1985年公開の『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争』のリメイク作品!
山口晋が監督を務めた、2022年製作の日本の大人気冒険アニメーション映画『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)2021』。
夏休みのある日、のび太が偶然拾ってきた小さなロケットの中から現れた、手のひらサイズの宇宙人パピ。
ひみつ道具「スモールライト」を使って一緒に遊んでいくうちに仲良くなっていったのび太たちは、パピと彼の故郷を守るため、新たな冒険へと旅立つ物語とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
「映画ドラえもん」シリーズ通算第41作目『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)2021』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
CONTENTS
映画『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)2021』の作品情報
【公開】
2022年(日本映画)
【原作】
藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』
【監督】
山口晋
【キャスト】
水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、朴璐美、梶裕貴、諏訪部順一、香川照之、松岡茉優、内海崇(ミルクボーイ)、駒場孝(ミルクボーイ)
【作品概要】
『超劇場版ケロロ軍曹 撃侵ドラゴンウォリアーズであります!』(2009)の山口晋が監督を務めた、日本の大人気冒険アニメーション作品。
1985年に公開された『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)』をリメイクした作品であり、「映画ドラえもん」シリーズ通算第41作目です。
「映画ドラえもん」シリーズでドラえもん役とのび太役でお馴染みの水田わさびと大原めぐみが主演を務めるほか、テレビドラマ「半沢直樹」シリーズの香川照之や、『万引き家族』(2018)の松岡茉優もゲスト声優として出演しています。
映画『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)2021』のあらすじとネタバレ
夏休みのある日。何をしても冴えない小学5年生・野比のび太は、幼馴染の剛田武(通称ジャイアン)と骨川スネ夫、同級生の出木杉英才と共に、スネ夫の家でジオラマを作り『宇宙大戦争』という自主制作映画の撮影をしていました。
そこにのび太の親友である子守り用猫型ロボットのドラえもんも加わり、順調に映画製作が進むなか、皆の足を引っ張ってしまうのび太は仲間外れにされてしまいます。
ゴミの片付けをしていた際、転んでしまったのび太は、ゴミの中にあった小さなロケットを拾いました。
それを皆に教えようとしましたが、急に声をかけたことで撮影の邪魔をしてしまい、怒ったジャイアンとスネ夫に追い出されてしまいます。
その日の夜。帰宅したドラえもんと一緒に、のび太はロケットを調べてみました。
すると中から、手のひらサイズの小さな宇宙人が出てきました。彼の名はパピ、「ピリカ星」という宇宙の彼方にある惑星から、ロケットに乗って地球にやってきたのです。
ですが地球に不時着した際に、ロケットが故障してしまいました。事情を知ったドラえもんたちは、ロケットを修理することにしました。
翌日。のび太から事情を聞いた彼の幼馴染・源静香(愛称しずかちゃん)は、パピのためにドールハウスを持ってきました。
そしてしずかの要望に応え、ドラえもんたちもひみつ道具「スモールライト」を使って小さくなり、パピと交流を深めていきました。
しずかがピアノのレッスンで帰ると、入れ替わりでジャイアンとスネ夫がのび太の家へやってきます。
2人はパピの存在に驚いたもののすぐに受け入れ、スネ夫のアイデアで「スモールライト」でみんな小さくなり、『宇宙大戦争』の撮影をすることに。
するとそこへ、クジラ型の宇宙戦艦が突如現れ、パピとドラえもんを攻撃。なんとか危機を脱したドラえもんたちは、訳を知っていそうなパピに説明を求めました。
パピは、故郷のピリカ星はとても平和な惑星でしたが、ある日突然反乱が起こり、政府は不意を突かれて乗っ取られてしまったこと。
反乱を起こした首謀者のギルモア将軍は、自分に反対する者をあらゆる手段を使って消すために、「PCIA(ピシア)」という組織を作ったこと。
そして自らの勝利を確実なものとするべく、そのPCIAを使ってパピを捕まえようとしていることを明かします。
なぜそこまでして敵がパピを捕まえようとしているのかのび太が尋ねると、パピは自分がピリカ星の少年大統領だからだと答えました。
事情を知ったドラえもんたちは、それでも自分たちはパピの味方だからと言い、彼に協力することにしました。
ですが、先の襲撃でドラえもんたちの顔はPCIAに知られてしまっています。そのため、唯一顔が知られていないしずかの部屋にひみつ道具「かべ紙秘密基地」を貼り、その中でパピを匿うことにしました。
それから3日後。ついにドラえもんたちは、自分たちを監視する探査球(どこにでも潜り込み、相手を突き止めることができる超小型の機械)の発信源が、学校の裏山にあることを突き止めました。
ドラえもんたちはそのことをパピに伝え、スネ夫が『宇宙大戦争』のクライマックス用に用意した戦車「アストロタンク」を使って一緒に出撃します。
