Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ラブストーリー映画

映画『つかのまの愛人』あらすじとキャスト。フィリップ・ガレル監督のプロフィール紹介も

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

映画『つかのまの愛人』は、8月18日(土)より31日(金)までシネマヴェーラ渋谷にて限定公開決定!

『ジェラシー』や『パリ、恋人たちの影』に続く、映画『つかのまの愛人』。

フィリップ・ガレル監督が自ら“フロイド的三部作”と名付けたシリーズでは、女性たちの無意識や欲望、そして苦悩。

恋愛にまつわる様々な感情とふるまいに迫っていく野心作。ひとりの男をめぐる女たちの奇妙な共犯関係とは?


© 2016 Guy Ferrandis / SBS Productions

映画『つかのまの愛人』とは


© 2016 Guy Ferrandis / SBS Productions

フィリップ・ガレルの最新作『つかのまの愛人』(原題:l’Amant d’un jour)が、8月21(土)よりシネマヴェーラ渋谷にて限定公開されることが決まりました。

本作は撮影監督に『今宵かぎりは』(1972)などで、ダニエル・シュミット監督と組んだことで知られるレナート・ベルタ。

また、『昼顔』『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』など、ルイス・ブニュエル作品の脚本家としても知られるジャン=クロード・カリエールが共同脚本。

さらにフィリップ作品の『ジェラシー』『パリ、恋人たちの影』で、音楽担当でタッグを組んだジャン=ルイ・オベール、といったフランス映画界を牽引してきた名匠たちがスタッフに顔を揃えています。

そのほか、フィリップ監督が教鞭をとる国立高等演劇学校の教え子だったルイーズ・シュヴィヨット、ガレルの実の娘エステール・ガレルという俳優たちが、ともにつくりだしたガレル監督の新境地ともいえる作品。

また、本作公開に合わせ公開劇場であるシネマヴェーラ渋谷では、絡みあう恋愛の連立方程式を学ぶ2週間として特集上映「愛の力学“彼と彼女と彼”あるいは 彼女と彼と彼女」を開催されますので、映画ファンのあなたなら注目ですよ。

映画『つかのまの愛人』の作品情報


© 2016 Guy Ferrandis / SBS Productions

【公開】
2018年(フランス映画)

【原題】
L’amant d’un jour

【脚本・監督】
フィリップ・ガレル

【キャスト】
エリック・カラヴァカ、エステール・ガレル、ルイーズ・シュヴィヨット

【作品概要】
現代の恋愛を描いた『ジェラシー』と『パリ、恋人たちの影』に続く、フィリップ・ガレル監督が自ら“フロイド的三部作”と名付けたシリーズの完結編。

女性たちの無意識や欲望、苦悩を描いた恋愛にまつわる感情に迫る野心作。

フィリップ・ガレルのプロフィール

参考映像:『灼熱の肌』(2011)

フィリップ・ガレルは1948年4月6日パリ生まれ。

1968年の19歳の時に制作した『Marie pour mémoire(記憶すべきマリー)』が、イエール映画祭でヤングシネマ賞を受賞。俳優ミシェル・シモンに称賛されます。

その後、ポップアートの旗手アンディー・ウォーホルの映画『チェルシー・ガールズ』に感銘を受けて渡米。彼の構えるファクトリーと呼ばれるスタジオに集う人たちと交流を持ちます。

そこでヴェルヴェット・アンダーグラウンドの歌姫であったニコと出会い、主演に7本の作品を制作します。

1974年に『孤高』ではニコととも商業映画から離れていたジーン・セバーグも迎えて映し出しました。

1979年に『秘密の子供』で商業映画に復帰すると、本作は1982年に第32回ジャン・ヴィゴ賞を受賞します。

1983年に、父モーリスを主演の『自由、夜』で、第37回カンヌ国際映画祭のフランス映画の展望部門にてグランプリを受賞。

その後も、1988年にニコの突然の死を知ったフィリップ監督は、彼女との生活や別離、そして死をテーマにした、『ギターはもう聞こえない』を1990年に発表すると、第48回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞します。

その後も、1993年に『愛の誕生』、1996年に『彷徨う心』でも、ニコの死後も生きるフィリップ自身の人生が語られ続けます。

1999年に大女優カトリーヌ・ドヌーブから要望を受け、彼女を主演に『夜風の匂い』を制作。

2000年代に入りると、2001年の『白と黒の恋人たち』で第58回ヴェネツィア国際映画祭にて国際映画批評家連盟賞を獲得します。

『恋人たちの失われた革命』は主演の息子ルイ、父モーリスのほか、ブリジット・シィ、キャロリーヌ・ドリュア=ガレル、オーレリア・アルカイスなど集結させた作品で、第62回ヴェネツィア国際映画祭にて、2度目となる銀獅子賞を獲得。

そのほか、ルイ・デリュック賞やリュミエール賞の監督賞、ヨーロッパ映画賞の国際映画批評家連盟賞など、多数の賞を受賞しています。

映画『つかのまの愛人』のあらすじ


© 2016 Guy Ferrandis / SBS Productions

アリアンヌは3ヶ月ほど前から哲学教師のジルと付き合っていました。

しかしジルには、アリアンヌと同じ歳の娘ジャンヌがいました。

その娘ジャンヌは初めて人生での大きな恋愛の終わりに絶望を抱え、父親の元に身を寄せていました。

ジャンヌは歳の近い父親の恋人アリアンヌと、やがて親しくなっていきます。

そこで愛することや女性として欲望について互いの価値観を語り合っていきますが…。

映画『つかのまの愛人』の感想と評価


© 2016 Guy Ferrandis / SBS Productions

『ギターはもう聞こえない』(1991)『恋人たちの失われた革命』(2005)で、ヴェネチア国際映画足銀獅子賞を獲得し、1960年代から現在まで途切れることなく、意欲的な作品を発表し続けるフランスの名匠フィリップ・ガレル監督。

