Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2019/03/26
Update

南沙良映画『もみの家』あらすじとキャスト・公開日情報。坂本欣弘監督が富山県の四季を映す

  • Writer :
  • 石井夏子

映画『もみの家』製作及び公開決定

ブルーリボン賞新人賞他数々の新人賞を受賞した、若手実力派女優の南沙良を主演に迎える、坂本欣弘監督の最新映画『もみの家』の製作及び公開が決定しました。

事情を抱えた若者の自立支援施設を舞台にした本作は、富山県で先行ロードショーののち、2020年3月20日(金・祝)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開です。

主演女優・南沙良とは


©「もみの家」製作委員会

主演の南沙良は、いま一番活躍が期待される若手女優です。

2002年6月11日生まれ、神奈川県出身の南沙良。

2014年に第18回nicolaモデルオーディションのグランプリを受賞しました。

雑誌「nicola」専属モデルとして活躍する一方で、女優としても目覚ましい活躍を見せています。

初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(2018/湯浅弘章監督)でうまく自分の気持ちを言葉にすることが出来ない志乃を溢れるエネルギーで演じ抜き、鮮烈な印象を残しました。

同作で第61回ブルーリボン賞新人賞を受賞したほか、第43回報知映画賞新人賞、第33回高崎映画祭最優秀新人女優賞(共にW主演のひとりとして)を受賞。

さらに松坂桃李ほか豪華キャスト出演の2019年5月公開作『居眠り磐音』(本木克英監督)にも名を連ねています。

本作では、実年齢と同じ16歳の、心に悩みを抱え不登校になってしまう主人公、本田彩花を体当たりで演じる南沙良。

“もみの家”での出会いや経験を通し、めぐる季節と共に成長していく等身大の姿が描かれます。

南沙良のコメント

主演女優、南沙良は本作への想いを以下のように語っています。

初めて脚本を読ませていただいたとき、その美しい風景がなんの苦労もなくイメージとして心の中に広がりました。
私が演じる彩花はきっと何かを強制する空気を窮屈に感じていて、自分で自分にロープを巻いているんだな、と思いました。
撮影の初めの頃は、ずっと出口のないトンネルを歩いている気分でした。
お芝居ができる嬉しさと同時に、彩花に対して少し近親憎悪に似た感情が生まれて、足並みを合わせていくのが大変でした。
ですが一年を通し、自然に恵まれた環境の中、出会いと別れの眩しさや無数の刹那を強く感じ自分の中に取り込んでいくことで、自分も変化することがあると思えるようになりました。
作品を通したくさんの希望と優しさをお伝えできたらいいなと思っています。

読んだだけで風景がイメージできる、脚本家の北川亜矢子の描写力と、南沙良の想像力。

そのふたつが組み合わさり、本作が豊かに膨らんで行くさまが手に取るように伝わってきます。

役とともに前に歩みを進めて行く南沙良に注目です。

実力派俳優が脇を固める


©「もみの家」製作委員会

南沙良を支えるのが、緒形直人と田中美里。

近年では『万引き家族』(2018)『散り椿』(2018)などに出演する緒形直人が、不登校、問題を抱えた若者を受け入れ自立を支援する施設“もみの家”の経営者であり大黒柱の佐藤泰利を演じます。

田中美里は、泰利の妻・恵役。NHK連続テレビ小説『あぐり』でヒロインを務め、近年では映画『二宮金次郎』(2019)『山中静夫氏の尊厳死』(2019)などに出演、さらに声優としてもナレーションや吹き替えなどジャンルを越え幅広く活躍しています。


©「もみの家」製作委員会

佐藤夫婦は優しさと大きな愛で彩花をはじめとした“もみの家”の寮生たちを見守り続けています。

監督・坂本欣弘について

『真白の恋』(2017)で鮮烈なデビューを果たした坂本欣弘監督。

主人公・真白のつたない恋心の機微を自身の出身地・富山の美しい風景と共に丹念に映し出し、第32回高崎映画祭 新進監督グランプリ、なら国際映画祭や福井映画祭で観客賞を受賞など、国内映画祭、映画ファンの心を鷲掴みにしました。

大学在学中には、映画監督の岩井俊二が主宰するplay worksにシナリオの陪審員として参加しています。

その後、冨樫森や呉美保らのもとで助監督として活動しました。

『真白の恋』からタッグを組む脚本の北川亜矢子と共に、再びオリジナル脚本の映像化に挑みます。

参考映像:『真白の恋』予告編

監督・坂本欣弘のコメント

映画『もみの家』を撮影中の坂本欣弘よりコメントが届きましたのでご紹介します。

美しく広がる富山の散居村を舞台に、四季を感じながら映画「もみの家」を撮っています。
主人公彩花と「もみの家」のメンバーのみんなの一年という時間がこの映画の中にしっかりとした息遣いとして映し出されています。
そして彩花の繊細な感情を南さんが見事に演じてくれ、とても優しい温かい映画になると思います。
撮影はまだ残っていますが、完成まで期待してお待ちください。

移ろいゆく四季とともに、登場人物の心境の変化を丁寧に描いている様子が窺えますね。

富山の美しい風景と、監督が絶賛する南沙良の演技を楽しみに完成まで待つことにします!

