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Entry 2021/02/25
Update

映画『アクセレーション』ネタバレ感想と結末解説のあらすじ。女殺し屋が息子を取り戻す三つ巴の戦い!

  • Writer :
  • 秋國まゆ

凄腕の女殺し屋が息子を取り戻すハイスパート・アクション映画『アクセレーション』。

マイケル・メリノとダニエル・ジリーリが監督を務め、2019年にアメリカで製作された、女殺し屋とギャングとマフィアが戦いを繰り広げるハイスパート・アクション映画『アクセレーション』。

凄腕の女殺し屋が息子を人質に取られ、裏社会を牛耳るマフィアのボスが仕掛けた罠に嵌められてしまい、7時間後までにマフィアと敵対する悪党を始末していくというのは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。

アメリカ・ロサンゼルスを舞台に、裏社会に生きる者たちの三つ巴の戦いを描いた、アメリカのハイ・スパートアクション映画『アクセレーション』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。

映画『アクセレーション』の作品情報


(C)2019 7HEAVEN PRODUCTIONS, LCC

【公開】
2019年(アメリカ映画)

【脚本】
マイケル・メリノ

【監督】
マイケル・メリノ、ダニエル・ジリーリ

【キャスト】
ショーン・パトリック・フラナリー、ドルフ・ラングレン、チャック・リデル、ナタリー・バーン、ドブロミル・マシュコフ、クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン、サリー・カークランド、ダニー・トレホ

【作品概要】
『12hours DEA特殊部隊』(2016)や『闇の処刑人 ザ・ショットガン』(2019)などを手掛けたダニエル・ジリーリと、マイケル・メリノがタッグを組んで監督を務めた、ハイスパート・アクション作品です。

ヒューマントラストシネマ渋谷の特集『WCC ワンダーナイト・シネマカーニバル2019』内の『MDGP モースト・デンジャラス・シネマグランプリ2019』で11月22日から上映された作品でもあります。

『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』(2014)のナタリー・バーンが主演を務め、ドルフ・ラングレンやショーン・パトリック・フラナリー、チャック・リデル、ダニー・トレホらアクション映画で活躍する俳優も出演していました。

