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Entry 2021/10/14
Update

映画『ハングリー ラビット』ネタバレ感想とあらすじ結末の意味考察。ニコラス・ケイジが最後に知る代理殺人の真相

  • Writer :
  • 秋國まゆ

殺人の罪を着せられた男が見えない敵に立ち向かうサスペンス・アクション!

ロジャー・ドナルドソンが監督を務めた、2011年製作のアメリカのサスペンス・アクション映画『ハングリー・ラビット』。

「奥さんを襲った相手を代わりに始末してやろうか?」……そう言って近づいてきた謎の男の提案に乗ってしまった高校教師が、半年後に他人の代わりに人を殺すよう強要され、殺人の罪を着せられてしまう姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。

無実の男が見えない敵に立ち向かっていく姿を、ニコラス・ケイジ主演で描くサスペンス・アクション映画『ハングリー・ラビット』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

映画『ハングリー・ラビット』の作品情報


(C)2011 HRJ DISTRIBUTION, LLC

【公開】
2012年(アメリカ映画)

【脚本】
ロバート・タネン、ユーリー・ゼルツァー

【監督】
ロジャー・ドナルドソン

【キャスト】
ニコラス・ケイジ、ジャニュアリー・ジョーンズ、ガイ・ピアース、ハロルド・ペリノー、ジェニファー・カーペンター、ザンダー・バークレイ、ディクラン・トゥレイン、アイアン・E・シングルトン、カレン・モス、マーカス・ライル・ブラウン

【作品概要】
『13デイズ』(2000)や『バンク・ジョブ』(2008)、『スパイ・レジェンド』(2014)などを手掛けた、ロジャー・ドナルドソンが監督を務めたアメリカのサスペンス・アクション作品です。

「ナショナル・トレジャー」シリーズや『ワールド・トレード・センター』(2006)、『KILLERS/キラーズ 10人の殺し屋たち』(2019)などに出演する、ニコラス・ケイジが主演を務めています。

共演は、人気海外ドラマ「MAD MEN マッドメン」シリーズのベティ・ドレイパー役として知られる、ジャニュアリー・ジョーンズです。

映画『ハングリー・ラビット』のあらすじとネタバレ


(C)2011 HRJ DISTRIBUTION, LLC

アメリカ・ニューオーリンズで高校の国語教師として働くウィル・ジェラードは、音楽家の妻ローラと幸せな日々を送っていました。

そんなある日の夜、帰宅途中のローラが何者かに襲われ、強姦されてしまいました。ニューオーリンズ市警察や病院からの連絡でそれを知ったウィルが、ローラがいる病院へ駆けつけ、体中傷だらけで眠る彼女の姿を目撃。

結婚記念日にネックレスを贈った際に見せた満面の笑みとは打って変わり、痛々しい傷を心身ともに受けたローラを見て、ウィルは激しくショックを受けました。

病院の待合室の椅子に蹲るウィルの元へ、サイモンと名乗る謎の男が声を掛けてきます。サイモンは何故か、今さっき起きたばかりでニュースにもなっていないのに、ローラが強姦されたことを知っていました。

サイモンはウィルにある提案をしました。「良ければ私が、奥さんを襲った相手を代わりに始末してやろうか?」

正義の名のもとに、被害者の代わりに犯罪者どもを始末する「代理殺人」を行っている組織の一員だと話すサイモン。ウィルは怪しいと思いつつも、衝動的にサイモンの話に乗っかってしまいます。

その後、既に犯人の居所を掴んでいたサイモンたち組織によって、代理殺人が実行されました。

そしてウィルの元へ、組織の男が保険関係の書類だと言って1通の封筒を渡してきます。その中には、ローラに贈ったネックレスと、射殺された犯人の写真が入っていました。

それから半年後。ようやくローラに笑顔が戻り、平穏な日常を取り戻しつつあったある日、ウィルの前に再びサイモンが現れます。

「明日の午後4時15分に、この手紙を動物園の入り口にある郵便ポストに投函して欲しい」

翌日、午後4時15分。代理殺人をした見返りとして、組織の手伝いをさせられているウィルは、サイモンの指示通りに手紙をポストへ投函しようとします。

するとそこへ、サイモンから電話がかかってきて、新たな指令が言い渡されました。「その手紙の中に入っている写真の女性を尾行し、もう1枚の写真の男が現れたら、同封されたメモの番号に電話してこい」

