伝説はここから始まった。
ドニー・イェン主演「イップ・マン」シリーズ第1弾。
今やハリウッドでも活躍する中国のアクションスター、ドニー・イェン。
彼が、“宇宙最強の男”の異名を広く知らしめるきっかけとなった、映画『イップ・マン 序章』の詳細をお伝えします。
CONTENTS
映画『イップ・マン 序章』の作品情報
【日本公開】
2011年(香港映画)
【原題】
葉問 Ip Man
【監督】
ウィルソン・イップ
【キャスト】
ドニー・イェン、サイモン・ヤム、池内博之、リン・ホン、ゴードン・ラム、ルイス・ファン、チェン・チーフイ、渋谷天馬
【作品概要】
ブルース・リーの師匠で、中国武術・詠春拳の達人として知られるイップ・マン(葉問)の半生を描きます。
イップ・マンを演じるのは、ドニー・イェン。
『ドラゴン危機一髪’97』(1997)、『ブレイド2』(2002)や『シャンハイ・ナイト』(2003)などのハリウッド製アクション映画にも出演してきた彼ですが、本作のイップ・マン役が好評を博し、以降続編3作が製作されるほどの当たり役となりました。
共演に、敵の日本軍将校役として池内博之が演じています。
監督は、『SPL/狼よ静かに死ね』(2005)でもドニーとタッグを組んだウィルソン・イップが担当。
アクション監督を、香港映画の重鎮サモ・ハン・キンポーが務めました。
映画『イップ・マン 序章』のあらすじとネタバレ
1935年の中国広東省沸山
ここは数多くの道場が軒を連ねる中国武術の町として知られ、詠春拳の達人にして沸山最強と謳われるイップ・マンもまた、この地で妻ウィンシンや息子と共に暮らしていました。
イップ・マンの前には常に挑戦者が絶えません。
この日もまた、武術館を開いたリュウが闘いを挑みますが、イップ・マンはいとも簡単に彼を退けます。
その闘いを、凧を飛ばして遊んでいた最中に見ていた少年ユンが、茶館店を営む兄のラムに尾ひれを付けて吹聴。
話を聞いて激怒したリュウがユンを問い詰めるも、再び相対したイップ・マンとラムの仲裁により事なきを得ます。
そんなある日、北部から武術家カム・サンチャウがイップ・マンの元にやって来ます。
自身が使う北派武術が最強ということを誇示すべく、数々の道場破りをしてきたと豪語するカムでしたが、やはりイップ・マンに成す術なく敗北。
南派武術の詠春拳に負けたと悔やむカムに、イップ・マンは「勝敗を決めるのは流派ではなく、武術を使う者の実力だ」と諭すのでした。
日本軍による中国侵攻
時は過ぎて1938年10月、日本軍の侵攻により沸山が占領され、イップ・マンは軍の司令部として家を丸ごと奪われます。
古びた家屋で困窮生活を強いられたイップ・マンは、病に倒れた妻ウィンシンを支えるべく、低賃金の炭鉱作業に就くことに。
作業場でラムと再会したイップ・マンの前に、空手を学ぶ日本兵の相手を探しに、日本兵とその通訳として元警官のリーが現れます。
以前から中国武術を見下す態度を取っていたリーは、試合に勝てば米一袋を与えるという条件を提示し、ラムがそれに乗ります。
参加を拒んだイップ・マンが見たのは、米を手にして引き上げるリュウの姿でした。
道場ではそれまで傍観していた軍将校の三浦が自ら闘技場に向かい、自分1人で3人と組手をすると宣伝。
ラムは他2人とトリオで挑みますが相手にならず、それでも一人食い下がるも、三浦の蹴りで命を落とすことに。
翌日、作業場にラムがいないと知ったイップ・マンは、道場に向かいます。
道場では前日同様にリュウがおり、さらに今日は3人を相手にすると宣言しますが、敗北。
そして、三浦の部下である佐藤に射殺されてしまうのでした。
リュウの死を間近に見て、ラムも殺されたと直感したイップ・マンは、日本兵10人を相手に組手を申し出て、瞬く間に全員を叩きのめします。
「また会おう」と米袋を10個与える三浦でしたが、イップ・マンはリュウの血が付いた米袋1つだけを手に、名を名乗ることなくその場を去るのでした。
一方、かつてイップ・マンに敗れたカムは群れを引き連れた愚連隊と化しており、綿工場を脅迫していました。