そして、大人気カーアクション映画「ワイルド・スピード」シリーズのスタントチームが本作の製作に挑んでいます。

映画『アクセレーション』のあらすじとネタバレ


(C)2019 7HEAVEN PRODUCTIONS, LCC

凄腕の女殺し屋ローナは、裏社会を牛耳るマフィアのボス、ヴラディックと一緒にある組織のアジトに乗り込みます。

時を遡って8時間前の午後11時頃、ローナは愛車のマセラティに乗り、深夜のアメリカ・ロサンゼルスの街を疾走していました。

ある取引に失敗し、組織に裏切りを疑われたローナは、ヴラディックに幼い息子のミカを拉致されてしまったのです。

そのため、ローナはミカを取り戻すべく、ヴラディックが朝7時までにこなせと指示した、5つのタスクを順に片付けようとします。

ヴラディックがローナに与えた5つのタスク、それは全て、自分と敵対する組織や人物を壊滅させるものでした。

午後12時頃、ローナはタスク1、売人のディミトリから未払いの金額を無事回収し、ディミトリを手下もろとも射殺します。

赤ん坊のお面を被った謎の2人組の男は、そんなローナを車で尾行していました。運転中のローナへ、デビッドという男から電話がかかってきます。

デビッドは今から会えるかと、ローナに尋ねますが、彼女から「今は忙しいから会えない」と断られました。

これに対しデビッドは、「いつもの場所で」と強引に約束をとりつけ、電話を切ります。ローナは少し休憩しようと、ベティが営むダイナーに立ち寄りました。

ローナは水とコーヒーだけ注文し、ベティに100ドル札を1枚渡して、自分の事は放っておいて欲しいと頼みます。

ローナの様子をずっとモニター越しに監視しているヴラディックは、ローナに電話をかけ、余計な時間を過ごすなと注意しました。

ローナは謝罪はせず、ヴラディックに息子が生きているという証拠が欲しいと懇願します。

しかしヴラディックは拒否し、「早くタスクをこなせ」と言って電話を切りました。

ローナはコーヒーを飲みながら、こんなことになった原因の出来事を思い出します。

ローナは、ギャングのボスであるケインの下っ端の部下リッチーとジミーを連れ、ある取引現場へ向かっていました。

それは、ロシア人の男から銃を4箱分受け取るという、銃器売買の取引でした。

リッチーは、金が入った鞄を持ってくる係ですが、取引現場に2人より遅く到着します。

リッチーの到着後、ロシア人の男も取引現場に現れ、金を先に渡してからブツ(銃のこと)を渡すと言いました。

ローナはリッチーに金を見せるよう促しますが、彼は拒否します。

ローナとロシア人の男は、体がふらつき目が据わっているリッチーを見て、麻薬をやっているのではと疑いました。

実はここに来る前、麻薬をやっていたリッチー、彼は金を渡すどころか突然怒り出し、ロシア人の男を射殺してしまいます。

取引に失敗したローナは、組織に裏切りを疑われた挙句、ヴラディックに恨まれ、ミカを拉致されてしまったのです。

ベティはローナが心配で、思わず声をかけてしまいます。するとそこへ、ケインがレモンパイを食べに来店しました。

杖をついて歩くケインは、ベティにレモンパイを注文後、ローナの向かいの席に腰を下ろします。

ケインはレモンパイを絶賛しながら食べ進め、ローナに「いつだってビジネスの話ばかりして、俺に甘えてこないお前が好きだ。俺はお前のためなら、何だってしてやる」と言いました。

ローナは何も答えないばかりか、ケインが自分のためにもう1つ注文したレモンパイに、一切口をつけようとしません。

ケインはそんなローナの態度に怒りもせず、ベティに頼んで、残ったレモンパイをお持ち帰り用に箱に入れて貰います。

そしてケインは、レモンパイが入った箱を持ち、ローナの髪を撫でながら「車の運転には慎重にな。スピードの出し過ぎは良くない、いい子にしてろよ」と言って立ち去っていきました。

その後、店から出て愛車に乗り込んだローナの元へ、物乞いの男が近づき、声を掛けます。

ローナはその男に100ドル札を1枚渡し、次のタスクをこなすべく、その場所を走り去っていきました。

その直後、物乞いの男は携帯でどこかにメールを送り、付け髭とボロボロの服を路地裏に捨てて、立ち去っていきました。

ローナがトンネルの中を走行中、ヴラディックから電話がかかってきました。

ケインとの会話も盗聴していたヴラディックは、ローナに「予定にない行動を勝手にとって良いと思っているのか?残っている4つの封筒を、あと5時間21分9秒で片付けろ」と言って電話を切ります。

