出演最新作が立て続けに公開!2019年秋のロザムンド・パイク祭り
映画『ゴーン・ガール』(2014)での演技が印象深いイギリス人女優、ロザムンド・パイク。
日本では2019年9月から11月にかけて、彼女出演の新作(うち2本は主演)が連続で公開されます。
そこでここでは、新作の紹介および、その他のパイクの出演作をピックアップします。
CONTENTS
ロザムンド・パイクのプロフィール
参考:『ゴーン・ガール』のツイッター
Happy Birthday #RosamundPike! Watch her brilliant performance as Amy Dunne in #GoneGirl, On Demand now. pic.twitter.com/wvFxKj0pU7
— Gone Girl (@GoneGirlMovie) January 28, 2015
1979年1月27日、ロンドンでオペラ歌手の父とヴァイオリニストの母の元に生まれたロザムンド・パイクは、オックスフォード大学在学中より舞台やテレビで女優活動を開始。
2002年の『007ダイ・アナザーデイ』で、“ボンドガール”として出演し脚光を浴びます。
以降、『プライドと偏見』(2005)、『17歳の肖像』(2009)、『DOOM』(2005)など、文芸ものからアクションといった幅広いジャンルの作品に出演し、『ゴーン・ガール』での怪演でアカデミー賞、ゴールデングローブ賞の主演女優賞にノミネートされ、一躍トップ女優となります。
アニメ作品のボイスキャストとしても活躍しており、近年では『サンダーバード ARE GO』や『ムーミン谷』といった、過去にテレビアニメ化された作品のリメイクシリーズに出演。
待機作に、女性初のノーベル賞受賞者として知られる物理学者キュリー夫人を演じる『Radioactive(原題)』があります。
主なロザムンド・パイクの代表作
映画『ゴーン・ガール』(2014)
映画『ゴーン・ガール』あらすじ
5回目の結婚記念日に突如、妻のエイミーが失踪してしまったニック。
“悲劇の夫”としてマスコミに取り上げられるニックでしたが、次第に過熱するマスコミの報道合戦により、2人の私生活の秘密が暴かれることに。
ついにはニックによる妻殺しの疑惑も浮上してしまい…。
映画『ゴーン・ガール』感想と評価
『セブン』(1995)、『ファイト・クラブ』(1999)の鬼才デヴィッド・フィンチャー監督が描く、サイコロジカル・スリラー。
先の読めない展開となるあらすじの顛末が話題となり、フィンチャー監督作の中で最大のヒットを記録しました。
そして何と言っても、エイミー役でアカデミー主演女優賞にノミネートされたパイクの演技が必見。
フィンチャー監督は、パイクをキャスティングした理由の1つに、彼女の外見が撮影時35歳という実年齢を感じさせなかったことから、大学生から妻へと時間経過するエイミーを演じるのに適していたと語っています。
『氷の微笑』(1992)のシャロン・ストーンや『誘う女』(1995)のニコール・キッドマンを役作りの参考としただけあって、まさしく狂気の怪演を見せてくれます。
映画『ナチス第三の男』(2019)
映画『ナチス第三の男』あらすじ
1930年9月、ヒトラー率いるナチス党が大躍進していたドイツ。
海軍基地に通信将校ラインハルト・ハイドリヒは、女性関係のもつれから不名誉除隊を余儀なくされるも、婚約者のリナの助言によりナチス党親衛隊(SS)に入隊。
ヒトラーの政治目標を実現する上で、次第に頭角を現していくハイドリヒは、いつしか党内でも一目置かれる存在となっていきます。
映画『ナチス第三の男』感想と評価
第2次世界大戦当時、アドルフ・ヒトラー、ハインリヒ・ヒムラーに次ぐ“第三の男”と称されたハイドリヒの38年の生涯を追います。
パイクはハイドリヒの妻リナを演じており、まさにシェイクスピア『マクベス』のマクベス夫人のように、夫を影で操る恐妻ぶりを発揮。
本作原題の『HHhH』はナチス・ドイツ内で浸透していたハイドリヒの蔑称(「ヒムラーの頭脳」の略文字)ですが、“ハイドリヒの頭脳”的存在となっていたリナの権力への誇示欲も映し出されます。
2019年9月から順次公開のロザムンド・パイク出演作品
映画『荒野の誓い』2019年9月6日(金)公開
映画『荒野の誓い』あらすじ
1892年アメリカ。かつてのインディアン戦争の英雄だった大尉ジョーは、元宿敵であるシャイアン族の長とその家族を居留地へと護送する任務を命じられます。
護送の道中で、コマンチ族により家族を殺された女性ロザリーも加わり目的地を目指すジョーでしたが、次第に彼らは共に協力を余儀なくされる状況に直面していきます。
映画『荒野の誓い』感想と評価
処女作『クレイジー・ハート』(2009)が高い評価を得たスコット・クーパー監督による西部劇。
主人公ジョーを演じるクリスチャン・ベールは、『ファーナス/訣別の朝』(2013)に続いてのクーパー監督とのタッグとなります。
