続3部作の完結作にして
SF映画の金字塔「スターウォーズ」シリーズ最終作!
『スターウォーズ フォースの覚醒』『スターウォーズ 最後のジェダイ』に続く、新3部作の完結作『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』。
そして「スターウォーズ」シリーズの最終作でもあります。
これまで明かされる事の無かった秘密や、新たな勢力ファイナルオーダーとの決戦などが、怒涛の勢いで目まぐるしく展開される本作をご紹介します。
CONTENTS
映画『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』の作品情報
【公開】
2019年公開(アメリカ映画)
【原題】
Star Wars: The Rise of Skywalker
【監督・脚本・製作】
J・J・エイブラムス
【脚本】
クリス・テリオ
【音楽】
ジョン・ウィリアムズ
【キャスト】
デイジー・リドリー、アダム・ドライバー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、ビリー・ディー・ウィリアムズ、ルピタ・ニョンゴ、ドーナル・グリーソン、ケリー・マリー・トラン、ヨーナス・スオタモ、アンソニー・ダニエルズ、ビリー・ロード、ケリー・ラッセル、ナオミ・アッキー、リチャード・E・グラント、イアン・マクダーミド
【作品概要】
「スターウォーズ」シリーズのエピソード9作目にして、シリーズ最終作。監督と脚本、製作総指揮を『スターウォーズ フォースの覚醒』のJ・J・エイブラムスが担当。
デイジー・リドリー、アダム・ドライバー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザックなどが、引き続き、シリーズの主要キャラクターを演じます。
映画『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』あらすじ
かつて、銀河皇帝として君臨し「シスの暗黒卿」として恐れられた、パルパティーン。
ルーク・スカイウォーカーにより、葬り去られたと思われていたパルパティーンが、現在も存在している事が判明します。
これまで自身をコントロールしていた存在、スノークの命を奪い、ファーストオーダーの最高指導者となったカイロ・レンは、パルパティーンが潜む惑星、エクセゴルに向かう為、エクセゴルへの道しるべとなる、三角形のデバイス、ウェイファインダーを探しだします。
エクセゴルに到着し、パルパティーンと対峙したレン。
パルパティーンは、レンに同盟を組むことを提案し、自身が作り出した新たな帝国ファイナルオーダーの指揮権を与える事を約束します。
パルパティーンが、レンに出した条件は「レイを捕獲してくる事」でした。
ミレニアムファルコン号に乗り、ファーストオーダーの追っ手から逃げている、フィンとポー・ダメロン。
2人の目的は、ファーストオーダーに紛れているスパイから、情報を得る事でした。
フィンとポーは、接触したスパイから、パルパティーンが生きている事を聞かされます。
ルークとの修行を途中で終わらせたレイは、自身に眠る強大なフォースを使いこなす為の特訓を、レイアから受けていました。
「先人のジェダイと1つになる事」というレイアの課題を、レイはクリアする事ができません。
苦しむレイですが、戻ってきたフィンとポーから、スパイからの情報を聞き、パルパティーンの計画を阻止する為に、「シスの惑星」と呼ばれる、エクセゴルに向かう事を決意します。
ですが、エクセゴルに向かうには、道しるべとなるウェイファインダーが必要となります。
レイは、ルークが残した記録から、かつてルークもエクセゴルの場所を探しており、情報が惑星パサーナで途絶えていた事を知ります。
ルークが追っていた情報を探す為、レイはフィンとポー、チューバッカ、ドロイドのC-3POとBB8と共に、惑星パサーナへ向かいます。
惑星パサーナでは、お祭りが開催されており、レイは心を和ませますが、レンがフォースの力でレイに語りかけてきます。
ダークサイドに引き込もうとするレンを、レイは拒否しますが、レンと交信した事で、居場所がバレてしまい、ファーストオーダーのストームトルーパーに発見されます。
ですが、そのピンチを救ったのは、かつてレジスタンスとして帝国軍と戦った、ランド・カルリジアンでした。
エクセゴルをルークと共に調査し、惑星パサーナに残ったランドは、レイ達にシスの配下だったオーチの戦闘機を探す事をアドバイスします。
その直後、ファーストオーダーの追っ手に見つかり、スピーダーに乗って逃走したレイ達は、追っ手を撃退する事に成功しますが、底なし沼にハマってしまいます。
底なし沼から、謎のトンネルに落ちたレイ達は、そこでオーチの死体と短剣を発見します
短剣には、エクセゴルに関する情報が記されていますが、それを読み取ったC-3POは「シスの言葉は翻訳する事を禁止」されている事から、情報を伝える事を拒否します。
惑星パサーナを脱出しようとしたレイですが、レンの気配を感じ取り、仲間から離れます。
突然いなくなったレイを探しに行ったチューバッカは、レンの配下であるレン騎士団に捕らえられます。
1人になったレイは、突撃してきたレンの乗るタイ・ウィスパーを、ライトセーバーで破壊します。
その直後、チューバッカが捕らえられた事を聞いたレイは、チューバッカを乗せた、ファーストオーダーの輸送船をフォースで止めます。
ですが、そこへ現れたレンが、フォースで対抗してきます。
邪魔をするレンに感情が高まったレイは、指先から、シスの暗黒卿だけが使う、フォースライトニングを放ち、チューバッカの乗った輸送船を破壊してしまいます。
映画『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』感想と評価
