Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2021/11/18
Update

映画テン・ゴーカイジャー|ネタバレ感想と結末のあらすじ解説。山田裕貴らキャスト勢揃いの10周年記念作【邦画特撮大全99】

  • Writer :
  • 森谷秀

連載コラム「邦画特撮大全」第99章

今回の邦画特撮大全は、Vシネクスト『テン・ゴーカイジャー』を紹介します。

2011年から2012年にかけて放送されたスーパー戦隊シリーズ35作品目『海賊戦隊ゴーカイジャー』。『テン・ゴーカイジャー』は今年2021年に10周年を迎えた『海賊戦隊ゴーカイジャー』の最新作です。

ゴーカイジャーがスクリーンに登場するのは、『特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャー』(2013)以来8年ぶり。ゴーカイジャーの再集結自体も『動物戦隊ジュウオウジャー』(2016)にゲスト出演して以来、実に5年ぶりです。

【連載コラム】『邦画特撮大全』記事一覧はこちら

スポンサーリンク

映画『テン・ゴーカイジャー』の作品概要


(C)2021東映ビデオ・東映AG・バンダイ・東映 (C)石森プロ・東映

【公開】
2021年(日本映画)

【原作】
八手三郎、石ノ森章太郎

【脚本】
荒川稔久

【監督】
中澤祥次郎

【キャスト】
小澤亮太、山田裕貴、市道真央、清水一希、小池唯、池田純矢、細貝圭、関智一、田村ゆかり、川野快晴、松本寛也、庄司浩平、松原剛志、坂田梨香子、吉田メタル、山崎潤

【作品概要】
スーパー戦隊シリーズ『海賊戦隊ゴーカイジャー』の10周年記念作品。

キャプテン・マーベラス/ゴーカイレッド役の小澤亮太をはじめ、映画『東京卍リベンジャーズ』など数多くの話題作に出演する山田裕貴、M・A・O名義で声優として活躍する市道真央、池田純矢、小池唯、清水一希ら『海賊戦隊ゴーカイジャー』のオリジナルキャストが再結集。

TVシリーズでマーベラスのライバル、バスコ・ダ・ジョロキアで出演した細貝圭も、益子田昭郎という別人の役で登場しています。

監督は『海賊戦隊ゴーカイジャー』のパイロット監督を務めた中澤祥次郎、脚本もメインライターであった荒川稔久が務めます。

映画『テン・ゴーカイジャー』のあらすじとネタバレ


(C)2021東映ビデオ・東映AG・バンダイ・東映 (C)石森プロ・東映

かつて歴代スーパー戦隊の大いなる力を使って、宇宙帝国ザンギャックと戦った海賊戦隊ゴーカイジャー。

その戦いから10年、彼らの船ゴーカイガレオンは沈み、海賊戦隊ゴーカイジャーは解散してしまいました。

久しぶりに地球を訪れたハカセことドン・ドッゴイヤー/ゴーカイグリーン。地球では公営ギャンブル“スーパー戦隊ダービーコロッセオ”が開催され、老若男女はそれに興じていました。

スーパー戦隊の大いなる力を宿した“レンジャーキー”を使って実体化させた歴代スーパー戦隊を戦わせるという、防衛大臣直轄のプロジェクトで、収益は地球の防衛費に充てられます。

このプロジェクトには伊狩鎧/ゴーカイシルバーも賛同していました。しかし運営側はゴーカイジャーとはコンタクトが取れず、彼らのレンジャーキーを手に入れてはいません。

同じく久しぶりに地球にやって来たキャプテン・マーベラス/ゴーカイレッド。ある戦いで損傷したのか片目に眼帯をしています。

しかしマーベラスは懸賞金に目がくらんだかつての仲間ルカ・ミルフィ/ゴーカイイエローに捕えられ、防衛大臣の前に引きずり出されてしまいました。

マーベラスは自身のレンジャーキーと運営側が所持しているレンジャーキーを賭けて、歴代スーパー戦隊100人と戦う“スーパー戦隊百人斬り”に挑みます。変身せず順調に歴代戦隊を倒して行くマーベラス。

しかし100人目の相手としてマーベラスの眼前に現れたのは、かつての仲間・伊狩鎧でした……。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『テン・ゴーカイジャー』ネタバレ・結末の記載がございます。『テン・ゴーカイジャー』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

