Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ラブストーリー映画

Entry 2025/09/04
Update

『汝、星のごとく』映画化原作ネタバレあらすじ感想と評価レビュー。続編も人気の15年間に及ぶ切ない恋愛物語

  • Writer :
  • 星野しげみ

凪良ゆうの恋愛小説『汝、星のごとく』が映画化決定!

2022年に映画化もされた小説『流浪の月』で本屋大賞を受賞した凪良ゆう。本作『汝、星のごとく』で2023年に2度目の本屋大賞受賞を果たしました。

『汝、星のごとく』は、「普通とは、正しいとは何か」という問いに直面しながら、高校生の時から15年間にわたって、人生の選択と深い愛を紡いでいく男女を描いた物語です。


(c)2026「汝、星のごとく」製作委員会 (c)凪良ゆう/講談社

ヤングケアラーでもあった2人の男女の切ないラブストーリーを、『宇宙でいちばんあかるい屋根』(2020)、『ヤクザと家族 The Family』(2021)、『余命10年』(2022)、『最後まで行く』(2023)、『正体』(2025)など、数多くの作品を手がけてきた藤井道人監督が、現代を代表する若手俳優の横浜流星と広瀬すずを主役に招いて映像化。

2026年10月9日(金)の映画公開に先駆けて、小説『汝、星のごとく』をネタバレありでご紹介します。

小説『汝、星のごとく』の主な登場人物

【青埜櫂(あおのかい)】
男運の悪い母と二人暮らしから、プロの漫画原作者となる。

【井上暁海(いのうえあきみ)】
離婚して精神状態が不安定な母の面倒を見る。櫂の同級生。

【北原先生】
櫂と暁海の高校の化学の先生。シングルファーザー。

【北原結(ゆう)】
北原先生の娘。

【明日見菜々】
北原結の母親。

小説『汝、星のごとく』のあらすじとネタバレ


(c)2026「汝、星のごとく」製作委員会 (c)凪良ゆう/講談社

風光明媚な瀬戸内海のある島で、暁海は夫の北原と娘の結と、3人で暮らしています。

幸せそうな家庭ですが、北原は月に一度別の島で暮らしている恋人に会いに行きます。結はその恋人との間にできた子どもでした。

そんな北原を公然と送り出す暁海。狭い島で暮らす人々は、奇妙な夫婦のことをあれこれ噂しあっています。

噂話の真実は誰も知らない……。暁海は遠い昔をふと思い出します。

17歳~24歳

京都の高校から井上暁海の学校に転校してきた青野櫂は、シングルマザーの母が島で飲み屋を営んでいました。

自由奔放な母の恋愛に振り回され、男にフラれた母を慰めて、世話をやくのはいつも櫂の役目でした。

この島に来たのだって、母が今度こそ一緒になろうとした男の後を追ってきたのですが、結局、男にフラれてしまい、また一から恋人を作るために飲み屋をしているという具合です。

飲んだくれた母の介抱しながら、櫂はふと学校で「呑んでるの?」と言われた井上暁海のことを思い出します。

一方の井上暁海は、実父が恋人の元へ行ってしまい、母と2人で暮らしています。

「父に帰ってくるよう伝えてくれ」と母に頼まれ、父の恋人の家に行った暁海。行く途中で青野櫂と出会い、話しかけます。

暁海の事情を知った櫂は、愛人の家に一人で行くのはつらいだろうと、父の恋人・林瞳子の家に一緒に行くことになりました。

瞳子は暁海と櫂を温かく迎えてくれました。ほんの短い時間でもわかる瞳子の優しさと包容力。父に会わずに帰る道すがら、櫂は彼女が手ごわいと言いました。

櫂との帰り道、すっかり打ち解けた2人は些細なことも話せるほど距離が縮まっていました。

何となく惹かれあった暁海と櫂はいつしか恋人同士になります。初めてのキスのあと、抱き合うまで時間はかかりませんでした。

夏休みの花火大会の夜、2人で海岸で抱き合っているところを、子どもを連れた北原先生に見つかりました。先生はお盆明けに学校に来るようにと言ってその場を去りました。

お盆明け、2人が学校に行くと、北原先生から避妊をすることと注意をされ、好きな時に使っていいと、化学準備室の鍵を渡されました。思いがけない先生の言葉に2人は絶句します。

