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Entry 2023/10/28
Update

【ネタバレ】トランスフォーマー ビースト覚醒|あらすじ感想と結末の評価解説。続編シリーズの第7作でもビースト戦士たちは地球を救う⁈

  • Writer :
  • 秋國まゆ

世界的大ヒットを記録したSFアクション大作「トランスフォーマー」シリーズ第7作!

スティーブン・ケイプル・Jr.が監督を務めた、2023年製作のアメリカのSFアクション映画『トランスフォーマー ビースト覚醒』。

オプティマス・プライム率いる金属生命体「トランスフォーマー」たちが地球に来て間もない1994年。“あらゆる星を食い尽くす神話の存在”と思われてきた宇宙最悪の災い「ユニクロン」が、地球を次の標的にしました。

ユニクロンの先遣隊の攻撃に遭い、絶体絶命のオプティマスプライムたちの前に、動物に変形するビーストたちが現れます。

映画『バンブルビー』(2018)の続編である、映画『トランスフォーマー ビースト覚醒』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

映画『トランスフォーマー ビースト覚醒』の作品情報

【日本公開】
2023年(アメリカ映画)

【原題】
Transformers:Rise of the Beasts

【監督】
スティーブン・ケイプル・Jr.

【脚本】
ジョビー・ハロルド、ダニエル・メテイヤー、ジョシュ・ピーターズ、エリック・ホーバー、ジョン・ホーバー

【キャスト】
アンソニー・ラモス、ドミニク・フィッシュバック、ルナ・ローレン・ヴェレス、ディーン・スコット・バスケス、トベ・ンウィーグウェ、マイケル・ケリー、ピーター・カレン、ピート・デイヴィッドソン、ライザ・コシ、クリスト・フェルナンデス、ジョン・ディマジオ、ロン・パールマン、ミシェル・ヨー、デヴィッド・ソボロフ、トンガイ・キリサ、ピーター・ディンクレイジ、MJ・ロドリゲス、コールマン・ドミンゴ

【作品概要】
クリード 炎の宿敵』(2018)のスティーブン・ケイプル・Jr.が監督を務めた、アメリカのSFアクション作品。

世界的大ヒットを記録したSFアクション大作「トランスフォーマー」シリーズの第7作であり、映画『バンブルビー』(2018)の続編です。

イン・ザ・ハイツ』(2021)や『アリー スター誕生』(2018)のアンソニー・ラモスが本作の主人公を演じ、『ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償』(2021)のドミニク・フィッシュバック、「トランスフォーマー」シリーズでオプティマスプライムの声を演じて続けてきたピーター・カレンら豪華キャスト陣と共演しています。

映画『トランスフォーマー ビースト覚醒』のあらすじとネタバレ

人類の文明の夜明けよりさらに遠い昔、伝説では悪しき神が巨大な力を保つべく、惑星を丸ごと燃料にして食い尽くしていました。ですが、これを信じる者は誰もいませんでした。人々がこの目で、その宇宙最悪の災い「ユニクロン」を見るまでは………。

ユニクロンが地球にやってきた本当の狙いは、星を食い尽くすためだけではなく「トランスワープ・キー」という時空を超えられるテレポート装置を手に入れるためでした。そのトランスワープ・キーを入手すべく、ユニクロンは最も優秀な部下スカージを地球に送り込みました。

1994年、アメリカ・ニューヨーク。ブルックリンに住む電子機器の専門家ノア・ディアスは、家族を支えるために就職活動に励むもなかなか上手くいきません。

ノアはかつてアメリカ陸軍に所属していましたが、勤務中「鎌状赤血球症」なる遺伝性の貧血病を患う弟クリスのことが心配で上の空になることが多く、それが理由で除隊しました。

せめてクリスの治療費だけでも稼ごうと、ノアは友人リークの誘いに乗り、金持ちたちが集うチャリティーパーティーの会場である高級ホテルの地下駐車場から車を盗みます。

ところが、ノアが盗んだ青いストライプの入ったシルバーのポルシェ・911(964型)は、車に変形する金属生命体「トランスフォーマー」だったのです。

そのトランスフォーマー「ミラージュ」はノアを車に閉じ込めたまま、カーチェイスを繰り広げていきます。警察を撒いた後にミラージュはロボットに変形し、ノアが驚く中で彼の仲間が続々とやってきます。

