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【ネタバレ】プロット殺人設計者|あらすじ感想と結末の評価考察。キャストのカン・ドンウォンが事故の“設計者”を演じる

  • Writer :
  • 菅浪瑛子

香港映画『アクシデント 意外』(2008)をカン・ドンウォン主演で韓国リメイク

大ヒットとなった『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』(2025)のソイ・チェン監督、同じくルイス・クー主演の香港映画『アクシデント 意外』(2008)を『犯罪の女王』(2017)のイ・ヨソプが韓国リメイクした『プロット 殺人設計者』。

殺人を請け負い、事故死に見せかけるため、事故を設計する殺しの設計者集団。リーダーのヨンイル率いるチームは、次期検事総長候補の殺害を計画しますが、計画の途中で思わぬ事故が起こります。

かつての仲間であったチャンヌンの死は偶然の事故ではなかったと考えていたヨンイルは、あの時と同じく何者かが自分たちの命を狙っているのではと考え始めます。果たして自分たちを狙う存在の正体とは……。

新感染半島 ファイナル・ステージ』(2021)、『ベイビー・ブローカー』(2023)のカン・ドンウォンが主演を務め、共演には『デシベル』(2023)のイ・ジョンソク、ドラマ『涙の女王』(2024)のイ・ミスク、ドラマ『他人は地獄だ』(2020)のイ・ヒョヌクなどが共演。

映画『プロット 殺人設計者』の作品情報


(C)2024 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & ZIP CINEMA. All Rights Reserved.

【日本公開】
2025年(韓国映画)

【英題】
The Plot

【監督・脚本】
イ・ヨソプ

【キャスト】
カン・ドンウォン、イ・ジョンソク、イ・ミスク、イ・ヒョヌク、タン・ジュンサン、キム・ホンバ、チョン・ウンチェ

【作品概要】
ソイ・チェン監督のアクシデント 意外』(2008)を『犯罪の女王』(2017)のイ・ヨソプが韓国リメイク。

殺人を請け負い事故を設計する設計人のリーダー・ヨンイルを演じたのは、『新感染半島 ファイナル・ステージ』(2021)、『ベイビー・ブローカー』(2023)のカン・ドンウォン。

寡黙なヨンイルと対照的な明るく優しいチャンヌンを、『デシベル』(2023)のイ・ジョンソクが演じました。

その他のキャストにドラマ『涙の女王』(2024)のイ・ミスク、ドラマ『他人は地獄だ』(2020)のイ・ヒョヌク、『へウォンの恋愛日記』(2014)のチョン・ウンチェ、『ワンダーランド あなたに逢いたくて』(2024)のタン・ジュンサンなど。

映画『プロット 殺人設計者』のあらすじとネタバレ


(C)2024 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & ZIP CINEMA. All Rights Reserved.

殺人を請け負い、事故死に見せかけるため、事故を設計する殺しの設計者集団。リーダーのヨンイル率いるチームのもとに、次期検事総長候補チュ・ソンジクの殺害の依頼が舞い込みます。

依頼主は、娘のチュ・ヨンソンでした。チュ・ソンジクには、裏金問題が浮上しており、辞退しろという声が上がっていました。

以前にも裏金問題が浮上し、その裏金を使っていたのはチュの妻でした。チュは、妻を告発し全てを明るみにすると宣言しましたが、その矢先に妻は事故に遭い亡くなります。

妻の他に無関係な2人を巻き込んだ事故……。

その情報を調べたヨンイルは、“清掃人”によるデザインされた事故で、チュが妻を殺すよう依頼したのだと考えます。

自分たちにも清掃人の手が回るかもしれない、不安な人は抜けろとヨンイルは言いますが、チームメンバーは請け負うことを決意します。

足の不自由なチュの車椅子を押しているのは娘のヨンソンであり、2人を引き離す瞬間がないことが大きな問題でした。

どのようにして事故を設計するか……ヨンイルをはじめ、皆は悩みます。

「簡単なのは感電死じゃない」。ジャッキーの一言で計画が進み始めます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『プロット 殺人設計者』ネタバレ・結末の記載がございます。『プロット 殺人設計者』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2024 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & ZIP CINEMA. All Rights Reserved.

