Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ラブストーリー映画

Entry 2021/08/20
Update

【ネタバレ】かぐや様は告らせたい2|結末感想と内容考察。ファイナルを迎える恋愛頭脳戦の勝者は誰だ⁈

  • Writer :
  • 星野しげみ

映画『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ファイナル』は2021年8月20日(金)より全国ロードショー!

映画『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ファイナル』は、赤坂アカによる同名ラブコメ漫画を実写映画化した『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦』の続編です。

互いに惹かれ合いながらも「自分から告白したほうが負けである」という呪縛からいまだに逃れられない白銀とかぐや。恋愛バトルの勝者になるのはどちらでしょう。

河合勇人が監督を務め、徳永友一が脚本を担当している本作は、河合勇人が監督を務めています。

前作に続いて会長・白銀御行を「King&Prince」の平野紫耀、副会長・四宮かぐやを橋本環奈が演じ、会計監査・伊井野ミコ役で「日向坂46」の影山優佳が映画初出演。

映画『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ファイナル』の作品情報


(C)2021 映画「かぐや様は告らせたい ファイナル」製作委員会 (C)赤坂アカ/集英社

【公開】
2021年(日本映画)

【原作】
赤坂アカ

【監督】
河合勇人

【脚本】
徳永友一

【主題歌】
King & Prince:『恋降る月夜に君想ふ』

【キャスト】
平野紫耀、橋本環奈、佐野勇斗、浅川梨奈、堀田真由、影山優佳、福原遥、板橋駿谷、高橋文哉、池間夏海、ゆうたろう、高嶋政宏、佐藤二朗

【作品情報】
赤坂アカの原作を映画化した『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ファイナル』は、前編と同じく生徒会長・白銀御行を「King&Prince」の平野紫耀、副会長・四宮かぐやを橋本環奈が演じ、河合勇人監督が取りまとめました。

前編『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦』(2019)は、観客動員数180万人を超えるヒットを記録。2人の最終決戦が見たいという声に応え、続編にして完結編が出来ました。

会計監査・伊井野ミコ役で「日向坂46」の影山優佳が映画初出演。さらに、『羊とオオカミの恋と殺人』(2019)などに出演し、アニメ版で子安つばめ役の声優を務めた福原遥が、実写の今作にも同役で出演しています。

映画『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ファイナル』のあらすじとネタバレ


(C)2021 映画「かぐや様は告らせたい ファイナル」製作委員会 (C)赤坂アカ/集英社

将来を期待されたエリートたちが集う、私立・秀知院学園。最高ランクに位置する生徒会において、学園史上最も白熱する戦いとなった『第68期生徒会長選挙』。

頭脳明晰な白銀御行と、運動神経抜群の四宮かぐやの選挙戦は終結しましたが、2人の恋愛頭脳戦には決着がつかないまま幕を閉じています。

ラブなのか、ライクなのか。お互いの本当の気持ちがわからないまま、じれったい思いを抱える生徒会長御行と副会長かぐや。加えて、会計・石上優、書記・藤原千花。そして新メンバー・会計監査の伊井野ミコが加わり、再び生徒会は集結します。

お互いに好き合っていると思えるものの、未だ「告白したほうが負けである—!」という呪縛から逃れられない、御行とかぐやは、神聖なる生徒会室で、“いかにして相手に告白させるか”の恋愛バトルを、相も変わらず繰り広げています。

御行が他校との協議会に行くといえば、それは「合コンに参加だ」とあせるかぐや。しかし、かぐやが会場であるカラオケ店に直接行けば、御行が自分のことを好きなのでは?と思ってしまいます。

それはかぐやのプライドが許しません。なんとかして、向こうから告白させたいのです。

かぐやは、近侍早坂をカラオケ店に潜らせて、スパイのようなことをさせ、合コンカップル成立の危機を回避しました。

やがて近づく学園の2大イベント、「体育祭」と「文化祭」。

会計の石上がクラスで嫌われていることを知り、御行は石上を応援団に入部させ、アツい青春を謳歌させようとします。

しかし、石上が嫌われる理由となった昨年の暴力事件には、裏がありました。

石上は、自分に優しくしてくれた大友京子に秘かに憧れていました。京子の恋人であった荻野コウが、自分の友人たちに彼女をオモチャにさせようとしているのを知り、コウと取っ組み合いのけんかをします。

コウは石上に喧嘩の原因を黙っておかないと、京子の裸の写真をインターネットでばらまくと脅し、石上が片思いで逆切れして自分に襲い掛かったと、駆けつけたクラスメイトたちに言いました。

