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Entry 2018/10/08
Update

映画『ゼイリブ』ネタバレ感想。結末までのあらすじからジョン・カーペンターの魅力を探る

  • Writer :
  • 白石丸

製作30周年を迎えたジョン・カーペンター監督のカルトSF映画『ゼイリブ』がデジタルリマスター版で蘇り、2018年9月29日より新宿シネマカリテにてレイトショー上映。

当時から世相を鋭く風刺した映画でしたが、格差社会が拡大し希望を持ちにくい昨今、さらに鋭い批評性を持った作品として再評価されています。

「支配層は人間ではない。そして支配している連中のことを同じ生物とは見なしていない」

そんな恐ろしい現実を突き付けてくる本作。色褪せないメッセージを持った不朽の名作を紹介します。

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映画『ゼイリブ』の作品情報


(C)1988 StudioCanal. All Rights Reserved.

【公開】
1988年(アメリカ映画)

【原題】
A Quiet Place

【脚本・監督】
ジョン・カーペンター

【キャスト】
ロディ・パイパー、メグ・フォスター、キース・デヴィッド、ジョージ・“バック”・フラワー、ピーター・ジェイソン、レイモン・サン・ジャック、ジェイソン・ロバーズⅢ世

【作品概要】

監督は『ハロウィン』『遊星からの物体X』等のホラーの巨匠ジョン・カーペンター。

主演は80年代の人気プロレスラーのロディ・パイパーが務めます。

日本では1989年に劇場初公開され、今回は30周年を記念してHDリマスター版でのリバイバル上映です。

支配階級がエイリアンで秘密裏に世界を乗っ取ろうとしている。

そんな設定が笑えない程に物事の本質を突いています。

その名作が公開から30年経った今、デジタルリマスター版として鮮やかに蘇ります。

ジョン・カーペンター監督の持つ反骨、反権威精神、社会派としての一面が如実に現れた一作です。

映画『ゼイリブ』のあらすじとネタバレ


(C)1988 StudioCanal. All Rights Reserved.

不景気で失業者だらけのアメリカ。肉体労働者のネイダは役所に行くも仕事はないとあしらわれてしまいます。

役所の外の路上では黒人の牧師が失業者たちに熱弁をふるっていました。

「俺たちは騙されている!」

「表にはいないが俺たちを管理している奴らがいる!」

近所の工事現場になんとか雇ってもらうネイダ。

そこで働いていた黒人の男フランクと仲良くなったネイダは、彼や大勢の労働者が住むキャンプ地に連れて行ってもらいます。

フランクには妻子がいましたが非常に苦しい生活をしているらしく、ネイダとフランクは厳しい現状を愚痴り合います。

その夜、ネイダはそこにある唯一のテレビを大勢の労働者と一緒に見ていました。

突如、受信映像が乱れ、正規の放送局ではない映像が流れ始めました。ひとりの男性が現れ妙なことを語り始めます。

「我々は人工的な仮眠状態にされています。信号が発信され、彼らは抑圧的な社会を作り出しています。
彼らの目的は皆の意識をなくすことです。彼らの目的は人々を欲に目をくらませることです。
彼らは自分たちの目的のため我々を眠ったままにしている。我々は“奴隷”にされているのです」

