Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

サスペンス映画

Entry 2018/08/15
Update

映画『白い恐怖』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も【ヒッチコック作品おすすめの代表作】

  • Writer :
  • こたきもえか

『めまい』(1958)や『鳥』(1963)などで知られるサスペンス映画の神様アルフレッド・ヒッチコック監督。

往年の大女優イングリッド・バーグマンと名優グレゴリー・ペック共演の映画『白い恐怖』(1945)

シュールレアリスムのアーティストで知られるサルバドール・ダリも協力した本作をご紹介します。

スポンサーリンク

映画『白い恐怖』の作品情報

【公開】
1945年(日本公開1951年:アメリカ映画)

【原題】
Spellbound

【監督】
アルフレッド・ヒッチコック

【キャスト】
イングリッド・バーグマン、グレゴリー・ペック、ドナルド・カーティス、ロンダ・フレミング、ジョン・エメリー、レオ・G・キャロル、ノーマン・ロイド、ポール・ハーベイ、アースキン・サンフォード、ジャネット・スコット、ビクター・キリアン、ウォーレス・フォード、ビル・グッドウィン、ハリー・ブラウン、アート・ベイカー、レジス・トゥーミイ、マイケル・チェホフ

【作品概要】
とある精神病院、新しく病院長に就任したエドワーズ博士は白地に縞がある模様を見ると発作を起こす病癖を持っていました。

実はエドワーズ博士とは別人とは発覚した彼の正体はいったい誰なのか、勤務医のコンスタンスが謎を解くべく奔走します。

原題の『Spellbound』はうっとりする、恍惚とするの意。記憶喪失を取り扱ったサスペンスで、白黒映像が不気味で不穏な空気を煽ります。

映画『白い恐怖』のあらすじとネタバレ

舞台はアメリカのバーモント州にある精神病院。所長のマーチソンが辞め、新しくエドワーズ博士という人物が後任することになりました。

恋愛に興味がないと評判の女医コンスタンスは、歓迎会でエドワーズ博士を見た瞬間恋に落ちてしまいます。

しかしコンスタンスが病院内に作るプールの説明を始めたところ、白地のテーブルクロスに書かれた線を見たエドワーズは不機嫌になってしまいます。

翌日、父親を殺したと思い込んでいる患者ガームズを診療した後、コンスタンスはエドワーズに散歩に誘われました。

その日の夜、エドワーズが書いたサイン入りの本を読んだコンスタンスは所長室を訪ねます。

互いに惹かれていることが分かり抱き合う2人でしたが、コンスタンスのガウンにあった縞模様を見たエドワーズに発作が起きてしまいます。

その直後、ガームズが自殺未遂を起こしたという知らせが届きます。

エドワーズも錯乱状態になってしまいコンスタンスは介抱するのですが、彼が彼女に渡したサインと本のサインが違うことに気がつきます。

以下、『白い恐怖』ネタバレ・結末の記載がございます。『白い恐怖』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