一方ケインは、ハンニバルら部下に、リッチーが通っているクラブに聞き込みに行かせました。

ハンニバルはクラブの入り口にいた女性2人から、リッチーが麻薬仲間のドミニクと一緒にいるのではないかと情報を貰います。

この報告を受けたケインは、自分のプール付きの豪邸に、ドミニクを連れてこいと、ハンニバルら部下に命じました。

ドミニクはカードゲームやビリヤードが出来る部屋に入り、ケインから尋問されます。ドミニクはケインに脅されようとも、頑なにリッチーの居場所を言おうとしません。

そんなドミニクに痺れを切らしたケインは、葉巻入れに入った2丁のハンドガンをテーブルに並べ、ロシアンルーレットをしようと言い出します。

そのゲームのルール内容は、互いに引き金を3回引き、生き残った方が勝ちというものでした。

これを聞いたドミニクは、ケインに命乞いをします。ケインはそんなドミニクに、ゲームをやるか、やらずにリッチーの居場所を教えるか、どちらか選べと言いました。

そう脅されてもなお、ドミニクはリッチーの居場所を教えようとしません。あろうことか、ドミニクはハンドガンを持ち、ケインを殺そうとしたのです。

しかし、3発とも空砲でした。ケインはゲームをやるのだと判断し、自分の頭にハンドガンを突きつけて、引き金を引きました。

それも空砲でした。ケインは、とうとう泣き出してハンドガンを持とうとしないドミニクに、部下のメーガンに命じて無理矢理持たせ、引き金を引かせます。

その結果、ドミニクは1発しか入っていなかった銃弾を引き当ててしまい、即死しました。

その頃ヴラディックは、拉致したミカを死なせないよう、サンドイッチを与えます。

午前2時、ローナは車内で、タスク2の内容を確認しました。タスク2は、銃ディーラーのティムの殺害でした。

ローナはここで、ヴラディックが見ているであろうカメラに中指を立て、「誰がこんな仕事するか、クソ野郎」と拒否します。

それを見たヴラディックは、手下に命じてベッドに眠るミカに乱暴しようとしました。

携帯に送り付けられたその動画を見て、ローナは涙を流し、ある場所へ向かいます。それは、ヴラディックが取り仕切るマフィアのアジトでした。

ローナはそこで、ミカの居場所を探ろうとします。しかし、どの書類を探しても、ミカの居場所を記したものは出てきません。

そんなローナに、ヴラディックの商売相手のイーライが声を掛けます。

ローナがミカを捜していると知ったイーライは、彼女にミカはここにいないことを教えました。

その頃、赤ん坊のお面をした男たちは、ローナの愛車のトランクを勝手に開け、金が入った鞄を盗みます。

その直後、ローナは愛車へ戻ってきました。ローナは鞄を持って逃げる男を追いかけ、廃屋の中で死闘を繰り広げます。

ナイフを持つ男に対し、ローナは壁に立てかけられた鉄パイプを持って対抗しました。

ローナはナイフを弾き飛ばし、肉弾戦に持ち込んでから、男の首を両足で絞めて殺します。

午前2時28分、鞄を取り戻したローナは愛車に乗り、アジトから立ち去りました。

そんなローナに、ヴラディックは電話をかけ、「アジトへ行っても息子はいない。仕事を全て片付ければ、息子に会わせてやる」と言って電話を切ります。

ティームのアジトへ到着したローナは、プロジェクターで投影した昔の映画を鑑賞するティームと会いました。