「その時、“空腹の兎は空を跳ぶ”と言うんだ」………ウィルは何が何だか分からないまま、サイモンの指示に従ったものの、結局男は現れませんでした。

そのまた翌日。すれ違った同僚から謎の封筒を渡され、帰宅したウィルにサイモンは電話をかけ、彼にこう言いました。

「明朝、車にトラブルが起きる。バスで勤務先の学校へ向かい、エアハート停留所で降りろ」「そこに歩行者用の通路がある、幼児ポルノを撮って売る性犯罪者のウォルザックが現れるのを待て」

「現れたらウォルザックに体当たりして、通路から落とせ。自殺したかのように見せろ」

「防犯カメラは壊したからバレる心配はない。済んだら連絡しろ」………そう、サイモンがウィルに頼んだのは簡単な組織の手伝いではなく、新たな代理殺人の実行です。

その証拠にウィルが受け取った封筒には、ウォルザックの情報が記された書類と、幼い少女たちの写真が入っていました。

明朝、車のタイヤが切られたため、やむを得ずバスで出勤するウィル。葛藤の末、エアハート停留所で降りることなく、仕事に向かいました。

それをサイモンが許すはずがなく、ウィルを心理的に追い込み、代理殺人を実行するよう迫ってきたのです。

以下、『ハングリー・ラビット』ネタバレ・結末の記載がございます。『ハングリー・ラビット』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2011 HRJ DISTRIBUTION, LLC

サイモンには、自宅も学校の場所も妻のことも調べられており、ウィルはこのままでは妻に危害が加わると思い、やむを得ず彼の指示に従うことにしました。

エアハート停留所でバスを降り、歩行者用の通路でウォルザックを待ち伏せするウィル。ただ彼には、代理殺人を実行する気は全くありません。

そのため、ウィルは現れたウォルザックが助かる方法を模索するべく、彼に話しかけようとしますが、ウォルザックはウィルを殺そうと襲い掛かってきたのです。

ウィルは咄嗟に避けると、ウォルザックは勢いが止まらず、そのまま歩道橋から転落。真下の道路に落下し、通りかかったキャンピングカーに轢かれて死んでしまいました。

その後、ウィルはサイモンから解放されましたが、自分のせいで人が死んだ恐怖で生きた心地がしませんでした。

ウィルはここ数日、挙動不審な自分を心配する同僚であり友人でもあるジミーとローラに、代理殺人を行う組織と関わってしまったことを話したい気持ちでいっぱいでしたが、口止めされているため何も話せません。

車を修理に出した際、ローラはホイールのキーを出そうと開けたグローブボックスの中に、ネックレスが入っているのを発見。帰宅したウィルに何があったのか問い詰めましたが、彼は答えてくれませんでした。

ローラが出かけた後、ウィルは突然家に来たニューオーリンズ市警察のルデスキー刑事とグリーン刑事に、アラン・マーシュ殺害の容疑で逮捕されてしまいます。

ニューオーリンズ市警察署に連行され、2人から取り調べを受けた際、ウィルはウォルザックは性犯罪者ではなく、アラン・マーシュという「ニューオーリンズ・ポスト紙」という新聞社の報道記者であることを知りました。

ウィルはサイモンに何の罪もない一般人を殺すよう指示されただけでなく、マーシュ殺害の罪を着せられ嵌められたことを悟りました。

その後、ウィルを取り調べするのはルデスキーたちから、彼らの上官であるダーガン警部補に担当が急遽変更。ダーガンはウィルに、自分が組織の一員であることを明かし、彼の手錠を外してこう言いました。

