小説『バスカヴィル家の犬』が2022年6月17日(金)よりロードショー
名探偵ホームズが謎多き事件を解決する痛快ミステリー小説。アーサー・コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズは、数多のファンを獲得しています。
それを原案に、ディーン・フジオカ演じる犯罪捜査コンサルタント・誉獅子雄と岩田剛典演じる精神科医・若宮潤一が、数々の難事件に挑む姿を描いたテレビドラマ「シャーロック」も登場しました。
原作シリーズの中でも人気の高いのは『バスカヴィル家の犬』です。
今回こちらをモチーフにした、不気味な島で暮らす華麗な一族をめぐる事件を描く『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』が2022年6月17日(金)に映画化されます。
怖ろしい魔犬が出てくるミステリーの原作小説を、映画公開前にネタバレ有でご紹介します。
CONTENTS
小説『バスカヴィル家の犬』の主な登場人物
【シャーロック・ホームズ】
難事件を解決する名探偵。
【ジョン・H・ワトスン 】
名探偵シャーロック・ホームズの友人であり、軍医を経た後開業医。
【チャールズ・バスカヴァル】
名家「バスカヴァル」家の当主。苦悶の表情を浮かべて怪死します。
【ヘンリー・バスカヴァル】
バスカヴァル家の相続人。チャールズの怪死によってその身が案じられます。
【ステープルトン】
バスカヴァル家の近くに住む昆虫学者。
小説『バスカヴィル家の犬』のあらすじとネタバレ
シャーロック・ホームズは名探偵との評判高く、毎日事件の依頼で大忙しです。
ある日、ホームズは友人でもあるモーティマー博士から、ある事件の調査を依頼されました。
名家バスカヴィル家当主のチャールズ・バスカヴィル卿が怪死したというのです。死体の顔は苦痛にゆがんでいて、表向きには心臓発作による病死と発表されましたが、卿の死体のそばには、巨大な犬の足跡が残されていました。
富豪のバスカヴィル家には、口から炎を吐くという魔犬の伝説が伝わり、魔犬にたたられているという噂があります。
妻を亡くし子息のいないチャールズ卿の正統な後継者は、チャールズ卿の甥にあたる若きヘンリー・バスカヴィル卿ただ一人でした。
チャールズ卿の主治医であるモーティマー博士は、ヘンリーの身を案じて、ホームズに相談したのです。
モーティマー博士に伴われてロンドンにやってきたヘンリー卿の元に、バスカヴィルの屋敷へ赴くことを警告する謎の手紙が届きました。
ホームズは、ロンドンで別の事件に携わるからといい、ワトスンだけがモーティマー博士に同行して、ヘンリー卿の客人として屋敷に招待されました。
ヘンリー卿の屋敷での、委細ありげな執事のバリモアとその妻の様子、最近監獄から脱獄した男セルデンが近くに潜んでいること、近所に住む昆虫学者のステープルトンとその美しい妹ベリル嬢の行動など。
バリモアとその妻が、夜間に蝋燭を灯して振り回すという不審な行動の理由はなぜなのか、凶悪な殺人犯セルデンが、なぜこの地を去ろうとしないのか、ベリル嬢はなぜワトスンや、彼女に求婚するヘンリー卿に、この場所から立ち退くよう懇願するのか。
そして、ワトスンが湿地帯ではっきり聞いた恐ろしい唸り声は「魔の犬」の咆哮ではないのか……。
というように、ワトスンは自分の見聞録をホームズに向けた手紙やなどでホームズに知らせていました。
やがて、脱獄者セルデンが、バリモアの妻の実弟であることが判明。バリモアが蝋燭を振り回していたのは、合図を送るためでした。
さらに、それらの誰でもない未知の男が近くの古代遺跡に潜んでいて、毎日少年に食料を届けさせていることを、ワトスンは聞きました。
その未知の人物の正体を確かめようと決心したワトスンは、遺跡へと続く丘を登り、男が潜んでいると思われる石室を訪れます。
その中には毛布や台所用品、缶詰などがあり、確かに人間が生活しているようでした。さらにはワトスンの行動を記したメモも見つかります。自分が見張られていることにワトスンは驚きました。