その時から、石上は普通じゃないと、クラスからはみ出した存在となったのです。

体育祭が始まりました。応援団に入って活動しても石上の気持ちは晴れません。そのうちに、怪我をした応援団長のかわりにリレーのアンカーで走ることになります。

事件の真相を知るかぐやは、生徒会メンバーにそのことを話し、御行は石上の頭にハチマキを巻いて励まします。

気を取り直した石上は、一生懸命にアンカーをつとめ、2位でゴールインしました。思いもかけずに応援団のメンバーが駆け寄って喜んでくれ、石上も嬉しくなりました。

石上をささえた御行の存在を頼もしい思いで、かぐやは見つめていました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ファイナル』ネタバレ・結末の記載がございます。『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ファイナル』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

体育祭が終わると、次に待っているのは文化祭。

お互いに告白をさせたい御行とかぐやは、文化祭でのチャンスを狙います。

準備で忙しい夜、学校の屋上には大きな月が出ていました。「月に攫われた人がいるから私は月が嫌い」と言うかぐやに、御行は「かぐや姫の話だろ?」と言います。

かぐや姫が月に帰るときに、愛した男性に手渡したのは、不死の薬。いつまでも長生きしてね、の想いが込められた薬を、男性はかぐや姫がいない世界で生きていても仕方がないと、燃やしてしまいます。

御行はこの男はかぐや姫の本当の気持ちをわかっていないと言いました。絶対に死なないということは、月に行ける時代まで生きて迎えに来て欲しいという意味を含んでいるんだと。

「おれがその男性だったら、なんとしてでも生きて、かぐやを迎えに行く」。

何度も熱っぽく語る「かぐや」の名前に、四宮かぐやは自分のことのように感じ、「もう、恥ずかしいからやめて」と言って立ち去ります。

なぜ、四宮かぐやが立ち去ったのかわからない御行でしたが、やがて「かぐや」の名前に気がついて、一人であせりまくりました。

はたで観ているとじれったい2人は、そのままの状態で文化祭を迎えました。

この文化祭には、文化祭で‟ハートの贈り物をすると永遠の愛がもたらされる”という伝説がありました。

文化祭で売られるスイーツなどと一緒に、ハートのキーホルダーがたくさんあったのもそのためです。

かぐやはもちろん、石上までも、ハートのキーホルダーを手に取りそっと隠し持ちます。

そして文化祭1日目が終了したころ、文化祭のために用意したハート型の風船がすべて盗まれました。

「アルセーヌ」と書かれた置手紙があり、ミステリー好きの藤原は井伊野を連れて犯人探しに夢中になります。

文化祭の名イベント、キャンプファイヤーが始まるころ、かぐやは御行を探し出します。

黒マントに身を包んだ御行。彼こそが「アルセーヌ」であり、ハート型風船を盗んだ犯人でした。

学校の屋上で、隠してあったハート型風船を一斉に空に飛ばし、かぐやに対して、サンフランシスコの有名大学に合格したことを告げます。

そして、「おまえも同じ大学を受けて、俺と一緒にサンフランシスコに行こう」と言いました。

しかし、かぐやは「ごめんなさい。進路は父の命令で内部進学なの」と言い、その場を去りました。次の日から、かぐやは行方不明になりました。

それから4カ月。

御行は貨物船にのってサンフランシスコに行きました。おそるおそる新天地となる大学に行くと、なんと、その大学の生徒会長室に、四宮かぐやがいたのです。

文化祭のあの時から、かぐやは留学するために作戦を練っていたのです。

わざと行方不明になり、御行をじらせるだけじらせて、颯爽と大学での再会に現れました。

「そんなに好きなの」「それはそっちだろ」。

どうでもいい言い訳をしながら、いつものように本心を隠すような口喧嘩を始めたとき、御行はふと真面目な顔つきで、「おれは四宮かぐやを愛してる」と言いました。

ついに告らせたと思うかぐや。最終決戦に決着がついたようです。

映画『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ファイナル』の感想と評価


(C)2021 映画「かぐや様は告らせたい ファイナル」製作委員会 (C)赤坂アカ/集英社

恋愛は駆け引きなしの一騎打ち

前作に引き続き、白銀御行を「King&Prince」の平野紫耀、副会長・四宮かぐやを橋本環奈が演じた本作。

白銀御行と四宮かぐや。お互いに気になる存在なのに好意を口に出して言えない、プライド高い2人の恋愛頭脳戦が展開します。

「愛してる」と、たった一言口にするだけで良いのですが、言ってしまってからどんなことが起こるのか、どんな顔をすればいいのかと先のことが気になって言えません。

青春真っ只中特有の妄想も映像にふんだんに盛り込まれ、主役2人の恋愛感情のじれったさを増長させる展開に、ニヤリとしたり、吹き出したり……。

どちらも相手からの告白を待っていました。文化祭を独り占めしての告白大作戦だったり、自身の存在を無くしての喪失心理作戦だったりと、告らせるため、あの手この手の作戦を練ります。