「早くここから出ないと、自殺に見せかけて組織に殺されるぞ」………ウィルはダーガンのおかげで、無事警察署から脱出し逃走。

しかし、ニューオーリンズ市警察署から脱走したことがすぐにバレて、ウィルは指名手配されてしまうのです。

金曜の朝。学校で一晩明かし、マーシュのことを調べたウィルは、こっそり劇場で練習中のローラに会いに行きました。

ウィルはローラを襲った犯人を何とかしたくて組織に頼ったこと、今は組織に殺人の罪を着せられ追われる身であること。警察にも組織の一員がいるため、助けを求められないと簡潔に事情を説明します。

ローラはウィルの行いを許し、彼の逃亡を手助けするために手持ちの現金と、護身用に持っていた銃を渡しました。

午後1時。ウィルは友人を装い、マーシュのお通夜が開かれているパブへ潜入。マーシュの会社のカードキーを盗み、平静を装って彼の同僚たちに声を掛けました。

マーシュの同僚たちの話によると、マーシュはサイモンたち組織のことを追っており、いつか組織のことを暴いて紙面に飾ると言っていました。

マーシュの同僚たちはきっと、彼は自殺に見せかけて組織に殺されたんだと推測していました。

その話を聞いたウィルは、マーシュの取材メモを入手するべく、ニューオーリンズ・ポスト紙へ向かおうとしたその瞬間、店にいた仲間から連絡を受けたサイモンたちが襲来。

複数の高速道路が交錯する道路上での追走劇の末、ウィルは何とか彼らを撒きました。そしてウィルは、マーシュのIDを使ってニューオーリンズ・ポスト紙へ侵入。

報道記者室のマーシュの机を漁り、彼の取材メモをいくつか盗んでその場を立ち去ります。

同時刻、ニューオーリンズ市警察のシムス刑事と名乗る組織の一員がローラと接触。ローラは男たちに不信感を抱き、鞄に忍ばせていた催涙スプレーを使って撃退し、車で連れ去られそうだったところを自力で回避しました。

ウィルは立ち寄ったホテルのクロークに侵入し、客の車とコートを入手。その後車内でマーシュの机から盗んだメモを調べたところ、「パリス給油所」というガソリンスタンドによく立ち寄っていたことが分かり、そこに何があるのか調べることにしました。