パイクはジョーと共に行動をすることとなるロザリーを演じており、信用が置けない者同士に生じる化学変化が描かれていきます。
パイクとベールはそうした関係性を保つために、カメラが回る以外の場では極力会話することを避けて撮影に臨みました。
映画『プライベート・ウォー』2019年9月13日(金)公開
映画『プライベート・ウォー』あらすじ
レバノン内戦や湾岸戦争、チェチェン紛争、東ティモール紛争など、世界中の戦地に赴いてきた女性戦場記者メリー・コルヴィン。
彼女は、2001年のスリランカ内戦取材中に左目を失明したり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しみながらも、戦地の真の現状を伝えるべく尽力します。
解説&見どころ
メキシコ麻薬戦争を追った『カルテル・ランド』(2015)、シリア内戦を伝える市民ジャーナリスト集団に密着した『ラッカは静かに虐殺されている』(2017)と、戦地に肉薄したドキュメンタリー映画を連続で手がけてきたマシュー・ハイネマン監督初の劇映画作品。
2012年のシリア内戦で命を落とした、黒の眼帯がトレードマークだった記者メリー・コルヴィンの生涯を追います。
シャーリーズ・セロンがプロデューサーを務めていますが、おそらくは元々彼女主演を念頭に企画されていたのを引き継ぐ形で、パイクがコルヴィンを演じています。
パイクは、生前の映像を参考に喋り方から仕草に至るまで、徹底的にコルヴィンになり切った上に、撮影時に2人の息子を同行させるなど、並々ならぬ情熱を注いで制作に参加。
「個人的な、非公式な、民間の」といった意味を持つ単語「プライベート」をタイトルに用いた意味が何なのか、是非とも本編をチェックして考えてみて下さい。
映画『エンテベ空港の7日間』2019年10月4日(金)公開
映画『エンテベ空港の7日間』あらすじ
1976年、イスラエル・テルアビブ発パリ行きのエールフランス機がハイジャックされ、ウガンダのエンテベ空港に着陸します。
500万ドルと50人以上の親パレスチナ過激派の解放を要求する4人のハイジャック犯に対し、イスラエル側による人質奪還計画が進められていきますが…。
映画『エンテベ空港の7日間』の感想と評価
ブラジルの麻薬組織と警察の闘いを描いた「エリート・スクワッド」シリーズ(2007~10)で頭角を現したジョゼ・パジーリャ監督が、1976年に発生したハイジャック犯を追った実録ポリティカルドラマ。
この事件はこれまでに、『エンテベの勝利』(1976)、『特攻サンダーボルト作戦』(1976)、『サンダーボルト救出作戦』(1977)と次々映画化されていますが、本作は過去作と比べて、ハイジャック犯人側に重きを置いた構成となっているのが特徴。
その主犯格2人を演じるのが、ロザムンド・パイクとダニエル・ブリュール。
ブリュール演じる人質に同情的なボーゼに対し、パイクは冷静沈着にして非情に振る舞うブリギッテ役をノーメイクで演じます。
映画『THE INFORMER/三秒間の死角』2019年11月29日(金)公開
映画『THE INFORMER/三秒間の死角』あらすじ
模範囚として服役中だったピートは、自由の身と引き換えにFBIの情報屋として捜査協力を務めていました。
ある日、最後の任務として麻薬組織に潜入したピートでしたが、思わぬFBIの裏切りに遭い、あらゆる組織から命を狙われることとなってしまいます。
映画『THE INFORMER/三秒間の死角』感想と評価
英国推理作家協会賞受賞のベストセラークライムノベル「三秒間の死角」(角川文庫)を映画化。
ピートを演じるのは『ロボコップ』(2014)、『スーサイド・スクワッド』(2016)のジョエル・キナマンで、パイクは彼に深く関わるFBI捜査官ウィルコックスを演じます。
他に、アナ・デ・アルマス、コモン、クライブ・オーウェンといったキャストが脇を固めた、手に汗握る脱獄アクションとなっています。
2019年秋のパイク祭りをお見逃しなく!
参考:『プライベート・ウォー』ツイッターアカウント
👏秋のパイク祭りキャンペーン👏
この秋、ロザムンド・パイク主演作が立て続けに公開!クイズに答えて彼女が生まれた地を訪ねようキャンペーン
↓ ↓https://t.co/OuWrysYd9z#ロザムンド・パイク #プライベート・ウォー#エンテベ空港の7日間 pic.twitter.com/fMFUBbEBjo— 映画『プライベート・ウォー』 (@privatewar913) August 26, 2019
なお、『プライベート・ウォー』と『エンテベ空港の7日間』のコラボ企画として、旅行券や非売品パンフレットなどが当たるキャンペーンも実施中。
『荒野の誓い』、『プライベート・ウォー』、『エンテベ空港の7日間』、そして『THE INFORMER/三秒間の死角』と、それぞれ異なる顔を見せるロザムンド・パイク。
2019年の映画の秋は、“パイク祭り”を楽しみましょう!