ヌーヴェル・ヴァーグの映画作家のジャン=リュック・ゴダールやフランソワ・トリュフォーなどから影響を受け、ポスト・ヌーヴェルヴァーグの1人とされ、“ゴダールの再来”と呼ばれ、シネマテークの創設者のアンリ・ラングロワは、“ヌーヴェル・ヴァーグ以降で最も重要な作家の1人”と述べています。

本作品『つかのまの愛人』は、ガレル監督の最新作にして、『ジェラシー』(2013)『パリ、恋人たちの影』(2015)に続く、フィリップ自ら三部作する作品です。

モノクロームの静謐な映像に紡がれるのは、哲学教師の男と若い恋人、そして男の娘との奇妙な三角関係の顛末。

大学の教え子アリアンヌと同棲している哲学教師のジルのもとに、ある日恋人にフラれて自暴自棄となった娘ジャンヌが訪れ、3人の共同生活が始まります。

同い歳のジャンヌとアリエンヌは、愛や性欲、そしてジルには言えない秘密を打ち明け合います。

それは女たちの間に生まれた共犯関係にも似た奇妙な絆でした。しかし、父として、恋人として、それぞれの愛をジルに求めるふたりの間には、やがて友情だけではない感情が芽生え出します…。

若い女たちの欲望や嫉妬、生への執着がまざまざと活写された本作は、愛という根源的なモチーフを扱いながら、これまでにない女性描写で、あなたを魅了します。

まとめ


© 2016 Guy Ferrandis / SBS Productions

フィリップ・ガレル監督は、女性を“地上に影を投影する雲のようだ”と、例えて語っています。

「彼女たちは陽光が射すのを妨げ、そこにできた影は私たちをかすめ、周囲を動いていく。彼女たちが私たちに与えたもの、それは愛であり、それはもうここにはない」

このような詩的な語りのほかにも…。

「いま私が映画で探求しようとしていることは、女性のリビドーと男性のリビドーが同じ強さである」

熟した経験と思惟を感じさせる言葉も述べています。

あなたが映画を通して、“愛”について知りたい。

また、自己存在を見出したいと考えたとすれば、フィリップ・ガレル監督の作品に、その問いも答えも見い出せるかもしれません。

映画『つかのまの愛人』は、8月18日(土)より31日(金)までシネマヴェーラ渋谷にて限定公開決定!

ぜひ、お見逃しなく!

関連記事

ラブストーリー映画

映画『勝手にふるえてろ』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も

中学生の頃から思いを寄せている“イチ”と告白された同僚の“二”。 好きな人と好きになってくれた人の間で揺れる、不器用で精神不安定気味な女の子の恋の物語。 主人公良香の妄想力が炸裂している愉快な作品をご …

ラブストーリー映画

【映画ネタバレ解説】366日|結末/最後のシーン意味×美海は病気で死んだ?ハッピーエンドを超えた先の“太陽が沈んでも遺る陽だまり”

陽だまりがもたらす“美しい花”とは 沖縄出身のバンド「HY」の不朽の名曲をモチーフに、沖縄・東京という二つの地で20年の時を超えて綴られる純愛を描き出したラブストーリー映画『366日』。 ラブストーリ …

ラブストーリー映画

映画『ディナー イン アメリカ』ネタバレ結末あらすじと感想考察。ラブストーリーを孤独な少女とパンクなバンドマンで“純愛とは何か”を描く

超過保護な過程で育った孤独な少女が出会ったのは、好きなバンドのボーカルだった!? 俳優としても活躍するベン・スティラーがプロデュースを務め、アダム・レーマイヤーが監督を務めた異色のラブストーリー。 過 …

ラブストーリー映画

池松壮亮映画『君が君で君だ』あらすじ感想と評価レビュー解説。満島真之介と大倉孝二の共演で男たちの哀しいラブストーリー!

この愛は純情か、それとも異常か!? 松居大悟が監督・原作・脚本を担当した『君が君で君だ』は、7月7日(土)より、新宿バルト9ほか、全国で七夕ロードショーされます!! 映画『君が君で君だ』の作品情報 ( …

ラブストーリー映画

『男ともだち』映画原作ネタバレあらすじと結末の感想評価。千早茜(直木賞)小説が描く男女の“曖昧で確かな関係性”

男女間の友情は成り立つのか?  友情と恋愛のはざまで揺れる主人公を描く千早茜の名作が映画化に! 直木賞作家・千早茜が2014年に発表した『男ともだち』。 物語は、惰性で仕事をし意味のない複数の恋愛に逃 …

『還り花』
Cinemago|想像力の海へ、シネマダイビング。
ACT1|次の物語は、人からはじまる。
Cinemagoオンラインショップ|DVD・鑑賞チケット・オリジナルグッズ
『血を吸うスマトラオオコンニャク』
【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学