それから、先生も公認の中となった2人ですが、進路について悩み始めました。そのうちに漫画を描くのが好きな櫂は、漫画の原作者としてプロデビューが決まり、高校卒業後は東京へ行くことになりました。

暁海も櫂と一緒にいたいと思ったのですが、父親に捨てられた母が相手の家に放火しそうになり、そんな母を一人にしておけないと、暁海は島に残ることにしました。

東京と瀬戸内海の小島。2人の遠距離恋愛が始まりました。駆け出しの漫画原作者である櫂は、裕福ではありません。

たまに上京してくる暁海とつかの間のデートをするのが楽しみでしたが、2人の間に気持ちのズレが生じてきました。

櫂が22歳でお盆に帰ってきた時に暁海にプロポーズしますが、冗談にされました。

それから2年。櫂は24歳になりました。漫画がアニメ化され、収入が増えて“お金持ち”になり、浮気も何回もしています。

一方、暁海は母親のせいで大学進学を諦め、男尊女卑の会社に就職しました。趣味で続けていたオートクチュール刺繍(師匠は瞳子)の商品がはじめて売れました。儲けはありません。

櫂との格差を感じ「もうフってくれればいいのに」と思っています。浮気にも気づいていました。喧嘩して、やけくそのように「結婚しようか」と言われましたが、結局別れてしまいました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには小説『汝、星のごとく』ネタバレ・結末の記載がございます。小説『汝、星のごとく』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

25歳~30歳

櫂が25歳になった時、仕事の相棒が不祥事を犯して連載が打ち切りになりました。一方の暁海は、櫂と別れたら少しは楽になれると思っていたのに、別れたことをずっと後悔していました。

趣味で始めた刺繍が少しずつ仕事になっていましたが、母親が宗教にはまり貯金をすべて使われてしまっています。

母親に「青埜君と復縁できますように」と祈っていたと言われ、母を責めました。すると母親は発作的に車で出かけ、交通事故を起こしてしまいました。怪我の治療代に400万の借金ができ、瞳子と父親に借りに行きます。

しかし、瞳子たちはちょうど島にカフェ兼アンテナショップをオープンしようと融資を受けたばかりだった為、100万しか貸すことができませんでした。

そこで暁海は東京の櫂のところに行って300万円借りました。その帰り道にはじめて櫂が連載を止められていることを知り、ショックを受けます。

暁海は島で生きていく決意し、瞳子に仕事をくださいと頭を下げました。

櫂、28歳の夏。あれから2年がたちましたが連載は再開しません。漫画の雑誌担当者の二階堂は、櫂に小説を書くことを勧めていました。

暁海からは毎月3万5千円ずつ、給料日あとの26日に返金があります。それだけが2人の繋がりだと感じる櫂。

櫂のことを想いながらも、借金返済でしか繋がれない暁海。そんな彼女を見かねたのか、北原先生から「足りないもの同士、互助会感覚で結婚しませんか」と言われました。

北原先生は、島に来る前の学校で当時の教え子と関係を持っていました。結ちゃんはその女性が産んだ子どもでした。

櫂が30歳になった冬。櫂は母親にずっとお金を無心されていたため、漫画家時代の貯金が底をつきマンションは売ってしまっていました。

二階堂を通じてエッセイ連載と居酒屋のバイトで生活して、バイト先で出会った女の部屋で暮らしています。一緒に暮らす女は30代半ば。男に依存する、まるで自分の母親のようなタイプの女です。名前は秋美(あきみ)でした。

その頃、母親がシェアハウスに入居した暁海は、「これから先の人生をずっと一人で生きていることが怖いから、一緒に生きていきませんか」と言われ続けた北原先生と結婚しました。

