Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ラブストーリー映画

映画『ソング・トゥ・ソング』ネタバレ感想と結末までのあらすじ。大人の恋愛不器用な恋愛ラブストーリーをルーニーマーラらが美しき映像が彩る“孤独の果ての愛”

  • Writer :
  • 菅浪瑛子

『名もなき生涯』『ツリー・オブ・ライフ』『天国の日々』のテレンス・マリック監督作品『ソング・トゥ・ソング』。

ルーニー・マーラ、ライアン・ゴズリング、マイケル・ファスベンダー、ナタリー・ポートマンと豪華キャストを迎え、男女の交錯する恋愛模様を美しい映像と音楽で映し出すラブストーリー。

メインの豪華キャスト陣に加え、リッキー・リー、イギー・ポップ、パティ・スミス、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなどミュージシャンたちも出演し、多彩な音楽とともに映画を彩ります。

名作を生み出してきた巨匠テレンス・マリックと、アカデミー賞を3度受賞した名カメラマン、エマニュエル・ルベツキが織りなす美しい映像と音楽がエモーショナルな世界観を作り上げる美しくも切ないラブストーリーをご紹介します。

映画『ソング・トゥ・ソング』の作品情報


(C)2017 Buckeye Pictures, LLC

【日本公開】
2020年(アメリカ映画)

【原題】
Song to Song

【監督・脚本】
テレンス・マリック

【キャスト】
ルーニー・マーラ、ライアン・ゴズリング、マイケル・ファスベンダー、ナタリー・ポートマン、ケイト・ブランシェット、ホリー・ハンター、ベレニス・マルロー、ヴァル・キルマー、リッキ・リー、イギー・ポップ、パティ・スミス、ジョン・ライドン、フローレンス・ウェルチ

【作品概要】
音楽の街、オースティンを舞台にルーニー・マーラ、ライアン・ゴズリング、マイケル・ファスベンダー、ナタリー・ポートマンといった豪華キャスト陣がそれぞれの幸せ、人生について模索する姿を演じます。

その脇にはケイト・ブランシェット、ホリー・ハンター、ベレニス・マルロー、ヴァル・キルマーなど名優が顔を揃えます。更にリッキ・リー、イギー・ポップ、パティ・スミス、ジョン・ライドン、フローレンス・ウェルチといった有名ミュージシャンらも出演。

監督を務めるのは『シン・レッド・ライン』(1998)、『ツリー・オブ・ライフ』(2011)など多数の名作を手がけたテレンス・マリック。カメラマンには『ゼロ・グラビティ』(2013)などで3度のアカデミー賞を受賞したエマニュエル・ルベツキ。

映画『ソング・トゥ・ソング』のあらすじとネタバレ


(C)2017 Buckeye Pictures, LLC

音楽の街、オースティン。フリーターのフェイ(ルーニー・マーラ)は成功した大物プロデューサーのクック(マイケル・ファスベンダー)と密かに付き合っていました。クックに誘われてパーティにやってきた売れないシンガーソングライターのBV(ライアン・ゴズリング)は、そこでフェイに出会い、惹かれていきます。

優しく、ありのままのフェイを受け入れてくれるBVと付き合いつつも、どこかで愛を信じられていないフェイはクックとの関係も続けてしまいます。

クックは恋愛をゲームかのように楽しみ、フェイを支配したがります。そしてBVと付き合う前にクックと付き合っていたこと、ずっと前から2人は知り合いであったことをBVに言うよ
うフェイに迫ります。

その一方で、クックはビジネスパートナーとしてBVを勧誘し、共に曲の製作を始めます。

フェイは過去のことは言えず、ただBVに「クックを信用しない方がいい」と伝えます。怪しむBVにクックは「俺を信用しろ」と言います。

しかし、クックはBVが製作した曲を自分名義で売り出し、権利を自分のものにしていたのです。

騙され、利用されたことを知るとBVは怒り、クックは俺のおかげで売れたと相手にしません。

そうしてクックとBVは決別し、BVは次第にフェイに対しても猜疑心を持ち始め、過去のクックとの関係について嫉妬し始めます。

BVの疑いの目に疲れつつも、BVと共にいたい気持ちの中で揺れ動くフェイ。フェイを信じられなくなったBVはもう無理だ、別れようとフェイに告げるのでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ソング・トゥ・ソング』ネタバレ・結末の記載がございます。『ソング・トゥ・ソング』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2017 Buckeye Pictures, LLC

BVと別れたフェイでしたが、クックと契約を交わしており、依然クックとの交流は続いていました。

道を見失い孤独の中で足掻くフェイは一人の女性ゾーイ(ベレニス・マルロー)と出会い、恋仲になります。

クックは名声など全てを手に入れているはずなのに、何かに渇望し続け、立ち寄った店で教師の夢を諦めウェイトレスとして働くロンダ(ナタリー・ポートマン)に出会います。

クックに口説かれたロンダは自分が手に入れられないものを持っているクック、そしてクックの住む別世界に魅了されていき、2人は結婚します。

最初は全てを手に入れ、自由に生きるクックに魅了されていたロンダですが、束縛をしない代わりに結婚しても女遊びはおさまらないクックにロンダは苦しめられていきます。

嫉妬と憎悪の果てにロンダは壊れ、自ら命を絶ってしまいます。かえってこないロンダを抱えクックは絶望に打ちひしがれます。

BVは恋愛をすることを躊躇っていましたが、聡明なアマンダ(ケイト・ブランシェット)に出会い、少しずつ恋愛に前向きになっていきます。結婚を考えていた矢先、BVの母に相応しくないと反対されてしまい、2人は破局してしまいます。

