凪良ゆうの恋愛小説『汝、星のごとく』が映画化決定!
2022年に映画化もされた小説『流浪の月』で本屋大賞を受賞した凪良ゆう。本作『汝、星のごとく』で2023年に2度目の本屋大賞受賞を果たしました。
『汝、星のごとく』は、「普通とは、正しいとは何か」という問いに直面しながら、高校生の時から15年間にわたって、人生の選択と深い愛を紡いでいく男女を描いた物語です。

(c)2026「汝、星のごとく」製作委員会 (c)凪良ゆう/講談社
ヤングケアラーでもあった2人の男女の切ないラブストーリーを、『宇宙でいちばんあかるい屋根』(2020)、『ヤクザと家族 The Family』(2021)、『余命10年』(2022)、『最後まで行く』(2023)、『正体』(2025)など、数多くの作品を手がけてきた藤井道人監督が、現代を代表する若手俳優の横浜流星と広瀬すずを主役に招いて映像化。
2026年10月9日(金)の映画公開に先駆けて、小説『汝、星のごとく』をネタバレありでご紹介します。
CONTENTS
小説『汝、星のごとく』の主な登場人物
【青埜櫂(あおのかい)】
男運の悪い母と二人暮らしから、プロの漫画原作者となる。
【井上暁海(いのうえあきみ)】
離婚して精神状態が不安定な母の面倒を見る。櫂の同級生。
【北原先生】
櫂と暁海の高校の化学の先生。シングルファーザー。
【北原結(ゆう)】
北原先生の娘。
【明日見菜々】
北原結の母親。
小説『汝、星のごとく』のあらすじとネタバレ

(c)2026「汝、星のごとく」製作委員会 (c)凪良ゆう/講談社
風光明媚な瀬戸内海のある島で、暁海は夫の北原と娘の結と、3人で暮らしています。
幸せそうな家庭ですが、北原は月に一度別の島で暮らしている恋人に会いに行きます。結はその恋人との間にできた子どもでした。
そんな北原を公然と送り出す暁海。狭い島で暮らす人々は、奇妙な夫婦のことをあれこれ噂しあっています。
噂話の真実は誰も知らない……。暁海は遠い昔をふと思い出します。
17歳~24歳
京都の高校から井上暁海の学校に転校してきた青野櫂は、シングルマザーの母が島で飲み屋を営んでいました。
自由奔放な母の恋愛に振り回され、男にフラれた母を慰めて、世話をやくのはいつも櫂の役目でした。
この島に来たのだって、母が今度こそ一緒になろうとした男の後を追ってきたのですが、結局、男にフラれてしまい、また一から恋人を作るために飲み屋をしているという具合です。
飲んだくれた母の介抱しながら、櫂はふと学校で「呑んでるの?」と言われた井上暁海のことを思い出します。
一方の井上暁海は、実父が恋人の元へ行ってしまい、母と2人で暮らしています。
「父に帰ってくるよう伝えてくれ」と母に頼まれ、父の恋人の家に行った暁海。行く途中で青野櫂と出会い、話しかけます。
暁海の事情を知った櫂は、愛人の家に一人で行くのはつらいだろうと、父の恋人・林瞳子の家に一緒に行くことになりました。
瞳子は暁海と櫂を温かく迎えてくれました。ほんの短い時間でもわかる瞳子の優しさと包容力。父に会わずに帰る道すがら、櫂は彼女が手ごわいと言いました。
櫂との帰り道、すっかり打ち解けた2人は些細なことも話せるほど距離が縮まっていました。
何となく惹かれあった暁海と櫂はいつしか恋人同士になります。初めてのキスのあと、抱き合うまで時間はかかりませんでした。
夏休みの花火大会の夜、2人で海岸で抱き合っているところを、子どもを連れた北原先生に見つかりました。先生はお盆明けに学校に来るようにと言ってその場を去りました。
お盆明け、2人が学校に行くと、北原先生から避妊をすることと注意をされ、好きな時に使っていいと、化学準備室の鍵を渡されました。思いがけない先生の言葉に2人は絶句します。
それから、先生も公認の中となった2人ですが、進路について悩み始めました。そのうちに漫画を描くのが好きな櫂は、漫画の原作者としてプロデビューが決まり、高校卒業後は東京へ行くことになりました。
暁海も櫂と一緒にいたいと思ったのですが、父親に捨てられた母が相手の家に放火しそうになり、そんな母を一人にしておけないと、暁海は島に残ることにしました。