そして画面が再び乱れ普通のTV放送に戻り、人々は何だったのかといぶかしがります。

映像が終わると同じくしてその場を立ち去ろうとする男がいました。

ネイダが不審がり後をつけていくと、その男は近くの教会に入っていきます。

そこは“自由教会”という名前で中から讃美歌が聞こえていました。

ネイダが教会に入ってみると、讃美歌は録音テープから流れており、それを隠れ蓑にして集まった人々が何かを話し合っていました。

ネイダは見つからないようにその様子を見ていましたが、壁に収納スペースがあり段ボール箱がいくつもあることに気がつきます。

教会の壁にはスプレーの殴り書きで「THEY LIVE.WE SLEEP(奴らは生きている。我々は眠っている)」と書かれていました。

その教会が気になったネイダは翌日から仕事終わりに観察を続けていました。

ある夜、教会から荷物が運び出され、次々と人が出ていき、路上で演説していた牧師も逃げ出そうとしていました。

上空には警察のヘリが飛び交い、武装した警官隊がキャンプ地を襲撃してきます。

暮らしていた労働者たちは逃げまどい、その場を立ち退く羽目になりました。

ネイダも何とか逃げ延び、翌日教会に再び行ってみますが、収納スペースの段ボールはそのままに、既にもぬけの殻になっていました。

ネイダは街の路地裏に行き、そこで段ボールを開けると中にはサングラスがぎっしりと入っていました。

ネイダはサングラスを一つだけ手に取り、残りは段ボールごと近くのゴミ箱に捨て、街を歩きながらふとそのサングラスをかけてみます。

すると世界がモノクロになったように見えました。

近くのビルにある看板を見てみると、そこには白地に太い黒文字で「従え」と書かれていました。

サングラスを取るとただのパソコンの広告看板です。

驚いて隣のビルにある旅行会社の「カリブ海へようこそ」の看板をサングラスで見ると「結婚して子供を作れ」と書いてあります。

ネイダはサングラスをかけたまま恐る恐るあたりを見回します。

街中に溢れた広告看板や標識やポスター。

そこには「買え」「眠っていろ」「何も考えるな」「消費しろ」「お上に逆らうな」などの言葉が書かれていました。

近くの書店の本をめくっても各ページに同じようなことが書いてあり、店の中に飾ってある絵までメッセージが書かれています。

そして、その書店にやってきた身なりのいい男の顔を見てネイダは驚愕します。

その男の顔はむき出しの骸骨のようで、飛び出た目玉がらんらんと光っており、明らかに地球人ではありませんでした。

店の店主はその男と普通にやり取りをしています。

男が財布から出したお札には「これはお前の神だ」と書かれていました。

ネイダが道行く人や、店の中にいる人間を見ると、普通の人間に混じってその異星人のような人間が一定数いました。

異星人たちは皆金持ち風の格好をしており、高級な店で食事や買い物をしています。

ネイダは近くの高級スーパーに入っていきます。そこにも異星人が多数おり、店内にあるテレビに映った演説をしている政治家も異星人でした。

ネイダは「そんなことだろうと思ってたぜ」と笑います。


(C)1988 StudioCanal. All Rights Reserved.