故郷の星「サイバトロン」を救おうと地球にやってきた正義のトランスフォーマーの集団「オートボット」。

1987年式フレイトライナーFLAセミトラックに変形するオートボットのリーダー「オプティマスプライム」、黄色と黒の1970年代の第2世代クラシック・シボレーカマロに変形する「バンブルビー」、ダークピンクと白のドゥカティ・916に変形するオートボットの狙撃員「アーシー」です。

オプティマスプライムは、自分たちの正体を知ったノアの処遇をとりあえず後回しにし、皆と話し合いました。先ほどオートボットたちは、人間には感知不能の4000ヨタヘルツのエネルギー波を感知し、エネルギー波の波動から発生源を画像化した結果、数千年前に失われたと言われていた「トランスワープ・キー」であると判明したからです。

かつてトランスワープ・キーは、トランスフォーマーや機械類の動力源となる青いエネルギー物質「エネルゴン」が豊富な惑星へと続く時空の扉を開けるために使われていました。

そのエネルゴンが豊富な惑星の1つが、彼らの故郷であるサイバトロン。地球で7年も足止めを食らった彼らは、このトランスワープ・キー(以下「キー」と表記)を使って故郷に帰ろうとしていました。

アメリカのアッパー・ニューヨーク湾内にあるエリス島の博物館にキーがあることまで突き止めたオートボットでしたが、人間に追われずに手に入れる方法がすぐ思いつきません。そこでミラージュは、ノアに博物館からキーを盗んでもらうのはどうかと、オプティマスプライムに提案します。

オプティマスプライムは故郷に帰るためにキーを何としても手に入れようと躍起になるあまり、人間との協力に難色を示しつつも彼に説得され、渋々提案を受け入れました。

博物館の電源を切り、ノアは館内へと侵入。そこでインターンとして勤務するエレーナ・ウォレスが持っているキーを手に入れようとします。

するとそこへ、キーを狙うスカージ率いる先遣隊が襲来。それに気づいたオートボットたちは、キーを守るために彼らに立ち向かいます。

キーを巡る争いの末、オプティマスプライムを身を挺して守ったバンブルビーは、スカージの凶弾の犠牲に。絶体絶命のピンチに陥ったオートボットの前に、動物に変形するトランスフォーマー「マクシマル」が現れます。

オートボットとノアたちを救ったのは、ハヤブサに変形するマクシマルの偵察員「エアレイザー」。過去と未来を見据える戦士です。彼女曰く、マクシマルは故郷が滅びる直前に星を出て宇宙を彷徨い、この地球に隠れていたといいます。

そしてオートボットが先ほど戦ったのは、ユニクロンに暗黒のエネルギーを植えつけられ、無敵の力を与えられた彼の配下「テラーコン」であること、ユニクロンは永久に自分から逃げられないように彼らの魂を握っているのだと教えてくれました。

それを聞いたオプティマスプライムは、人間を信用した自分のせいでキーを敵に奪われたと自責の念に駆られ、その言葉にカチンときたノアと口論に。エアレイザーは二人の仲裁に入り、敵が手に入れたのはキーの一部だと言いました。

万が一に備えてキーを2つに分け、エアレイザーの一派はスーダンへ、ゴリラに変形するマクシマルのリーダーのオプティマスプライマル(以下「プライマル」と表記)の一派はまた別の場所にキーを隠して守ってきたのです。

ですがエアレイザーの一派のうち、生き残ったのは彼女だけ。しかももう半分のキーがどこにあるのかも知りません。それを聞いたエレーナは「ペルーにある」と言いました。

高い観察眼と知識の持ち主である彼女は戦いに巻き込まれる前、博物館に運ばれてきたキーについて調べていました。その結果、キーに書かれていたシンボルが記録されているのは世界でただ一つ、西半球で1・2を争う古い建造物であるペルー・クスコの太陽神殿にあると判明。

