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Entry 2024/02/06
Update

【ネタバレ】映画ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY|あらすじ感想と結末評価。実話伝説の歌手、その半生を描く!

  • Writer :
  • 秋國まゆ

世界を魅了した歌姫ホイットニー・ヒューストンの半生を描いた伝記映画。

ケイシー・レモンズが監督を務めた、2022年製作のアメリカの伝記映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』。

THE VOICEと称される圧倒的な歌声で世界を魅了したアメリカの人気歌手ホイットニー・ヒューストン。

いかにしてスターダムを駆けあがり、グレイテストソングを生み出したのか。

ジャンルも人種も超え、「歌いたい曲を、自分らしく歌う」ことに命を燃やした先に彼女が見たものとは…。

映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』の作品情報


(C) 2022 NYBO Productions LLC. All Rights Reserved.

【公開】
2022年(アメリカ映画)

【脚本】
アンソニー・マクカーテン

【監督】
ケイシー・レモンズ

【キャスト】
ナオミ・アッキー、スタンリー・トゥッチ、アシュトン・サンダーズ、タマラ・チュニー、ナフェッサ・ウィリアムズ、クラーク・ピータース

【作品概要】
ボヘミアン・ラブソディ』(2018)の脚本を手掛けたアンソニー・マクカーテンが本作の脚本を、『ハリエット』(2019)のケイシー・レモンズが監督を務めた、アメリカの伝記映画です。

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)のナオミ・アッキーが、世界を魅了した歌姫ホイットニー・ヒューストン役を演じます。

映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』のあらすじとネタバレ


(C) 2022 NYBO Productions LLC. All Rights Reserved.

1983年、アメリカ・ニュージャージー州。カトリック系の女子校に通うホイットニー・ヒューストンは、歌手の母親シシーの歌唱指導のもと、幼い頃からニュー・ホープ・バプティスト教会の聖歌隊とともにゴスペルを歌っていました。

さらにホイットニーは、シシーのバックコーラスも務めていました。

しかし私生活では、シシーのツアー中はいつも子供達の面倒を見ていたジョンの浮気が発覚し、大喧嘩の末に離婚。シシーはホイットニーの養育権を得ました。

そんなある日、ホイットニーに人生最大のチャンスが訪れます。

シシーの機転により、敏腕の音楽プロデューサーのクライヴ・デイヴィスの目の前で、オープニング・ソロを務めることとなったのです。

ホイットニーは美しい歌声で、「Greatest Love Of All」という曲を披露。観客とクライヴから拍手喝采を浴びます。

さらにホイットニーはクライヴの目にとまり、彼が社長を務めるアメリカのレコード会社「アリスタ・レコード」と契約。歌手デビューを果たし、瞬く間にトップ歌手の座をつかみます。

ホイットニーはデビュー前に出会った親友のロビン・ロックフォードと交際しており、マネージャーである父親のジョンに、彼女を故人秘書として正式に雇いたいとお願いしました。

しかし、会ってすぐに2人の関係を察したジョンから、「男とデートすること」という条件を提示されるのです。

ロビンはこれを拒むも、ホイットニーは自身のデビューアルバム『そよ風の贈りもの』の中の2曲デュエットしたアメリカの歌手ジャーメイン・ジャクソンと関係を持ってしまいます。

理由は、家族と子供が欲しいから。それまで怒りのままに家中のものを壊して暴れていたロビンは、静かに涙を流し「愛しているの」と告げます。

ホイットニーもそれに答え、ロビンに「親友になってほしい」とお願いしました。ロビンは最初は拒むも、しばらくすると彼女の頼みを受け入れるように手を握り返しました。

ロビンが正式にホイットニーの個人秘書となった後、ホイットニーのデビューアルバムは爆発的な大ヒットとなり、アメリカン・ミュージック・アワード(AMA)とグラミー賞を受賞。

さらに2曲目のシングル「すべてをあなたに」から7曲連続で全米チャート1位の記録を打ち立てました。

アメリカの心をつかみ爆発的な人気を得た一方で、「ホイットニーの音楽は黒人っぽくない。黒人アーティストの魂を売った」と、ホイットニーとその音楽を批判する人も少なからずいました。

出演したラジオ番組でそのことを知ったホイットニーは、「歌い方に黒人も白人もない」「私は歌うだけ。音楽には人種も国境もない」と言い、これからも自分らしく歌うことを宣言しました。

さらにホイットニーは女性実業家となり、「ニッピー社」という自分の会社を設立。両親、兄弟やその家族を養うボスとなりました。

以下、『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』ネタバレ・結末の記載がございます。『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C) 2022 NYBO Productions LLC. All Rights Reserved.