ネイダはそのうちの金持ち婦人の格好をした1人に「あんたの顔は溶けたチーズをかけられたようだ」と語りかけます。

婦人異星人は驚いたような顔をしますが、着けていた腕時計に向かって「気づいた人間がいるわ」と言います。

ほかの異星人も一斉に腕時計に向かってネイダの特徴を喋っています。

ネイダは怖くなり店の外に出ますが、そこに警官の2人組がやってきます。

その2人も異星人でした。

ネイダは逮捕されそうになりますが、格闘の末に警官の銃を奪い2人とも射殺します。

ネイダはパトカーの中にあったショットガンをとって、近くの銀行に入っていき、沢山の異星人に向かって発砲を繰り返します。

1人の異星人が撃たれそうになった瞬間、腕時計を操作してその場から一瞬で姿を消してしまいました。

ネイダは路地裏に逃げ込みます。

上空から明らかに地球のものではない偵察装置のような機械が飛んできます。

ネイダはそれを銃で打ち落とすと近くのビルの駐車場に入ります。

彼はたまたま車を出そうとしていたホリーという名の女性を銃で脅し、そのまま発進させます。

なんとか警官にも見つからずその場を脱出したネイダは車を彼女の家に向かわせます。

サングラスを長時間かけると疲労が生じるようで、ネイダはホリーの自宅でサングラスをはずして一息つきます。

ネイダは世界が大変なんだとホリーにサングラスをかけさせようとしますが、彼女はやんわり拒否します。

ホリーに職業を聞くとTV局員と答えます。

ネイダは電波ジャックした男の話を思い出し、「そうだ連中はTVから変な電波を出しているんだ!」と立ち上がって窓際にあるTVをつけようとします。

しかしホリーはネイダが背を見せた瞬間に空き瓶で彼の後頭部を殴り、窓を突き破って転落させます。

家の外の坂を転げ落ちるネイダ。

ホリーはどこかに電話をして「私は無事ですが逃げられました」と伝えます。

ネイダはふらふらになりながらも歩いて移動し、た路地裏に戻って別のサングラスをいくつか回収し、フランクのいる工事現場にやってきました。

フランクはネイダに気がつくと他の作業員にばれないように路地裏に連れて行きます。

ネイダが人を大勢殺して大騒ぎになっていることを教えた後、彼は見逃してやるから失せろと言います。

しかしネイダはフランクに真実が見えるからサングラスをかけろと強要します。

フランクは近寄ってきたネイダにパンチを食らわせました。

ネイダも殴り返し、2人は5分以上に渡って取っ組み合います。

最終的にネイダはフランクをねじ伏せ、無理やりサングラスをかけさせて街の様子を見せます。

サングラスを通して広告や街にいる異星人たちを見て、フランクもすべてを察しました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ゼイリブ』ネタバレ・結末の記載がございます。『
ゼイリブ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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ネイダとフランクが近くのホテルに身を隠していると、教会にいた人間がやってきて2人を集会に誘います。