フェイはゾーイにもあなたの言うことが信用出来ないと言われ、またしても一人になってしまいます。

音楽を教えたりしている中で、あるパーティで再びBVに再会します。

時を経て自分にとって大切な人は誰か、自分にとっての幸せについて答えを見つけたフェイはもう2度とBVを離さないと決めました。BVは田舎に帰りシンプルなライフを始めることを決意し、フェイ共に歩み始めたのでした。

映画『ソング・トゥ・ソング』感想と評価


(C)2017 Buckeye Pictures, LLC

大人になりきれない、青春を引きずった大人たちの恋愛劇を描いた『ソング・トゥ・ソング』。主に描かれているのはフェイ(ルーニー・マーラ)、クック(マイケル・ファスベンダー)、BV(ライアン・ゴズリング)、ロンダ(ナタリー・ポートマン)の4人の恋愛模様ですが、その中でもフェイに注目して見ていきましょう。

フェイは16〜17歳位の頃にクックに出会ったと言っています。冒頭のフェイの独白では刺激的な恋じゃないと盛り上がれない時があった、というようなことを言っています。フェイにとってクックは成功者で、世間のこともあまり分かっていないフェイに世界を見せてくれる存在だったのではないでしょうか。

そして支配したがるクックと共に欲望のままに身を任せる関係性に溺れていたフェイにとってBVは真逆の存在であったと言えるでしょう。

優しいBVに対し、フェイは時折「愛が分からない」と言っています。そしてクックとの真実をBVに言えない後ろめたさから罪悪感を抱いている様子が伺えます。

BVの愛にこたえる資格が自分にはないとどこかで思い、クックとの関係に逃げたりするフェイの姿に共感を覚える人もいるかもしれません。

フェイが結婚し、子供産んだ姉たちのようになれない自分を嫌悪し、泣きながら父親に謝るシーンがあります。それは大人になりきれない、愛を信じられない自分に対する罪悪感と葛藤の現れなのかもしれません。

“愛”という不確かなものを前にして戸惑ったり、時にその温かみにほっとしたり…フェイは孤独と絶望、葛藤の果てに愛すること、愛されること、そのシンプルな答えにたどり着きます。

“これでいい”“これだ”そう思えるまでフェイは長い旅をしました。フェイの長い旅は観客である私たちにも“愛”とは“人生”とはと突きつけてきます。

まとめ


(C)2017 Buckeye Pictures, LLC

愛を信じきれないフェイ、愛しすぎるあまり疑心暗鬼になるBV、ゲームのように恋愛をし本気の恋をしないクック、クックと出会い愛と憎悪の果てに絶望するロンダ。それぞれの不器用な恋愛模様を美しい映像美で彩るエモーショナルなラブストーリー。

また、ミュージシャンらが本人役で出演し、音楽とともに語るそれぞれの人生観も4人の登場人物らの葛藤とあいまって観客に問いかけてきます。

4人の登場人物らの答えを探す旅と共に観客も旅をし、観終わった頃には少し世界が違って見えるかもしれません。

関連記事

ラブストーリー映画

映画『聖なるもの』感想と考察。岩切一空の向こう側の構造と系譜とは

映画『聖なるもの』は、4月13日(土)より、ポレポレ東中野ほか全国順次ロードショー! 岩切一空監督の渾身の一作となる本作のキャッチコピーは、“フェリーニ meets 庵野秀明!?”。 庵野監督といえば …

ラブストーリー映画

映画『君は月夜に光り輝く』あらすじネタバレと感想。キミツキで見せたヒットメイカー月川翔監督の手腕

映画『君は月夜に光り輝く』2019年3月15日(金)より公開。 佐野徹夜のデビュー作『君は月夜に光り輝く』を『君の膵臓をたべたい』『となりの怪物くん』『響―HIBIKI-』などの青春映画の新ヒットメイ …

ラブストーリー映画

【ネタバレ】ストロベリームーン|感想結末とラスト評価解説。當真あみ主演作映画の原作小説との違いは?“令和イチ泣ける恋愛小説”から描く青春の一生分の恋

余命半年の少女が恋をした!『ストロベリームーン 余命半年の恋』で描かれる少女の思いは? 余命半年と宣告された病気の少女が、高校1年生の春に体験する一生分の恋を描いた、芥川なおの純愛小説『ストロベリーム …

ラブストーリー映画

【ネタバレ】エッフェル塔 創造者の愛|あらすじ結末感想と評価考察。パリのシンボル塔完成の裏側に隠された愛の物語

エッフェル塔の名前の由来にもなった創設者ギュスターヴ・エッフェルの知られざる愛の物語 パリのシンボル、エッフェル塔。その制作を手掛けたのは、ニューヨークの「自由の女神像」の制作に協力し、名声を得たギュ …

ラブストーリー映画

『フィリピンパブ嬢の社会学』あらすじ感想と評価解説。接客業の女性たちの厳しい労働実態を純愛ラブストーリーに描く

映画『フィリピンパブ嬢の社会学』は2024年2月17日よりK’s cinema他で全国公開 原作者・中島弘象の実体験を基につづられた新書「フィリピンパブ嬢の社会学」を映画化したラブストーリ …

Cinemago|想像力の海へ、シネマダイビング。
ACT1|次の物語は、人からはじまる。
Cinemagoオンラインショップ|DVD・鑑賞チケット・オリジナルグッズ
『血を吸うスマトラオオコンニャク』
【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学