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【2018年のSF・ホラー映画の評価まとめ】人気となったサメ映画や邦画SF作品の躍進を振り返る|SF恐怖映画という名の観覧車29

  • Writer :
  • 糸魚川悟

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile029

2018年も終盤に差し掛かり、次回のコラムでお会いする際にはもう2019年。

6月15日より、「SF恐怖映画という名の観覧車」と銘打ち始めさせていただいたこのコラムも、無事に半年を越すことが出来ました。

今回は当コラムの1年の締めくくりとすべく、2018年の「SF」・「ホラー」映画の見逃すことの出来ない変化を振り返ってみたいと思います。

【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら

2018年の「SF」映画

2018年の「SF」映画は、議論の余地の残る印象的な年であったと言えます。

議論を呼ぶ大きな要因となったのはU-NEXTやNetflix等による「配信」と言う新しい映画の形の流通にありました。

「映像技術」の大作映画 VS 「発想」の配信映画


(C)Marvel Studios 2018

「今年のベストSF映画と言えば?」と人に問えば、多くの方が『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』や『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』、もしくは『レディ・プレイヤー1』のようなハリウッドによる大作SF映画を挙げるのではないでしょうか。

事実、2018年の日本興行収入ランキングの中で「SF」と言うジャンルでのナンバーワンは昨年末に公開された『スター・ウォーズ/最期のジェダイ』(2017)であり、大作「SF」映画はその名に恥じない観客動員数を記録しています。

ハリウッドで製作された大作「SF」に共通している部分は、やはり最新鋭の「映像技術」により撮影された迫力の映像やセットから来る、想像を絶する世界観が違和感なく楽しめるほどのクオリティに達していると言う部分です。

また、「アベンジャーズ」や「スター・ウォーズ」などのシリーズ作品は、作品の積み重ねにより地道に紡いできた物語の「深さ」が人気の秘訣にもなっていました。

一方で、映画好きの間では日本で劇場公開されなかった作品群も「映像配信」と言う形で日本に上陸し、高い評価を受けることになります。

特に印象的だった作品はトラウマにもなりかねない強烈なビジュアルが話題となった『アナイアレイション-全滅領域-』や、丁寧な伏線の回収で魅せた『エクスティンクション 地球奪還』が挙げられます。

映像配信の普及が進み、映画館に足を運ばなくても、少し待てば自宅で最新映画が楽しめるこの時代。

「映画館で観る価値のある大作SF」と「配信限定の万人受けはしないが尖った作品」が火花を散らした1年でした。

ハリウッドに負けないクオリティの実写邦画「SF」の台頭


(C)2018「いぬやしき」製作委員会 (C)奥浩哉/講談社

映画製作に充てることの出来る予算の違いから、日本の実写映画では「SF」と言うジャンルはあまり発展的ではありません。

しかし、2018年は世界的な目から観ても実写「SF」に見逃せない作品が登場しました。

『GANTZ』などの著作で知られる漫画家、奥浩哉の漫画を木梨憲武主演で実写化した『いぬやしき』。

突如機械の身体を手にした老年の男が、同じく機械の身体を手にし殺戮を企てる青年と戦うクライマックスでは、新宿を舞台にド派手な空中戦が繰り広げられます。

ハリウッドの大作「SF」映画と比べても遜色の無いクオリティの戦闘シーンは日本の技術の進歩を確かに感じさせるものであり、来年以降にも期待を隠せません。

2018年の「ホラー」映画

日本では「ホラー」映画が一般層への人気が低く、日本興行収入ランキングのトップ50に入ることすら難しいと言われています。

しかし、昨年ではスティーヴン・キングの名作小説の2度目の実写化である『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)が奮闘を見せました。

そして2018年、日本のみならず世界ではある特定のジャンルのホラー作品が意外な活躍と世間への広がりを見せ始めていました。

「モンスターパニック」大作の好調


(C)Universal Pictures

2018年の初夏、「モンスターパニック」映画の金字塔「ジュラシック」シリーズの最新作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が公開され、家族連れを含め多くの観客を動員し話題となりました。

他にもアーノルド・シュワルツェネッガーがかつて主演した『プレデター』(1987)を基軸としたシリーズの最新作『ザ・プレデター』など、2018年はモンスターパニック映画に話題作が多く、映像としての「派手さ」が「ホラー」と言うジャンルにも必要になっていることを感じさせます。

そして、同時にある作品の登場とSNSの発達により、密かにモンスターパニックの中でも「特定のジャンル」が例年以上に話題になっていました。

2018年は「サメ映画」の年


(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., GRAVITY PICTURES FILM PRODUCTION COMPANY, AND APELLES ENTERTAINMENT, INC.

9月7日、「トランスポーター」シリーズや「エクスペンダブルズ」シリーズで知られる肉体派俳優ジェイソン・ステイサムが主演した『MEG ザ・モンスター』が公開され、ある映画ファンの界隈が潤い始めます。

1975年に製作され大ヒットを記録した『JAWS』から40年以上の月日が経ち、大作「サメ映画」はなかなか製作されていませんでした。

それゆえに、低予算映画の代表とも言えるジャンルを形成していたサメ映画ですが、一部の熱狂的なファンの布教がSNSや各種メディアで話題となりました。

その結果、「あの」ジェイソン・ステイサムがサメと戦う『MEG ザ・モンスター』だけでなく、低予算「サメ映画」の代名詞「シャークネード」シリーズの最終作『シャークネード ラスト・チェーンソー』が4DXなだけでなく「絶叫応援上映」が開催されるなどの異常な人気を博します。

年々SNSによって、あまり知られていなかった低予算映画やマイナージャンルが次々と発掘され、業界を揺るがすほどの経済効果に繋がります。

2018年の「ホラー」映画の顔は「サメ映画」とすら言える1年でした。

次回の「SF恐怖映画という名の観覧車」は…

【2018年のSF・ホラー映画の評価まとめ】は、いかがでしたか。

良い年越しをお迎えくださいね。

次回のprofile030では、2019年に公開される「SF」「ホラー」ジャンルの注目作をピックアップし、2019年における2つのジャンルの変化をいち早く考察したいと思います。

2018年1月2日(水)の新春の掲載をお楽しみに!

【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら

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