背後に人の近づく足音を聞いたワトスンは、物陰に身構えてピストルをかまえます。すると「夕焼けがきれいだよ。ワトスン。出ておいで」と聞きなれた声。
この地方の旅人という恰好をしている男の顔は、まぎれもなくシャーロック・ホームズだった。
小説『バスカヴィル家の犬』の感想と評価
魔犬に祟られた名家として知られるバスカヴィル家を襲う恐怖が再来! 裕福なバスカヴィル家の当主が怪死し、近くには大きな犬が足跡がついていました。
バスカヴィル家の恐ろしい伝説が蘇ったのでしょうか。謎を解くために名探偵が動き出します。
小説は今までのシリーズ同様、ワトスン目線でホームズの人物像に端を発し、事件の始まりから終わりまで語られています。
最終章にはホームズとワトスンが回想するという形で、「バスカヴィル家の事件」の一部始終を最初から最後まで解説しています。
回想にはホームズの犯人と被害者に対する想いも含まれていますから、ココだけ読んでも面白いものです。
さてミステリーとして揺るぎない人気を得ているホームズ作品の中でも、本作は最も多く映像化された作品と言えます。
財産を狙う腹黒い悪者が猛犬を利用して殺人を行います。物語の謎を紐解いていけば、その動機もトリックもなんとも単純なものでした。
しかし、物語の鍵となる魔犬を視覚効果あふれる「地獄の犬」にすれば、何パターンでも映像化は可能なことに気がつきます。
例えば、原作では魔犬は口の周辺にリンを塗った大型犬ですが、大型のロボット犬にしたり、特撮で合成したりと、その「地獄の犬」の恐怖を最大限に引き出そうとすれば、映像の空想はどんどん広がります。
事件が終わった後も、「もしもこの犬が……」と想像すれば、2度も3度も読みたくなるという、そんなユニークなミステリーでした。
映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』の見どころ
探偵小説「シャーロック・ホームズ」シリーズを原案とするフジテレビ系月9ドラマ枠で放送された『シャーロック』。
2022年6月にはホームズシリーズ最高傑作の呼び声の高い『バスカヴィル家の犬』をモチーフにした映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場』として公開されます。
ホームズ的な役の誉獅子雄(ほまれししお)には、『記憶にございません』(2019)のディーン・フジオカ。ワトスン的な役どころの若宮潤一(わかみやじゅんいち)には『名も無き世界のエンドロール』(2021)などの岩田剛典がそれぞれ演じ、唯一無二の名探偵バディが誕生しています。
舞台を瀬戸内海の離島に移し、魅力的なキャラクター、テンポの良いスタイリッシュな演出、美しい映像はそのままで、映画ならではの重厚感と中毒性をもたらすのは『容疑者Xの献身』(2008)『マチネの終わりに』(201)などのヒューマンドラマの名手・西谷弘監督。2022年には『沈黙のパレード』も公開が控えています。
最大の見どころは、キーマンである犬が、どんな「魔犬」となっているか、でしょう。実在の犬を使うのか、特撮を使うのか、あるいは犬は存在しないのかと、とても興味がわきます。
映画『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場』の作品情報
【公開】
2022年(日本映画)
【原作】
バスカヴィル家の犬:アーサー・コナン・ドイル(新潮文庫)
【監督】
西谷弘
【脚本】
東山狭
【キャスト】
ディーン・フジオカ、岩田剛典、新木優子、広末涼子、村上虹郎、渋川清彦、西村まさ彦、山田真歩、佐々木蔵之介、小泉孝太郎、稲森いずみ、椎名桔平
まとめ
古典の名作がドラマシリーズを経て、スクリーンに登場。
原作のストーリーはわかっているとして、予告編にある「全ての謎が解けた時、謎解きを後悔する」という言葉が印象的な映画作品が完成しました。
テレビドラマと同じ、ディーン・フジオカ演じる犯罪捜査コンサルタント・誉獅子雄と岩田剛典演じる精神科医・若宮潤一のコンビの活躍が期待されます。
映画『バスカヴィル家の犬』は2022年6月17日(金)にロードショー!