ノアとエレーナは地球とサイバトロン、二つの星を救うため、ペルーへ向かうオートボットたちに同行することにしました。

翌日。港に集まったノアたちとオートボットの前に、軍用輸送機のフェアチャイルドC-119フライング・ボックスカーに変形するオートボットの航空戦士「ストラトスフィア」が現れます。エアレイザーと並んで空を飛び、ノアたちとオートボットをペルーへ空輸します。

その道中、エレーナと少し親しくなったノアは「俺たち人類のために、見つけたキーは破壊しなくちゃいけない」と告げました。

以下、『トランスフォーマー ビースト覚醒』ネタバレ・結末の記載がございます。『トランスフォーマー ビースト覚醒』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

クスコに到着した一行のもとに、地元のテレビ会社のフォルクスワーゲン・タイプ2に変形するオートボットの科学者にして技術者「ホイルジャック」が登場。

ホイルジャック曰く、太陽神殿の上には聖ドミンゴ教会という古い教会が建てられており、その中庭にキーの残留エネルギーがあると言います。

しかしちょうどこの日は「インティ・ライミ」という太陽神に敬意を表して開催されるアンデスの祭典が行われており、街中の人々が教会付近に集っているため、近づくのは難しいです。

そこでノアは、エレーナと二人で地元民のフリをして紛れ込み、教会に忍び込むという作戦を提案。オプティマスプライムは「悪くない作戦かもな」と採用しました。

作戦は見事成功。教会の中庭に忍び込んだ二人は、その地面に刻まれたエアレイザーと同じシンボルを正しい向きに直します。すると地下への扉が開かれ、ノアたちはこの500年間人が入ったことがない太陽神殿に辿り着きました。

しかし、キーがあると思って開けた棺の中は空っぽ。その棺の中をよく見てみると、エアレイザーと同じシンボルが刻まれていたのです。

するとそこへ、テラーコンのリーダーであるスカージが差し向けた、彼が使役する小型のテラーコン「スウィープス」が襲来。ノアはミラージュのパーツで作られた機械を使って助けを求めます。

テラーコンが来ないか見張るために車に変形して近くで待機していたオートボットは、彼らのもとへ急行。動き出したオートボットを見てテラーコンも動き出します。

カーチェイスの最中、オプティマスプライムはロボットに変形。キーを奪うため、そして大事な友の仇を討つためにスカージと対峙します。

エアレイザーは空中からスカージを攻撃しオプティマスプライムを援護しようとしましたが、スカージからの攻撃を受けたためあえなく撤退。それを見たオプティマスプライムも、スカージに「覚悟しておけ、スカージ。必ずお前を始末する」と撤退します。

ミラージュのパーツで作られた機械でスウィープスを撃退したノアたちは、さらに奥へと逃走。近くの森の川に辿り着きます。

するとそこへプライマルをはじめ、チーターに変形するマクシマル「チーター」と、サイに変形するマクシマル「ライノックス」が現れます。一触即発となるトランスフォーマーたち。エアレイザーが仲裁に入り、自分の仲間である彼らを紹介しました。

エアレイザーから事情を聞いたプライマルは、太陽神殿にあったもう片方のキーは安全のために別の場所に移したと教えました。

プライマルはその隠し場所へ皆を案内しつつ、自分たちマクシマルは宇宙の生命の繁栄のためにキーを使って若い星を訪れていたこと、キーを狙ったユニクロンに故郷を滅ぼされ、どんな犠牲を払ってでも生命の保存に命を懸けると誓い地球に亡命したこと。

そしてプライマルの一派はマチュ・ピチュを拠点に、先祖代々数百年も昔からマクシマルを守ってきた「アマル」という部族の末裔と協力しキーを守ってきたと明かしました。

その日の夜。プライマルはオプティマスプライムに、マチュ・ピチュに生のエネルゴンがたくさんあると教え、そのうちの一つの上でバンブルビーを休ませました。しかしバンブルビーが蘇るには、エネルゴンを活性化させるほどの大きなパワーが必要でした。

さらにプライマルは、オプティマスプライムに「長い間彼らを見てきたが、彼らは目に見える以上の力を秘めている。彼らは救う価値がある」と人類の存在意義を教えました。

翌朝。誰よりも先に目を覚ましたエレーナは、エアレイザーの異変に気づき声をかけます。エアレイザーは悶え苦しみながら「スカージを感じるの。私の心に入り込んで……」と言うと態度が豹変。エレーナを攻撃しようとします。

