にいました。

レスリーが間違えて狙撃した男、ブライアンは、他の暗殺者が狙っていたターゲットでした。

レスリーのミスにより、大問題になっている状況に激怒したハーヴェイは、ブライアンの資料をレスリーに投げつけます。

度重なる狙撃の失敗と、関係ない人間を巻き込んだ事にも怒っているハーヴェイは、レスリーに引退を勧告しますが、レスリーは拒否します。

ハーヴェイはウィリアムの暗殺を、英国暗殺者組合でトップクラスの成績を誇る暗殺者、アイヴァンに担当させますが、レスリーはそれを認めず「ウィリアムの暗殺は自分がやり遂げる」と宣言し、部屋を出ていきます。

頑なに引退を拒むレスリーに手を焼いたハーヴェイは、アイヴァンにレスリーも消すことを命じます。

散歩に出かけて屋敷に戻ったウィリアムとエリー。

しかし部屋には、ブライアンの資料から、エリーの屋敷を突き止めたレスリーがいました。

ウィリアムは、エリーとの出会いにより考え方が変わり、自殺を望まなくなっており、契約破棄を主張しますが、ノルマ達成がかかったレスリーは、意地でもウィリアムの自殺を成立させようとします。

ウィリアムとエリーの話を聞かず、拳銃を向けるレスリー。

次の瞬間、何者かがレスリーを狙撃します。

レスリーが倒れた後に窓から入って来たのは、レスリーの自宅にあった資料から、エリーの屋敷の場所を突き止めたアイヴァンでした。

アイヴァンは「ウィリアムがレスリーを殺し、自ら拳銃自殺した」というシナリオを作り、ウィリアムに拳銃自殺するよう要求します。

「エリーは助ける」という約束を交わし、ウィリアムは自らに拳銃を向けます。

しかし、生きていたレスリーが、アイヴァンの背後から襲いかかります。

アイヴァンの息の根を止めたレスリーは、再びウィリアムに拳銃を向けますが、全てはノルマ達成の為と知ったエリーが、ある案を出します。

それは、アイヴァンと新たな契約を交わしたレスリーが、アイヴァンの自殺を助けた事にし、ノルマを達成させるという内容です。

エリーの案に乗ったレスリーは、アイヴァンの死体を川に流します。

帰宅して、くつろぐレスリーを、ハーヴェイが訪ねてきます。

ハーヴェイはレスリーに、あらためて引退することを勧め、暗殺者引退の記念時計を渡そうとしますが、レスリーはこれを拒否。

2人はテーブルの下で銃を構え、一触即発の状態になります。

ですが、そこへ入って来たペニーが、暗殺者引退の記念時計を受け取ってしまった為、レスリーはその日で引退となりました。

全ては、レスリーの身を案じた事によるペニーの行動で、レスリーは引退を受け入れる事にします。

公園を散歩するウィリアムとエリー。

その時、猛スピードで走ってくるトラックが、道にいる子供へ突進して来る光景を目にします。

ウィリアムは子供を助けますが、トラックに跳ね飛ばされてしまいます。

心配するエリーに向かって、ウィリアムは言います。

「完璧だ」

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映画『やっぱり契約破棄していいですか!?』の感想と評価


(C)2018 GUILD OF ASSASSINS LTD

自死の手助けを、暗殺者に頼んでしまった事から始まる、風変わりな物語を描いた本作。

ブラック・コメディではあるのですが「自殺」という重いテーマを扱っている為か、ドタバタした内容ではなく、知的で落ち着いた印象を受ける作品です。

脚本も担当した監督のトム・エドモンズは、実存哲学を読み漁り、苦しむ人を助ける協会にも相談しながら、自殺願望の強い主人公ウィリアムを作り上げました。

小説家志望ですが、実際はデビューもできておらず、何者にもなれていないウィリアムという人物像は、現代社会に多い若者の姿ではないでしょうか?

このウィリアムという現実的なキャラクターに、暗殺者のレスリーという、非現実的なキャラクターが絡んでくる展開が、本作の面白いところです。

「暗殺者は転職」と考えているレスリーですが、英国暗殺者組合から引退勧告を出されており、引退を逃れる為には、ノルマを達成させなければなりません。

何者にもなれておらず、人生に目的を見いだせないウィリアムに対して、暗殺者である事に存在意義を感じて、暗殺者でなくなる事に恐怖を抱いているレスリーは、対象的な存在と言えるでしょう。

ただ、ウィリアムはエリーと出会った事で、生きる目的を見つけ、レスリーと戦う事になります。

「自殺」を扱ったコメディと聞くと、不謹慎に感じる方もいるかもしれませんが、本作は暗殺者として、自分が生きている事を実感しているレスリーと、エリーと出会った事で、生きる喜びと理由を見つけたウィリアムの姿を通して、人が生きる事の力強さを描いてる、生命賛歌とも呼べる作品です。

エリーとベニーという2人の女性が、ウィリアムとレスリーの人生を変えるキッカケを作る辺りも、予測できない人生の面白さを描いており、「生きる事を諦めない大切さ」を訴えかけています。

まとめ


(C)2018 GUILD OF ASSASSINS LTD
「自殺」をテーマに扱い、ただのコメディではなく、哲学的な作品にする辺りが、実にイギリスのコメディ作品っぽい本作。

とはいえ、本作はコメディ映画で、理屈抜きに楽しんだ方が良いです。

暗殺者として、人を殺めてきたレスリーの正当性など、気になる部分もあるかもしれませんが、コメディ映画は細かい事を気にしたらダメです。

個人的なオススメのシーンは、ウィリアムが自分の部屋に忍び込んでいたレスリーに気づき、英国的な礼儀正しい挨拶を交えた後、命を狙われて逃げるシーンと、レスリーに脅しをかけるハーヴェイが、マイケル・J・フォックスの映画の話を始めて、イマイチ噛み合わなくなるシーンです。

現実的な悩みを抱えているウィリアムが、英国暗殺組合という冗談みたいな組織で、ノルマが達成できず悩んでいる、愛妻家の暗殺者に狙われる非日常的な展開を、是非楽しんで下さい。

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