ヨンイルらは、車椅子を引くヨンソンにカメラのフラッシュで眩しくさせ、一瞬の隙で車椅子から手を離す瞬間を狙います。

1人で走り出したチュが感電死するには、雨が降って地面が濡れていることが条件でした。また、マスコミが大勢いることも証言者となり、事故を決定づけると考えていました。

来る日も来る日も雨が降るのを待って待機するなか、とうとう格好の日が訪れます。いざ、作戦開始というときにジャッキーが応答しません。

ウォルチョンが様子を見に行くと車にいるはずのジャッキーが見当たりません。

「中止にした方がいい」とウォルチョンは言いますが、中止にするとヨンソンの身が危ないと作戦を決行します。

作戦は成功し、チュは感電死し、マスコミは騒然とします。ヨンソンはショックで、てんかんの発作が出て倒れてしまいます。

ヨンイルらはジャッキーの姿を探し、ウォルチョンが「バス停の近くで見た」と言います。ヨンイルはバス停に向かい、ジョムマンにもバイクで向かうように指示します。

バス停に人影を見たヨンイルは駆け寄りますが、そこには誰もいませんでした。そして、目の前にバスが迫り横転します。

咄嗟に避けたヨンイルでしたが、衝撃音が鳴り恐る恐る見てみるとバイクに乗ったジョムマンが巻き込まれ、道路に投げ出されていました。

「偶然ですよね」と言い、息を引き取ったジョムマン。ヨンイルは証拠となりそうなイヤホンやプレス用の顔写真などを引き取りその場を後にします。

事務所に戻るとそこにはウォルチョンがいました。ジャッキーに電話をかけても出ないというウォルチョンに、ヨンイルはしばらく身を隠した方がいいと言います。

清掃人に狙われている、その狙いは自分だと確信したヨンイルはヨンソンを監視し始めます。チュは亡くなる直前に保険に加入し、その受け取り手を娘のヨンソンにしていました。

莫大な保険金が入ったヨンソンに対して、動画配信者を中心に根拠のない噂話をするようになりました。

中でもハウザーという謎の配信者は、何者かが事故を仕組み、マスコミが報道しない真実があると陰謀論めいた予言を繰り返します。

ヨンイルは、ヨンソンが面会している保険会社の会社員が清掃人ではないかと疑いを強めていきます。

さらに、ジャッキーがいなくなったときバス停で見かけたと誘導したのはウォルチョンだと、ウォルチョンまで疑います。

「誤解している、会って話そう」というウォルチョンの言葉にヨンイルは耳を貸そうとしません。

「誰も信じない、そんなだからチャンヌンはあんたが怖かったんだ。清掃人の正体は…」と言いかけたウォルチュンに対し、ヨンイルは感情を昂らせ事故を装い殺してしまいます。

そんななか、ヨンイルの目の前でヨンソンが飛び降り自殺をし、ヨンイルは追い詰められていきます。

そして、保険会社員を殺すために事故を仕組みますが、直前になって清掃人ではないことに気づきます。止めようとしても遅く、会社員は事故に巻き込まれてしまいます。

絶望したヨンイルは警察に自首しますが、相手にされず「あんたみたいな頭のおかしい人間の相手をする暇ない」と言われてしまいます。

しかし、そんな警察の手元には、ヨンイルの部屋からなくなったチェスの駒があったのでした……。

映画『プロット 殺人設計者』の感想と評価


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寡黙で頭が切れるリーダー・ヨンイルに、ベテランのジャッキー、変装が得意なウォルチョン、新人のジョムマン。

殺人を請け負い、事故を設計する設計人である4人は、見事な連携で事故を演出し、ターゲットを殺します。

それぞれがクールに仕事をこなしていると思いきや、それぞれ抱えているものがありました。

ジャッキーはかつてベトナム戦争に看護婦として従軍しており、そこで兵士にモルヒネを打ち、戦場という地獄を若くして経験しています。

そのトラウマから麻薬中毒者になっていたジャッキーは、かつてメンバーであったチャンヌンによって救われたといいます。

ウォルチョンは、母親の手術費のためにお金を必要としており、少年院出身であるジョムマンも詳しくは語られませんが、生活のためにこの仕事をする必要があったのでしょう。

作戦を立て遂行していく姿を、まるでスパイ映画かのようにスタイリッシュに描いていますが、彼らが行なっていることは“殺人”です。

メンバーそれぞれが割り切ろうとしても割り切れない重苦しさがそこにはあります。

その重苦しさと共に、後半に行くにつれ加速していくのがヨンイルの狂気です。

チャンヌンは、交通事故によって亡くなっていますが、ヨンイルはその事故は偶然の事故ではなく、デザインされた事故であり、それをデザインしたのは“清掃人”だと疑っています。