ティームは、ヴラディックの武器売買の取引相手でした。ティームはヴラディックたちに金を渡し、その金で4箱分の銃を手に入れるよう要求していました。

しかし、リッチーのせいで取引は失敗し、4箱分の銃の在り処がどこかも分かっていません。

そこでヴラディックは、この失態をもみ消すため、ティームを殺せとローナに命じたのです。

ティームはそんなヴラディックの思惑を悟ったのか、ローナに「4箱分の銃を2日以内に納品するか、俺の金を返すかどちらか選べ」と脅します。

そんなことを選んでいる余裕もないローナは、腰かけたソファーにあったクッションを使い、発砲音を最小限にとどめてティームを射殺しました。

ローナはアジトを出た直後、ティームの手下に襲われましたが、返り討ちにして次の場所へ向かいます。

その頃ヴラディックは、人質のミカの様子を見に行きました。

ミカはヴラディックに怯えることなく、何故見張りの男は喋らないのか、ヴラディックたちは何の仕事をしているのか、いつ母親に会えるのか尋ねます。

ヴラディックはその質問に1つ1つ答えた後、ローナの監視へ戻りました。一方ジミーは、ケインの自宅兼アジトを訪れます。

ジミーを見つけたハンニバルは、彼にヴラディックが手に入れるはずの銃はどこだと尋ねました。

ジミーはどうにもならないと答え、ハンニバルに銃口を向けて、ケインに会わせろと脅します。

ジミーはずっと、下っ端の自分がまるで奴隷のように扱われ、金を稼いできているというのに、その金でケインたちが豪遊していることが気に食わなかったのです。

そう話すジミーの背後から、ハンニバルとは別の手下が現れます。ジミーがそちらに気を取られた隙に、ハンニバルは彼の鳩尾に拳を入れ、気絶させました。

午前3時46分、ローナはタスク3をこなすべく、売人のリアンのアジトへ向かいます。タスク3の内容が、リアンのアジトを全焼させることだったからです。

アジトへ到着後、ローナは助けて欲しいとジアンにお願いしますが、彼女に断られて追い返されます。

その頃、執務室で書類仕事をしていたケインは、メーガンからリッチーの居場所を突き止めたと報告されました。

ケインはハンニバルら部下を使って、リッチーを生きたまま捕まえようとします。

ケインに狙われているリッチーは、サントスという男に、麻薬を届ける準備に取り掛かっていました。

そこへハンニバルたちが押し入り、リッチーを捕まえます。車に乗り込んでその場を離れる際、ハンニバルたちはサントスの手下に襲われますが、全て返り討ちにしました。

ローナは一旦愛車に戻り、ヴラディックに電話をかけ、再度ミカと話をさせて欲しいと懇願します。

これに対しヴラディックは、「さっきから無駄な時間が多すぎる、さっさと時間以内に仕事を片付けてこい」と命じて電話を切りました。

ローナは「リンの店」というところに電話をかけ、何かを注文します。その後、ローナはタスク4の内容を確認しました。

タスク4は、リッチーが麻薬を届けるはずだった相手、犯罪データ販売のサントスから、情報を回収せよというものでした。

以下、『アクセレーション』ネタバレ・結末の記載がございます。『アクセレーション』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2019 7HEAVEN PRODUCTIONS, LCC