パリス給油所へ到着後、ウィルは同僚を装い、従業員を金で買収。マーシュがここで何をしていたか尋ねます。

その結果、給油所のそばにあるレンタル倉庫に、釣り用のボートを置いているという情報を入手。

ウィルは扉に車を激突させこじ開け、ボート内を捜索した結果、何かの情報が記録されたDVDやカメラを発見しました。

ウィルがパリス給油所から立ち去ろうとした瞬間、ウィルが指名手配されていることを朝刊で知った従業員の通報により、パトカーが駆けつけ追いかけられてしまいます。

パトカーとの追走劇の末、何とか撒いたウィルは、車内でDVDの映像とファイルを開きました。

DVDには、マーシュが組織の一員ボーデットと接触した取材映像と、サイモンと一緒にいるジミーの姿が写った写真ファイルが記録されていました。

「“空腹の兎は空を跳ぶ”の意味は、法律に従わず人間性や理性、正義に従うこと。“空腹”が人間性、“兎”は理性のこと、“跳ぶ”が正義のことを指す暗号さ」

「組織の私刑の対象は、強姦者や殺人者、子供相手の変質者だ」「サイモンは組織の支部長、本名は知らない。わずかにいる支部の人間に命令を下していた」

「組織ではサイモンの上司が命令を下しており、何か問題が起きれば、組織は支部を完全に切り捨てる」

「そのためには、我々組織に借りがある者に協力させる」「安心安全な街づくりが目的だったはずなのに、サイモンが暴走して今では目的が変わってきてる」

そう話すボーデットは、マーシュの取材を受けた後、組織のことを話したことがバレて、サイモンたちに駐車場から転落した事故死と見せかけて殺されてしまいました。

友人が敵と繋がっていたことに激しいショックを受けるウィル。それと同時に自分を嵌めたのかという怒りもこみあげてきて、ジミーの家を訪ね彼を尋問します。

ジミーは15年前に弟を殺された際、野放しになっている犯人を何とかしたいがために組織の一員になったこと。ウィルを警察署から逃がしたのは自分だと説明しました。

ジミーを尋問し、サイモンの本名を知ったウィルは、少し離れた場所で停車させた際、突如現れた男に銃を突きつけれらます。

ウィルはすぐさま合言葉を口にし、油断させたところで銃を没収し形勢逆転。尋問した結果、男は姉を殺した犯人を代理殺人してくれたことで組織の一員となり、サイモンの指示でウィルを尾行し、殺すよう言われたことが判明しました。

ウィルは男から奪った携帯を使い、サイモンに電話をかけます。「ユージン・クック(サイモンの本名)、組織の支部のボスだろう?」

「マーシュ殺しで私を嵌めただろう。他にも、お前がボーデットを消したことも知っている」

「その証拠映像と組織のことをバラされたくなければ、私の身の潔白を証明できる、歩行者用の通路の防犯カメラの映像を渡せ」

「互いに欲しい映像があるから交換しよう」「明日の5時、テープ持参でニューオーリンズ・スーパードームに来い」


(C)2011 HRJ DISTRIBUTION, LLC

土曜日の午後5時。トラックレースが開催中のニューオーリンズ・スーパードームにやって来たサイモンは、組織の情報漏洩防止のためとボーデットを始末した証拠映像を何としてでも取り戻すべく、ウィルの電話越しの指示に従います。

弱みを握られているにもかかわらず、余裕綽々のサイモンは、慎重に接触を図ってきたウィルにある写真を見せました。

同時刻、サイモンの部下はジミーを使い、ホテルに身を潜めていたローラを発見。サイモンがウィルに見せたのは、人質に取られた彼女の姿を写した写真でした。

サイモンはウィルを連れて、ハリケーン以来廃墟となってしまった隣のショッピングモールへ場所を移動します。

サイモンはジミーと部下が捕まえたローラを人質に取り、ウィルからDVDを回収。彼女の解放を求めるウィルにこう言いました。

「混乱の極みである街の世直しを邪魔されたくないんだ、お前たちはここで殺す」

それに対し、ウィルがサイモンに「お前はイカレている」と言うと、サイモンは激怒。「誰もやろうとしない世直しをしている自分たちこそが正義で、何の危機感も抱かず反省もせず、犯罪者を野放しにして世の中を汚している人々こそがイカレている」と猛反論します。

サイモンの命令を受け、彼の部下がローラを銃で殺そうとした瞬間、それより先にジミーが彼を射殺。サイモンに真っ向勝負を挑むも、ジミーはサイモンに射殺されてしまいます。

ウィルは自身に銃口を向けていたシムス刑事に飛び掛かり、エスカレーターから転落しながら揉み合った末、落下した衝撃で割れたガラスの破片が喉に刺さり、シムス刑事が死亡。

ローラは咄嗟にサイモンの部下が落とした銃を拾い、ジミーを殺したサイモンから逃げるも捕まってしまい、彼に殺されそうになってしまいます。

そこへウィルが駆けつけ、サイモンと死闘を繰り広げていきました。銃を落としてしまったウィルは、サイモンに馬乗りになり殴殺しようとしましたが、ローラに止められます。

ウィルが手を止めた瞬間、その隙を見逃さなかったサイモンが襲い掛かり、2人はエスカレーターへ転落。

階下に落ちていた銃を拾い、サイモンがウィルを殺そうとした瞬間、エスカレーターの上からローラが銃を発砲し、サイモンを射殺します。

その後、ウィルたちの元へダーガンが現れました。実はダーガンは、単なる組織の一員ではなく、組織のボスだったのです。

ところが、ダーガンはサイモンを殺したウィルたちを咎めず、この死闘は「クックとジミーが撃ち合った単純な事件」として片付け、ウィルを組織に勧誘します。

もちろん、ウィルはこの勧誘を拒否。ダーガンは「気が変わったら私のところへ来い」と言い、ウィルたちを逃がしました。

後日、ダーガンの筋書き通り、ニューオーリンズ市警察は単なる事件として捜査することになり、地方検察庁はウィルのマーシュ殺害に関する起訴を取り下げました。

サイモンから奪った防犯カメラの映像で、ウィルの身の潔白が証明されたからです。自由の身となったウィルは、ニューオーリンズ・ポスト紙へ行き、マーシュの同僚にDVDを渡して取材の続行をお願いしました。