しかし、ジャッキーは清掃人の存在には懐疑的で「自分が見たものしか信じない」と言います。

チャンヌンが亡くなった事故現場にいたのはヨンイルだけであり、その時何が起こったのかを知ることができたのも、ヨンイルのみなのです。

清掃人の正体をヨンイルと共に突き詰めていくのかと思いきや、映画は次第にもやに包まれ、観客にとってヨンイルも信用できなくなっていきます。

チャンヌンを追い詰めたのは、他でもないヨンイルだったのです。

一緒に始めた事業から抜けようとしていたチャンヌンを手放したくなくて、事務所に盗聴器があったと言い、清掃人の存在をちらつかせ、今抜けるのは危ないと引き止めたのです。

家に盗聴器を仕込んだのもヨンイルの仕業でした。ヨンイルがチャンヌンの死の真相を知ろうと、清掃人に固執するのには、自分がチャンヌンを追い詰め、死に追いやってしまったことを認めたくないからなのかもしれません。

そのようなヨンイルの狂気にヴィッキーやウォルチョンも気づいていたのでしょう。

1人で暴走するヨンイルに、ウォルチョンは真実を告げようとしますが、怒ったヨンイルによって殺されてしまいます。

一方で、清掃人がヨンイルの妄執が作り上げたものとするには不可解な点もあります。

一つは、ジョムマンが亡くなった事故です。あの事故のターゲットはジョムマンではなく、自分であったと考えてもおかしくないタイミングでのバスの横転でした。

そのバスの事故も、ヨンイルの妄想ではなく実際に起こった事故です。

さらに、ヴィッキーやチュ・ヨンソンが相次いで飛び降り自殺したのも、偶然にしては出来過ぎです。観客もヨンイル同様に様々な事象に懐疑的になりそう見えてしまっているのかもしれません。

清掃人は本当にいるのか、どこまでがヨンイルの妄執なのか、観客をも混乱させるのが、この映画の狙いとも言えます。

さらに、謎の配信者ハウザーを中心に、動画配信者の中で陰謀論めいたことがまことしやかに広まっていく様が印象的なように、この映画が映し出しているのは現代社会だということがわかります。

情報が錯綜し、混沌とした社会で何が真実なのかわからなくなっていく……それはまさに私たちの姿かもしれません。

それだけではなく、次期検事総長候補をめぐる裏金問題や、マスコミの過激さなども現代らしいテーマと言えるのではないでしょうか。

まとめ


(C)2024 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & ZIP CINEMA. All Rights Reserved.

事故を設計し、殺人を請け負う設計人たちを描いた映画『プロット 殺人設計者』。

ダークでスタイリッシュな本作で印象的なのは、カン・ドンウォン演じるヨンイルが疑心暗鬼の末に狂気じみていく姿でしょう。

そんなヨンイルと対照的なのが、チャンヌンです。

チャンヌンは最後まで自分を信じてくれていたとヨンイルは思っていますが、果たして本当にそうだったのでしょうか。

チャンヌンはヨンイルに「これが僕たちの作った世界だ」と言います。

チャンヌンもヨンイルの狂気に気づき、恐怖を感じていたのかもしれません

また、それでも2人の関係性から見ないふりをして信じようとしたのかもしれません。

観客にとってもヨンイルが信じられなくなっているからこそ、全てに疑念を持ってしまうことが、本作の面白みであり、怖さなのです。

一方で、冒頭でヨンイルが、自分とチャンヌンは出生証明など、自分を証明するものも名前もないと言っています。

その背景について触れられていなかったり、清掃人がもし本当に存在したとしても、ジャッキーがアルツハイマーを発症するタイミングがおかしかったりと、説明不足な点もいくつかあります。

しかし、そこも含めて観客をも包み込むミステリアスな映画になっていると言えます。




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