ローナはサントスのアジトへ向かい、サントス本人にデータを渡すよう要求します。

サントスは、16年の付き合いとなるローナの実力を買っており、彼女を信用して、ヴラディックが欲する情報が入ったUSBを素直に渡しました。

ローナはUSBを受け取り、アジトを去る直前、サントスからそのデータはコピー済みだぞと言われます。

ローナは知ってると、不敵な笑みを浮かべて答えて立ち去りました。

サントスは部下のフラゴから、ローナを始末してくるかと聞かれますが、殺さなくていいと笑って答えます。

午前4時35分、ローナはリンの店の店主と店員のレインと合流しました。

武器や爆弾をデリバリーしているレインたちは、ローナの知り合いでした。

ローナは注文したハンドガン2丁と、それを収納するサスペンダー、爆弾2つを受け取ります。

リアンのアジトへ戻ったローナは、見張りの男を催涙ガスで弱らせてから、ハンドガンを両手に構えて手下たちを次々と始末していきました。

アジトを出る前に、ローナは出入り口と部屋に爆弾を設置し、愛車に戻ってから起爆させます。

爆発する前にアジトを出ていた見張りの男は、背後から銃でローナを殺そうとしますが、バックミラーでそれに気づいたローナに返り討ちに遭って殺されました。

その後ろにいたリアンは、現金が入った鞄とアサルトライフルを持って逃げ出します。

ローナはリアンを追いかけ、建物の屋上へ行ってアサルトライフルを構える彼女と、銃撃戦を繰り広げていきました。

銃撃戦の末、同時に弾切れとなった2人は武器を捨て、肉弾戦で決着をつけようとします。

ローナは片腕でリアンの首を締め、ミカはどこにいるのか尋問しましたが、リアンは知りませんでした。

ローナはリアンの首の骨を折って殺し、愛車へ戻ります。ローナが最後にこなすタスク5の内容は、人身売買業をしているジャックの帳簿を入手することでした。

一方ケインは、廃屋の天井に両手に巻き付けた縄で吊るしているリッチーに、ジャックと会ったことはあるかと尋問します。

リッチーはシラを切って、ジャックなんて知らない、会ったことないと答えました。

ケインはそんなリッチーに、メーガンが持っているノートPCに入っている動画を見せます。

それは、リッチーがBARでジャックと何か話している様子を映したものでした。

リッチーは足元にある、導線で囲んだ鉄板から電気ショックを食らい、嘘をついた罰を受けます。

リッチーはジャックと会ったことは認めますが、話した内容は覚えていないと答えました。

これを聞いたケインは笑顔で、「寛大な俺は、お前をどうしたらいいと思う?」と聞きます。

リッチーは解放を求め、ケインは笑って応じました。しかし、ケインはリッチーの耳元に顔を寄せ、「へこへこするな、イラつく」と言って立ち去ります。

ケインが立ち去った直後、リッチーはさらに電気ショックを食らって絶叫しました。

午前5時32分、ローナはジャックのアジトに到着し、商品として囚われていた人たちをまず解放します。

ローナはその内の1人の男から、ミカを昨日見たと言われました。ローナはそのお礼として、札束を全て渡します。

中へ進もうとするローナの前に立ちはだかったのは、髪を団子にまとめた髪型をしている男2人です。

ローナは2人まとめて相手をし、最初に倒した男から奪った警棒で、もう1人の男を殴って倒します。

ローナは周囲を警戒しながら階段を上り、その先へ行こうとしますが、扉の影に隠れていたジャックの手下アンドレイの肘鉄を食らって気絶してしまうのです。

その頃ヴラディックは、自宅でケインと会っていました。

ケインは背後にハンニバルたちを配置し、レモンパイを食べながら、ヴラディックに午前7時までに貸した金を返せと要求します。

これに対しヴラディックは、準備中だと答えました。そんなヴラディックに、ケインは「ミカを人質に取って、俺のお気に入りのローナに仕事をさせているのか」と聞きます。

ヴラディックは、「そうでもしないと動かない人間もいる」と答えました。

ケインはレモンパイを完食後、借金が返済されるまでの間、ミカを保険として預かると言い、ハンニバルたちを連れて帰ります。

午前5時58分、ベッドの上で目覚めたローナは、自分が下着姿の状態で両手足を縛られていることに気づきました。

ジャックはローナの横に腰を下ろし、彼女に「お前がヴラディックから銃を奪ったのだろう?自分が履いている靴さえ見つけられないアホのリッチーに、そんなこと出来る筈がない」と告げます。

ローナはその質問には答えず、ジャックに帳簿を渡すよう要求しました。

ジャックは、過去の取引が全て記録された帳簿をこれみよがしに見せつけ、「大事な商品を逃がしたお前なんかに、簡単に渡すはずがないだろう。長年の付き合いであるヴラディックは、何故今更帳簿を欲しがる?俺を殺そうとしているのか?」と尋ねます。

ローナは強気に、「自分にジャックを殺せと命じたかもね」と返すと、激怒したジャックから裏拳を顔に食らいました。

ジャックはBARで会ったリッチーから、ヴラディックがシマを広げるために、邪魔なケインと自分を始末しようとしていることを聞いており、薄々そうなのではないかと勘づいていたのです。

ジャックはローナに、損失を与えた罰として「手下たちに強壮剤を飲ませ、お前を寝る暇もなく襲わせてやる。その後、東ヨーロッパの連中に安値で売り払う」と脅し、アンドレイと共に部屋から出ていきます。