エレーナの悲鳴を聞きつけ、オプティマスプライムがエアレイザーに銃口を向けますが、それをプライマルが止めました。するとエアレイザーは、そのままどこかへ飛んでいってしまいました。

マクシマルもオートボットも来たるテラーコンとの戦いに備えて防御態勢に入り、プライマルはノアにキーを託してエレーナと一緒に逃げるよう指示します。

その直後、エアレイザーの羽に仕込んだスカージの印を辿ってきたテラーコンが襲来。オートボットとマクシマルは再び彼らと激闘を繰り広げることに。その戦いの最中で、キーを破壊しようとするノアに気づいたオプティマスプライムは止めに入ります。

「仲間たちを助けたい気持ちは分かる」「だがそのキーを破壊すれば、我々は故郷に帰れなくなる。だからそんな馬鹿な真似はしないでくれ」「頼む、ノア」

オプティマスプライムの懇願するような説得により、ノアはキーの破壊をやめました。代わりにエレーナがキーを持つことになった瞬間、スカージに心を支配されてしまったエアレイザーが襲来。キーもろともエレーナを攫っていったのです。

プライマルとオプティマス・プライム、ノアはエアレイザーを追跡。しかしプライマルがエレーナたちのもとに辿り着いた時には、すでにもう片方のキーをスカージに奪われていたのです。

プライマルの姿を見たスカージは「お前は昔俺が殺しただろう」と言いました。スカージが殺したのは、プライマルと同じくゴリラに変形するマクシマルの先代リーダー「エイプリンク」のことです。

ユニクロンとテラーコンの襲来を受け、エイプリンクはプライマルにリーダーの座とキーを託して故郷から脱出させ、自身は殿としてスカージと一騎打ちに。しかし一騎打ちの末、スカージに敗れ戦死したエイプリンクのことを思い出し怒りに震えたプライマルは、スカージに襲いかかります。

スカージはエアレイザーに皆殺しを命じ、キーを持ってその場から立ち去りました。辛うじて自我が残るエアレイザーはプライマルに「“何を引き換えにしても守る”という私たちの誓いを忘れないで」「これ以上自分を抑えられない。だから私を殺して」と懇願します。

プライマルは葛藤の末、暴れるエアレイザーを後ろから羽交い絞めにしながら殺めました。

スカージは二つに分割されたキーを一つにし、主人であるユニクロンに捧げました。するとユニクロンは、マチュ・ピチュの近くに城砦を築きました。

オプティマスプライムは隣に立つノアに「“宇宙が一つになるまで戦いは続く”と、故郷では信じられていた。それを忘れていた」「君と私はそれぞれ、別の目的のために戦っていた。だが力を合わせ、共に闇と戦うべきだった」と言いました。

トランスフォーマーと人間は協力関係を結び、ともにユニクロンたちを倒そうとします。

それに待ったをかけたのは、プライマルでした。彼曰く、すでにキーは起動しており、その超新星以上のエネルギーを無理に止めれば爆発が起きるというのです。

それを止めるには、大昔に設定されたアクセスコードを使うしかありません。そのアクセスコードはキーとともに二つに分けられていましたが、二つ目のコードはエアレイザーの死とともに葬られてしまったのです。

それを聞いたエレーナは「キーが入っていた像に刻まれていたシンボルと、太陽神殿の中で見たシンボルを合わせればアクセスコードになるのでは」と気づき、その二つのシンボルを記したノートを見せました。それを見たプライマルは、わずかな勝算に望みを託し、一行に勝つための道を示します。

「ブリッジはいくつもの小さくて狭いトンネルに囲まれている」「ノアとエレーナが中央部のアンテナまで行き、アクセスコードを入力しシャットダウンしろ」「キーを取り除き、ユニクロンが通る前に時空の扉を閉じるんだ」

アクセスコードの入力をテラーコンが阻止しに来ることを見込んで、オートボットとマクシマルがともにブリッジを攻撃し、スカージを戦いの場に引きずり込むという作戦を、オプティマスプライムは皆に提案しました。

