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Entry 2020/01/14
Update

オムニバス映画『おかざき恋愛四鏡』感想レビューと評価。宮本亮監督の「うわさのわれわれ」は噂話とそれに関わる男女を描いた群像劇

  • Writer :
  • 金田まこちゃ

映画『おかざき恋愛四鏡』は2020年1月24日(金)イオンシネマ名古屋茶屋ほか全国順次公開
若手の監督とキャストによる、4つの恋愛ストーリーを描いた、映画『おかざき恋愛四鏡』。

それぞれ違う作風を持つ個性豊かな4つの物語の中から、今回は、男女間の噂話をテーマにした、4作品の中でも挑戦的な作風となる『うわさのわれわれ』をご紹介します。

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映画『おかざき恋愛四鏡』とは


(C)おかざき恋愛四鏡
4人の若手監督が、全てのロケを愛知県岡崎市で敢行した、テーマも作風も違う4つの恋愛ストーリー。出演者には、オーディションで選ばれた7名の女優や、ファッションモデル、アイドル、ベテラン俳優など、さまざまな才能が集結。また、不思議な鏡で、それぞれの物語を繋ぐブリッジドラマに、名古屋・栄を拠点とするアイドルグループ「SKE48」の熊崎晴香と松本慈子が出演。双子ユニット「HANA&MOMO」の大崎ハナと大崎モモと、コミカルな演技を披露しています。

映画『おかざき恋愛四鏡』作品情報

【公開】
2020年 (日本映画)

【エグゼクティブプロデューサー】
渡辺未生

『うわさのわれわれ』

【監督・脚本】
宮本亮

【キャスト】
越智ゆらの、小越勇輝、織田美織、後藤龍馬、石田優奈、土許麻衣、茜結、結城あい、妹田佳奈子

【作品概要】
恋愛に関する噂話が、勝手にひとり歩きする様子と、それに関わる男女の表と裏を描いた群像劇。メインとなる登場人物の1人、朋代を、雑誌「Popteen」専属モデルも経験し、ツイッターのフォロワーはが約43万人以上の、人気モデル越智ゆらのが演じ、朋子の噂の相手になる、イケメンカメラマンを、ドラマや舞台で活躍する、注目若手俳優の小越勇輝が演じています。

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映画『うわさのわれわれ』の主な登場人物


(C)おかざき恋愛四鏡

田代朋代

表向きは無口な性格で、周囲には「何を考えているか分からない」という印象を持たれていますが、裏では関西弁で、本音をぶっちゃける女の子。

無口な表向きの部分が災いし、大林幹也へ、3年越しの片思いをしていると周囲に勘違いされています。

大林幹也

男前なカメラマン。

女好きな性格で、近いうちに結婚して引っ越すと噂されています。

炭野令和

大林幹也の友人で、真面目な性格。

幹也と組んで仕事をする事が多いが、名前を覚えられる事が少ない、印象に残らないタイプ。

近く結婚すると言われている幹也に、何やら思うところがあるようです。

和泉佳江

朋代の仕事仲間。

仕事に厳しいイメージがあり、仕事仲間からは恐れられています。

朋代の恋愛を、一方的に応援してます。

小坂杏奈

朋代の仕事仲間。

明るく無邪気な性格ですが、佳江のコバンザメのような存在です。

南久島真紀子

バーの経営者。

朋代とは同郷の友人で、本音を受け止めています。

コーコ

朋代とは同郷の友人。

真紀子同様、朋代の本音を受け止めています。

イケメンが好きで「イケメンが増えれば世界が良くなるという」と独自の思想を持っています。

映画『うわさのわれわれ』のあらすじ


(C)おかざき恋愛四鏡
男前のカメラマン、大林幹也は、女好きで近々結婚するという噂が流れています。

田代朋代は「3年前から幹也の事が好き」という噂が広まっており、仕事仲間の和泉佳江と小坂杏奈は、朋代の恋を一方的に応援しています。

「気持ちは伝えた方がいい!」「自分の気持ちに嘘をついちゃいけない!」と、佳江と杏奈の一方的な応援を受けた朋代は、半ば強制的に、夜の公園にいる幹也に、告白をしに行かされます。