ホイットニーはロビンと家族と一緒に、アメリカで1年に一度開催されるブラックミュージック(黒人音楽)の芸能賞授賞式「ソウル・トレイン・ミュージック・アワード」に出席。最優秀MV賞の候補者となるも、受賞できませんでした。

落ち込んだホイットニーはR&Bにチャレンジすることに。その試みは功を奏し、ビルボード音楽賞でR&B部門を含む4部門でノミネート。

ホイットニーと、彼女がソウル・トレイン・ミュージック・アワードで出会ったR &Bの歌手ボビー・ブラウンはR&B界のキングとクイーンに君臨しました。

ホイットニーは、自分のことを理解してくれてありのままの自分でいられるボビーと交際することに。

女好きなボビーとは結婚なんてまだ…と考えていたホイットニーでしたが、なんとボビーからプロポーズされたのです。

1991年。ホイットニーはアメフト界の頂点を決める大会「スーパーボウル」の開幕式で国歌斉唱をしてほしいという大役を任されます。

1992年。ホイットニーは俳優のケヴィン・コスナーからの指名で、彼が主演を務める映画『ボディーガード』(1992)に偉大な歌手のレイチェル・マロン役で出演。

1994年。ホイットニーが歌ったその映画の主題歌『I Will Always Love You』や挿入歌の『アイ・ハヴ・ナッシング』『ラン・トゥ・ユー』は、いずれもグラミー賞やアカデミー歌曲賞にノミネートされ、主題歌はグラミー賞をはじめとしたあらゆる音楽賞を総なめするほどの大ヒットを記録しました。

映画出演後、ホイットニーはボビーと晴れて結婚し、一人娘に恵まれました。

ホイットニーの私生活も仕事も順風満帆。と思いきや、ボビーは浮気や裁判沙汰を繰り返していたのです。

さらにジョンはホイットニーが稼いだ金を湯水のように浪費し、大金が手に入るからとアリスタ・レコードの幹部たちと勝手に仕事の契約をし、70日間の世界ツアーをホイットニーに強要します。