スポンサーリンク

正体を疑ったコンスタンスはエドワーズを詰問するのですが、「自分がエドワーズを殺した」との一点張り、彼は記憶喪失に陥っていました。

ただ彼の煙草入れにはJ.B.というイニシャルがあり、それが名前らしいということが判明します。

J.Bは置手紙を残してニューヨークへ逃亡、後を追ったコンスタンスは自身の恩師であるブルロフ博士のところへ連れていきます。

ベッドの縞模様や洗面台にできる白地の縞模様を見て再び発作を起こすJ.B。

博士の治療で彼の発作はガブリエル・ヴァレーでの出来事が原因だと判明します。

コンスタンスと共にそこへ向かい、スキーをするうちにJ.B.は記憶を取り戻します。

自分の名前はジョン・バランタイン。幼少期に弟を誤って殺してしまったこと、エドワーズ博士は自分とスキーをしていて事故死したこと。

弟の死と博士の死を重ね合わせて彼は罪悪感を抱いていたのです。

警察の調べでエドワーズの体から銃弾が検出され、再びジョンに殺人の容疑がかけられます。

しかしコンスタンスの夢分析により、真犯人は元所長のマーチソンだと判明します。

彼女に見破られたマーチソンは拳銃自死。全ての謎が解決し、ジョンとコンスタンスが新婚旅行に出かけるところで幕が閉じます。

スポンサーリンク

映画『白い恐怖』の感想と評価

記憶喪失を取り扱った先の読めないサスペンス映画ですが、恋愛要素が多いところも本作『白い恐怖』の特徴です。

恋愛に奥手だった美人女医が恋に落ち、相手の男性の無実を晴らそうと周りの反対と心配を押し切って奮闘。

奥手で仕事にしか興味がなかった女性が恋によって、時に盲目的だととられるような行動をする、絶世の美女イングリッド・バーグマンが演じることによってコンスタンスの動向に説得力が増しています。

本作品『白い恐怖』の見どころはJ.Bが見た奇妙な夢のシーン。

巨大な眼球がこちらを見つめるカーテン、時空も方向もわからないところに佇む1人の男…シュルレアリスムの代表的な作家サルバドール・ダリが協力したシーンは、一気に彼の幻想的な世界へ私たちを引きずり込みます。

奇妙な病癖から始まり、少しずつ解けていく謎は最後の最後まで先が読めずハラハラさせられっぱなし。

フロイトの夢分析も知的好奇心を刺激させられます。

まとめ

代表作『鳥』『めまい』『サイコ』誕生前の、ヒッチコックのアメリカ初期時代に作られた『白い恐怖』。

イングリッド・バーグマンの優雅で知的な美しさ、記憶喪失と罪責コンプレックスを抱える謎の男を演じたグレゴリー・ペックの怪しい魅力、ダリのイメージが合わさった美しいサスペンス映画です。

時折はさまれる印象的なカットは今でも新鮮に感じられる斬新なものばかり。

カラー映画が主流の現在ですが、白黒映像ならではの恐怖と不穏さの演出をぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。

関連記事

サスペンス映画

映画『トレーニングデイ』ネタバレ結末感想とあらすじ解説。刑事バディムービーの定石を打ち破る刺激的な傑作!

新米刑事の命を懸けた訓練日(トレーニング・デイ)を描くアカデミー賞主演男優賞受賞作! 血気盛んな新人刑事がベテラン刑事の指導のもとで、予想つかない事態に巻き込まれる映画『トレーニングディ』。 人口が増 …

サスペンス映画

映画『あのバスを止めろ』あらすじネタバレと感想。ラストの結末も

二転三転のクライム・サスペンスの快作『あのバスを止めろ』 あのドキドキハラハラのスリリングムービーが、イタリアの風に乗って再びやってきました! 主人公は哲学の学位を持つインテリ崩れのダメ男。 美人泥棒 …

サスペンス映画

【三度目の殺人】福山雅治(重盛)演技評価と感想。ラストの考察も

是枝裕和の最新映画『三度目の殺人』が、2017年9月9日(土)に公開。 弁護士が殺人犯の心の奥底に潜む真意を、弁護する立場から見つめる姿によって、新たな真実を想像する法廷サスペンス。 キャストは是枝監 …

サスペンス映画

映画『十二人の死にたい子どもたち』7番アンリ役は杉咲花。演技力とプロフィール紹介

『天地明察』で知られるベストセラー作家の冲方丁(うぶかた・とう)の小説を原作とした映画『十二人の死にたい子どもたち』が2019年1月25日に公開されます。 監督は『イニシエーション・ラブ』『トリック』 …

サスペンス映画

映画『聖なる鹿殺し』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も【ヨルゴス・ランティモス監督作品】

映画『聖なる鹿殺し』は、ヨルゴス・ランティモス監督が観客のあなたに見せる“死のメタファー”。究極の選択を前に、あなたならどうしますか? 自尊心の強い心臓外科医のスティーブンは幸せに家庭とともに暮らして …

U-NEXT
CINEMA DISCOVERIES【シネマディスカバリーズ】
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
タキザワレオの映画ぶった切り評伝『2000年の狂人』
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学