東京と瀬戸内海の小島。2人の遠距離恋愛が始まりました。駆け出しの漫画原作者である櫂は、裕福ではありません。
たまに上京してくる暁海とつかの間のデートをするのが楽しみでしたが、2人の間に気持ちのズレが生じてきました。
櫂が22歳でお盆に帰ってきた時に暁海にプロポーズしますが、冗談にされました。
それから2年。櫂は24歳になりました。漫画がアニメ化され、収入が増えて“お金持ち”になり、浮気も何回もしています。
一方、暁海は母親のせいで大学進学を諦め、男尊女卑の会社に就職しました。趣味で続けていたオートクチュール刺繍(師匠は瞳子)の商品がはじめて売れました。儲けはありません。
櫂との格差を感じ「もうフってくれればいいのに」と思っています。浮気にも気づいていました。喧嘩して、やけくそのように「結婚しようか」と言われましたが、結局別れてしまいました。
小説『汝、星のごとく』の感想と評価
高校生の頃知り合って、円満な家庭環境でなく孤独を抱える櫂と暁海は、お互いを意識し、愛し合うようになります。
櫂と暁海が背負っていたものは、若い2人にのしかかるようにして生きていた母親たちでした。これが、ある意味ヤングケアラーと言える2人の悲劇だったのです。
母親たちのせいで一緒になれず、いつしか愛する気持ちにズレが生じて別れることになった櫂と暁海。
心の底では愛していたのに、なぜこのような別れ方になってしまうのかと、次第に2人の仲を引き裂いていく運命に腹立たしさを覚えることでしょう。
本作は、2人の視点からそれぞれの生活環境と心理状況が描かれています。登場人物たちは、世間一般の‟常識的な家庭”とはとても言えませんが、それでも、優しい気持ちを持って生きていました。
島の人が囁く噂話の真実は誰も知らない。プロローグの一文は暁海の心の声でしょう。
真実を知る人は、自分と櫂と北原先生だけ。自分が正しいと思ったことを貫いて堂々と生きるという、凛としたその姿勢に魅了される作品でした。
また、登場人物の名前も素敵でした。暁の海に、櫂を使って漕ぎ出す船。未知なる大海原の旅への出航に、不可欠な必需品です。切っても切れない関係を示す2人のネーミングに感心します。
映画『汝、星のごとく』の見どころ
小さな瀬戸内海の島で生まれた、切ない愛。家庭の事情が若い2人を引き離し、やがて病魔に侵された恋人は旅立っていきます。
そんな切ない恋人たちを演じるのは、人気実力とも評判の高い横浜流星と広瀬すずです。
浮気をしながらも暁海を心から求めていた櫂に横浜流星。献身的に櫂を支えながらも気持ちのすれ違いから違う道を歩む暁海には広瀬すず。
2人のかけがえのない思い出ややり場のない怒りのぶつかり合いを、原作以上の迫力で演じてくれることでしょう。また、美しい瀬戸内海の風景や花火のシーンも楽しみです。
映画に登場するのかまだわかりませんが、北原先生の存在も気になるところです。
北原先生は、暁海たちの強い味方であり良き理解者でした。その過去も一風変わっており、主役と同様のキーパーソンと言えます。
登場するなら、誰が北原先生を演じるのか。映画の全キャスト発表とその後の情報が待たれます。
映画『汝、星のごとく』の作品情報
【日本公開】
2026年(日本映画)
【原作】
『汝、星のごとく』(著者・凪良ゆう/講談社文庫より)
【監督】
藤井道人
【脚本】
安達奈緒子
【キャスト】
横浜流星、広瀬すず
まとめ
凪良ゆうの長編小説『汝、星のごとく』をネタバレありでご紹介しました。
高校生の櫂と暁海。よく似た生活環境が2人の心に共通する想いを育みます。
ゆったりと流れる時間の中で、大人になっていく2人に、貧困と遠距離恋愛という厳しい現実があり、固く信じあっていたはずの愛が次第に崩れていきました。
その挙句に迎えた愛する人の死。暁海は恩人とも言える北原先生と今も結婚生活を営んでいますが、その心には櫂がいつまでも生き続けているのです。
この切なすぎるラブストーリーが、映画化され、横浜流星と広瀬すず主演で2026年10月9日(金)に公開決定! 涙なしには観れないと思われるラスト近くの花火のシーンに期待は高まります。


































