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遊郭編 最終話ネタバレ|童磨役声優は宮野真守!感想と考察解説×原作登場シーン比較で分かる“完璧な掴み”【鬼滅の刃全集中の考察33】

  • Writer :
  • 薬師寺源次郎

連載コラム『鬼滅の刃全集中の考察』第33回

大人気コミック『鬼滅の刃』の今後のアニメ化/映像化について様々な視点から考察・解説していく連載コラム「鬼滅の刃全集中の考察」。

2021年12月5日より放送開始されたテレビアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』も、2022年2月13日放送の第11話「何度生まれ変わっても」で感動のフィナーレを迎えました。

そして同回にて、ついに上弦の鬼の一角である童磨が新たに登場。それに伴い彼を演じる声優が宮野真守であることも判明しました。

本記事では、ついに姿を現した童磨がテレビアニメ『遊郭編』にてどのように描かれたのかを解説・考察。童磨役を務める声優・宮野真守の演技とあわせてご紹介します。

【連載コラム】『鬼滅の刃全集中の考察』記事一覧はこちら

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アニメ『鬼滅の刃 遊郭編』原作コミックとの比較解説・考察


(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

ついに登場した童磨ですが、今回確認できたのは、妓夫太郎が死後に見た回想の中でのわずかなカットのみとなっていました。

しかしそのわずかな時間内でも、鮮烈な印象を残していった童磨の登場シーンを解説・考察していきます。

底知れぬ“冷酷さ”が垣間見える初登場シーン

遂に姿を現した童磨ですが、その登場シーンはあまりに鮮烈なものとなっています。

まだ人間であった妓夫太郎とその妹・梅こと堕姫は、遊郭を訪れた客に歯向かったことから報復を受け、生死の境をさまよっていた時に童磨が現れます。

まるで散歩の途中で困っている人に出くわしたかのように兄妹に声をかける童磨ですが、そこには親切心のかけらは一切感じられず、さりとて興味や好奇心があるわけでもない、感情が一切感じられない様子が見受けられます。劇中では雪が降り始めたことも相まって、観る者の心を芯から凍えさせるような寒々しさを感じさせる初登場となっています。

原作コミックにて再び登場した際には、他の上弦の鬼たちに気さくに話しかける様子が見てとれますが、そうした振る舞いもまた全て「嘘」であったことがのちに判明します。

この初登場の場面は過去の出来事でもあり、当時の童磨は感情を「演じる」胸中には至っていなかったのかもしれません。

また初登場時の童磨の容姿は、妓夫太郎による回想の場面だったということもあり、アニメでは映像がセピア調に演出されていましたが、青ざめた肌色と白髪とも淡い黄色とも見える髪色は、ことさら童磨の冷酷さを印象付けていました。

いつの時代の童磨なのか?

テレビアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』の第11話「何度生まれ変わっても」に登場した童磨は、両眼に“上弦・陸”と刻まれていることが確認できます。

のちの物語における童磨は“上弦の弐”として登場し、猗窩座との会話からもかつて“上弦の弐”であった鬼と戦い勝利・昇格していること、妓夫太郎らと出会った当時はまだ“上弦・陸”であったことが考えられます。

では、この童磨は時代としてはいつ頃の姿なのでしょうか。

今回童磨が登場した妓夫太郎の回想は、具体的にどれほど前の過去なのかは明確に語られていません。しかし、前後の妓夫太郎の回想内や、登場する人物の容姿や町並みからも、江戸時代であることは間違いありません。

大正時代から遡れば、単純に約50年前。もっと遡れば、妓夫太郎や堕姫が生まれ育った羅生門河岸が存在した新吉原が開いて以降と考えれば約250年前であることからm、その間の出来事と考えることができます。

