6500万年前の地球。
いますぐ地球から脱出せよ!
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)からスター・ウォーズ3部作にて、カイロ・レン役で一躍スターとなった、アダム・ドライバー主演のSFサバイバルスリラー『65/シックスティ・ファイブ』。
今から6500万年前。惑星ソマリスの住人ミルズは、惑星探索の途中で隕石と衝突。宇宙船は未知の惑星へ墜落し、航行不能になってしまいます。
生き残ったミルズは、探索の途中でもうひとりの生存者コアという少女を発見。共に家族のもとへ帰るため、惑星からの脱出を試みます。
しかし、その惑星は、凶暴な生物である恐竜が住み着いている地球だったのです。さらに、地球には小惑星の衝突が迫っていました。
2人は果たして、この地球から脱出することができるのか。息もつかせぬ展開にハラハラドキドキが止まらない『65/シックスティ・ファイブ』を紹介します。
映画『65/シックスティ・ファイブ』の作品情報
【日本公開】
2023年公開(アメリカ映画)
【監督】
スコット・ベック、ブライアン・ウッズ
【キャスト】
アダム・ドライバー、アリアナ・グリーンブラット、クロエ・コールマン
【作品概要】
6500万年前、巨大隕石が衝突する寸前の地球に不時着した男と少女の運命を描いたSFサバイバルスリラー。
監督は、大ヒットサバイバル・ホラー『クワイエット・プレイス』(1997)の脚本・原案を手掛けたスコット・ペック&ブライアン・ウッズの監督コンビ。
製作は、ショッキング・スリラー「ドント・ブリーズ」(2016)シリーズの製作、ホラー映画の名作『死霊のはらわた』(1981)では監督を務めたサム・ライミが担当しています。
極限の恐怖とサスペンス、サバイバル要素を得意とする製作チームが集結し、6500万年前の地球を蘇らせます。娘の治療費のため危険な惑星探索に出る主人公ミルズを演じるのは、アダム・ドライバー。
その他、『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』(2018)のアリアナ・グリーンブラット、『ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り』(2023)のクロエ・コールマンと、10代の若手女優たちが大活躍です。
映画『65/シックスティ・ファイブ』のあらすじとネタバレ
宇宙の彼方、文明の発達が進む惑星ソマリス。惑星探索船の操縦士ミルズは、愛する妻と病気を患う娘・ネヴィンと暮らしていました。
ある日ソマリスでは、2年間の惑星探索が行われることに。ミルズは、娘の治療費を稼ぐため、宇宙船で長い航海に出る決意をします。
広大な宇宙での惑星探索も、間もなく終わりを迎えようとしていました。乗組員は凍結装置で眠っているうちにホームに戻れるはずでした。
ガタガタガタ。無数の隕石が探索船に襲い掛かります。衝撃で目を覚ましたミルズは、自動運転に切り替えますが、船の損傷は激しく、コントロールが効きません。
探索船は真っ二つに割れ、見知らぬ惑星に不時着。人体保存BOXはすべて破損。乗組員はミルズを残し全員死んでしまいました。
緑の森が広がる大地。意を決しマスクを外してみると、息をすることが出来ます。大地に残された巨大な足跡、生物の気配を感じるも姿を見つけることはできませんでした。
真っ二つに割れた船の片方に、脱出ポットがあります。ミルズは、発信機で場所を特定し歩いて向かうことにします。
その時です。人体保存BOXにひとつの明かりが着いているのを発見。もうひとりの生存者はコアという名の少女でした。
コアと合流できたミルズでしたが、言語が異なり上手く会話ができません。おまけに、墜落時に受けたケガが悪化し体力が奪われていきます。
身振り手振りでコミュニケーションを図っていく2人。コアは、見るものすべてが珍しく好奇心旺盛です。
手を焼くミルズでしたが、彼女の姿に娘のネヴィンを重ねます。コアは、もうひとつの割れた船に両親が待っていると信じていました。
脱出ポットは山の上です。道の途中、ぬかるんだ沼に子供の大きさほどのトカゲの形をした生物がハマってもがいています。コアが駆け寄り引っ張りあげようとするのを、一度謎の生物に襲われたミルズは止めようとします。
