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Entry 2019/06/15
Update

メン・イン・ブラック インターナショナル|あらすじネタバレと感想。新コンビの大活躍が気軽に観られるポップコーンムービー

  • Writer :
  • 松平光冬

今度のMIBの敵はMIB!?
新コンビが、地球の平和を脅かす敵と闘う!

ブラックスーツにサングラス姿の秘密エージェント「MIB」が、超パワーアップして復活!

2019年6月14日より日米同時公開の、人気SFアクションシリーズ第4弾『メン・イン・ブラック インターナショナル』の完全あらすじ及び感想です。

映画『メン・イン・ブラック インターナショナル』の作品情報

【日本公開】
2019年(アメリカ映画)

【原題】
Men in Black International

【監督】
F・ゲイリー・グレイ

【キャスト】
クリス・ヘムズワース、テッサ・トンプソン、リーアム・ニーソン、エマ・トンプソン、レベッカ・ファーガソン、レイフ・スポール、ポール・スミス

【作品概要】
地球で暮らすエイリアンを監視する秘密組織「MIB」のエージェントたちの活躍を描いた、人気SFアクション「メン・イン・ブラック」シリーズの4作目。

主演は、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)でも共演したクリス・ヘムズワースとテッサ・トンプソン。

ヘムズワースがイケメンでチャラ男風な先輩エージェントHを、トンプソンが新人エージェントMをそれぞれ演じ、凸凹コンビがMIB内部に潜むスパイを摘発するミッションに挑みます。

その他の共演に、「96時間」シリーズ(2009~2015)や『スノー・ロワイヤル』(2019)のリーアム・ニーソンに、『ミッション:インポッシブル フォールアウト』(2018)のレベッカ・ファーガソンなど。

監督は、前3作のバリー・ソネンフェルドから、『ストレイト・アウタ・コンプトン』(2015)や『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017)のF・ゲイリー・グレイにバトンタッチしました。

映画『メン・イン・ブラック インターナショナル』のあらすじとネタバレ

地球で暮らすエイリアンを監視する秘密組織「MIB」エージェントのHは、大ベテランのハイTと一緒に、パリのエッフェル塔に向かいます。

塔には、ハイヴと呼ばれる凶悪なエイリアンが潜んでいたのです。

対決中に、タコの様な足を持つハイヴの攻撃を受けて塔から落下してしまったHでしたが、エレベーターに掴まり阻止し、再び登ってハイTと攻撃を仕掛けます――。

時は遡り、今から20年前のニューヨーク、夜のブルックリン。

少女のモリーは、部屋内に幼いエイリアンを見つけます。

宇宙に関心があったモリーは怖がることなくエイリアンを受け入れますが、その時家にMIBのエージェントが訪れます。

エージェントたちは、成長するにつれ凶暴化するタランシアン星人を追っており、モリーの家にその反応があったために調査しに来たのでした。

エージェントが両親の記憶をニューラライザーで消去する光景を見てしまったモリーは、まだ愛らしい表情をしたそのタランシアン星人に自分の名前を告げ、逃がすことに。

そして20年後の現在、成長したモリーはFBIやCIAの採用試験に受かりながらも、幼い頃に見たMIBを追っていました。

そんなある日、独自に開発した衛星システムでUFO飛来をキャッチしたモリーは、追跡の末についにMIB本部を突き止めることに成功。

本部内に侵入するも捕まったモリーは、本部ボスのエージェントOにMIB入りを直訴します。

その熱意に根負けしたOは、モリーに見習エージェントとして「M」の名を与え、すぐさまロンドン支部に派遣することに。

Oはロンドン支部に不穏な動きを感じており、Mに調査するよう命じるのでした。

ロンドンに着いたMは早速、支局長となったハイTから、地球に訪れている惑星の王子ヴァンガス・ザ・アグリーの警護に、Hと共に当たるよう命じられます。

2年前にハイヴを「知恵と1丁の銃」で倒したとして英雄視されていたH。

しかし今は仕事意欲を無くしており、同僚のエージェントCからは疎まれていました。

ヴァンガスが豪遊するナイトクラブに向かったHとMでしたが、ヴァンガスは長年の友人であるHと会うや否や、重要な話があると告げます。

しかしHは聞く耳も持たずに、酒を飲んで戯れる始末。

そこでMが、何やら挙動不審な双子を見かけたと同時に、ヴァンガスが気分を悪くして倒れ込みます。

HとMはヴァンガスを護衛の車に乗せますが、車が突如大破。

車を吹き飛ばした、先ほどの双子の襲撃に応戦する2人でしたが、MIBの武器が全く効かず苦戦します。

ヴァンガスの救出に向かったMは、Hが以前とは別人になっていると告げられ、さらに不思議な形をした宝石を託されます。

応戦に来たMIBの総攻撃を受けた双子は逃走しますが、ヴァンガスは息絶えるのでした。

ヴァンガスを護れなかった責任として、2人をMIBから除名すべきだと言うC。

しかしMは、ヴァンガスから託された宝石のことは伏せつつ、ヴァンガスの居場所を知るのはMIB内の限られた者しかいないのに、それがバレたのは内部にスパイがいるからだと、その場しのぎのハッタリをかまし、ハイTの配慮で処分を免れます。

