Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2020/01/01
Update

SFホラー映画2020年おすすめ6選!話題と人気の劇場公開作の注目点を解説【糸魚川悟セレクション】|SF恐怖映画という名の観覧車83

  • Writer :
  • 糸魚川悟

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile083

新年あけましておめでとうございます。

遂に東京オリンピックの開催の年となり、そわそわとしてる方も多くいらっしゃることでしょう。

しかし、映画好きにとっての2020年もやはり「映画の年」。

今回のコラムでは、2020年に日本で公開される注目のホラー映画およびSF映画をそれぞれ3本ずつ、どのような点が注目なのかを語っていきます。

2020年の注目ホラー映画①『犬鳴村』

映画『犬鳴村』の作品情報


(C)2020「犬鳴村」製作委員会

【公開】
2020年2月7日(日本映画)

【監督】
清水崇

【キャスト】
三吉彩花、坂東龍汰、大谷凜香、古川毅、宮野陽名、奥菜恵、石橋蓮司、高嶋政伸、高島礼子

【あらすじ】
霊感を持つ臨床心理士の森田奏(三吉彩花)の周囲で数々の変死や、兄弟の行方不明など不可解な現象が立て続けに発生します。

そのすべての現象に全国的に有名な心霊スポットである「犬鳴トンネル」の存在が関わっていることを知った奏は、「犬鳴トンネル」へと足を運びますが…。

「犬鳴村伝説」を題材とした和製ホラー最新作!


(C)2020「犬鳴村」製作委員会

皆様は「犬鳴村伝説」をご存じでしょうか。福岡県内に実在する犬鳴峠にある旧犬鳴トンネル沿いに「この先、日本国憲法は適用しません」と言う看板があり、「犬鳴村」に遊び半分で入った人間は住民に殺害されてしまう、と言う都市伝説です。

真偽のほどはともかく、この伝説は都市伝説マニアの中でも特に人気が高いものであり、実在する「北センチネル島」のように「文明から隔絶された集落」と言う設定は「ホラー」映画の魅力とも似通ったものがあります。

そして2020年、「呪怨」シリーズでお馴染みの和製ホラーの巨匠清水崇がメガホンを取り製作した映画『犬鳴村』(2020)は、大人気の「犬鳴村伝説」をベースとしたホラー映画。

この美味しすぎる題材を清水崇監督がどう映画に仕上げたのかが今から待ち遠しくて仕方がありません。

2020年の注目ホラー映画②『ミッドサマー』

映画『ミッドサマー』の作品情報


(C)2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

【原題】
Midsommar

【日本公開】
2020年2月(アメリカ・スウェーデン合作映画)

【監督】
アリ・アスター

【キャスト】
フローレンス・ピュー、ジャック・レイナー、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、ウィル・ポールター

【あらすじ】
深いトラウマを抱えるダニー(フローレンス・ピュー)はボーイフレンドのクリスチャン(ジャック・レイナー)と参加したパーティで、友人と共にスウェーデンへと旅をする予定であることを聞きます。

スウェーデンの田舎町で行われる夏至祭(夏に行われる祭り)が目的であると知ったダニーは旅に同行することを決めますが…。

爽やかな色彩で描かれる狂気!斬新すぎるメンタルホラーの怪作


(C)2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

『ヘレディタリー/継承』(2018)で数多くの人にトラウマを植え付けたアリ・アスター監督。

そんな彼が2019年にアメリカで公開した最新作『ミッドサマー』(2020)は、本国ではアリ・アスター監督によって再びトラウマを植え付けられた人が多く発生し、長編映画2作目にしてホラー映画の巨匠とまで評されるようになりました。

本作は夏至祭を題材としていることもあり、ホラー映画には珍しく物語の重要なシーンはほぼ全て「日光の下」で展開します。

暗闇は人間の内なる「恐怖」を呼び覚ますことは心理的にも認められていますが、その効果を一切使わずただただ純粋な「狂気」による恐怖をとことんまで引き出した本作。

あまりにも凄惨すぎる映像で鑑賞に注意が必要な作品ではありますが、2020年のホラー史からは外すことの出来ない作品です。

2020年の注目ホラー映画③『スケアリーストーリーズ 怖い本』

映画『スケアリーストーリーズ 怖い本』の作品情報


(C)2019 CBS FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED.