ですが、朋代は告白には行かず、友人の南久島真紀子へ電話をし「好きなんか言ってへんし!黙ってたら設定どんどん盛られるやん!」と本心をぶちまけます。

真紀子への電話中に、佳江から画像が送られてきます。

そこに映っていたのは、幹也と女性が何やら揉めている様子の画像でした。

その直後、朋代は泣いている女性とすれ違います。

朋代は、友人の真紀子が経営するバーに向かい、真紀子と、お店にいたコーコに、幹也への本心と、佳江と杏奈への不満をぶちまけます。

ですが、真紀子は「思わせぶりな態度を見せてそれは酷い」と、朋代に伝えます。

真紀子は、世間知らずの面がある朋代を心配した様子でした。

一方、幹也は、結婚に向けて、引っ越しの荷造りをしていました。

荷造り中に、友人の炭野令和に「朋子と佳江と杏奈、誰なら抱けるか?」という話をします。

途中まで、幹也の話に付き合っていた炭野ですが、話を遮り「結婚をするなら、浮気はやめろ」と説教をし、幹也は戸惑います。

ですが、炭野にも実は秘密があり、朋代の恋を一方的に応援してきた、仕事に厳しいイメージを持つ佳江にも、誰にも話していない秘密があります。

噂話を巡る、本音と建前が交差する、男女の物語が行き着く先は?

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『うわさのわれわれ』感想と評価


(C)おかざき恋愛四鏡
表向きに広がる噂話と、その裏側の本音や真実、隠し事が交差する『うわさのわれわれ』。

本作は、噂話が生まれ、ひとり歩きする様子を、群像劇で見せる挑戦的な作品です。

物語の序盤は、無口な性格から、勝手に「大林幹也に片思いをしている」という設定を作られた田代朋代が、実は裏では関西弁丸出しで、本心を友人にぶちまけていたという、建て前と本音、もっと言うと人間の裏と表を描いた展開から始まります。

次の展開では、朋代が想いを寄せているとされる、大林幹也にスポットが当たり、友人の炭野令和と朋代への一方的なイメージを語っていきます。

このように、噂話をする人間と、噂の対象になっている当事者が次々と変わっていくという、独特の展開を見せるのが本作の特徴です。

噂話というのは、断片的な人間のイメージのみで生まれる事が多く、全ての噂話には、真実や裏があるものです。

本作では、噂話の対象になった人の、本当の顔や、隠された真実なども見せており、噂話のいい加減な部分も見せています。

最後まで見た後で、序盤で朋代の恋を一方的に応援する、佳江と杏奈の様子をもう一度思い返すと、かなり可笑しくなってきます。

では「噂話は、いい加減なもの」と軽くあしらって良いのでしょうか?

実はそうでもないという部分が、本作のラストで描かれていますので、そこにも注目して下さい。

まとめ


(C)おかざき恋愛四鏡
本音と建て前、人間の表と裏を描いた本作は、物語が展開される舞台にも注目です。

特に「岡崎公園」は、昼と夜のシーンがあるのですが、それぞれ別の顔を見せており、展開される物語も夜は「別れ」、昼は「出会い」という、対照的なエピソードである事が印象的で、まるで人間の表と裏を表現したように感じます。

本作は人間の表と裏を描いた物語ですが、作品全体は軽快なテンポとなっています。

特に会話シーンのテンポが秀逸で、朋代と真紀子、コーコの同郷3人組が関西弁で巻き起こす、バーでの会話はリズミカルで楽しい場面となっています。

また、本作のラストで幹也が浴びせられる、ある一言は、かなりの名言となっていますので、お聞き逃しのないように。

本作は、群像劇で、会話のテンポも速く、一回では全部を把握できないかもしれませんが、後でいろいろ思い返すと、作品の味わいが深くなっていきます。

過去に「勝手に誰かを好きだという事にされた」経験のある方は、間違いなく共感できる物語です。

映画『おかざき恋愛四鏡』は2020年1月24日(金)から、イオンシネマ名古屋茶屋ほかで、全国順次公開です。

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