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Entry 2019/08/16
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映画『VAMP』あらすじと感想レビュー。 吸血鬼を新たに日本に蘇らせたコナカブラザーズ|夏のホラー秘宝まつり:完全絶叫2019①

  • Writer :
  • 映画屋のジョン

映画『VAMP』は2019年8月23日(金)より、キネカ大森ほかで開催される「第6回夏のホラー秘宝まつり2019」オープニング作品として上映!

第6回目となる日本映画界の夏恒例のホラー作品上映イベント、「夏のホラー秘宝まつり」が開催されます。

オープニングを飾る作品が、異色のヴァンパイア映画である『VAMP』

自主映画でキャリアをスタートさせ、商業映画デビュー後は、数多くのホラー作品・ヒーローモノを手がけ、常に第一線の脚本家・監督として活躍している小中千昭&小中和哉兄弟

兄の小中千昭が手がけた脚本を、弟の小中和哉が監督した作品は、新たな日本のヴァンパイア映画に挑みました。

中丸シオン・高橋真悠・田中真琴の女優陣が熱演を見せる、血とエロスに彩られた、禁断の耽美的ダークファンタジーが登場します

【連載コラム】「夏のホラー秘宝まつり:完全絶叫2019」記事一覧はこちら

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映画『VAMP』の作品情報


(C)2019 キングレコード

【公開】
2019年8月23日(金)(日本映画)

【脚本】
小中千昭

【監督】
小中和哉

【出演】
中丸シオン、高橋真悠、田中真琴、渡邊翔、後藤光利、加藤厚成、松沢蓮、早坂季花、北岡龍貴、木之元亮、石田信之、大浦龍宇一、堀内正美

【作品概要】

血を求めてうごめく闇に潜む女たちの姿を、エロティックかつリリカルに、そしてバイオレンスを交えて描いた、ダークファンタジー映画。

主演はロシア・中国など海外作品でも活躍する国際派女優、中丸シオン。小中監督作品では『ウルトラマンネクサス』など、「平成ウルトラマンシリーズ」作品に多数出演した経験を持ち、信頼に基ずく息の合った演技を披露します。

共演に『西の魔女が死んだ』に主演して注目を集めた高橋真悠と、モデル・女優として活躍している田中真琴が登場し、ラブシーンやアクションシーンに体当たりで臨んでいます。

「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019」コアファンタ部門正式招待作品。

映画『VAMP』のあらすじ


(C)2019 キングレコード

父親から虐待に苦しんでいる女子高生の美以那(高橋真悠)。もはや生きる希望を失い、自暴自棄となった彼女は、夜の街で男に襲われる。彼女を危険から救ったのは、謎の女であった。

美以那は謎の女、苓(中丸シオン)と思わぬ形で再会する。美以那に対して、自らを“ヘマトフィリア(血液耽溺者)”と紹介する苓。

生きるに値しない行為を犯した男を誘い出し、殺害してその血をすする“ヘマトフィリア”の苓。その姿を目撃し怯えながらも、美以那は徐々に苓に魅かれてゆく。

苓の導きで、禁断の世界に足を踏み入れた美以那。生きる気力を取り戻した彼女は、新たな人生を歩もうと決意する。

しかし2人の前に、美しきヴァンパイアの影が忍び寄る。マリ子(田中真琴)と名乗ったその女は、苓と宿縁で結ばれていた。

マリ子の正体が明らかになった時、3人の女の運命は大きく動き出す…。

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映画『VAMP』の感想と評価


(C)2019 キングレコード

新たな吸血鬼ホラーに挑んだ脚本家・小中千昭

デビュー以来映画だけでなく、テレビドラマやアニメ作品の脚本・シリーズ構成作家として、幅広い活躍を見せている小中千昭。今回、久々にホラー映画を作りたいとの思いが、映画『VAMP』となって結実。

日本のホラー作品でも、様々な形で登場するヴァンパイア。今回彼が描いた作品はゴシックホラー小説「吸血鬼カミーラ」、ロジェ・ヴァディム監督が美しくも退廃的に映画化した、『血とバラ』の流れをくんだものになっています。

商業活デビュー後の、初期の小中千昭脚本には、OVA作品の『邪願霊』、そして後にTVドラマシリーズ化される原点であるOVA作品、『ほんとにあった怖い話』があります。