【原題】
Scary Stories to Tell in the Dark

【日本公開】
2020年2月28日(アメリカ・カナダ合作映画)

【監督】
アンドレ・ウーヴレダル

【キャスト】
ゾーイ・マーガレット・コレッティ、マイケル・ガーザ、ガブリエル・ラッシュ、オースティン・ザジュール 、ナタリー・ガンツホーン、オースティン・エイブラムズ

【あらすじ】
ハロウィンの夜、いじめっ子に仕返しをし幽霊屋敷として有名な館に忍び込んだ3人の少年はその場所で一冊の本を見つけます。

サラ・ベロウズと言う女性が書いたとされるその本には数多くのろしい物語が記載されており、その内容は日に日に増えていき…。

挿絵や内容の恐ろしさが問題となった児童小説の実写化作品

本作はアルバン・シュワルツが執筆した児童書「怖いお話」シリーズが原作となっているホラー映画です。

「児童書」と聞きあまり怖くなさそうと感じる方もいるかもしれません。

しかし、本作の原作は挿絵のクリーチャーデザインがあまりにもおぞましく、また物語の恐怖度も高いことから学校の図書館への陳列が何度も問題となったいわくつきの作品。

その実写版となる本作も、そのおぞましすぎるクリーチャーデザインをしっかりと踏襲しており、ビジュアルだけでも不安になってくるほど。

ビジュアルから来る「恐怖」を味わいたい方にオススメとなること間違いなしの2020年ホラーの大注目作です。

2020年の注目SF映画①『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

映画『ゴーストバスターズ/アフターライフ』の作品情報

【原題】
Ghostbusters: Afterlife

【日本公開】
2020年(アメリカ映画)

【監督】
ジェイソン・ライトマン

【キャスト】
マッケナ・グレイス、フィン・ヴォルフハルト、キャリー・クーン、ポール・ラッド、ボキーム・ウッドバイン、ビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、シガニー・ウィーバー

30年の時を経て受け継がれるゴーストバスターズの魂


1989年に公開された『ゴーストバスターズ2』(1989)以降、企画は立ち上がったものの主要キャラの1人であるスペングラー博士役のハロルド・ライミスの死去により実現がされなかった「ゴーストバスターズ」シリーズの3作目。

しかし、1度のリブート映画の公開後、俳優として『ゴーストバスターズ2』に出演しただけでなく、『JUNO/ジュノ』(2007)や『マイレージ、マイライフ』(2009)でアカデミー賞にノミネートするなど監督としても高い評価を受けるジェイソン・ライトマンがメガホンを取ったシリーズの正統続編が今年公開されることが決定。

スペングラー博士の孫の物語を中心にビル・マーレイやダン・エイクロイドがシリーズお馴染みの役として登場することも決まり、旧作ファンにも刺さること間違いなし。

作品のテーマは「継承」であり、新たな「ゴーストバスターズ」の誕生と、公開前にも関わらずその後の展開にも期待してしまいます。

2020年の注目SF映画②『ゴジラVSコング(原題)』

映画『ゴジラVSコング(原題)』の作品情報

【原題】
Godzilla vs. Kong

【日本公開】
2020年(アメリカ映画)

【監督】
アダム・ウィンガード

【キャスト】
アレクサンダー・スカルスガルド、ミリー・ボビー・ブラウン、レベッカ・ホール、小栗旬、カイル・チャンドラー

どちらが真の王なのか、王を決めるための世紀の戦いを見逃すな!

ギャレス・エドワーズが製作した『GODZILLA ゴジラ』(2014)以降、大怪獣映画のシリーズとして世界観を共有するモンスターバースシリーズが始動しました。

2017年には『キングコング: 髑髏島の巨神』(2017)、2019年には『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)と定期的に公開されるド派手すぎる怪獣映画の数々。

中でも『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は、ゴジラ・モスラ・ラドン・キングギドラなど多くの人気怪獣が鮮烈すぎるほどのビジュアルとVFXで描かれたことで、日本からも根強いファンを生み出しました。

