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『コット、はじまりの夏』あらすじ/公開日/上映館。監督コルム・バレードがベルリン国際映画祭グランプリ作で描く少女の夏休みと“希望”の物語

  • Writer :
  • 大塚まき

コット、9歳。
家族がいても孤独な日々におとずれた、“特別な”夏休み。

第72回ベルリン国際映画祭・グランプリ(国際ジェネレーション部門/Kplus)、第95回アカデミー賞・国際長編映画賞ノミネートをはじめ、世界の映画賞で26受賞・58ノミネートの快挙を果たした『The Quiet Girl(英題)』。

本作はこのたび、邦題『コット、はじまりの夏』として2024年1月26日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、渋谷ホワイトシネクイント他にて全国公開されることが決定しました。


(C)Inscéal 2022

9歳の少女・コットが過ごしたかけがえのない夏休みと、愛おしさに満ちた希望の物語を描き出した『コット、はじまりの夏』。

公開決定とともにポスタービジュアル・場面写真も解禁となりましたので、併せてご紹介いたします。

映画『コット、はじまりの夏』について


(C)Inscéal 2022

1981年・夏のアイルランドを舞台に、9歳の少女コットの成長とはじまりを描いた映画『コット、はじまりの夏』。

『私は最悪。』(2021)『燃ゆる女の肖像』(2020)など若く作家性の強い才能をいくつも世に送り出して来た気鋭のスタジオ「NEON」が北米配給権を獲得した本作は、映画評サイトでも高い評価を記録し、多くの映画人や映画ファンを魅了しています。

監督・脚本は、これまでドキュメンタリー作品を中心に子どもの視点や家族の絆を誠実に映し出してきたコルム・バレード

長編劇映画初監督となる本作で、コットがキンセラ夫婦との生活の中で初めて触れた深い愛情、自己を解放し成長していく姿を静かながらも丁寧に描き切っています。

さらに本作で鮮烈デビューを果たした主人公コット役のキャサリン・クリンチは、史上最年少の12歳でIFTA賞(アイリッシュ映画&テレビアカデミー賞)主演女優賞を獲得。その圧倒的な透明感と存在感で、寡黙だった少女が生きる喜びにあふれていくさまを、繊細な演技で見事に表現しています。

映画『コット、はじまりの夏』のポスタービジュアル&場面写真


(C)Inscéal 2022

このたび解禁となったポスタービジュアルでは、まっすぐな眼差しで前へと走り出す主人公コットの姿が。

さらにキンセラ夫婦との愛情に満ちた生活の中で、自分を解放していくコットを優しく包み込むようなあたたかな陽の光と「やっと見つけた、わたしの居場所」のコピーが添えられており、希望を感じる内容となっています。

また同じく解禁された場面写真では、キンセラ夫婦との何気ない時間を切り取ったカットや、透き通るような魅力にあふれたコットの表情が印象的な横顔もあり、静かながらも温かな感動に包まれる本作に、早くも期待が高まる内容となっています。

映画『コット、はじまりの夏』の作品情報

【日本公開】
2024年(アイルランド映画)

【原題】
An Cailín Ciúin(英題:The Quiet Girl)

【原作】
クレア・キーガン『Foster』

【監督・脚本】
コルム・バレード

【キャスト】
キャリー・クロウリー、アンドリュー・ベネット、キャサリン・クリンチ、マイケル・パトリック

映画『コット、はじまりの夏』のあらすじ

1981年、アイルランドの田舎町。大家族の中でひとり静かに暮らす9歳の少女コットは、夏休みを親戚夫婦のキンセラ家のもとで過ごすことに。

寡黙なコットを優しく迎え入れるアイリンに髪を梳かしてもらったり、口下手で不器用ながらも妻・アイリンを気遣うショーンと一緒に子牛の世話をしたり……。

キンセラ家で夫婦の温かな愛情をたっぷりと受け、一つひとつの生活を丁寧に過ごすうち、はじめは戸惑っていたコットの心境にも変化が訪れます。

緑豊かな農場で、本当の家族のようにかけがえのない時間を重ねていく中で、コットはこれまで経験したことのなかった生きる喜びを実感し、やがて自分の居場所を見つけていく……。

まとめ

長編劇映画初監督となるコルム・バレードが描くのは、少女のささやかな願いに心洗われる、愛おしさに満ちた希望の物語です。

9歳のコットが過ごした、“特別な”夏休み。

冬の寒さで凍えそうになる心を、コットと一緒に“優しい夏”を過ごすことで、温めてみるのはいかがでしょうか。

『コット、はじまりの夏』は2024年1月26日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、渋谷ホワイトシネクイントほかにて全国公開です。




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