無事救出し、ほっとしたのも束の間、別の生物がどこからともなく、わらわらと現れました。コアが助け出した生物に襲い掛かり、噛み殺してしまいます。
凶暴な生物が生息する惑星。そうここは、恐竜が生息する地球でした。強い者こそ生き残る、まさに弱肉強食の世界です。
恐怖に震えるコア。ミルズは、宇宙の武器で対戦します。素早い動きで2人に襲い掛かってくる恐竜たち。逃げる途中ではぐれたコアは、海岸で鳥の姿をした恐竜に遭遇します。
命からがら逃げきったミルズとコア。雨をしのぐため洞窟の入り口にテントをはります。ミルズは元気をなくしたコアに、娘のネヴィンの映像を見せ、家族のもとに帰ろうと励まします。
セットしていた警報機が鳴り出します。雨の中から洞窟の入り口に顔をだしたのは、これまでのものとは比べ物にならないほど巨大な恐竜でした。「ギャオーッ」。
映画『65/シックスティ・ファイブ』の感想と評価
今から6500万年前。現在のメキシコ・ユカタン半島付近に、直径10Kmの巨大隕石が秒速20Kmの速さで衝突。地球上の生物の80%が死滅しました。その後、地球は氷河期に。わずかに生き残った恐竜も絶滅したと言われています。
映画『65/シックスティ・ファイブ』は、この巨大隕石が衝突する寸前の地球が舞台となっています。
史実をもとに、もしその時、地球上に他の惑星の住人がたまたま居合わせていたら!?という設定が面白い。
この頃の宇宙には、のちの人間とそっくりの宇宙人が住む惑星ソマリスが存在していました。探索船や強力な武器もある発達した文明のようです。
しかし、治せない病気もあるようで、主人公ミルズの娘ネヴィンは重い病気にかかっていました。娘の治療費を稼ぐため、父ミルズは長期の惑星探索船に乗り込むことになります。
惑星ソマリスの様子が分かるシーンは少ないので、ミルズの生い立ちや性格などは語られないまま宇宙へと。唐突感は否めませんが、淡々と進むテンポの良さで恐怖が増していきます。
惑星探索の途中で、宇宙船に隕石が衝突。墜落した場所は、恐竜が住む惑星、地球でした。生い茂る木々、鬱蒼とした森の中で発見する巨大な足跡。生き残ったのはミルズと少女・コアだけです。
墜落時に怪我を負ったミルズのハァハァと苦しそうな息遣いと、言語の違いで会話にならないコアとのやり取りにもどかしさが募ります。
初めは、アロサウルスのような小柄な恐竜が集団で襲いかかってきます。そして畳みかけるようにプテラノドンやスピノサウルス、ティラノサウルスと凶暴な恐竜のオンパレード。
途中、沼にはまった子恐竜を助けるシーンでは、「ジュラシックパーク」シリーズなどで見られる恐竜と人間が心を通わすエピソードを期待してしまうも、容赦情けない弱肉強食の世界に撃沈させられます。
そんな恐竜と戦う武器のかっこよさにも注目です。極力なレーダーを放つ銃や、小型爆弾。6500万年前の話だと忘れてしまうほど近未来的です。
主人公ミルズは、正義感が強いリーダータイプかと思いきや、コアとのコミュニケーションに困ったり、沼にはまったりと不器用な一面もあります。
そんなミルズと見事なバディぶりをみせるのが、もうひとりの生き残りコアです。ミルズはコアに自分の娘の姿を重ね守ろうとしますが、コアの存在こそがミルズの助けになっていきます。
娘のネヴィンに教えた指笛を、コアにも吹いてみせるミルズ。ネヴィンはなかなか出来ませんでしたが、コアはすんなりと鳴らしてみせます。なんなら、ミルズよりも上手く。
沼にはまるミルズを助けたり、巨大恐竜に臆することなく立ち向かったり、大人より頼りになるコア。コアのタフさに救われます。
容赦ない恐竜の襲撃からひたすら逃げ、地球からの脱出を試みる。これまでの恐竜SF作品とは一味違う、ゲームをみているような感覚を味わえます。
まとめ
たどり着いたのは6500万年前の地球。待っていたのは、未知の生物・恐竜と巨大隕石の衝突。地球からの脱出SFサバイバルスリラー『65/シックスティ・ファイブ』を紹介しました。
次から次へと襲い掛かる肉食恐竜の大迫力。ハラハラドキドキ、息つく暇もないノンストップな93分間。
あっという間に駆け抜け、見終わった後は、運動した後のような心地よい疲労感が味わえます。