スポンサーリンク


(C)2021東映ビデオ・東映AG・バンダイ・東映 (C)石森プロ・東映

スーパー戦隊ダービーコロッセオが戦隊の力の平和利用と信じる鎧にとって、マーベラスの行為は地球の平和を乱すことでした。

激しくぶつかり合うマーベラスと鎧。マーベラスが鎧にとどめを刺そうとした瞬間に運営側が密かに妨害を行い、マーベラスは敗北し鎧が勝利します。

追い詰められたマーベラスでしたが、アイム・ド・ファミーユ/ゴーカイピンクの助けで脱出しました。

勝利したはずの鎧、ハカセ、スーパー戦隊実体化システムを構築し科学者の青年・丹羽野は運営側の手によって捕えられてしまいます。

防衛大臣の側近でありスーパー戦隊ダービーコロッセオの運営メンバーの正体は“バクート海賊団”。

防衛大臣と彼らは手を組み、スーパー戦隊の大いなる力を戦力として地球から銀河へ侵略に乗り出す計画だったのです。ゴーカイガレオンもバクート海賊団との戦いによって沈んだのでした。

ハカセは囮になって鎧と丹羽野を脱出させます。しかし2人を実体化した歴代スーパー戦隊たちが追い詰めます。そこにジョー・ギブケン/ゴーカイブルーが駆けつけ2人を助けます。

合流したマーベラス、アイム、ジョーと鎧。そして丹羽野。バクート海賊の策略にはまったとはいえ、ギャンブルに興じ自らが侵略者となった今の地球に守る価値があるのかと丹羽野は問います。

マーベラスはそんな丹羽野に守る価値はあると宣言します。丹羽野は10年前、マーベラスに助けられた少年の成長した姿だったのです。

ルカは動画配信者のフリをして防衛大臣の元へ突撃。ハカセが拷問を受けている様子、アイムがクリスタリア宝路/キラメイシルバーから奪ったベリタスの楯の力で正体を暴いたバクート海賊団の姿を全世界に配信しました。

6人揃ったゴーカイジャーはバクート海賊団と対決! ジョーが持ってきたゴーカイガレオンの魂がレンジャーキーとなり、その大いなる力を使ってゴーカイレッドはガレオンアーマーモードにパワーアップ。

ゴーカイジャーはバクート海賊団を撃破し、地球の危機を救いました。

勝利を祝うゴーカイジャー。マーベラスの目は戦いで負傷したのではなく、ただの眼病だったことが明かされます。

スポンサーリンク

映画『テン・ゴーカイジャー』の感想と評価


(C)2021東映ビデオ・東映AG・バンダイ・東映 (C)石森プロ・東映

放送開始から10周年を記念して製作された『海賊戦隊ゴーカイジャー』の最新作『テン・ゴーカイジャー』。

予告編だけを見るとかなりシリアスな物語を想像してしまいますが、実際本編を観るとファンが見たかったものが満載の娯楽作となっていました。

オリジナルキャストの再結集のほか、現在はスーパー戦隊シリーズでアクション監督を務めている福沢博文をはじめ、ゴーカイジャーのアクションクルーも再結集。

またエンディングには最新作『機界戦隊ゼンカイジャー』までの歌詞を足した「スーパー戦隊ヒーローゲッター~テン・ゴーカイジャーver.~」というのもファンを喜ばせます。

これまで『忍風戦隊ハリケンジャー』(2002)、『特捜戦隊デカレンジャー』(2004)、『炎神戦隊ゴーオンジャー』(2008)といったスーパー戦隊作品が、10周年記念の新作Vシネマを製作されています。

これらに続く第4弾として製作された『テン・ゴーカイジャー』は、上記3作品と共通した要素を用いながらゴーカイジャーらしい作品となっていました。

10年という時の流れがゴーカイジャーたちを変えたのか。10年ぶりの新作ということで、題名に『テン』と冠していることからも、この月日の流れが大きなテーマとなっていることは間違いありません。

本作ではキャプテン・マーベラス/ゴーカイレッドと伊狩鎧/ゴーカイシルバーの直接対決、懸賞金目当てのルカ・ミルフィ/ゴーカイイエローがマーベラスを敵に売る場面などが見られました。