血を分け与える童磨と妓夫太郎への影響

今回の童磨の登場場面は、妓夫太郎と梅に血を分け与えようと手を伸ばす場面で締めくくられます。

その場面にて童磨は左手を伸ばし「上弦へと上がってこれるかな?」と語りかけています。この時、彼の左手には携えている女性の亡骸のものであろう人間の血が付着しています。

その血の描写は原作コミックではないアニメオリジナルのものですが、この演出によって童磨の申し出はより一層狂気的なものに感じられ、白眼の瞳と相まって底知れぬ恐怖を感じさせます。

また、最後にクローズアップされた両眼に描かれた“上弦・陸”という文字も、童磨の言葉通りのちに“上弦の陸”へと上りつめた兄妹の運命を暗示しているようにも受け取れます。

こちらも原作コミックでは描かれていませんが、この時の何者にも文句を言わせない“底知れない恐怖”を感じさせる童磨の姿を通じて、妓夫太郎は妹とともに鬼となり、自身らの振る舞いを否定する者などいない絶対的強者としての“上弦”となることを意識したのかもしれません。

童磨役は超人気声優・宮野真守!

ファン待望のキャスティング

第11話「何度生まれ変わっても」にてアニメ初登場を迎えた童磨に、ネットやSNSは大きく盛り上がりました。それもそのはず、童磨を演じるのは現在の声優界を代表するといっても過言ではない宮野真守だったためです。

声優業のみならずアーティスト活動や実写作品への出演などでも活躍している宮野真守は、2001年にアメリカのテレビドラマ『私はケイトリン』グリフェン・ロウ役の吹き替えでデビューすると、瞬く間に人気声優へ。

『機動戦士ガンダム00』刹那・F・セイエイ、『うたの☆プリンスさまっ♪』一ノ瀬トキヤ、『STEINS;GATE』岡部倫太郎、『文豪ストレイドッグス』太宰治など、数々の人気作品で主要キャラクターを演じています。

また「ファンタスティック・ビースト」シリーズではエディ・レッドメイン演じるニュート・スキャマンダーの吹き替えを担当。「ウルトラマン」シリーズではウルトラマンゼロの声を担当し、様々なジャンルで幅広い活躍を見せています。

初登場場面で“童磨”のキャラクターを明確に打ち出す

男性としては高音の声ながらも、様々な音域を自在に操り、クールな青年からコミカルな少年、熱血漢を演じたかと思えば、無気力な役など高い演技力で多様なキャラクターを演じ分ける宮野真守。童磨の担当声優予想でも、以前から“宮野真守”を挙げる声が多数あり、気さくで感情過多のように見えてその実は無感情で冷酷な童磨にぴったりだという意見が見られました。

今回の初登場場面でも過去の冷酷な印象が強い童磨ですが、童磨の話す言葉がまるでセリフをただしゃべっているような違和感を感じさせ、初見で視聴者に“感情がない”と判断させる演技を見せています。

特に一言目の「どうした どうした」は親身に見えて一切親身ではない、興味はあるが特に愛着のかけらも感じていない様をまじまじと、初登場の場面という“掴み”で“童磨”というキャラクターを明確に打ち出した宮野真守の演技は、感服の一言でした。

今後、饒舌な童磨が登場した際には、宮野真守がどのような演技を見せてくれるのかこれから楽しみです。

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まとめ

第11話にして最終話「何度生まれ変わっても」をもって、テレビアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』は完結。しかし同時に、「遊郭編」に続く物語「刀鍛冶の里編」のアニメ製作が発表されました。

アニメ『遊郭編』での登場時間はわずかであったにもかかわらず、視聴者に強烈な傷跡を残していった宮野真守が演じる童磨。原作コミックでは「刀鍛冶の里編」序盤にも登場しますが、果たしてどのような演技を見せてくれるのでしょうか。

そして何よりも、さらにその先の物語にて描かれる、最終章の肝であり激戦極まる無限城決戦にて明かされる、その恐るべき血鬼術の本領発揮と真の貌がどのように描かれるのでしょうか。今から楽しみでなりません。





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