映画『もみの家』の作品情報


©「もみの家」製作委員会

【日本公開】
2020年(日本映画)

【監督】
坂本欣弘

【脚本】
北川亜矢子

【キャスト】
南沙良、渡辺真起子、二階堂智、菅原大吉、佐々木すみ江、島丈明、上原一翔、二見悠、金澤美穂、中田青渚、中村蒼、田中美里、緒形直人 

映画『もみの家』あらすじ


©「もみの家」製作委員会

心に問題を抱えた若者を受け入れ共同生活を送る“もみの家”に、16歳の本田彩花がやってきました。

不登校になって半年、心配する母親に促され俯きながらやってきた彩花に、“もみの家”の主・佐藤泰利は笑顔で「よろしくな、彩花」と声をかけます。

周囲に暮らす人々との出会いや豊かな自然、日々を過ごす中で感じ取った大切な“なにか”に突き動かされ、息苦しい時間を過ごしていた彩花は少しずつ自らの気持ちと向き合あっていき…。

まとめ

©「もみの家」製作委員会

坂本監督のデビュー作『真白の恋』同様に、本作もまた、監督の生まれ育った富山でのロケを敢行し、春夏秋冬それぞれの季節と人間模様を実際に一年間掛けて丁寧に撮影中。

すでに大半を撮影し終え、2019年春にクランクアップ予定だそうです。

注目を集める坂本欣弘監督の思いがこもった原案を、名コンビである北川亜矢子が脚本化し、旬な主演女優南沙良に加え、緒形直人、田中美里ら名俳優達が脇を固め映像化しました。

2020年春、心揺さぶられる温かな物語が誕生します。

映画『もみの家』は2020年3月20日(金・祝)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開です。

それに先駆け、富山県の映画館、TOHOシネマズファボーレ富山、TOHOシネマズ高岡、JMAXシアターとやまで先行ロードショーされます。

こうご期待!


関連記事

新作映画ニュース

《動画で見る瀧内公美インタビュー》女性が#MeTooやセクハラを描く意味を考えた作品【映画『蒲田前奏曲』】

YouTube動画で見る瀧内公美インタビュー取材 中川龍太郎、穐山茉由、安川有果、渡辺紘文という4人の監督による連作スタイルの長編映画『蒲田前奏曲』。今回は、第3番安川有果監督「行き止まりの人々」をご …

新作映画ニュース

新海誠新作『天気の子』あらすじと主題歌。RADWIMPSの映画音楽が作品と調和する

映画『天気の子』は2019年7月19日(金)全国公開 (C)2019「天気の子」製作委員会 新海誠監督の3年ぶりの映画となる最新作『天気の子』。 2019年7月19日の公開に先駆けて、本編映像を使用し …

新作映画ニュース

シルヴェスター・スタローン映画『大脱出2』あらすじとキャスト。2019年公開決定!

シルヴェスター・スタローン主演作!『大脱出2』は、2019年3月新宿バルト9ほか全国ロードショー。 あの脱獄のプロが帰ってきた!全世界待望のプリズン・ブレイク・アクション第2弾。 © 2018 GEO …

新作映画ニュース

大阪アジアン映画祭2019のチケット発売開始!エントリー作品の選定と登壇ゲスト情報

第14回大阪アジアン映画祭のチケット購入方法やイベント情報 2019年3月8日(金)から3月17日(日)まで開催される、第14回大阪アジアン映画祭。 第14回大阪アジアン映画祭のチケットは、2月23日 …

新作映画ニュース

スティーヴン・キング生誕祭!映画『ドクター・スリープ』特別映像にはシャイニングの痕跡が

72歳の誕生日を迎える巨匠S.キング、圧巻の筆力に絶賛の声が続々と。 1974年の『キャリー』を皮切りに、『シャイニング』(1980年)、『デッドゾーン』(1983年)など、ベストセラー小説が続々と映 …

U-NEXT
【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学