『ハリケンジャー』や『ゴーオンジャー』ではかつての仲間同士の対決、『デカレンジャー』でも各メンバーの対立が、10年ぶりの新作で見られました。登場人物の変化を一番わかりやすく表現する方法は仲間同士を敵対させることです。

また10年の時の流れは残酷で、撮影当時の着ぐるみ等が現存していない場合が多いです。本作『テン・ゴーカイジャー』ではゴーカイジャーの海賊船ゴーカイガレオンが沈んだことから物語が始まりましたが、これは恐らく巨大ロボ・ゴーカイオーの着ぐるみが現存していないための逆転の発想と言えるでしょう。

巨大ロボ戦がない代わりに、本作ではゴーカイジャーの新フォーム“がレオンアーマーモード”が登場しました。

そしてゴーカイジャーらしさと言えば、やはり歴代スーパー戦隊が登場するという点。そのため本作に登場した、公営ギャンブル“スーパー戦隊ダービーコロッセオ”という設定は上映時間内に多くのスーパー戦隊を登場させる有効的な手段でした。

そのほか今年2021年に発刊され話題となった『学研の図鑑 スーパー戦隊』や、『魔法戦隊マジレンジャー』小津翼/マジイエロー役でスーパー戦隊親善大使である松本寛也が本人役で登場するなど、実際のスーパー戦隊にまつわるムーブメントも物語に組み込まれている点も非常に面白いでしょう。

まとめ


(C)2021東映ビデオ・東映AG・バンダイ・東映 (C)石森プロ・東映

10年という月日の流れをテーマに再結集した宇宙海賊の勇姿を描く『テン・ゴーカイジャー』。

ゴーカイジャーの名にふさわしい豪快な展開と物語、スーパー戦隊ファンをニヤリとさせる小ネタも満載です。ゴーカイジャーファン、スーパー戦隊ファンであればあるほど楽しめる作品となっています。

【連載コラム】『邦画特撮大全』記事一覧はこちら

関連記事

連載コラム

侯孝賢映画『風が踊る』あらすじ感想と解説考察。台湾巨匠傑作選でホウ・シャオシェン監督のロマンチックコメディがデジタルリマスターで蘇る|銀幕の月光遊戯 75

連載コラム「銀幕の月光遊戯」第75回 台湾ニューシネマの旗手として知られ、また、1989年の『非情城市』ではヴェネチア国際映画祭・金獅子賞に輝き、台湾映画初の世界三大映画祭のグランプリを獲得するなど映 …

連載コラム

映画『新聞記者』ラストシーン解説と感想。「羊の絵の意味」から評価の高い作品を読み解く|シニンは映画に生かされて10

連載コラム『シニンは映画に生かされて』第10回 はじめましての方は、はじめまして。河合のびです。 今日も今日とて、映画に生かされているシニンです。 第10回にてご紹介する作品は、新聞記者とエリート官僚 …

連載コラム

ホラー映画おすすめ歴代ランキング(洋画1970年代)ベスト5選!エクソシストからゾンビまでモダンな作品の夜明け!【増田健ホラーセレクション4】

おすすめの1970年代の洋画ホラー映画5選! ホラー映画に興味を持った方、古い作品だと何を見ようか迷っていませんか? そんなアナタのために、各年代のホラー映画から5作品を厳選。今回は1970年代の作品 …

連載コラム

『青くて痛くて脆い』映画と原作の違いをネタバレあらすじと考察。キャスト吉沢亮と杉咲花出演を解く|永遠の未完成これ完成である17

連載コラム「永遠の未完成これ完成である」第17回 映画と原作の違いを徹底解説していく、連載コラム「永遠の未完成これ完成である」。 今回紹介するのは『青くて痛くて脆い』です。 『君の膵臓をたべたい』の作 …

連載コラム

映画『がんになる前に知っておくこと』感想と内容解説。がんを恐れず向き合う|だからドキュメンタリー映画は面白い6

あなたは、「がん」という病気について、どれだけ知っていますか? 『だからドキュメンタリー映画は面白い』第6回は、2019年2月2日から新宿K’s cinemaほかで全国順次公開中の、『がんになる前に知 …

U-NEXT
タキザワレオの映画ぶった切り評伝『2000年の狂人』
山田あゆみの『あしたも映画日和』
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学