ローナは自力で縄抜けした両手を使って、足の縄を解いて部屋を出て、帳簿を探しに行きました。

その間、ジャックは別室で、捕まえた女性の宣材写真を撮影するのに夢中でした。

ローナはジャックのデスクから帳簿を見つけ、間に挟まっていたペーパーナイフを持って、背後に立った彼を刺殺します。

ローナは押収された武器と帳簿を持ち、アジトから脱出して愛車に乗り込みました。

ローナが愛車を発進させた直後、ヴラディックから電話がかかってきます。ヴラディックはローナに、「答えが知りたければ、グローブボックスを開けてみろ」と命じました。

ローナはグローブボックスを開け、そこに入っていた封筒の中身を見て、ミカがヴラディックの自宅にいることを知ります。

ローナはすぐさまヴラディックの自宅へ向かい、ミカはどこだと彼を問い詰めました。

ヴラディックはローナに、正直に事の顛末を打ち明けます。ケインに借金していたヴラディックは、ローナに返済するための金を集めさせたのです。

ローナは思わず、「私たちの息子をケインに預けたのか」と聞きます。そう、ミカはヴラディックとローナの間に生まれた子供だったのです。

ローナがその事実をヴラディックに隠していたのは、裏社会に生きる自分たちとは違い、純粋で無邪気なミカを、汚れた社会から遠ざけるためでした。

それをヴラディックに打ち明けたローナは、失敗した取引後の話について白状します。

ローナは、あの日の取引はミカを裏社会やヴラディックから遠ざけるチャンスだと思い、ヴラディックから金と4箱分の銃を奪ったのです。

ヴラディックはそれを聞いても怒らず、ローナに「朝7時までに金を返さなければ、自分たちの息子が殺される」と言います。

ローナはヴラディックと協力して、ミカの救出へ向かいました。ケインのアジトへ到着後、ローナは中に入る前に、感謝の意を込めてヴラディックにキスをします。

トランクにある鞄の中身を確認後、アジトに乗り込んだローナたちは、ゲーム部屋で待ち構えていたケインと対峙しました。

ケインはケージに入れたミカを出し、さっさと金を渡せと要求します。ヴラディックはミカの引き渡しを条件に、ローナに持ってこさせた金を渡すことにしました。

愛車に戻ったローナが葛藤している間、ケインは「俺はヴラディックより先に、ローナを抱いてモノにしていたのだ」と話します。

その直後、ローナは鞄を持って部屋に戻り、ケインの手下リッキーに渡しました。

リッキーから鞄を受け取ったケインは、金が本物であるか確認しつつ、ミカを2人に引き渡します。

しかし、ローナがケインに渡した金は、全て裏面が白紙の偽札でした。ケインが抗議しようとした瞬間、ローナはメーガンを射殺し、ヴラディックもケインの手下目掛けて銃を発砲します。

ローナたちはミカを逃がす時間を稼ぐべく、次々とケインの手下を殺していきました。ヴラディックは庭に出て、ミカを探しに行きます。

庭の木に隠れていたミカをヴラディックは見つけますが、彼より先に見つけていたのはハンニバルでした。

ヴラディックは自分より若いハンニバル相手に、死闘を繰り広げていきますが、苦戦を強いられていきます。

ハンニバルは、ヴラディックの手から弾いた銃を手にしますが、それに気づいた彼と取り合いになりました。

ヴラディックはその取り合いの最中、ハンニバルの後ろから別の部下が銃を構えていることに気づき、咄嗟にハンニバルの体を盾にして回避します。

そしてヴラディックは、取り戻した銃で手下の喉を撃ち、池に落としました。しかし全部は防ぐことは出来ず、ヴラディックは脇腹に大怪我を負います。

ヴラディックは傷を庇いながら部屋に戻り、1人になったケインと銃口を向け合いました。

ミカはそんなヴラディックを「パパ」と呼び、座り込む彼の傍に寄り添います。

ケインも大怪我を負っており、座り込んだ状態で、ミカにローナの所へ行けと命じました。

ローナは駆け寄ってきたミカの無事を確かめ、ヴラディックの言葉に従って、ミカを連れてその場を離れます。

ケインはヴラディックに、「これは俺とお前の問題だ。さて、どう決着をつけようか」と尋ねました。

これに対し、ヴラディックが「葬式はお前のだ」と返し、2人は同時に引き金を引きます。

ローナはその銃声を聞いた後、ミカを連れて愛車に乗り込み、アジトを脱出しました。ローナが少し離れた倉庫に車を入れた直後、デビッドから電話がかかってきます。

湖畔にある邸宅にいるデビッドは、ローナから金を受け取った物乞いの男だったのです。

デビッドはローナに、モンテヘラス通りにあるメキシコ銀行の貸金庫に金を預けたことと、「ロマスデチャプルペペック020-232-060ー832番」という住所を伝えました。

