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Entry 2020/06/11
Update

映画『この世の果て、数多の終焉』あらすじ/キャスト/公開日/上映館。実話を基にインドシナ戦争と日本人の歴史を暴く

  • Writer :
  • 石井夏子

第二次世界大戦末期、フランス領インドシナ。
知られざる、植民地支配の闇――。

第二次世界大戦末期、フランス領インドシナの凄惨な戦場の実態と、傷ついたひとりの兵士の魂に迫ったフランスの戦争ドラマ『LES CONFINS DU MONDE』(英題:TO THE ENDS OF THE WORLD)。

邦題『この世の果て、数多の終焉』として2020年8月15日(金)より、シアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開されます。

監督はフランス人のギョーム・ニクルー、主演はギャスパー・ウリエル。

あわせて本作の場面写真とポスタービジュアルも解禁されました。

戦争映画が描いてこなかったインドネシアの歴史

戦争映画というジャンルにおいて、ベトナムを題材にした名作、傑作は数知れません。

マイケル・チミノの『ディア・ハンター』、フランシス・フォード・コッポラの『地獄の黙示録』、オリバー・ストーンの『プラトーン』、スタンリー・キューブリックの『フルメタル・ジャケット』。

鬱蒼とした熱帯のジャングルにおける混沌とした戦いと、その死と背中合わせの極限体験が引き起こす人間の狂気を映像化したこれらの戦争映画は、今なお色褪せない強烈なインパクトを放っています。

しかしベトナムの歴史をさかのぼると、対米ベトナム戦争の前段としてインドシナ戦争があり、それ以前にはフランス統治下の長い植民地時代がありました。

フランス領インドシナとは、19世紀後半から1954年までフランスの支配下に置かれたインドシナ半島東部(現在のベトナム、ラオス・カンボジア)のことですが、この時代の複雑な歴史を扱った映画は決して多くありませんでした。

映画『この世の果て、数多の終焉』について

参考動画:ギョーム・ニクルー監督作『愛と死の谷』(2015)

フランス映画祭2016で上映された『愛と死の谷』で絶賛を博した鬼才、ギョーム・ニクルーが新たに撮り上げた本作『この世の果て、数多の終焉』は、宗主国フランスの視点で第二次世界大戦末期におけるインドシナの凄惨な真実に迫った一作。

ベトナムでの現地ロケを敢行したことからもニクルー監督の並々ならぬ野心がうかがえますが、本作が描く当時のフランス領インドシナには日本軍が進駐しており、ベトナム人民はフランス軍と日本軍に二重支配されていたんです。

多くの日本人にとって知られざる、衝撃的な歴史の闇をえぐり出した戦争ドラマとなっています。

ひとりの若きフランス人兵士の壮絶なる肉体と魂の彷徨を通して本作があぶり出すのは、まさしくこの世の地獄というべき戦場の生々しい現実。

ニクルー監督は殺戮という無慈悲な行為が日常化し、兵士がいともやすやすとただの肉塊に変わり果てていく戦争のあまりにも不条理なリアルを、いわゆる痛快な見せ場や扇情的なバイオレンスを一切排除した禁欲的な演出スタイルで映し出します。

透徹したリアリズムにほのかな幻想性が入り混じったその映像世界は、人間が人間でいられなくなる〈最も“死”に近い場所〉へと観る者を誘っていくでしょう。

説明描写をあえて最小限にとどめ、想像と解釈の余地を広げた独特のストーリーテリングの手法も実に刺激的です。

映画『この世の果て、数多の終焉』のキャスト紹介

参考:ギャスパー・ウリエルのインスタグラム

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主人公ロベールを演じるのは、『ロング・エンゲージメント』『ハンニバル・ライジング』『サンローラン』で世界中を魅了したギャスパー・ウリエル。

持ち前の端正な美貌に加え、グザヴィエ・ドラン監督と組んだ『たかが世界の終わり』ではセザール賞に輝く繊細な名演技を披露したフランスのトップスターが、ベトナム人娼婦との激しいセックス・シーンも熱演。

理性と狂気、愛と死の狭間でもがく兵士の痛切な運命を渾身の演技で体現しました。

また名優ジェラール・ドパルデューが、ロベールの魂を救済しようとする作家役で出演し、映画に確かな重みを与えています。

映画『この世の果て、数多の終焉』の作品情報

【日本公開】
2020年(フランス映画)

【原題】
LES CONFINSDU MONDE

【英題】
TO THE ENDS OF THE WORLD

【監督】
ギョーム・二クルー

【キャスト】
ギャスパー・ウリエル、ジェラール・ドパルデュー

【日本語字幕】
手束紀子

映画『この世の果て、数多の終焉』のあらすじ

第二次世界大戦末期、仏領インドシナの戦場。

大量虐殺をただ1人、生き延びたフランス人兵士。傷ついた魂が行き着く果てとは―。

1945年3月、フランス領インドシナ。現地に進駐していた日本軍がクーデターを起こし、それまで協力関係にあったフランス軍に一斉攻撃を仕掛けました。

駐屯地での殺戮をただひとり生き延びた青年兵士ロベールは、兄を殺害したベトナム解放軍の将校ヴォー・ビン・イェンへの復讐を誓い、部隊に復帰すします。

しかし険しい密林でのゲリラとの戦いは苛烈を極め、憎きヴォー・ビンの居場所は一向につかめません。

その悪夢のような日々のなか、マイというベトナム人の娼婦に心惹かれるロベールでしたが、復讐の怨念に駆られる彼はもはや後戻りできなくなっていました。

やがて軍規に背く危うい行動を繰り返し、理性を失ったロベールは、さらなるジャングルの奥地に身を投じていき…。

まとめ

知られざる、植民地支配の闇。それは人間が人間でいられなくなる狂気の地獄。

心身共にずたずたに傷ついた主人公の“行き着く果て”はどこなのか、最後までまったく目が離せません。

映画『この世の果て、数多の終焉』は2020年8月15日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開です。



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