そして2020年、日本が誇る巨大怪獣ゴジラと、アメリカの誇る巨大怪獣キングコングが遂に衝突。

真の「キング・オブ・モンスターズ」を決める戦いの映画となる本作には、日本からは小栗旬が俳優として参戦。

2体の巨大怪獣の戦いはどのような結末を迎えるのか、公開が待ち遠しい作品です。

2020年の注目SF映画③『ザ・ニュー・ミュータンツ(原題)』

映画『ザ・ニュー・ミュータンツ(原題)』の作品情報

【原題】
The New Mutants

【日本公開】
2020年(映画)

【監督】
ジョシュ・ブーン

【キャスト】
アニャ・テイラー=ジョイ、メイジー・ウィリアムズ、チャーリー・ヒートン、ヘンリー・ザーガ、ブルー・ハント、アリシー・ブラガ

ヒーロー映画?ホラー映画?全く新しい形のマーベル映画

今や世界中で大人気の「アベンジャーズ」シリーズと対を成す「マーベルコミックス」の人気シリーズ「X-MEN」。

その最新スピンオフ映画として製作が進められている『ザ・ニュー・ミュータンツ(原題)』(2020)は、「ミュータント(変異種)」としての能力を持った若者の強すぎる力の行方を描いた作品になると報じられています。

公開された映像は今までのヒーロー映画とは全く違い「ホラー」のテイストを強く感じさせており、数回に渡る公開の延期も「ホラー」の要素をもっと強くするため、と言う気合いの入り方。

ミュータントの存在は世界の「希望」となるのか「恐怖」となるのか、「X-MEN」シリーズがひと落ち着きした今だからこそ楽しみにしたい作品です。

まとめ


(C)2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

2020年は公開が予定されている作品だけでも話題作の目白押しであり、例年通り映画館へ向かう足は止まりそうにありません。

ぜひぜひ皆様も素敵な映画鑑賞の1年をお過ごしください。

今年もよろしくお願い致します。

次回の「SF恐怖映画という名の観覧車」は…


(C)2018 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

いかがでしたか。

次回のprofile084では、『ペット・セメタリ―』(2020)の公開を記念してホラー小説の巨匠スティーブン・キングの小説を基とした映画を特集したいと思います。

記事の公開は2020年1月8日(水)の掲載をお楽しみに!

【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら

関連記事

連載コラム

映画『琴音ちゃんのリコーダーが吹きたくて』あらすじ感想と評価解説。荻颯太郎監督が描く様々なジャンルの要素を詰め込んだエンターテインメント|インディーズ映画発見伝9

連載コラム「インディーズ映画発見伝」第9回 日本のインディペンデント映画をメインに、厳選された質の高い映画をCinemarcheのシネマダイバー 菅浪瑛子が厳選する連載コラム「インディーズ映画発見伝」 …

連載コラム

映画『ギャンブラー・ゲーム』ネタバレ結末評価とあらすじ感想。ギャンブルで家族を守る天才ギャンブラーの姿を描く【B級映画 ザ・虎の穴ロードショー88】

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第88回 深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞す …

連載コラム

【ネタバレ】シン仮面ライダー|あらすじ感想解説とラスト結末評価。2号/一文字と本郷が見出す“幸せ”ד人が宿命と戦う意味”という変えたくないモノ【仮面の男の名はシン3】

連載コラム『仮面の男の名はシン』第3回 『シン・ゴジラ』『シン・エヴァンゲリオン劇場版』『シン・ウルトラマン』に続く新たな“シン”映画『シン・仮面ライダー』。 原作・石ノ森章太郎の特撮テレビドラマ『仮 …

連載コラム

アイ・ウェイウェイが難民問題に切り込んだドキュメンタリー『ヒューマン・フロー 大地漂流』感想レビュー。|銀幕の月光遊戯19

連載コラム「銀幕の月光遊戯」第19回 中国の現代美術家アイ・ウェイウェイが難民問題に切り込んだドキュメンタリー映画『ヒューマン・フロー 大地漂流』が現在、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで上映 …

連載コラム

映画『悪人伝』ネタバレと内容解説。マドンソク演じるヤクザと暴力刑事の異色コンビで描く人間としての秩序|サスペンスの神様の鼓動36

サスペンスの神様の鼓動36 こんにちは「Cinemarche」のシネマダイバー、金田まこちゃです。 このコラムでは、毎回サスペンス映画を1本取り上げて、作品の面白さや手法について考察していきます。 今 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学