信頼していた2人の裏切りによって、次第に壊れていくホイットニーの心。それでも彼女は、理想の家族像を追い求め続けました。

ですがメディアや週刊誌は、そんなホイットニーのスキャンダルを見逃しません。ホイットニーの荒廃した私生活や、彼女自身も麻薬依存に陥ってるなどと報じたのです。

それを見てさすがにいてもたってもいられず、クライヴはツアー中のホイットニーを自宅に呼び出し、麻薬を断ち切るためにリハビリをするべきだと告げます。

またロビンも、麻薬のせいで具合が悪くなることが多くなったホイットニーを心配して、家に帰って療養するべきだと訴えました。

しかしホイットニーは、彼らの助言を拒絶します。ロビンはそんな彼女に愛想を尽かし、最後にジョンが入院していることを告げて立ち去りました。

ホイットニーは急いで父親のもとに駆けつけるも、倒れてもなおお金に執着したかってくる父親の姿に幻滅してしまいます。

ホイットニーと喧嘩別れしたまま、ジョンは死んでしまいました。シシーは、葬式に出席せず自宅の衣装部屋の隅で大麻を吸う娘を見つけ、一瞬言葉を失います。

2000年。ホイットニーは大麻所持で警察に逮捕され、保護観察での治療を言い渡されました。

リハビリ生活を送るホイットニーの心の支えとなったのは娘でした。

ホイットニーは娘の歌を聞いて、自分は仲の悪い両親のようにはならないと心に誓い、家庭を求めてボビーと結婚したことを思い出します。

そしてホイットニーはボビーと会い、その家庭を壊した彼に離婚しようと告げました。

2009年、シカゴ。シシーと娘、クライヴが見守るなか、ホイットニーは歌手として復帰します。

しかしホイットニーの復帰ツアーは失敗に終わりました。かつて「ザ・ヴォイス」と讃えられた声量が戻らなかったからです。

2012年2月、アメリカ・ロサンゼルス。ホイットニーはクライヴが主催するグラミー賞の前夜祭で歌を披露するべく、娘と一緒にビバリー・ヒルトンホテルに向かいました。

しかしそこで、ホイットニーは脚光を浴びていたあの頃と違うのだということを思い知らされ、また麻薬に手を出してしまうのです。

と、ここで、ホイットニーの大ファンであるホテルのバーの店員が絶賛した、1994年全米音楽アワードでメドレーを歌ったホイットニーの姿が回想シーンとして流れます。

その後、ホイットニーは麻薬の使用により、ホテルの4階客室の浴槽で溺死。48歳という若さでこの世を去りました。

映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』の感想と評価


(C) 2022 NYBO Productions LLC. All Rights Reserved.

世界を魅了した歌姫ホイットニー・ヒューストン。その輝かしい栄光の影に、娘として1人の女性として、そして人気歌手としての苦悩の日々がありました。

ホイットニーを心から愛していた父親のジョンと夫のボビーは、最初こそホイットニーに寄り添い守ろうとする良き父・良きパートナーでした。

しかし次第に彼らは本性をあらわし、父親や夫としての立場からホイットニーを抑えつけ、彼女の自由や尊厳を奪っていきます。

挙げ句の果てに、ジョンは病に倒れてもなおホイットニーの金に執着し、ボビーは結婚前も後も懲りずに浮気を繰り返し、裁判沙汰まで起こす始末。

それだけでも十分、ホイットニーを苦しめていました。なのにホイットニーが何度精神的に限界を迎えて「もうメディアに出たくない」「やめたい」と口にしても、彼女の恩恵を受けている家族やボビーは誰も「やめてもいいよ」とは言わず、続けなくちゃダメだと言ったのです。

家族や夫からの期待とプレッシャー、極度の緊張とストレスにより身も心もボロボロになってしまったホイットニー。ついに一時の安らぎを求めて麻薬に手を出してしまいました

ホイットニーの美しい歌声に魅了される一方で、彼女も自分たちと同じ1人の人間であったことを痛感し、彼女の心情を思うと胸が苦しくなります。

もしあの時、ホイットニーが助けを求めた時に誰かが「やめていいよ」と言ってくれたら、シシー・ロビン・クライヴから差し伸べられた救いの手をホイットニーが受け取っていたなら、ホイットニーは死なずにすんだのかなとたらればの話をしたくなるほど、視聴者の誰もがホイットニーに感情移入しファンになることでしょう。

まとめ


(C) 2022 NYBO Productions LLC. All Rights Reserved.

エンドロール前、こんなテロップが流れました。

「ホイットニーが叩き出した、”7曲連続1位”は世界記録となり、黒人で唯一、アルバム3作が1000万枚以上売り上げた」

「ホイットニーは全米音楽アワードで最多部門を受賞。ポピュラー音楽に多大なる影響を与えた人物のうちの一人であるアメリカのシンガーソングライター、マイケル・ジャクソンの記録に並んだ」

「女性歌手の総受賞数では史上最多。この時代のホイットニーは、最高に魅力的で豊かな歌声の持ち主”ザ・ヴォイス”だった」と。

最後まで自分らしく歌うこと、不仲の両親とは違ってあたたかい家庭を築くという理想の家族像を追い求め続けたホイットニーの歌声やパフォーマンス、苦悩の日々を送る彼女の心情を完璧に演じきったナオミ・アッキーは本当に素晴らしい女優です。

ホイットニー・ヒューストンのファンはもちろん、彼女を知らない人でも、その歌声と人柄に魅了されることでしょう。

ジャンルも人種も関係なく、歌いたい曲を自分らしく歌うことに命を燃やし続けた人気歌手ホイットニー・ヒューストンの半生を描いた感動の伝記映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。

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