これらの作品はこの後世界的なブームを巻き起こす“Jホラー”の構成・演出スタイルに大きな影響を与え、その表現技法は「小中理論」と呼ばれる事になりました。

小中兄弟は自主製作映画出身の先輩である、大林宣彦監督と近しい間柄。

商業デビュー前の大林監督の、本格的な自主製作映画の1つに『血とバラ』にオマージュを捧げた作品、『EMOTION 伝説の午後 いつか見たドラキュラ』があります。

小中千昭が今、改めてホラー映画の脚本を執筆するにあたり、“Jホラー”的な作品ではなく、“女ヴァンパイア”を選んだのは、自主製作映画時代への回帰があるのです。

今回彼が原点に帰って映画化作品として執筆した脚本は、今までに無い試みを持つダークファンタジーとして完成しました。

兄千昭の脚本を演出した小中和哉監督


(C)2019 キングレコード

映画・テレビドラマの演出で、近年も数多くの作品を手がけ、常に第一線で活躍している小中和哉監督。

久々に兄の脚本を映画化する事になった時、中丸シオンほか「平成ウルトラマン」シリーズで、監督と仕事を共にした方々など多くの俳優が結集しました。

こうして集まったベテラン俳優、そしてアクションをこなせる俳優に支えられ、『VAMP』は流血描写・アクション描写を盛り込んだ作品に仕上がっています。

このベテラン俳優陣に支えられ、存在感のある演技を披露している、高橋真悠・田中真琴の姿にも注目して下さい。

独特の雰囲気を持った役柄に挑戦した高橋真悠は、監督から撮影前に『ぼくのエリ 200歳の少女』を見て欲しいと言われたそうです。

彼女は『ぼくのエリ』を見て、怖さよりも美しく切ないものを感じた、と語っています。この思いが『VAMP』の中の演技に、どの様に生かされているかを要チェックです。

「ミラーマン」こと石田信之の遺作となった映画

「平成ウルトラマン」シリーズなどの、多くのヒーロー物のドラマに関わっている小中兄弟。

『VAMP』と同様に兄が脚本、弟が監督を手がけた作品の1つに0VAとして製作され、劇場公開も行われた作品『ミラーマンREFLEX』があります。

「ミラーマン」は「ウルトラマン」シリーズ同様、円谷プロで製作された巨大ヒーローが活躍する番組。ミラーマンに変身し怪獣やインベーダーと戦う主人公、“鏡京太郎”を石田信之が演じました。

小中兄弟は「ミラーマン」を『ミラーマンREFLEX』としてリメイクする際に、オリジナルの侵略者と戦う巨大ヒーローものを、鬼道をモチーフとしたハードSFのストーリーに改変しました。

この作品に石田信之は、主人公の父“影山恭太郎”役で出演、オリジナル版とリメイク版をつなぐ存在として登場しています。

映画『VAMP』では、脇役ながら強烈な印象を残す役柄で登場している石田信之。しかし彼は、2014年にがんを発症したことを公表していました。

治療後も再発を繰り返し、ついには医師から余命宣告をうけた事を公表した石田信之。それでも彼は治療をしながら仕事を続ける道を選び、俳優としての活動を続けていました。

『VAMP』撮影中の彼について小中監督は、病院に通う合間に参加して頂いたと語っています。そして現場ではいつもと同じように、さわやかで楽しげな様子で撮影に参加していたそうです。

この作品の撮影終了後である2019年6月13日、石田信之は闘病の末お亡くなりになりました。

小中兄弟と同じく「ミラーマン」に親しんだ世代には、かつてヒーローを演じた1人の俳優の、最後の出演映画としてご注目下さい。

まとめ


(C)2019 キングレコード

毎年恒例の「夏のホラー秘宝まつり」に初めて登場となった、小中兄弟が手掛けた映画『VAMP』。

本作は小中兄弟と共に仕事をした多くの俳優に支えられて完成、新たな試みを持って描かれた、意欲的な“女ヴァンパイア映画”として完成しました。

この作品はR15指定。時に退廃的、時に暴力的な描写は、小中兄弟のこの作品に対する深い拘りを感じとる事ができます。

劇中で大人の色気を漂わすだけでなく、アクション・シーンも披露している中丸シオン。ご本人はこの映画の撮影を振り返って、実に楽しかったと語っておられました。

そしてエロティックなシーンに、体当たりで挑んだ高橋真悠。さぞやりにくかった撮影と思いきや、中丸シオンを信頼し、彼女にリードしてもらったそうで、さほど困難を覚えず終えることができたそうです。

こうして撮影されたシーンが映画の中で、どの様に使われているか、ぜひ、劇場に足を運んでみてはいかがでしょう。

映画『VAMP』は2019年8月23日(金)より、キネカ大森ほかで開催される「夏のホラー秘宝まつり2019」オープニング作品として上映!

【連載コラム】「夏のホラー秘宝まつり:完全絶叫2019」記事一覧はこちら

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