頭の良い主役たちだからこそできる頭脳作戦ですが、やはり恋愛は一騎打ちなのです。

告白した方が負けと思っている2人は、負けたくない一心でミエも嘘もつきますが、ファイナルを告げるフレーズを口にする勇気を持っている方が、本当の勝者と言えます

学園ストーリーを彩るキャストたち

好きなのになかなか告白出来ない2人をはじめ、彼らを取り巻く友人たちのキャラも印象深いものです。

本作では前編からのメンバー、佐野勇斗、浅川梨奈、堀田真由に日向坂46の影山優佳が加わりました。

新参入メンバーによって、浅川梨奈演じる藤原千花と影山優佳演じる井伊野ミコの、きゃぴきゃぴと騒がしい謎解きコンビが出来上がり、作品に花を添えました。

さらに、アニメ版で子安つばめ役の声優を務めた福原遥が、本作でも「子安つばめ」として出演。癒し系の温かな笑顔に恋心を抱いたのは、同じ応援団で知り合った生徒会の石上でした。

若手俳優に混ざり、ひときわ群を抜くいぶし銀のような存在は、四宮家お抱え医師の田沼正造に扮する佐藤二朗。

本作へのオファーがあったとき、出演条件として「堀田真由とラブシーンを作ること」を出したところ、それらしきシーンが用意されたといいます。佐藤二朗念願のラブシーン、お見逃しなく。

まとめ


(C)2021 映画「かぐや様は告らせたい ファイナル」製作委員会 (C)赤坂アカ/集英社

「King & Prince」の平野紫耀と橋本環奈が主演する『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ファイナル』。

いつ告白するのか、全く読めない2人の恋愛攻防戦です。お互いにありったけの知恵を絞って作戦を練り、相手から告らせようとし、そして、ファイナルへ。

罠も策略もいっぱい出てくる本作の中での真実の言葉。それは、真の愛を語る“かぐや姫物語”と同様に、気持ちよくハートに響くものでした

好きな人がいるならば、そのハートはどう射止めるのか。かぐや様ではない一般庶民は、真心で体当たりするしかないという結論もみえました。

作品主題歌は、「King&Prince」の『恋降る月夜に君想ふ』。エンドロールは生徒会メンバー全員でのダンスシーン。

長々と続いた恋愛頭脳戦争を楽しく締めくくっています。




関連記事

ラブストーリー映画

韓国映画チーズ・イン・ザ・トラップ|あらすじとキャスト。パク・へジン再び主演へ

映画『チーズ・イン・ザ・トラップ』は、7月14日(土) シネマート新宿、シネマート心斎橋にてロードショー。 大ヒットドラマ×主演パク・ヘジンのタッグ再び!キケンな先輩と不器用女子のハラハラドキドキの胸 …

ラブストーリー映画

『流浪の月』原作小説ネタバレと結末の感想考察。誘拐事件の被害者と加害者というレッテルを貼られた‟ふたり”の真実の愛

映画『流浪の月』が広瀬すずと松坂桃李主演で2022年5月13日(金)に全国公開! 2020年の本屋大賞に輝いた凪良ゆうの小説『流浪の月』は、誘拐事件の“被害女児”だった女性と、その事件の“加害者”とさ …

ラブストーリー映画

池松壮亮映画『君が君で君だ』あらすじ感想と評価レビュー解説。満島真之介と大倉孝二の共演で男たちの哀しいラブストーリー!

この愛は純情か、それとも異常か!? 松居大悟が監督・原作・脚本を担当した『君が君で君だ』は、7月7日(土)より、新宿バルト9ほか、全国で七夕ロードショーされます!! CONTENTS映画『君が君で君だ …

ラブストーリー映画

映画『ベイビーティース』感想解説と考察。ラストまでエリザ・スカンレンの演技力と家族愛に泣ける感動作!

映画『ベイビーティース』は、2021年2月19日(金)よりロードショー。 前衛的な世界観で少女の最初で最後の恋をヴィヴィッドに描き出した、シャノン・マーフィ監督長編デビュー作『ベイビーティース』。 『 …

ラブストーリー映画

『隣人X』映画原作ネタバレあらすじ感想と結末の評価解説。ジャンルはSFかラブストーリーか?パリュスあや子の異色のミステリーロマン

パリュスあや子の『隣人X』が待望の映画化決定! 『隣人X』(パリュスあや子著)は、第14回小説現代長編新人賞を受賞した作品です。 地球へ逃れて来た「惑星難民X」を日本政府も受け入れることにします。地球 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学