前作『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』は、レジスタンスの籠城戦を2時間30分かけて描いた、革新的な「スターウォーズ」でしたが、全体を通してのストーリーが、ほとんど進んでいませんでした。
これを受けた『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』は、急ピッチでストーリーを展開させ、収束させる必要があった為、本作は目まぐるしく話が変化していきます。
あまりにも、ストーリーが目まぐるしく変化する為、賛否が分かれるところではありますが、本作は、そんな部分はどうでもよくなるほど、「スターウォーズ」シリーズの最終章としての役割を、じゅうぶんに果たした作品となっています。
何者でもない存在が、銀河の英雄になる物語
「スターウォーズ」シリーズの新3部作のメインキャラクター、レイとポー、フィンは『スターウォーズ フォースの覚醒』『スターウォーズ 最後のジェダイ』の過去2作では、それぞれ別の場所での冒険が多く、3作目となる本作で、ようやく3人揃い、一緒に冒険に出る展開となります。
レイの思い出の詰まったミレニアムファルコン号を、ポーが雑に扱った事で口論になり、2人の間に入るフィンという、これまで無かったメインキャラクター同士の絡みは、それだけでも見ていて楽しい場面です。
また、惑星エクセゴルでの決戦では、ジェダイの意思を継ぎ、パルパティーンと対峙するレイ、スターデストロイヤーの艦隊を無力化させる為、中心になっている戦艦に潜入し、破壊工作を行うフィン。そして、レイア亡き後、レジスタンスを勝利に導く為、敵艦隊とドッグファイトを繰り広げるポーと、3人がそれぞれの戦いを行い、見せ場が用意されています。
本作の中盤で、ポーは元々、スパイスの密輸業をやっていた事が分かり、フィンにからかわれたポーが、フィンに「元ストームトルーパー」、レイに「ガラクタ漁り」と言う場面があります。
本作は、何者でもなかった存在が、冒険を通して成長し、最後は銀河を救う英雄になる物語という「スターウォーズ」シリーズの王道を貫いた物語となっています。
レイとルークの師弟関係
新3部作に必要な要素として「過去作のキャラクターとの繋がり」という部分があります。
レイアとハン・ソロの息子で、ダースベイダーに憧れるカイロ・レンは、強い繋がりを持っていますが、新3部作の主人公であるレイは、誰と、どのような繋がりを持つのか?が、シリーズの重要な部分となっていました。
前作の『スターウォーズ 最後のジェダイ』で、レイはルークの修行を受けますが、師弟関係が成立したとは言えませんでした。
一番の問題は、レイがルークを全く尊敬していない部分でした。『スターウォーズ エピソード4/新たなる希望』では、若き日のルークの目の前で、師匠のオビ=ワン・ケノービが、ダースベイダーに倒されてしまった事で、ルークがダースベイダーを戦う理由が生まれました。
ですが『スターウォーズ 最後のジェダイ』では、ルークは人知れずこの世を去り、レイも全く気にしていない様子でした。
しかし、『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』では、ダークサイドに落ちてしまう危機と恐怖に直面したレイを、最後に導くのはルークです。
ルークは、レイの迷いを見事に消し去り、ルークとレイアのライトセーバーをレイに託します。そして、レイはかつてルークが乗り込み戦っていた、Xウィングで惑星エクセゴルに乗り込みます。
レイとルークの師弟関係を見事に描き、ジェダイの意思を継いだレイが、パルパティーンと戦うクライマックスに繋がる、見事な展開となっています。
レイの正体
新3部作の一番の謎にして、避けて通れない問題として「レイの正体」という部分があります。
強大なフォースを持つレイの正体は、ここまで謎となっており、『スターウォーズ 最後のジェダイ』では、レイの両親は普通の人間だった事が語られる為、更に謎が深まるだけでした。
しかし、本作では「パルパティーンの孫」という、その正体が明かされます。
「スカイウォーカー家の話なのに、最後はパルパティーンの孫?」と思いがちですが、銀河を平和に導いた、スカイウォーカー家の意思を、銀河を恐怖に陥れたパルパティーンの血筋が引き継ぐ、これこそが、善にも悪にも偏らない、理想的なフォースのバランスではないでしょうか?
レイの正体が分かったうえで、もう一度、『スターウォーズ フォースの覚醒』『スターウォーズ 最後のジェダイ』を見返すと、自身の運命と戦うレイの姿に、最初とは違った印象を受けるようになり、また味わい深くなっていきます。
シリーズのラストとしては、かなり上手い終わらせ方ではないでしょうか。
まとめ
新3部作は「スターウォーズ」シリーズの生みの親、ジョージ・ルーカスの手を離れ、新たな「スターウォーズ」として始まった作品です。
「スターウォーズ」シリーズが、9部作構想である事は、かなり早い段階で明らかになっていましたが、エピソード3が完成した後に、ルーカス自身が、体力の限界を理由に「エピソード7~9は製作されない」と語っていました。
幻と化した「エピソード7~9」を、新たなクリエーターが受け継ぎましたが、実際に企画が始まってみると、神格化された「スターウォーズ」シリーズに、新たな1ページを刻む事の難しさが浮き彫りになりました。
さまざまなトラブルや、批判を受けながらも、スターウォーズ正史と、スカイウォーカー家の物語は、これで完結となります。
ただ、「スターウォーズ」の世界はこれからも広がっていき、テレビシリーズの『マンダロリアン』は高い評価を受けています。
ジョージ・ルーカスの手から離れた「スターウォーズ」の世界が、今後も、さまざまなクリエーターにより広がっていく事を考えると、楽しみですね。
今後も「スターウォーズ」シリーズが、フォースと共にあらんことを。