櫂は母親から電話で暁海が北原先生と結婚することを聞き、作家を引退することを決めて、植木に「引退します」とメッセージを送ります。

なけなしの10万円を北原先生にご祝儀として送り、一緒にいる女と別れました。その後吐血して、そのまま動けなくなりました。

31歳~34歳

櫂は胃がんのステージ3でした。現在、友人の家に居候しています。暁海の借金があと50万、あと一年足らずで縁を切れると、なんとなく「井上暁海」と検索してみたら、刺繍作家としてネットに名前が出ていました。

心の底から喜び悲しみ、今死にたいと思いましたが、病気が悪化し、櫂はまた入院。その後は生活保護を受けることになりました。

一方、32歳になった暁海の仕事は順調です。瞳子から引き継いだ顧客ばかりでしたが、徐々に入れ替わって自分の顧客が増えています。

櫂の母親から連絡をもらい、はじめて櫂が癌であることを聞きました。櫂の母親から、怖くてお見舞いにも行ってないから様子を見てきてと頼まれます。

暁海が櫂に会いに行ったら、帰ってこないことをわかっていて、北原先生は行かせました。

櫂は入院しても頑張る理由がないなと思っていると、暁海が病院へあらわれました。そして、櫂の退院後は高円寺に部屋を借りて、2人で一緒に住みました。

病院で「あと数カ月の命」と宣告を受けた櫂。7月から治療を止めて緩和ケアにかえ、在宅ケアへと移りました。

櫂は高校生の頃に見た今治の花火が見たいと言い、8月に島に帰ることにしました。暁海は北原先生に事情を話し、最終段階の病状を迎えた櫂を迎える準備をします。

そして、花火の日。櫂と暁海と北原先生、それに結と結の母親と一緒に花火見物をしました。一発目の花火があがった時、櫂は暁海に手を取られて、静かに息を引き取りました。

※※※※※

34歳になった暁海は、櫂が死んでから、また北原先生と結と3人で暮らしています。

北原先生は定期的に、結の母親・明日見菜々の元に通っています。暁海は籍はいつでも抜きますと、北原先生に伝えてありました。

そんなある日、暁海の元に二階堂という人から本が届きました。その題名は『汝、星のごとく』で、著者は青埜櫂と書かれていました。

暁海は櫂のことを思い、涙を流しながら、最初の1ページを開きました。

小説『汝、星のごとく』の感想と評価

高校生の頃知り合って、円満な家庭環境でなく孤独を抱える櫂と暁海は、お互いを意識し、愛し合うようになります。

櫂と暁海が背負っていたものは、若い2人にのしかかるようにして生きていた母親たちでした。これが、ある意味ヤングケアラーと言える2人の悲劇だったのです。

母親たちのせいで一緒になれず、いつしか愛する気持ちにズレが生じて別れることになった櫂と暁海。

心の底では愛していたのに、なぜこのような別れ方になってしまうのかと、次第に2人の仲を引き裂いていく運命に腹立たしさを覚えることでしょう。

本作は、2人の視点からそれぞれの生活環境と心理状況が描かれています。登場人物たちは、世間一般の‟常識的な家庭”とはとても言えませんが、それでも、優しい気持ちを持って生きていました。

島の人が囁く噂話の真実は誰も知らない。プロローグの一文は暁海の心の声でしょう。

真実を知る人は、自分と櫂と北原先生だけ。自分が正しいと思ったことを貫いて堂々と生きるという、凛としたその姿勢に魅了される作品でした。

また、登場人物の名前も素敵でした。暁の海に、櫂を使って漕ぎ出す船。未知なる大海原の旅への出航に、不可欠な必需品です。切っても切れない関係を示す2人のネーミングに感心します。

