予測不能な展開と極上アクションにしびれる
『キングズマン』シリーズの鬼才マシュー・ヴォーン監督が描いた、ノンストップ痛快スパイアクションです。
「事実は小説よりも奇なり」を超えた、現実と空想のスパイ世界が入り交じる壮大なストーリーに圧倒されます。
主演は『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)のブライス・ダラス・ハワードとサム・ロックウェル。
ヘンリー・カヴィル、ブライアン・クランストン、キャサリン・オハラ、サミュエル・L・ジャクソンら豪華キャストが顔をそろえます。
圧倒的な面白さにアドレナリンが止まらなくなること請け合いの一作です。観たら絶対ほかの人にすすめたくなる、本作の魅力についてご紹介します。
CONTENTS
映画『ARGYLLE/アーガイル』の作品情報
【公開】
2024年(イギリス・アメリカ合作映画)
【監督】
マシュー・ヴォーン
【脚本】
ジェイソン・フックス
【編集】
リー・スミス、トム・ハリソン=リード、コル・グーディー
【キャスト】
ブライス・ダラス・ハワード、サム・ロックウェル、ブライアン・クランストン、キャサリン・オハラ、ヘンリー・カヴィル、デュア・リパ、ジョン・シナ、サミュエル・L・ジャクソン、アリアナ・デボース、ソフィア・ブテラ、リチャード・E・グラント
【作品概要】
『キングズマン』シリーズの鬼才マシュー・ヴォーン監督が、独特の感性と唯一無二の演出で描いた痛快スパイアクションです。
小説『アーガイル』に描かれた世界が現実世界にリンクする、手に汗握る面白さに圧倒されます。
主演は『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)のブライス・ダラス・ハワード、『スリー・ビルボード』(2017)のサム・ロックウェル。
「スーパーマン」シリーズのヘンリー・カヴィル、名優サミュエル・L・ジャクソン、ブライアン・クランストン、「ホーム・アローン」シリーズで母役を演じたキャサリン・オハラら豪華キャストが顔をそろえます。
映画『ARGYLLE/アーガイル』のあらすじとネタバレ
謎のスパイ組織の正体に迫る凄腕エージェント、アーガイルの活躍を描いた、ベストセラー作家のエリー・コンウェイ。彼女は愛猫アルフィーとの時間を愛するおだやかな女性でした。
新作の準備を進め、アルフィーを連れて列車に乗り込んだエリーは、謎の男たちに命を狙われます。エイダンと名乗るスパイに助けられた彼女は、自分の小説が偶然にも現実のスパイ組織の行動を言い当てていたことを教えられました。
映画『ARGYLLE/アーガイル』の感想と評価
二転三転するストーリーに翻弄される極上スパイアクション
華麗な面白さに圧倒される痛快スパイアクション『ARGYLLE/アーガイル』。
冒頭、敏腕工作員・アーガイルとして登場するのはスーパーマンのクラーク・ケント役のヘンリー・カヴィルです。いかつい体で無敵感を醸し出すエージェントが、金色のドレスをまとったブロンド美人とのゴージャスなダンスシーンを披露したのも束の間、すぐに敵に囲まれて窮地に陥り、あっという間に激しいカーチェイスシーンに突入します。
しかし、その豪華なシーンすべてが、実は主人公エリーの書いた小説「アーガイル」の中の空想世界だったことが明かされます。
作者のエリーには驚くべき秘密がいくつもありましたが、彼女自身もそのことに気づいていません。しかし、列車の中で大勢の敵に命を狙われ、スパイのエイダンに助けられたことから、過去の秘密へと近づいていきます。
CIAのスパイだったこと、エイダンとは恋人同士だったこと、そしてそれらを敵に洗脳されてすっかり忘れてしまっていたことが次第に明らかとなります。その上、彼女は敵組織のリッター長官とルースを、自分の両親だと信じ込まされていました。
事実を知ったエリーは、エイダンと共にCIAに協力しようとします。ところが驚いたことに、実はエリーは敵方リッター長官側の工作員でもあり、CIAとの二重スパイだったことを知るのです。
観ている者も、エリーと共に驚愕し、うろたえ、いったい物語はどこへ進んでいくのかと翻弄されます。
前半は野暮だったエリーが、自分が元工作員だと自覚してから視線や動きがまったく違うキレのあるものに変化していくさまは圧巻です。さすが実力派のブライス・ダラス・ハワードだとうならされます。
うさんくさい長髪・もじゃひげだったエイダンも、次第に優秀なエージェントの本性を見せ始めます。オスカー俳優のサム・ロックウェルの演技に魅了されることでしょう。
エリーとエイダンのコミカルなハッピーエンドに大満足。ヴォーン監督の愛猫演じる、愛らしいアルフィーの活躍にも注目です。
スタイリッシュかつユーモラスな連続アクションシーン
本格スパイアクションの本作では、スタイリッシュかつユーモラスなアクションシーンが連続して登場します。どのシーンもみどころたっぷり。息もつかせぬ展開に目が釘付けになります。
まずは冒頭、アーガイルの繰り広げるカーチェイスに圧倒されます。のどかなギリシャの坂道を駆け抜けるバイクを、アーガイルの車がとんでもない方法で追いかけていくのを見て、最初から心をわしづかみにされルに違いありません。
列車内でのアクションシーンも痛快です。うさんくさい長髪スパイのエイダンの戦う姿が、エリーの目にはどうしてもアーガイルと重なって見えるというシーン。ヘンリー・カヴィルとサム・ロックウェルの動きが何度も切り替わる高難度のアクションで、ふたりは精度の高い動きをするために何ヶ月もリハーサルを重ねたそうです。その甲斐あり、本当に素晴らしいシーンに仕上がっています。
アーガイルがこちらを向いてフェロモンたっぷりの笑顔を振りまくのを見るたび、つい吹き出してしまいます。
後半からは、自分がスパイであることに目覚めたエリーもアクションに参戦、さらにハードなシーンが続きます。
発煙筒を使って敵を翻弄するシーンは幻想的です、赤、黄、青のスモークから、恋し合うエリーとエイダンは紫のスモークでハートを描きます。
原油が漏れたヌルヌルの床での格闘シーンも圧巻です。優れたアイススケーターのエリーが、靴にナイフを突き刺してエッジ代わりにし、自由自在に油の上を滑って敵をバッサバッサ倒していきます。あまりの爽快さに思わず喝采することでしょう。
ビートルズの幻の新曲「Now and then」がさらに作品を盛り上げます。
まとめ
大人気作『キングズマン』シリーズの鬼才マシュー・ヴォーン監督が手がけたコメディ・アクション『ARGYLLE/アーガイル』。2時間半があっという間に感じられる、とにかく面白い一作です。
主人公のふたりは、マッチョで無敵感あふれるアーガイルに代表される「敏腕工作員」のイメージとはかけ離れています。ヒロインは中年で決してスレンダーではなく、男性も小柄で体格よいとはいえません。そんなふたりですが、戦い始めると「かっこいい」最高のスパイに大変身します。そのギャップが最高です。
小説「アーガイル」とのリンクを楽しみながら、エリーの過去探しの旅をどうぞ最後まで味わってください。