デビッドは最後に、「絵葉書でも送ってくれ、気をつけろよ」と付け加えて電話を切ります。

そんなデビッドに感謝の気持ちでいっぱいのローナは、助手席に座るミカの頭を撫でてから、黒から白のマセラティに変えて倉庫を出ました。

ローナは最後に、「この仕事にミスは許されない。多少のハプニングはあったが、全ては計画通り。現金を手元に残して銃を売り、息子を取り戻した。そして今、新しい人生に向かってアクセルを踏む」と言い、窓から帳簿を投げ捨てて走り去っていきました。

映画『アクセレーション』の感想と評価


(C)2019 7HEAVEN PRODUCTIONS, LCC

裏社会に生きる者たちが、それぞれの目的のために動き、戦うアクション作品でした。

物語の冒頭からいきなり始まる銃撃戦と肉弾戦、それが何故起こったのか分からないまま物語が進んでいきますが、その理由は物語の後半に明かされています。

ヴラディックがローナにやるよう命じた5つのタスク、それは敵対する組織や人物の壊滅のためでもありますが、ケインへの借金返済に充てる金の回収も含まれていたのです。

しかし結局、ケインに渡された金は全て偽札でした。一体ローナはいつ金をすり替えたのか、そもそも鞄に入っていた金は偽札だったのか、ローナがデビッドに金を預けたのか、劇中では一切描かれていません。

そもそも、メキシコ銀行の貸金庫に預けられた金は誰の金なのか、デビッドという人物は一体何者なのか、ローナとどういう関係なのかも明かされていません。

肉弾戦やガンアクションだけでなく、ローナが奪った金の流れや持ち主、デビッドがどういった人物かを考察していく、ミステリー要素もあって面白いです。

もう少し状況が分かる場面やエピソード話があればな、と物足りなく感じる部分はありつつも、その感情抜きにしてもローナたちの駆け引き・戦いはドキドキハラハラするスリルを味わえます。

ケインとヴラディックが恋敵であった衝撃的事実も面白いです。愛と欲望渦巻く裏社会ものという感じがして、裏社会ものが好きな人は終始興奮することでしょう。

まとめ


(C)2019 7HEAVEN PRODUCTIONS, LCC

裏社会に生きるローナとヴラディック、ケインの三つ巴の戦いと、幼い息子の救出劇が描かれたハイスパート・アクション作品でした。

ローナ役を演じたナタリー・バーンの、ハンドガンを手に悪党と戦う姿、体格差なんて関係なく屈強な男たちを鮮やかに倒していく姿は本当に格好良いです。

ローナがタスクをこなす裏で、密かに失態を犯したリッチーの居場所を探るケインが、笑って冗談を言いレモンパイを食べる姿と、裏切り者には容赦がない冷酷非道な姿を、ショーン・パトリック・フラナリーは完璧に使い分けて演じています。

さらにヴラディックの、マフィアのボスとしての威厳と貫禄、凄腕の女殺し屋を上手く扱う手腕を、ドルフ・ラングレンも見事に演じきっていました。

まさにこの2人でなければ、バチバチのボス同士の駆け引きと戦いは出来ないのではと思うほど、ショーン・パトリック・フラナリーとドルフ・ラングレンにピッタリな役でした。

銃撃戦の場面は少ないものの、それ以上の興奮とスリルを味わえる肉弾戦が繰り広げられる、裏社会もののハイスパート・アクション映画を観たい人には、とてもオススメな作品です。

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