それを快く引き受けたマーシュの同僚は、別れ際にウィルにこう呟いたのです。「空腹の兎は空を跳ぶ」と………。

映画『ハングリー・ラビット』の感想と評価


(C)2011 HRJ DISTRIBUTION, LLC

殺人の罪を着せられたウィル

ある日突然、仮釈放されたばかりのレイプ魔に妻を襲われ、幸せな日常を壊されてしまった高校教師のウィル。激しいショックを受けたと同時に、犯人への激しい怒りを抱いた彼は、衝動的にサイモンから提案された代理殺人の話に乗ってしまいました。

そのせいで今度は、別の誰かへの代理殺人の実行を強要されてしまうのです。何もかも調べ尽くし監視するサイモンに、心理的に追い込まれていくウィルの姿を見て、画面越しでも彼が感じた恐怖が伝わってきます。

しかもマーシュの死によって、図らずもサイモンから解放されたかと思いきや、今度はマーシュ殺害の罪を着せられてしまうのです。ウィルの不憫で不幸な役回りに心を痛めます。

物語の後半、謎に包まれた闇の組織を追い詰め、戦うウィルの奮闘劇は次々と衝撃的な真実が明かされていくため、ハラハラドキドキするスリルが味わえて楽しいです。

代理殺人を行うサイモンたち闇の組織


(C)2011 HRJ DISTRIBUTION, LLC

ウィルに殺人の罪を着せ嵌めたサイモンたちは、被害者の代わりに強姦者や殺人者、子供相手の変質者などの犯罪者を始末する組織に所属しています。

「正義」の名のもとに私刑を行っていた組織でしたが、サイモンは混乱極める街の世直しのためと思い、片っ端から気に入らない奴や犯罪者の粛清にまで手を広げてしまったのです。

そして組織を追っていたマーシュも、彼に協力したボーデットもその私刑の対象となってしまい、自殺に見せかけて殺されてしまいます

正義感が強すぎるあまり暴走し、悪へと落ちていってしまったサイモンは、まさに因果応報と呼ぶべき結末を迎えてしまいました。

そして、世直しのために代理殺人を行う闇の組織のボスの正体がダーガンであったという予想外な展開には、誰もが衝撃を受けたはずです。

まとめ


(C)2011 HRJ DISTRIBUTION, LLC

殺人の罪を着せられた無実の男が、自分を陥れた見えない敵、代理殺人を行う闇の組織に立ち向かっていくアメリカのサスペンス・アクション作品でした。

本作の見どころは、高校の国語教師vs見えない敵の戦いと、無実の男が闇の組織と警察から逃げ惑う追走です。

物語の前半では代理殺人をしてもらい、その見返りとして代理殺人の実行を強要されるというハラハラドキドキするスリルと恐怖を味わい、物語の後半では次々と明かされていく衝撃的な真実に驚かされます。

味方だと思っていた友人のジミーが、実は組織の一員であったり、ウィルを助けてくれたダーガンが、実はサイモンの上司であり組織のボスでもあったり……。

さらに物語のラスト、ウィルはマーシュの同僚に彼の取材記録であるDVDを渡し、組織への取材の続行を頼みます。

ただ、そのマーシュの同僚は、何故か組織とその関係者しか知らない合言葉を呟いたのです。この場面を見ると、実はマーシュのそばにも組織の一員がいたのではないかと考えられ、さらに物語を楽しむことができます。

無実の男が亡き報道記者の取材記録をもとに、見えない敵に立ち向かい一泡吹かせるサスペンス・アクション映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。







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