オートボットとマクシマルは、ブリッジを守るテラーコンのナイトバードとバトルトラップ、スウィープスの群れと、ミラージュはスカージとそれぞれ激闘を繰り広げていきます。そしてオプティマスプライムとプライマルの猛攻を受け、バトルトラップは戦死しました。

しかしスカージとミラージュが戦うブリッジの真下には、制御パネルにつながる通路があり、そこをエレーナと一緒に走り抜けようとしたノアがスカージに捕まってしまいます。

ミラージュは「俺のダチに手を出すな!」と言い、スカージを攻撃するも返り討ちに遭い、自身のエンブレムを奪われてしまいます。

スカージはミラージュのそばに駆け寄ったノアを攻撃。寸でのところでミラージュが間に入り、アメリカを発つ前にした「ノアを必ず守る」というクリスとの約束を必死で守ろうとします。しかしスカージの猛攻に耐えきれず、ノアの目の前でミラージュは戦死してしまいました。

その直後、時空の扉が開いてしまいました。それに気づいたノアは心が挫けそうになるも、ミラージュの腕に搭載された無線から聞こえるウィルの励ましと、死んだと思っていたミラージュが意識を取り戻したことで、再び立ち上がることができました。

ミラージュのパーツをアーマーとして装着したノアは、オプティマスプライムとともにスカージに戦いを挑みます。

そこへスウィープスの群れとナイトバードが襲来。分断されてしまったノアはナイトバードと他のテラーコンに、オプティマスプライムも自身のボディに群がるスウィープスの群れによって窮地に陥ります。

城砦から上空へ放たれたエネルギー波の影響で、マチュ・ピチュにある大量の生のエネルゴンが活性化されました。そのおかげでバンブルビーも息を吹き返し、ストラトスフィアが変形したC-119によって空輸されて戦場へ。仲間を苦しめる敵を次々と蹴散らしていきます。

ナイトバードとスカージはすぐさまバンブルビーを攻撃。バンブルビーはナイトバードを盾にしてスカージの攻撃を回避し、彼女の背中に装備された羽をジェットエンジンに突き刺して破壊します。

それを見たオプティマスプライムは、エレーナにアクセスコードの入力を頼み、皆に「ともにブリッジを守るぞ」と指示を出しました。

劣勢に立たされたスカージからの要請により、ユニクロンはサソリに似た巨大な金属生命体「スコルポノック」を援軍に寄越します。

皆の奮闘のおかげで、エレーナは無事アクセスコードの入力に成功。スカージはエレーナを攻撃するも、それがかえってオプティマスプライムの逆鱗に触れてしまい、彼との一騎打ちに敗れ絶命しました。

オプティマスプライムはスカージのボディに飾られていたバンブルビーのエンブレムを奪取。しかしノアが救出したエレーナから、制御パネルが破壊されたことを知らされます。オプティマスプライムは皆に安全な場所への退避を命じ、バンブルビーに「皆を守れ」と命じてエンブレムを返しました。

後ろ髪を引かれる思いで皆が退避する中、オプティマスプライムは自らの手でキーを破壊。ユニクロンとテラーコンとともに時空の扉の向こうに吸い込まれそうになります。

そんな彼の手を掴んだのは、皆とともに退避したはずのノアとプライマルでした。3人は無事退避でき、ユニクロンとテラーコンを時空の狭間に閉じ込めることができました。

ユニクロンの再来を予期した一行は、また次も力を合わせて戦うことを誓いました。

「私はオートボットのリーダー、オプティマス・プライム」「トランスワープ・キーを失くし、故郷に帰る術をなくした」「だが、代わりに頼もしい味方を得て、巨大な悪の力と戦った」「我々だけでは到底倒すことができない、凄まじく巨大な悪だ」