2人は、双子のエイリアン・ツインズが自由に姿を変えられる能力を持ち、ハイヴの復活を目論んでいると推測。

さらにヴァンガスの死因は双子が放った毒矢だったことから、独断で毒の入手先とみられるモロッコのマラケシュに向かうのでした。

マラケシュに着いたHは、現地に住むバサムと、彼のヒゲの擬態をするナサールのエイリアンコンビに接触。

彼らから、チェスの駒に擬態する文明を持つ身長5㎝ほどのエイリアン・ポーン族が持つ毒を、ツインズが奪っていたことを突き止めます。

ポーンの住処に行ったHとMですが、時すでに遅く、主人であるクイーンもろともツインズに殺されていました。

Mは、唯一命を取り留めた傭兵ポーンに“ポーニィ”と名付け、行動を共にすることにしますが、その頃MIBでは、Mがヴァンガスから謎の宝石を受け取っていたと知り、C主導のもと彼らの捕獲に動き出します。

宝石を求めるツインズとMIBの両方から追われたHとMは、バサムから借りた猛スピードの出るバイクで逃走しますが、勢い余ってモロッコの砂漠に不時着。

その砂漠で、Mは宝石が凄まじい破壊力を持つ武器と知りますが、その宝石を、潜んでいたナサールに奪われてしまいます。

Hは、ナサールがイタリアのナポリにいる武器商人リザに奪った宝石を売るつもりだと推測。

リザの住む屋敷に向かった2人は、Hが元恋人だったリザと接触し注意を引いている間に、Mが忍び込んで宝石を奪おうとしますが、目論見がバレて絶体絶命のピンチに。

ところが、リザのボディガードを務めていたエイリアンのルカが、かつてMが幼少時に逃したタランシアン星人と判明。

Mに恩義があったルカにより宝石奪回に成功した2人でしたが、目の前にツインズが現れます。

再びピンチとなるも、そこへ待ち伏せしていたハイTの指揮によるMIB部隊により、ツインズは撃退されます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『メン・イン・ブラック インターナショナル』ネタバレ・結末の記載がございます。本作をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

事件は解決し、宝石は厳重に保管されることになりましたが、HとM、そしてCは、事態があまりにもスムーズに終息したことに疑問を感じます。

HとMが宝石の確認をしますが、すでに宝石は無くなっていました。

ハイTがスパイと確信したHは、何かあれば全責任は自分が取るからとCに告げ、Mやポーニィとともにエッフェル塔に向かいます。

ハイTは、2年前のハイヴとの対決時に、ハイヴに憑りつかれていました。

そしてHに、「知恵と1丁の銃でハイヴを倒した」というニセの記憶を植え付け、ツインズにヴァンガスを襲わせるよう仕向けていたのです。

HとMは、正体を現したハイヴが宝石を持って亜空間に逃げるのを阻止するも、その圧倒的パワーに歯が立ちません。

ついにはMが亜空間に飛ばされてしまいますが、ポーニィの機転により救われます。

ハイヴの中にまだハイTの心が残っているとして、必死に訴えかけるH。

それが功を奏し、一瞬自我を取り戻して宝石をHに託そうとするハイT。

そこへ、亜空間から脱出したMが宝石を奪って武器に変え、ハイヴにとどめを刺すのでした。

改めて事件を解決した功績が認められ、Hはロンドン支部長見習いとなり、Mは正規エージェントとして、ニューヨーク本部への配属が決まります。

Oは、MがHと離れることを寂しがる素振りを察し、彼女に「MIBになるには犠牲を払わなければならないことがある」と諭すのでした。

翌日、Hが車に乗ろうとすると、運転席にはMの姿が。

彼女は、Hのお目付け役としてポーニィを託すと告げ、彼を車で送り届けるのでした――

映画『メン・イン・ブラック インターナショナル』の感想と評価

斬新な設定や世界観を構築したパート1を経て、パート2では友情や恋愛事情にクローズアップ。

そしてパート3ではタイムトラベルを入れるなど、続編が作られるごとに観る者を飽きさせない要素を加えるのは、シリーズ物の宿命と言えます。

そういう点でパート4となる本作は、キャスト陣の交代に加えて、「MIB内の裏切り者を探す」というあらすじが“売り”となっています。

しかし、ネタバレにあるように、その裏切り者となる人物に意外性がなく、決着のつけ方もあっさりと終ってしまった感があります。

エイリアンに使用する武器類のガジェットも、過去作に比べると目新しさに欠けたのも気になるところ。

日本と同時公開だった本国アメリカの評判もあまり芳しくないようで、物足りないと思った人が多いようです。

ただ逆に言えば、話運びがシンプルな分、気軽に観られるポップコーン・ムービーであることは確かです。

まとめ

本作『メン・イン・ブラック インターナショナル』は、前3作のトミー・リー・ジョーンズ&ウィル・スミスのコンビに続けとばかりに、クリス・ヘムズワース&テッサ・トンプソンのコンビでのシリーズ化を念頭に置いていたのは間違いないでしょう。

そのせいか、新コンビのお披露目的な意味合いが出すぎて、肝心のあらすじがボヤけた感は否めません。

今後続編があるかは微妙なところですが、せっかく新たに走り出したのですから、評価の高い第3作『メン・イン・ブラック3』(2012)のような有終の美を飾れるところまで、ヘムズワース&トンプソンコンビを膨らませていってほしいもの

『メン・イン・ブラック インターナショナル』は、2019年6月14日より公開中。

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