彼らと入れ違いでドールハウスにやってきたしずかは、「スモールライト」で小さくなり、憧れの牛乳風呂に浸かりながらみんなの帰りを待ちました。
そこへ突如、クジラ型の宇宙戦艦が襲来。実はジャイアンのズボンのポケットに忍ばせた探査球を使って、パピの居場所を突き止めていたのです。
パピの不在を知ると、PCIAの長官ドラコルルは彼を誘き寄せるための人質として、しずかを拉致します。
ドールハウスの壁に、ピリカ星の文字で「今夜9時、公園の噴水に1人で来い。来なければ人質の少女の命はない」とドラコルルはメッセージを残していきました。
しずかと入れ替わりでドールハウスに戻ってきたドラえもんたちは、ドラコルルのメッセージを読んだパピから、しずかと「スモールライト」が敵に奪われたと告げます。
これに憤慨したドラえもんたちは、ひみつ道具「天才ヘルメット」と「技術手袋」を使ってアストロタンクを改造し、しずかと「スモールライト」を取り戻すことに。
しかし自分のせいで皆を巻き込んでしまったことに責任を感じたパピは、たった1人で夜の公園に向かい、ドラコルルに人質の交換を要求します。
パピの真意を悟ったしずかがパピを救おうとするも、PCIAは2人を攻撃。そこへ改造したアストロタンクに乗ったドラえもんたちが、ロケットの痕跡を追ってきたパピの愛犬ロコロコと共に現れて2人を無事救出します。
しかしその直後、探査球を使ったドラコルルからの通信映像で、ピリカ星に残してきたパピの姉ピイナがPCIAに捕まってしまったことを知らされたドラえもんたち。
PCIAから「スモールライト」を取り返すため、そして大切な友達であるパピと、彼の故郷を守るため、ドラえもんたちはロケットに乗ってピリカ星へと向かいます。
その道中、スネ夫は1人恐怖で震えていました。パピがどんな大変な目に遭っているか分かっているけれど、兵隊でもヒーローでもない自分たちがPCIAと戦うなんて、と………。
そんなスネ夫の気持ちを知ったパピも、自分も内心怖がっていることを打ち明けます。いつも心の隅に恐怖心を追いやって、今自分が出来ることをがむしゃらにやるしかないと自己暗示をかけていることを。
そしてパピは、「スネ夫さんは情けなくなんかない。あなたの知恵と勇気がなければ私は今ここにいません。あなたは私の命の恩人です」と言い、スネ夫の部屋から立ち去ろうとします。
しかしドアを開けた瞬間、スネ夫が心配で2人の会話に聞き耳を立てていたドラえもんたちが雪崩れこんできたのです。それを見てスネ夫は笑顔を見せ、皆と笑い合いました。
映画『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)2021』の感想と評価
ピリカ星のために力を合わせて戦うドラえもんたち
小さなロケットの中から現れた宇宙人のパピとの出会いをきっかけに、新たな冒険へと旅立つこととなったドラえもんたち。
作中ではテレビアニメ版の『ドラえもん』でもよく登場する「どこでもドア」や「タケコプター」、「スモールライト」の他に、「かべ紙秘密基地」や「かたづけラッカー」など色んなひみつ道具が沢山登場するので必見です。
その道具を上手く使い分けてどんな困難も乗り越えようと奮闘するドラえもんたちの姿は、観ているこちらもワクワクドキドキしたり、時にはハラハラドキドキさせられます。
また作中では、珍しくのび太ではなくスネ夫が、恐怖心でふさぎこんでしまう場面もありました。
無理もありません。だってのび太たちは兵隊でも戦うヒーローでもなく、ただの小学5年生なのですから。
パピだって大統領になったとはいえ、のび太たちと同じまだ10歳の少年です。怖い気持ちはみんな同じなのだと分かり、ドラえもんたちと笑い合う2人の姿は胸にグッとくるものがあります。
ピリカ星を支配する独裁者とその組織
とても平和だったピリカ星を、己の私利私欲のためにクーデターを起こし支配した独裁者のギルモアと彼の組織PCIA。
作中でのパピの演説どおり、恐怖と偽りで民を支配する独裁政治なんて長く続くわけがありません。
それをギルモアたちは、ドラえもんたちとピリカ星の人々との戦いに敗北したことで、身をもって知ったことでしょう。
ですがギルモアの側近であろうドラコルルの戦略は、ドラえもんたちのみならず見ている人たちもあっと言わせるほど緻密かつ巧妙なものでした。
ドラえもんたちの行動を先読みし、敵を欺き出し抜こうと戦略を練ってきたドラコルルこそ、作中でのドラえもんたちの一番の難敵といえるでしょう。
まとめ
手のひらサイズの宇宙人パピとの出会いをきっかけに、新たな冒険が始まったドラえもんたちの姿を描いた、日本の冒険アニメーション作品でした。
本作の見どころは、ドラえもんのひみつ道具を使って改造したアストロタンクvs宇宙人の無人戦闘機による戦いと、パピとドラえもんたちの友情、そしてパピとピイナの姉弟の強い絆が描かれた場面です。
宇宙でのアストロタンクの活躍はもちろん、ピリカ星で元の姿に戻ったドラえもんたちが、おもちゃのような小さい敵の無人戦闘機をバッタバッタと倒していく様は迫力があって面白く、また爽快感が味わえます。
特に戦いの最後、ジャイアンが逃げるクジラ型の宇宙戦艦に飛び乗り、一撃入れてドラコルルたちを全面降伏させたなんて予想外過ぎますし面白いです。
また、これまで1つの惑星の大統領としてどんな時も気丈に振舞ってきたパピが、ピイナからかけられた言葉で涙を流し、わんわんと泣いていました。
久しぶりの姉弟水入らずで話せる場面ですから、たとえドラえもんたちであろうとその中に入っていくことは出来ません。
なのでドラえもんたちと一緒に、画面越しにでもパピの頑張りを労いたいです。
夏休みに出会ったドラえもんたちと小さな宇宙人による友情と、ワクワクドキドキする彼らの新たな冒険を描いた冒険アニメーション映画が観たい人に、とてもオススメな作品となっています。