連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第235回
旅先で意気投合し、友人となった家族の家での“おもてなし”。でも何か、変……。
友人宅を訪れた一家が次第に友人家族の異常を感じ出した瞬間、恐怖の物語が始まる映画『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』は、2024年12月13日(金)より全国公開されます。
2022年製作のデンマーク・オランダの合作映画『胸騒ぎ』をリメイクした作品である『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』。
恐ろしい“おもてなし”をする主人役のジェームズ・マカヴォイの怪演にぜひ注目を!劇場公開に先駆けて本作をご紹介します。
映画『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』の作品情報
【日本公開】
2024年(アメリカ映画)
【原題】
Speak No Evil
【監督】
ジェームズ・ワトキンス
【脚本】
ジェームズ・ワトキンス、クリスチャン・タフドルップ、マッズ・タフドルップ
【キャスト】
ジェームズ・マカヴォイ、マッケンジー・デイヴィス、アシュリン・フランチオージ、アリックス・ウェスト・レフラー、ダン・ハフ、スクート・マクネイリー
【作品概要】
2022年製作のデンマーク・オランダ合作映画『胸騒ぎ』を、ジェームズ・ワトキンス監督がリメイクしたサスペンススリラー。
『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』(2019)『スプリット』(2016)で知られ、「イギリスのアカデミー賞」ことライジング・スター賞での受賞歴を持つジェームズ・マカヴォイが、最恐の“おもてなし”をするパトリックを怪演。
監督は『バイオレンス・レイク』(2008)『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』(2012)など、イギリス出身のサスペンスの名手ジェームズ・ワトキンスが務めました。
映画『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』のあらすじ
ベンと妻ルイーズ、娘アグネスのアメリカ人一家は旅行先で、パトリックと妻キアラ、息子アントのイギリス人一家と出会います。
すっかりパトリック一家と気の合ったベン夫妻は、パトリックに招かれて週末を彼らの自宅で過ごすことになりました。
人里離れ自然に囲まれた環境で楽しく過ごしていた彼らですが、次第にパトリック一家の“おもてなし”に違和感を抱き始めます。
ベジタリアンのルイーズに肉料理を強要するなど、押しの強過ぎるパトリック。パトリックの妻としては歳が若過ぎるように見えるキアラ。病気で話すことができない息子のアント……。
小さな違和感の積み重ねが“確信”に変わった時、夢のような休暇が悪夢へと変わっていきます。
映画『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』の感想と評価
旅先で知り合い、仲良くなったベン一家とパトリック一家。ベンたちは誘われるままに、パトリック一家の農場へ遊びに行きました。
パトリック一家が住んでいる山奥の農場では、パトリックと妻のキアラ、そして「生まれつき舌が短い病気で話せない」と紹介された息子アントが暮らしています。
娘のアグネスも連れてやってきたベン一家を、パトリックたちは大歓迎。ですが、喋れない息子に異常なほどまとわりつく夫妻の様子は、何か変。またアントは常にうつむき加減で、とても引っ込み思案でもあります。
そのアントは父母の眼を盗んで、身振り手振りや感情の籠った視線で、アグネスに何かを伝えようとするのですが、上手く伝わりません。
やたらに陽気な父と母に比べて陰気な印象のアントが、大人の隙をみては何かをベン一家に伝えようとする様は必見。少年が伝えようとしていることは何なのかと、興味をかきたてられます。
この後ベン一家に襲いかかる出来事は、いつどこからどんな形で現れるのかと、ラストまでドキドキさせられることでしょう。
2022年製作の『胸騒ぎ』のリメイク作である本作ですが、家族に隠された秘密が暴露する時の恐怖は、オリジナルもリメイクも変わりはありません。
自分本位な大人たちに振り回される、子どもたちのことを想うと胸が痛みます。
まとめ
恐怖の“おもてなし”が待っている映画『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』をご紹介しました。
本作はジェームズ・ワトキンス監督が、2022年製作のデンマーク・オランダ合作映画『胸騒ぎ』をリメイクしたサスペンススリラーです。
ドキドキするストーリー展開の中、押しの強いパトリックが放つオーラと、話せない息子・アントの必死に危険を知らせようとする素振りから目が離せません。
リメイク作である本作も、オリジナル版と同じような結末になるのでしょうか。その気になる顛末を、劇場にてご自身の目でお確かめください。
映画『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』は2024年12月13日(金)より全国公開!
星野しげみプロフィール
滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。
時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。