「だが彼らと力を合わせれば、いつか倒せる日が来るだろう」……オプティマスプライムは帰りのC-119の中でそう思いました。

ブルックリンに無事帰還したノアは、自宅で自身の帰りを待っていた弟と母と抱き合いながら、「世界の終わりがきたら、愛する家族のために戦う」と心の中で誓いました。

後日。就職活動を再開したノアは、電子工学の経験と、オートボットたちと戦った経験とそれで培ったチームを作る能力を自身の長所として面接官にアピールしました。

すると面接官は、ノアがエレーナとオートボットと一緒にクスコに行ったことを知っていると言い出します。実はその面接官の正体は、世界的な脅威に立ち向かい、地球の消滅を防いでいる政府の秘密組織「G.I.ジョー」のエージェントのバークだったのです。

バークはノアたちを組織に勧誘しましたが、ノアに上手くはぐらかされてしまいます。ですが地球を救ってくれたことへの国からの感謝の印として、クリスの治療を全て面倒みると伝えました。

世界最高の医師がクリスの治療を担当し、その治療費は請求されることはありません。バークは「クリスの言う通り、無線で本名を呼ぶのはまずい」「君のような人間が必要だ、ノア。考えてみてくれ」と彼に自身の名刺を渡し、秘密組織へと消えていきました。

一方エレーナは、地下に埋もれていた太陽神殿と墓地を発見したとしてニュース番組に報道され、そのインタビューでは「いつか考古学者として偉大な発見をしたいという夢が叶った」と語っていました。

映画『トランスフォーマー ビースト覚醒』の感想と評価

オートボットとマクシマル、ユニクロン率いるテラーコンというトランスフォーマーの3大派閥の争いに巻き込まれてしまったノア。

ノアは大事な家族を守るためにオートボットたちに協力しましたが、内心見つけ出したキーを破壊することを目論んでいました。それもまた、大事な家族を守るためでした。

ですが、同じく大事な仲間を護るために戦っているオプティマスプライムの説得により、彼はキーを破壊することをやめました。

時に衝突することもあったノアとオプティマスプライムが、ユニクロンとテラーコンとの最終決戦に向けて、互いに手を取り合って戦う道を選んだ場面は感動します。

また、ミラージュのパーツをアーマーとして装着したノアとオプティマスプライムがスカージ相手に共闘する場面と、プライマルとオプティマスプライムが共闘する場面は、どちらもとても格好良いです。

そして何より感動的なのは、ユニクロンたちとともに吸い込まれそうだったオプティマスプライムをノアが救おうとする場面。彼らの間にもノアとミラージュと同じ友情が築かれたのだと伝わってきて感涙にむせます。

何より忘れてはいけない見所は、本作で新たに登場した車ではなく動物から変形(トランスフォーム)する「マクシマル」の参戦!

彼らがゴリラやチーターなどの動物に変形し、その動物の特徴を生かした戦い方は新鮮ですし、物語の後半で描かれるオプティマスプライムたちオートボットとの共闘は見逃せません。

そして、本作で人間とトランスフォーマーの架け橋になったノアとミラージュとの熱い友情は胸が熱くなります

まとめ

「トランスワープ・キー」を巡るトランスフォーマーたちの戦いに巻き込まれた、ブルックリンで暮らす二人の人間が、オートボットとマクシマルと協力して地球の消滅を阻止しようとする、アメリカのSFアクション作品

エンドロールでは、劇中の激闘の数々を振り返ることができる格好良い映像が流れました。しかもその途中、さらなる後日談が流れます。

ノアはリークに協力してもらい、ミラージュを修理しました。そしてノアの呼びかけで、ミラージュは彼らの前に姿を現したのです。

そしてエンドロールの終盤、「オートボットと人間の友、ブライアン・ゴールドナーに捧ぐ」「タリク・“リーク”・ジャクソンとダンカン・ヘンダーソンを偲んで」というテロップが流れました。

トランスフォーマーなどのアクションフィギュアやボードゲームを主力商品とするアメリカの玩具メーカー「ハズブロ」の最高経営責任者であったブライアン・ゴールドナーは、2021年10月10日に病気療養のために休職すると発表しましたが、その2日後に亡くなりました。

また本作の製作に携わった映画プロデューサーのダンカン・ヘンダーソンは、2022年6月21日に本作の劇場公開を見ることなく亡くなりました。そして、本作か「トランスフォーマー」シリーズに携わった関係者であろうタリク・“リーク”・ジャクソンも………彼らのご冥福をお祈りします。




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