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Entry 2021/07/13
Update

映画『約束の時間』あらすじ感想評価と解説レビュー。小川あん主演で同じ名前のもつ3組の男女のすれ違いコメディ|インディーズ映画発見伝13

  • Writer :
  • 菅浪瑛子

連載コラム「インディーズ映画発見伝」第13回

日本のインディペンデント映画をメインに、厳選された質の高い映画をCinemarcheのシネマダイバー 菅浪瑛子が厳選する連載コラム「インディーズ映画発見伝」。

コラム第13回目では、ごとうたつや監督の映画『約束の時間』をご紹介いたします。

同じカフェで“キョーコ”という同じ名前の女性を待つ3人の男性。しかし、それぞれ待っていた“キョーコ”とは違う“キョーコ”が案内されてしまうすれ違いコメディ。

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映画『約束の時間』の作品情報


(C)ごとうたつや

【公開】
2019年(日本映画)

【監督、脚本】
ごとうたつや

【キャスト】
小川あん、ファーストサマーウイカ、大和田南那、竹内ももこ、木村知貴、岸学、六角慎司

【作品概要】
映画『キスは命がけ!』(2016年製作)で初監督をつとめたごとうたつや監督。第2作目となった『約束の時間』は第10回 日本芸術センター映像グランプリ 優秀映画賞、第17回 中之島映画祭 優秀賞を受賞しました。また、2019年に池袋シネマロサにて映画『キスは命がけ!』、『約束の時間』が上映されました。

出演者は、『21世紀の女の子』(2019)、『あいが、そいで、こい』(2019)の小川あん、AKB48のメンバーとして活動し、『劇場版ほんとうにあった怖い話2018』(2018)、『フィルムに宿る魂』(2020)などんび出演した大和田南那。他にもタレントとしても大活躍しているファーストサマーウイカに、インディーズ、商業映画問わず活躍する木村知貴、岸学、六角慎司らが顔を揃えました。

映画『約束の時間』のあらすじ


(C)ごとうたつや

渋谷のとあるカフェ。

15年ぶりに再会する娘の響子(小川あん)を待つ佐藤順平(木村知貴)。
アイドル志望の京子(大和田南那)と待ち合わせしているスカウトマンの佐藤健吾(六角慎司)。
そしてパパ活サイトを通じて知り合ったキョーコ(ファーストサマーウイカ)を待つ佐藤優作(岸学)。

同じ名前を持つ女性を待つ3人の男性。その男性の名字も皆“佐藤”。店員の勘違いにより、男性の元に本来待っていた“キョーコ”ではない“キョーコ”が案内されてしまう。

絶妙に噛み合わない会話の中、3組の男女のすれ違いはどうなってしまうのか…

映画『約束の時間』感想と評価


(C)ごとうたつや

それぞれ事情を抱え誰かを待っている3人の男性の様子が描かれ、それぞれが同じ“キョーコ”という名前の女性を待っていることが分かります。不思議な共通点はもう一つあり、待っている3人の男性の名字も皆同じ“佐藤”なのです。

3歳の時に別れて以来15年ぶりに娘に会う父親、佐藤順平のところに案内されてやってきたのは、パパ活サイトで知り合った男性に会うと思っているキョーコ。しかも彼女は年齢を詐称して18歳とサイトに登録していますが実際は25歳です。派手な格好の18歳よりかは大人に見えるキョーコの出現に順平は戸惑います。

一方、本物の順平の娘である響子はスカウトマンの佐藤健吾のもとに。何とか説得して契約を結ぼうとしている健吾は、反抗期の娘のような響子の態度に面食らいます。

アイドルを目指す京子は、パパ活で知り合ったキョーコを待つ佐藤優作の前で張り切って自己紹介をしますが、返ってきた反応はよくありません。優作はプロフィール写真とあまりに印象の違う京子に驚きながらも可愛さに満更でもない顔をしています。

観客のみが本当のことを知っているからこそ、まるでコントかのような絶妙なすれ違いが生み出す会話のズレの面白さが伝わってきます。同じカフェという場で、同時進行に進んでいくすれ違いに、いつ違う相手だと気づくのか、どうなってしまうのかとどんどん引き込まれていきます。

しかし、本作はコメディだけにとどまらず、幼い頃に父と別れたことが心のどこかにしこりとして残っていた響子の様子や、平然とパパ活で欲しいものをねだるキョーコの姿に間違っていると感じる順平の姿など、本来会うべき相手ではないからこそ絶妙な化学反応がエモーショナルなドラマを生み出すのです。

勘違いがいつしか人々の心を動かしていく。面白おかしく、どこかじんわりと胸を温かくするような映画です。


(C)ごとうたつや

また、初監督作となった『キスは命がけ!』も、キスしたら命に危険が迫る男子高校生とキスしてほしいと思う彼女の攻防戦という、突飛な設定で描かれるコメディ映画です。コミカルで突飛な設定ではありますが、真剣にキスをしたいと悩む2人のピュアな恋愛模様は微笑ましくもあります。

コントのようなコミカルさ、そして登場人物たちの真っ直ぐさが生み出すエモーショナルなドラマは見る人を惹きつけるでしょう。

まとめ


ごとうたつや監督(c)Cinema Discoveries

同じ名前を持つ女性を待つ3人の男性。しかし、約束の場所に現れたのは違う“キョーコ”だった…

絶妙なすれ違いが生み出す面白さと、本来会うはずではなかった男女が出会った化学反応により巻き起こるエモーショナルなドラマを描いた映画『約束の時間』。

『約束の時間』、『キスは命がけ!』と、ごとうたつや監督が手がける男女がおりなすどこか突飛な日常のおかしさ、コミカルながらも真っ直ぐな登場人物たちのドラマは見るものを惹きつけ楽しませるでしょう。

《ごとうたつやTwitter》

次回のインディーズ映画発見伝は…


(C)シャイカー

次回の「インディーズ映画発見伝」第14回は、吉田浩太監督による江口のりこ主演の異色の青春ドラマ『お姉ちゃん、弟といく』です。

次回もお楽しみに!

【連載コラム】『インディーズ映画発見伝』一覧はこちら

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