その夜、街のはずれのビルの一角に行くと集会の中にはホリーも来ていました。彼女も真実に目覚めたと言います。

その集会で目に付ける薬のようなものが配られます。

それをつけるとサングラスなしでも異星人を見分けられるようになるというのです。

ネイダたちもその薬をつけました。

集まった人々は「いつ攻め込むのか」「まだ武器が足りない」など議論を交わしていました。

しかしそこに突然警官隊が攻め込んできて一斉に発砲して反乱者たちを次々と殺していきます。

ネイダたちはなんとか脱出しますがホリーはどこかに消えていました。

ネイダとフランクはビルの間を通り逃げ出そうとしますが警官隊がやってきます。

警官たちの中にも何人か異星人がいました。

異星人は射殺し、普通の警官はなるべく殺さずになんとか突破する2人。

路地裏に追い詰められた2人ですがそこに異星人が落としたらしい腕時計があり、そこにに搭載された瞬間移動機能によってどこかの空間に通じる穴が生じています。

警官が迫り来る中、2人はその穴に逃げ込みます。

そこはどこかの地下通路でした。

警備員が大勢おり、彼らは無線で「反乱分子は全滅した」という報告を聞いて大喜びしていました。

2人は見つからないようにこっそりと移動をします。

進むとパーティ会場のような場所があり、そこではより身分の高い異星人が演説をしていました。

「皆さんの協力のおかげで2025年にはアメリカを始め地球全体の制圧が完了しそうです。みなさんの収入も増え、非常に喜ばしいことです」

パーティの列席者を見ると異星人もたくさんいますが、一定数普通の人間も混じっていました。

とある男が2人に話しかけてきます。

よく見るとネイダたちと同じキャンプ地にいた浮浪者でした。

彼はすっかり身奇麗な格好になっており嬉しそうに「お前らも仲間になったのか!」と言ってきます。

地球人の中にも異星人の存在を知った上で私利私欲のために協力している人間たちがいました。

2人は元浮浪者にビル内を案内してもらいます。

建物内には異星人が遠くの星へ行くための宇宙船発射台のようなものがあることを目に留めます。

その後3人はニュースが放送されているスタジオに行きます。

その建物はTV局で、ネイダが「電波塔はどこにあるんだ」と聞くと元浮浪者は「屋上じゃないか」と答えました。

ガラス越しにオンエアの様子を見ていましたが、ネイダは元浮浪者にスタジオの中まで入れてくれと言います。

その場にいた異星人の警備員が許可証を見せろと言ってきたので、ネイダたちは銃を抜き彼らを射殺します。

元浮浪者はその隙を突いて腕時計で瞬間移動してしまいます。

警備員たちが駆けつけてきますが、2人は次々と射殺していき、電波塔を探しに屋上に向かう中でホリーも合流してきました。

屋上まで続く階段を見つけてネイダは一気に駆け上がっていき、フランクもそれに続こうとしますが突然後ろからホリーに射殺されてしまいます。

ネイダは屋上で電波を発信している装置を発見しますが、異星人側に寝返っていたホリーに銃を突きつけられます。

おまけに狙撃手を乗せたヘリが飛んできますが、ネイダは隙を突いてホリーを射殺し電波装置を破壊しました。

ネイダもヘリから射撃されて虫の息になりますが、崩れ落ちる電波装置を見ながら彼は中指を立てて笑います。

いままで地球人を騙していた電波が途絶え、異星人たちの正体が明るみになってしまいます。

TVのキャスター、トーク番組でジョン・カーペンターの映画を叩いている評論家、MVに出ている人気俳優、みんな異星人でした。

とあるラブホテルで行為中にTVを見ていた女はその様子を見て唖然とします。

女の動きが止まったので「おい、どうした」という男。

女が顔を向けると彼も異星人でした。

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映画『ゼイリブ』の感想と評価


(C)1988 StudioCanal. All Rights Reserved.

支配層と被支配層への皮肉

世にあふれた媒体や広告に「買え」「従え」などというメッセージがこめられ、政治家や金持ち、権力側の人間は弱者を同じ人間と思っていない

これを「根も葉もない話だ」と笑える人はいないのではないでしょうか。

1988年にこ本作が作られた時、カーペンター監督は当時大統領だったロナルド・レーガンの政策を批判する意図がありました。

レーガンは強いアメリカを取り戻そうと税金を増やし、軍事を増強し、「レーガノミクス」という経済政策を打ち出していきました。

しかしレーガノミクスは貧富の差を拡大させる結果となってしまいます。

そして一部の若者がうまく立ち回り金回りが良くなっていき、彼らは金さえ手に入れば何でもいいと考えていました。

対するカーペンターは1948年生まれでベトナム戦争に反対し、人種平等、男女格差撤廃を訴え理想を追求してきた世代です。

彼は同時代に生まれた反逆する若者(いわゆるヒッピーと呼ばれる人たち)と同じ反骨・反権威精神を持って映画を作ってきました。

カーペンターはレーガン政権を牛耳る人間たち、その甘い汁を吸う連中(ヒッピーと比較しての揶揄で「ヤッピー」と呼ばれていました)を地球を侵略しようとしている異星人として描き出しました。

自分さえよければいいと他人のことを歯牙にもかけない冷酷な人間が増えていくのをカーペンターは危険視していました。

本作がさらに恐ろしいのは自分の私利私欲のために異星人側に寝返っている人間が多数出てくることです。

おまけにネイダたちと同じホームレスでくすぶっていた男まで異星人側についてしまいます。

自分が弱い立場のときは不公平な社会に文句を言っていたのに、支配側に回れば全力でそれを謳歌してしまう人間がいる。

それも現実とほとんど変わりありません。

そしてそんな連中が広告や表現物に込めて贈るメッセージが「従え」「眠っていろ」「逆らうな」等の言葉というのも怖いです。

支配層は熱烈に支持されたがっているわけではなく、ただ大衆が半分諦めて無関心でいてくれればそれが一番都合いいのです。

選挙の投票率が低いほうが政治家としては得というのと一緒です。

そして権力者たちを揶揄しているだけでなく、彼らから搾取されている現状に気づいていない大衆たちにも痛烈な風刺を浴びせているのも本作の特徴です。

大体の場合「あなた方は洗脳されている!」というと、「あなたは特殊なもので洗脳されているから外してあげよう」という発想になると思うのですが、本作では「あなたの洗脳を解くには特殊なサングラスぐらいの物がないとダメだ」と言っているのです。これは中々の皮肉です。

もうみんな手遅れなくらい洗脳されていると言われています。

人の固定観念を変えるのはそれくらい難しいのです。

その難しさを象徴しているのが、フランクがネイダにサングラスをかけろと言われて拒否し延々6分くらい殴り合うシーン。

これは映画史の中でも異様なシーンとして伝説化されていますが、これは「人の固定観念を変えるというのは6分以上殴り合うくらい大変だし、それくらいの痛みを伴うものだ」ということを表したシーンです。