映画『汝、星のごとく』の見どころ

小さな瀬戸内海の島で生まれた、切ない愛。家庭の事情が若い2人を引き離し、やがて病魔に侵された恋人は旅立っていきます。

そんな切ない恋人たちを演じるのは、人気実力とも評判の高い横浜流星と広瀬すずです。

浮気をしながらも暁海を心から求めていた櫂に横浜流星。献身的に櫂を支えながらも気持ちのすれ違いから違う道を歩む暁海には広瀬すず。

2人のかけがえのない思い出ややり場のない怒りのぶつかり合いを、原作以上の迫力で演じてくれることでしょう。また、美しい瀬戸内海の風景や花火のシーンも楽しみです。

映画に登場するのかまだわかりませんが、北原先生の存在も気になるところです。

北原先生は、暁海たちの強い味方であり良き理解者でした。その過去も一風変わっており、主役と同様のキーパーソンと言えます。

登場するなら、誰が北原先生を演じるのか。映画の全キャスト発表とその後の情報が待たれます。

映画『汝、星のごとく』の作品情報

【日本公開】
2026年(日本映画)

【原作】
『汝、星のごとく』(著者・凪良ゆう/講談社文庫より)

【監督】
藤井道人

【脚本】
安達奈緒子

【キャスト】
横浜流星、広瀬すず

まとめ

凪良ゆうの長編小説『汝、星のごとく』をネタバレありでご紹介しました。

高校生の櫂と暁海。よく似た生活環境が2人の心に共通する想いを育みます。

ゆったりと流れる時間の中で、大人になっていく2人に、貧困と遠距離恋愛という厳しい現実があり、固く信じあっていたはずの愛が次第に崩れていきました。

その挙句に迎えた愛する人の死。暁海は恩人とも言える北原先生と今も結婚生活を営んでいますが、その心には櫂がいつまでも生き続けているのです。

この切なすぎるラブストーリーが、映画化され、横浜流星と広瀬すず主演で2026年10月9日(金)に公開決定! 涙なしには観れないと思われるラスト近くの花火のシーンに期待は高まります。





Warning: Use of undefined constant php - assumed 'php' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/demachi2026/cinemarche.net/public_html/wp-content/themes/stinger8-child/single.php on line 150

関連記事

ラブストーリー映画

【きみのめネタバレ】原作韓国映画とリメイクの違いを比較評価。最後まで泣けるおすすめの純愛作品『きみの瞳が問いかけている』

映画『きみの瞳が問いかけている』は2020年10月23日(金)より全国ロードショー。 吉高由里子と横浜流星がダブル主演を務め、孤独な男女の交流を繊細に演じた映画『きみの瞳が問いかけている』。 不慮の事 …

ラブストーリー映画

映画『午前0時、キスしに来てよ』ネタバレ感想レビュー。少女漫画の実写化で胸キュンシーン満載!

この冬、キラキラのシンデレラストーリーが誕生。 おもわず「恋したい!」気分になるかも!? 『近キョリ恋愛』『きょうのキラ君』と映画化が続く、人気漫画家みきもと凛の、単行本累計300万部突破となった『午 …

ラブストーリー映画

映画『さくらん』ネタバレあらすじと感想。ラスト結末の評価も【金魚と赤が映える鮮やかな花魁に生きた人たち】

写真家・蜷川実花の劇場映画デビュー作品『さくらん』 安野モヨコの漫画作品「さくらん」が映画化され、2007年2月24日より公開されました。 世界的なフォトグラファー、蜷川実花の初監督作品であり、モデル …

ラブストーリー映画

映画『パドマーワト女神の誕生』ネタバレ感想と評価解説。インド史上最大規模で伝説の王妃が描かれる

インドで敬愛され続ける伝説の王妃パドマーワティの物語が完全映画化! インド映画史上最大の規模で描かれる圧巻の映像絵巻。 演技、演出、美術、音楽、すべてが美しく気高い一大叙事詩が完成しました。 映画『パ …

ラブストーリー映画

【ネタバレ】ボーンズ アンド オール|あらすじ結末感想と評価考察。タイトルの意味に隠された‟食人カニバリズム”の禁断純愛ホラーとは⁈

人を喰べたいという衝動を描き、世界に衝撃と賛否を巻き起こす! 今回ご紹介する映画『ボーンズ アンド オール』は、2016 年にアレックス賞を受賞した、作家カミーユ・デアンジェリスの小説『Bones a …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学