新人女性監督が描いた、香港中を涙と希望で包んだ感動作。
2019年、公開と同時に香港中を涙と感動で包み大ヒットを記録した『淪落(りんらく)の人』(原題:淪落人/英題:STILL HUMAN)が、2020年2月1日新宿武蔵野館ほか全国順次公開することが決定致しました。
新人監督のオリヴァー・チャンが書いた脚本に、香港を代表する名優アンソニー・ウォンがほれ込み、ノーギャラで挑んだ感動作です。
第14回大阪アジアン映画祭「コンペティション部門」では、『みじめな人』のタイトルで上映され、「観客賞」を受賞しました。
映画『淪落の人』について
半身不随となり人生に絶望した中年男性と、家族のために夢を諦め出稼ぎ家政婦として働く若いフィリピン人女性。
背景も文化も異なる見知らぬ2人が出会い、やがてお互いの人生で最も大切な友になっていきます。
人生のどん底にいる人は一体どうやってその先の人生に向き合えばよいのか?
多くの自問や想像・考察を経て作られた本作は、介護問題やフィリピン人女性の出稼ぎ労働者など現在の香港が置かれている状況にスポットをあてつつ、人が夢や希望を持つことの大切さ、他人を思いやる心がいかに人を支えるものか、時にユーモアを交えながら描いていきます。
主演は香港を代表する演技派俳優のアンソニー・ウォン。
なんとウォンは本作の脚本にほれ込みノーギャラにて出演。半身不随という難役を見事にこなし、香港電影金像奨をはじめとする数々の賞を受賞しました。
フィリピン人家政婦役のクリセル・コンサンジは新人とは思えない初々しさの中にも見事な演技を披露。
そして監督は長編映画初監督デビューのオリヴァー・チャン。女性監督の活躍がめざましい香港映画界の中でも、今最も注目を集めている期待の新星です。
本作は本年、第14回大阪アジアン映画際にて上映され、多くの観客からの支持を集め「観客賞」を受賞しました。
映画『淪落の人』の作品情報
【日本公開】
2020年(香港映画)
【原題】
淪落人(英題:STILL HUMAN)
【監督】
オリヴァー・チャン
【キャスト】
アンソニー・ウォン、クリセル・コンサンジ、サム・リー、セシリア・イップ、ヒミー・ウォン
【作品概要】
香港の新星女性監督オリヴァー・チャンの長編デビューで、第13回アジア・フィルム・アワードで最優秀新人監督賞を見事受賞。
2019年の第38回香港電影金像奨では作品賞、監督賞の他5部門にノミネートされています。
第14回大阪アジアン映画祭コンペティション部門では、『みじめな人』のタイトルで上映され、「観客賞」を受賞しました。
主演は『ザ・ミッション 非情の掟』(1999)『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(2009)「インファナル・アフェア」シリーズなど数多くの映画に出演してきたアンソニー・ウォンです。
映画『淪落の人』のあらすじ
突然の事故で半身不随となってしまった男、リョン・チョンウィン(アンソニー・ウォン)。
妻とは離婚、息子とも離れて暮らし、人生に何の希望も抱けないまま、ただただ日々を過ごしていました。
妹ジンイン(セシリア・イップ)との関係もうまくいかず、慰みは唯一の友達である元同僚のファイ(サム・リー)との会話と海外の大学に通う一人息子の成長だけ。
そこに若いフィリピン人女性エヴリン(クリセル・コンサンジ)が住み込みの家政婦としてやってきます。
広東語が話せない彼女に最初はイライラを募らせたチョンウィンでしたが、片言の英語で会話をしながらお互いに情が芽生えていきます。
やがて、エヴリンが生活のためにやむを得ず写真家への道を諦めたものの、今でも心の中で夢を追い求めていることを知ったチョンウィンは、彼女の夢を叶える手助けをしようと思い始めますが…。
まとめ
本作は「香港人雇用主と阿媽の(限りなく愛情に近い)友情のドラマ」という、ありそうでなかった世界を構築した、香港映画史的にも重要な1本です。
脚本を書くにあたって、事前に2年ほどリサーチしたというオリヴァー・チャン監督。辛い現実を温かなトーンで描き出します。
長い俳優キャリアの中でも最高レベルの難役に挑んだアンソニー・ウォンは、香港電影金像獎の主演男優賞にノミネートされました。
映画『淪落の人』は2020年2月1日より新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開です。