哲学者のスラヴォイ・ジジェックも、“あのシーンは人のイデオロギーを外圧で変えることの難しさを可視化したものだ”と解説しています。

そんなフランクもついに目覚め、ネイダやほかの反逆者たちと戦うことになります。

終盤はネイダと2人だけで(2人とも命を落とすとは言え)反逆が成功してしまい、正直「え?こんな簡単にうまくいくの?」と思う方も多いでしょうがこれもカーペンターの皮肉であり、「映画だからこんな簡単にひっくり返してやったけど現実は違うぞ」「いざ本気になればこれくらい出来るのに、お前らはやらないよな」というメッセージかもしれません。

この反体制の精神に溢れた映画が公開から数十年経って意外な解釈をされるようにもなってきています。

時代を経て現れたもうひとつのメッセージ

『ゼイリブ』はヤッピーと暴走する資本主義に関する作品だ。世界を征服するユダヤ人に関するものではまったくないし、それは中傷であり嘘だ。

これは2017年にカーペンター監督が『ゼイリブ』の解釈を巡ってTwitterに書いた主張です。

経緯は、未だに反ユダヤ主義を唱え人種平等や民主主義に反対するいわゆる「ネオナチ」と呼ばれる人々が、「映画『ゼイリブ』に出てくる異星人は世界を牛耳っているユダヤ人の横暴を表したものだ」という解釈をSNSなどで発信するようになってきたのです。

本作のカルト的影響力を表した話ではありますが、カーペンターはナチス的発想とは一番相容れない人物なので上記のようなツイートをわざわざすることになりました。

本作を見るに付け「俺たちを騙していい思いをしている連中がいる。真実に気づいているのは俺たちだけで、周りの連中は眠ったままだ」というメッセージはどこの国のどんな人でも想う可能性があると考えさせられます。

人生が上手くいっていない時は他人を僻みやすくなりますし、ネットには様々な陰謀論が転がっている時代です。

映画『ゼイリブ』でも支配層が異星人だらけだと気づいたネイダが「そんなことだろうと思ってたぜ」と笑うシーンがありますが、ネイダも「自分は正しいのに世の中は悪いやつらが支配している」という考えを持っていたことを表す場面です。

ネイダの場合はそれが本当の話だったため作中では正義に見える存在となっていますが、しかし目的を達成するまでは周りの人間には彼の行動は妄想にとりつかれた狂人のそれにしか見えないはずです。

アメリカには未だに聖書の教えを全部信じて、進化論や地動説を頑なに受け入れないキリスト教原理主義の人たちが一定数いますが、彼らの目から見れば現代科学を信じて生活している我々が騙されていて、近代合理主義で政治や経済を動かしている連中は異星人に見えるでしょう。

90年代にテロを起こしたオウム真理教の人たちも似たような発想があったのではないでしょうか。

人間は自分の考えが一番正しいと思ってしまうものなのです。

本作には強権的なメッセージを込めた媒体が出てきますが、異様なのは「サングラスを通して見ると、どんな広告、出版物、絵画、看板だろうと全てに恐ろしいメッセージが入っている」という点です。

おそらく政府をヨイショする本でも非難する本でも同じように「従え」と書かれているでしょうし、商品の広告だけでなくマナー啓発の広告などにも「逆らうな」と書かれています。

カーペンター監督が意図的にそうしたかは不明ですが、このような描き方のおかげで、どんな主義主張の人が見ても「自分は騙されているかもしれない」と思ってしまう危険な影響力のある作品となっています。

まとめ


(C)1988 StudioCanal. All Rights Reserved.

監督にとっては反レーガンの主張を込めた映画でしたが、今やそれを越えて様々な人々に響くカルト作となっている映画『ゼイリブ』。

もちろんメッセージ性だけでなく94分にまとまったソリッドな演出と編集、主役のロディ・パイパーの野性味あふれる魅力、カーペンター監督自ら作曲した独特なテーマ曲、あふれるブラックなユーモアと魅力満載の映画です。

洗脳されてしまうくらいの危険な魅力を持った本作を、ぜひ劇場で堪能してください。

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