友人だった綿工場主のチョウから、護身のために詠春拳を教えてほしいと嘆願されたイップ・マンは、師範を引き受けることに。
そんなイップ・マンの前にリーと佐藤が現れ、三浦と手合わせするよう命じますが、イップ・マンはそれを拒絶。
さらに、佐藤がウィンシンや息子に危害を加えようとしたため、咄嗟に佐藤を含む日本兵を倒してしまい、逃走することとなります。
その頃、カム一味が再び綿工場を襲うも、詠春拳を学んでいた工員たちの抵抗に遭います。
そこへイップ・マンも駆けつけ、カムたちを追い払うのでした。
逃亡するカム一味の中に、長らく行方不明だったユンの姿を見たイップ・マンは彼を捕まえ、彼の兄ラムから託されていた缶の箱を渡そうとします。
しかし、ラムに反発していたユンはそれを受け取ろうとしません。
そんなユンに、イップ・マンはラムが殺されたことを告げ、加えて「己の進む道は自分で決めろ」と言って去ります。
兄を失ったことを知り悲しみに暮れるユンが缶を開けると、中には彼が遊んでいた凧が入っていました。
映画『イップ・マン 序章』の感想と評価
ドニー・イェンの当たり役シリーズ第1弾
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— Donnie Yen 甄子丹 (@DonnieYenCT) January 29, 2016
本作『イップ・マン 序章』は、ドニー・イェンが主演する「イップ・マン」シリーズの、栄えある第1作として製作されました。
幼少時から武術を学んでいただけに、俳優デビュー当初からそのポテンシャルの高さに注目が集まっていましたが、本作での圧倒的かつ無敵のイップ・マン役が、彼のイメージを決定づけます。
続く第2作『イップ・マン 葉問』(2011)が本作を上回るヒットとなったことで、ついには“宇宙最強”というキャッチフレーズが付くほどになりました。
以降、シリーズ第3作『イップ・マン 継承』(2017)や、スピンオフ『イップ・マン外伝 マスターZ』(2019)も製作されました。
ファンの熱い要望で劇場公開された『イップ・マン 序章』
『イップ・マン 序章』公開決定いたしました!
2/19(土)~新宿武蔵野館にて上映いたします。
公開を応援して下さった皆様、本当にありがとうございます。
料金等の詳細に関しては、下記をご参照くださいませ。
http://shinjuku.musashino-k.jp/— イップ・マン 葉問 (@ip_man_movie) February 14, 2011
実は本作は当初、日本公開予定がありませんでした。
これは、イップ・マンの敵が日本軍であるため、上映は見合わせようという見方があったからです。
しかし、熱いファンの声を反映し、2011年2月12日に『イップ・マン 葉問』が新宿武蔵野館で公開された際に観客動員が5,000人を突破すれば、前作にあたる本作『イップ・マン 序章』を公開するというキャンペーンが実施されました。
その条件は、イップ・マンを愛するファンによって見事クリアされ、晴れて同劇場で2月19日に一般公開となった次第。
ちなみに、この新宿武蔵野館は「イップ・マン」シリーズの聖地とされており、『イップ・マン 継承』も『イップ・マン外伝 マスターZ』(2019)も同劇場を旗艦としています。
まとめ
参考映像:『イップ・マン4 完結篇(原題)』予告
そして、「イップ・マン」シリーズの最終作となる第4作『イップ・マン4 完結篇(原題)』が、2019年に公開予定です。
イップ・マンがブルース・リーの招きでサンフランシスコに渡り、チャイナタウンでアメリカ海軍と最後の闘いに臨みます。
共演に『NINJA』(2009)、『ニンジャ・アベンジャーズ』(2013)といったアクションスターのスコット・アドキンスを交えた、シリーズ有終の美を飾る闘いが繰り広げられることは確実。
『イップ・マン4 完結篇(原題)』を観る前に、本作『イップ・マン 序章』を含めた全シリーズをおさらいしておきましょう。